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鉄拳2 - (2012/09/19 (水) 21:04:18) の編集履歴(バックアップ)


鉄拳2

【てっけんつー】

ジャンル 3D格闘アクション
対応機種 アーケード(SYSTEM11)、プレイステーション、その他*1
発売・開発元 ナムコ
稼動開始日 1995年8月
発売日 1996年3月29日
定価 5,800円
廉価版・配信 PlayStation the Best:1998年3月12日/2,940円
ゲームアーカイブス:2006年11月22日/600円*2
鉄拳シリーズリンク

概要

3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズの2作目。
初代『鉄拳』のアーケード稼動から8ヶ月、家庭用発売からは5ヶ月という異様なハイペースで続編が発表された。
短期間ながらもその進歩はめざましく、前作を楽しんでいたユーザーが飽きる暇も無いほどであった。
一度バージョンアップしてバランス調整を施し*3(ver.β)、それをベースとして家庭用が発売されている。アップデート実施は稼動からたったの2ヶ月で、フットワークの軽さは賞賛された。
プレイステーション史上初のミリオン達成ソフトであり、プレイステーションの地位を向上させた立役者的作品の1つと言える。

システム

システム周りに関しては前作に準じているため、ここでは主な追加点を挙げていく。

  • 起き上がりの攻防における選択肢の追加
    • 前作では基本的に横軸の概念がほとんど無く(厳密にはあるのだが、実戦で意味があるものではない)、ダウンしている側にとってはどうしても攻撃が確定してしまう場面が多かった。そこに横転起き上がりが追加されたことによって、安易な追撃を回避できるようになった。
    • 起き上がり時の反撃のキックに下段蹴りが追加された。安易に近づく相手に逆に二択を仕掛けられるようになり、追撃する側にも一定のリスクを負わせた。
    • クイック起き上がり(ガード方向にレバー入力+RPボタン連打)が追加。これによりダウン追撃はかなり制限されるようになった。
    • 攻める側も、一定歩数以上走ることによって「踏みつけ(ダウン中の相手にもヒット)」「ショルダータックル(全身無敵+ガード不能)」が出来るようになった。ダウン側も安易に起き上がるだけではショルダータックルで更に追撃を受けることもあるため、起き上がりの攻防に奥深さが増した。
  • キャラクター
    • 新キャラクターとして「風間準」「レイ・ウーロン」を始めとして中ボス用のキャラクターも更に追加した。これによって登場キャラ数はコンパチキャラを含めると合計25人と大所帯になっている。現在もこの大所帯は続いており、『鉄拳』シリーズ=キャラ多すぎと言われるのは既にここから始まっていた。ちなみに前作では18人。
  • タイムリリース制
    • 一定の条件を満たすことで中ボスキャラが次々と解禁されていくようになった。これは格闘ゲームどころかゲーム史上初の試みである。
      本作では「一定以上の使用率があるキャラの中ボスから順に解禁」となっていた。しかし営業する店舗によって差が出やすいことから、以後は稼働時間による解禁へと変更されている。家庭用では対応するキャラをアーケードモードでクリアすることで解禁。
  • 投げ関連
    • 投げ抜けが実装されたが、抜けられるのは「右投げ、左投げ、投げコンボの派生」の3つだけで、他の投げについては相変わらず投げ抜けが出来ない。
      使われる投げは大抵コマンド入力を要する投げ(投げ抜け不可)なので、意味があまりないものになっている。投げ抜けの受付時間も非常に短く、狙って出来るレベルとは言い難い。
    • 背面投げ(相手の背中を取っての投げ)が追加。前作では背中側から投げてもエフェクトが出るだけで投げられなかった。

家庭用

家庭用ではユーザーにとっての遊びやすさを追求した新要素が多く搭載された。現在の『鉄拳』シリーズの家庭用の基礎はここで最初の完成をとげる。

  • チーム対戦(最大で8対8)、サバイバルモード、タイムアタックなどを追加して、1人で遊ぶプレイヤーにも様々な遊び方を提示した。
  • プラクティスモードの追加
    • これが家庭用における一番の目玉だろう。当時はプラクティスモードを搭載した格闘ゲームが少なく、対戦モードを代用してコンボ練習をすることも多かった。
      これによって簡単に空中コンボや『鉄拳』シリーズの目玉である10連コンボの練習ができるようになった。また、不完全ではあるが技表もある。
      練習項目として相手の状態を立ちとしゃがみで切り替えたり、カウンターヒットさせることも可能。これによってコンボ練習が更に捗ることになった。
      家庭用で練習してアーケードに殴りこむための敷居を下げることに成功している。
  • 家庭用限定で頭部を大きくする「デカ頭モード」や「主観視点モード」など、実用面はともかくとしてお笑い要素も用意された。これは本作のみ。
  • アーケードと家庭用ではCPUの思考ルーチンに多少違いがあり、アーケードで通用していたハメ手が使えなくなった。
    • 例:相手ダウン、自分が立っている場合に相手の至近距離に立つと、相手は必ず「横転→起き上がりキック」という行動を取っていた。
      これを利用して起き上がり攻撃にカウンター攻撃を当てて更に倒すというのがアーケードにおけるタイムアタックの必須テクだったのだが、通じなくなっている。

評価点

  • ゲームシステムの積極的改良
    • 新システムの導入で、あからさまにハメくさい殺され方は少なくなった。一方的な攻め有利、守り有利という状況は少なくなっている。
  • 家庭用の豪華な内容
    • 前作では家庭用限定でクリア後にムービーが流れるようになっていたが、本作でもそれは健在な上に更に強化された。
    • その上で上記のような1人でも遊べる要素や練習をすることが出来るため、「対戦は苦手でも『鉄拳』は好き」というユーザーも楽しめる。
    • 楽しんでもらおうとするスタッフの心遣いは賞賛に値するだろう。これ以降、『鉄拳』の家庭用移植は豪華という印象がついた。

問題点

  • ゲームバランス
    • 相変わらず格闘ゲームのノウハウが乏しいナムコ製だけあってか、ゲームバランスについては難点も多い。強いキャラと弱いキャラの差が大きすぎる。
      • 特に問題視されたのは新キャラの「ブルース・アーヴィン」で、火力は高くガード崩しも最上級、その上コマンド入力も簡単という反則気味なキャラ。
        操作が難しいが極めれば強い三島家はともかく、あまりにも簡単で勝ちやすいため、当時のブルースの恐ろしさを忘れられない古参ファンも多い。
      • あまりにも強すぎたため、一部のゲーセンではローカルルールだがブルース使用禁止令まで出していた所もあったほど。

総評

  • 前作から1年以内で大幅にゲームを進化させたことは素直に素晴らしいことである。特にプラクティスモードなどのシステム面の基礎を完成させたのが大きい。
    アーケードでは相変わらず『バーチャファイター2』に押されていたが、家庭用から参入してきた層も加わり、2大派閥と言えるくらいのファンを定着させている。
  • ゲーム的にはまだまだ荒く、完成度の面でバーチャに遠く及ばない作品ではあったものの、2D格闘ゲームにおけるカプコンとSNKのように、セガとナムコのライバル関係は以後も続いていくことになる。