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新・光神話パルテナの鏡 - (2012/06/22 (金) 21:41:18) の編集履歴(バックアップ)


新・光神話パルテナの鏡

【しん・ひかりしんわぱるてなのかがみ】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 任天堂
開発元 プロジェクトソラ
発売日 2012年3月22日
定価 5,800円
プレイ人数 1人(通信プレイ時2~6人)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)

ストーリー

かつて悪逆の限りを尽くしていた冥界女王メデューサが25年の時を経て復活した。

"冥府軍"を率いて地上界、天界へと侵攻を開始するメデューサ。

これに対して立ち上がるのは、かつてメデューサと対の女神だったパルテナと、その使いであるパルテナ親衛隊長ピット。

飛べない天使が女神の奇跡を翼に受け、冥府軍を浄化するために天界から飛び立つ。

(公式サイトより引用)

概要

  • 前作から実に25年ぶりとなる完全新作。開発は桜井政博氏率いるプロジェクトソラが担当。
  • ジャンルは三人称視点のアクションシューティングに変更され、システムもほぼ一新されている。

基本動作

  • 基本動作はスライドパッドで「移動」、タッチペンで「狙い」、Lボタンで「攻撃」の3つ。
    • 照準の移動をタッチペンで行い、敵に狙いを定めて攻撃という流れ。攻撃は射撃と打撃の2種類が存在。
      • 射撃はLボタンを押しっぱなしでの連射、時間が経過すると発射可能になる溜め射撃の2種類に分かれる。敵に近づくと照準の形が変化し、この時Lボタンを押すと射撃が「打撃」になる。射撃または打撃でしか倒せない敵もいるので使い分けが大切。

神器

  • 本作におけるピットの武器。入手方法は「シングルプレイの宝箱から入手」、「マルチプレイのご褒美」など様々。
  • 神器の強さは「星の数」「スキル」「価値」という3つの要素から成る。
    • 星の数は射撃/打撃の強さを表し、数が多いほど(それぞれ最大6つ)威力が高い。
    • スキルは補助効果的な意味合いを持ち、射撃/打撃の威力を上げる、状態異常を付加する、耐久力を向上させるなど内容は様々。マイナスの効果を持つ物も。
    • 価値は星の数とスキルを詰め込める容量といった所。価値が高いほど、より多くの星や強力なスキルを詰め込むことができる。
  • 異なる2つの神器を融合して新たな神器を作り出すことも可能。融合で作った神器は、融合元の神器の星の数とスキルをある程度受け継ぐ。但し、理想の神器を作るにはそれなりにコツが必要。
  • 所持している神器を「タネ」にし、すれ違い通信で配布することが可能。神器はタネにしてもなくなることがない。入手したタネはハート(本作の通貨)を払って神器に戻したり、ハートに還元したり、タネ同士を融合して新たな神器を生み出したりできる。
  • 神器には兵装種と呼ばれる9種類のジャンルがあり、それぞれに12種類ずつ神器が存在する。兵装種の名称と大まかな性能は以下の通り。
    • 中には宝物庫の条件を満たさないと解禁されない神器もある。

撃剣

  • 射撃と打撃のバランスが取れたオールラウンダーな性能。そのため癖が少なく、初心者でも扱いやすい。 狙杖
  • 遠距離戦に特化。射程が非常に長く、遠距離になるほど威力が上昇する。但し弾が殆ど誘導しないため、正確な射撃の腕が求められる。近距離戦は苦手。 射爪
  • 機動力を活かした接近戦が得意。打撃コンボの回数が他の神器に比べて多いものの単発火力は低く、コンボを最後まで当てきることが重要。射撃のリーチは短いが、連射性能に優れる。 神弓
  • 狙杖同様、遠距離戦が得意。弾速が早めで誘導性に優れるが、狙杖に比べると射程と威力は劣る。連射性能は低い。 破掌
  • 連射と誘導性に優れ、初心者でも攻撃を当てやすい。そのかわり、リーチは短めで威力も低め。 巨塔
  • 連射で弾が出ないが敵弾をかき消すことができ、溜め射撃は壁を貫通する。射撃/打撃共に高威力だが、攻撃動作と移動は遅く、溜め時間が長い。 爆筒
  • 溜め射撃は敵や地形にあたると爆発を巻き起こし、周囲の敵を巻き込む。敵が群がっている所に撃ちこむと効果的。移動は遅め。 衛星
  • 動きが軽快で、空中戦では連射中でも移動速度が落ちない。射撃の威力は遠距離になるほど増す。 豪腕
  • 接近戦に特化した神器で、射爪と比べると機動力で劣るが火力で勝る。射程は非常に短い。

奇跡

  • 「ひとりで」の地上戦及び「みんなで」で使用可能となる、プレイヤーをサポートするための特殊能力。使用回数が定められており、0になると使えなくなる。
    • 後述のマルチプレイではヤラレチャッタ時に、使用回数が一定量回復する。回復量は価値の高い神器ほど多い。奇跡によっては使用回数が回復しないものもある。
  • 奇跡のセットは6×6の36マスに、ロックマンエグゼシリーズのようにパズルのピースの様な各種奇跡を配置することで行う。効果が強力な物ほど、そして同じ奇跡でもレベルが高いほどスペースを圧迫する。
  • 奇跡は「ひとりで」の宝箱や、「みんなで」のご褒美として入手可能。中にはひとりで専用、みんなで専用の奇跡も存在し、それらの奇跡はそれぞれのモードでしか入手できない。

悪魔の釜

  • シングルプレイにおける難易度調整機能。章開始時にハート(本作の通貨)を賭ける事で「ホンキ度」の調整が可能。自分で調節できるのは勿論、プレイ内容に応じてホンキ度を自動調整してくれる機能も存在。
  • ホンキ度は2.0を基本とし、0.0~9.0の範囲で自由に変えられる。2.0から上げたり下げたりするときにはハートを賭けなくてはならない。
    • ホンキ度が高いほど敵が強くなり、賭けるハートの量も増える。その分敵を倒した時に得られるハートは増加し、神器や奇跡も強力な物が出やすくなる。但し、途中でヤラレチャッタ時は賭けたハートをある程度失うことになり、ホンキ度が下がる。つまり、攻略はしやすくなるが報酬の質が落ちる。
    • また、同じホンキ度でも難しい章ほど報酬の質が高くなりやすい。
  • 地上戦では、一定以上のホンキ度でプレイしていないと開かない「ホンキ度扉」が存在する。

シングルプレイ

  • 所謂ストーリーモード。全25章で、一度クリアした章は何度でも挑戦できる。
  • 基本的にはレールシューター形式の「空中戦」で敵地に向かい、その後箱庭型アクションシューティングの「地上戦」で最後に待ち受けるボスを撃破するという流れ。但し、一部の章では例外もある。
  • 空中戦、地上戦共に体力が尽きるとヤラレチャッタ。体力の回復は空中戦の場合、特定の地点で出現する回復玉で、地上戦の場合、回復系の奇跡を使用、道中に落ちている食べ物、神のドリンクを取得、温泉に浸かることで行える。

空中戦

  • 地上戦に比べて神器の性能が増すが、連射中は移動速度が減少する。
  • 空中戦でのみ、ゲージを消費することで強力な「スペシャルアタック」が使用可能。ゲージは2本分存在し、時間経過や滑空姿勢の状態で敵弾をギリギリ回避することで回復する。
  • 暫く攻撃をしていないと滑空姿勢になる。この間は移動速度が向上するほか、面積が小さくなり敵弾に当たりにくくなる。
  • 回避行動として、スライドパッドを倒した後、すぐに反対方向に倒すことでローリングが可能。敵弾を弾く効果がある。

地上戦

  • 奇跡が使用可能となるほか、タッチペンを左右にスライドすることでカメラの移動が可能。
  • スライドパッドをゆっくり倒すと歩き、勢いよく倒すとダッシュする。ダッシュは各種攻撃と組み合わせることも可能で、暫く続けるとバテて一定時間行動不能になる。
  • 敵の攻撃にあたる直前にスライドパッドを弾くと「回避」、敵を照準に収めながらスライドパッドを横に弾くと、敵を中心に弧を描いて移動する「回り込み」ができる。回避は連続で使用すると隙が生じて失敗しやすくなる。

マルチプレイ

  • 通信機能を用いて、フレンド又は不特定多数のプレイヤーと最大6人で対戦ができるモード。ローカル通信、wi-fi通信の両方に対応している。操作体系は地上戦と同じ。
  • ステージはランダムで決定され、対戦後にご褒美として神器や奇跡を入手できることがある。但し、何もしないプレイヤーはご褒美を貰えないようになっている。
  • ルールは3vs3に分かれてチーム戦を行う「天使の降臨」、全員が敵同士になる「バトルロイヤル」の2種類が存在する。
    • 天使の降臨では、ヤラレチャッタ時に神器の価値に応じてチーム力が減少、0になると最後に倒されたプレイヤーが天使となって降臨。天使の体力を0にすると勝利。
      • チーム力の減少量は、神器の価値の大きさに比例する。また、天使の神器はランダムで決定される。
    • バトルロイヤルでは、最終的にスコアが一番多かったプレイヤーの勝利。スコアは相手を撃破すると加算され、撃破されると下がる。得られるスコアは撃破した相手の神器が高価値なほど大きい。

その他

  • やり込み要素として宝物庫が存在。条件を満たすとパネルが解禁されていき、ご褒美が貰える(何もないこともある)。
  • 収集要素として、スマブラでいう所のフィギュアに相当する「おドール」が存在。また、本作のために用意されたARカードを使った遊びも。
  • 手に入れたハートをパルテナ(条件を満たすとナチュレにも)に捧げることができる。ちなみに、見返りは全くありません。

評価点

コミカルとシリアスが両立したシナリオ

  • シングルプレイの攻略中は下画面でピット達による会話が繰り広げられるのだが、その内容は非常にコミカル。メタ発言、パロディなどのネタが豊富に散りばめられており、「天界漫才」と呼ばれるほど。声優陣の熱演も相まって好評。
  • 登場キャラも個性豊かな者ばかり。例えば、同じ冥府軍にしても終始シリアスなメデューサと、神として最強クラスの力を持ちながらも非常にノリの軽いハデスなど。この辺りにもコミカルとシリアスの両立が見て取れる。
  • しかし、シナリオを通して描かれるのは神々や人間による戦争であり、ゲームのテーマ自体は決して軽いものではない。
    • 各勢力が戦う理由も様々。人間を守るために戦うパルテナ軍、ピットとパルテナへの復讐(メデューサ)、そして地上と天界に混乱を引き起こそうと目論む(ハデス)冥府軍、冥府軍とは敵対しつつも、人間に対しては、自然を破壊し生態系を乱すという理由で滅ぼそうとする自然軍など。
  • 本作のシナリオは桜井氏が一人で書き上げたものである。ラスボス戦の前にもギャグを入れるセンスは氏ならでは。 テンポの良さ
  • ムービーが少な目で(更にスキップ可能)、ゲーム中の目的や操作説明は全て下画面の会話内で完結。遊びのテンポを壊さない、という桜井氏の配慮が見て取れる。 多種多様なプレイスタイル
  • 悪魔の釜による事実上100段階の難易度調整のおかげで、初心者から上級者まで幅広く楽しむことができる。
    • ホンキ度を下げればアクションゲームやシューティングゲームに不慣れな人でも安心。逆に高難易度の場合、ゲームの腕は勿論のこと、理想に仕上げた神器を持ち、奇跡を計画的に使ってようやくクリアに手が届くレベル。ザコ敵1匹ですら脅威となりかねない。
  • 神器の数、奇跡の数共に豊富で、これらの組み合わせにより様々な戦術が取れるのも評価点。
    • 神器は前述の通り融合を繰り返すことで、ある程度自分好みの性能にすることも可能。これも本作の楽しみの一つと言える。
    • マルチプレイでは、強力な神器ほどヤラレチャッタ時の反動が大きいということから、対戦ゲームにありがちな、強力なキャラ(本作では神器)一辺倒なバランスに比較的なりにくいのも特徴。考えなしに高価値な神器を使うのではなく、自分の腕に見合ったものを使うことが大切である。特に天使の降臨。 マルチプレイの放置、切断などへの対策
  • かつて桜井氏が手掛けたスマブラXのマルチプレイでは、過剰な馴れ合いや切断、ステージの固定化が問題視されていた。本作ではその対策として、何もしないプレイヤーはご褒美を貰えない仕様になっている。
    • それにも関わらず放置するプレイヤーもいるが、これは完全にプレイヤー側の問題といえよう。チーム戦である天使の降臨においては迷惑極まりない話であるが。
  • ステージは毎回ランダムで決定されるようになり、固定化という問題が改善された。
  • 回線が切断された場合、そのキャラの操作をコンピューターが引き継ぐ。 BGMのクオリティ
  • 作曲陣が桜庭統、光田康典、岩垂徳行、古代祐三、高田雅史とゲーム音楽業界を代表する人物ばかりで豪華。公式サイトで一部が視聴できるので、聴いてみてはいかがだろうか。
  • 発売から3か月程しか経っていないにも関わらず、PRESS START2012で本作のBGMの演奏が決定したことからも評判の良さがうかがえる。

問題点

独特な操作体系

  • タッチペンによるエイミングやカメラ操作は、合わない人には全く合わない。
    • 尤も、かなり斬新な操作システムである関係上、慣れさえすれば極めて快適…というケースも少なくは無い。
    • 一応キーコンフィグで、ボタンでも操作できるように変更することが可能。
  • ソフトに付属している専用スタンドを使うとゲーム機本体の固定だけでなく、手への負担も軽減できるのでお勧め。 一部神器のバランス
  • 神器の強さ、使い勝手等のバランスは決して悪いわけではない。しかし、中には対策をしていないと一方的にやられてしまうような物も存在する。
    • とは言え発売からまだ日が浅く、今尚次々と新しい戦術・戦略が生まれている状態のため、今後の研究次第では非常に高い所でバランスが取れる可能性も十分にある。 マルチプレイ時のラグ
  • 明らかに攻撃が当たっているのに当たっていない、相手プレイヤーが壁の中に入り込むなどの現象が起きる事がある。

総評

開発に時間をかけただけあり、高い完成度を持つ作品。 桜井氏のモットーである「初心者から上級者まで幅広く楽しめるゲーム作り」は本作でも健在で、初心者にも上級者にもお勧めできる。
システムが一新されている関係上、実質的にパルテナという名を冠した新規作品であり、前作を遊んだことがない人でも十分に楽しめるので、ぜひ手に取ってもらいたい。