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ニンジャガイデン - (2012/06/27 (水) 22:03:01) の編集履歴(バックアップ)


ニンジャガイデン(NINJA GAIDEN)

【にんじゃがいでん】

ジャンル 忍者アクションアドベンチャー
対応機種 Xbox
発売元 テクモ
開発元 テクモ(Team NINJA)
発売日 2004年3月11日
定価 7,800円(税抜)
備考 同年8月に大型DLC「ハリケーンパック」が無料配布
※現在はDL不可
ニンジャガイデンシリーズ・関連作品リンク


概要

  • 2Dアクションゲーム『忍者龍剣伝』を、海外タイトルである『NINJA GAIDEN』の名で3Dアクションゲームとして復活させたもの。
  • ディレクター(兼プロデューサー)は、テクモが誇る開発チーム「TeamNINJA」の創設者であり、『DEAD OR ALIVE』シリーズを手がけたことで有名な板垣伴信。製作期間は4年であり、開発の動機は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をプレイしたのがきっかけと板垣氏は語っている。
  • 「打撃」「投げ」「捌き」といったDOAシリーズの要素が、3Dアクション風にアレンジされた上で組み込まれている。
  • なお、第1作目である『NINJA GAIDEN』は開発陣にとっては満足のいく出来ではなかったらしく、後にDLC「ハリケーンパック」によるアップグレードがなされた。
    • また、ネット環境がないユーザへの配慮として、ハリケーンパックの内容を含めたアップグレード作品『NINJA GAIDEN Black』が翌年9月に発売された。

ストーリー

「隼一門」の若き忍者リュウ・ハヤブサは、太古に存在したと言われる超生命体「龍神」の血を受け継ぐ、「龍の一族」の末裔である。彼は、修行のため不在の父ジョウ・ハヤブサに代わり、一門の拠点である「隼の里」を護っていた。

そんなある日、ドーク重鬼卿率いる「神聖ヴィゴル帝国」の軍団が突如として里に現れる。ヴィゴル帝国の狙いは、里に封印されている伝説の魔刀「黒龍丸」であった。黒龍丸を渡す訳にはいかない―魔刀を護らんと出撃するハヤブサであったが、凶悪な力を持つドークの前に敗北。多くの同胞達が殺され、魔刀は奪われ、ハヤブサも重傷を負ってしまう。

時は経ち、ドークに負わされた傷も癒えた頃。ハヤブサは、忍者衆「影一門」の頭領ムライの協力でドークの所在を掴む。ドークへの怒りに燃えるハヤブサは、奪われた魔刀黒龍丸を取り戻すため、殺された同胞達の無念を晴らすため、神聖ヴィゴル帝国へ乗り込むことを決意する。


ゲームシステム

基本システム

  • 主人公リュウ・ハヤブサを操作してヴィゴル帝国を探索。行く手を阻む敵を排除し、仕掛けを解きながら進んでいく。
    • ハヤブサには体力と気力(忍法の使用回数)の概念が存在し、体力が0になるとゲームオーバーとなる。
  • ゲームは全16のチャプターで構成され、チャプター1から16までを順に攻略していく。
  • チャプターごとに、敵の撃破数、入手エッセンス(お金)、残り気力に応じたランク付けがされる。最低は「忍犬」で、最高は「超忍」。
  • プレイヤーの行動(制限時間内に敵を倒す、特定の技を決める、高評価でチャプタークリア等)に応じて、カルマ(スコア)が蓄積されていく。
    • ゲームクリア時のカルマをXboxLIVEを通じてネット上のスコアボードに登録、他のプレイヤーと競い合うことができた(現在は不可)。
  • 難易度は「NORMAL」「HARD」「VERY HARD」の3つ。「EASY」に該当する難易度は存在しない。
    • DLC「ハリケーンパック」を適用することにより更に難しい難易度への挑戦が可能。

その他

  • 敵が死亡時に落とすエッセンスは、お金となるイエロー、体力回復の効果があるブルー、気力回復の効果があるレッド、の3種類が存在する。
  • 「殲滅戦」と呼ばれる大量の敵と戦うイベントが特定の場所で発生する。出てくる敵の数は「NORMAL」で60、「VERY HARD」ではなんと100。
  • 『Dead or Alive』シリーズからあやねが登場している。ただしストーリーはパラレルなためDOAとは世界観的な繋がりは無い*1。また、「あやねのクナイ」が要所で出現し、プレイヤーに攻略に役立つテクニックや謎解きのヒントを教えてくれる。
  • 「ムラマサ像」と呼ばれる銅像がマップのあちこちに存在し、銅像を通じてアイテムの購入と武器の鍛錬を行うことができる。
  • 「黄金のスカラベ」と呼ばれるアイテムが柱の陰や部屋の隅等に落ちており、一定数集めるとムラマサ像で貴重なアイテムを貰うことができる。全50個。
  • ゲーム全体を通して、忍ぶ要素は一切ない。これは歴史上の諜報員としての忍者ではなく、あえて「欧米で勘違いされているヒーロー忍者」をイメージしているため。

アクション

()内表記は技のコマンド。

基本操作

  • 弱・強の2種類の近接攻撃、遠距離攻撃、ジャンプ、ガード、裏風の4つが基本操作となる。 攻撃(X,Y,B)
  • 近接・遠距離攻撃は、装備中の武器(メニュー画面から選んで1つを装備する)によって繰り出すアクションが異なる。
    • 近接攻撃はボタンを押す順番、スティック操作、ディレイ入力等により、繰り出すアクションの性質が変化する。
    • 遠距離攻撃は「手裏剣」「風魔手裏剣」を除き攻撃回数(弾数)に限りがある。弾は一部のオブジェクトやショップから入手可能。 ジャンプ(A)
  • ボタンを押すだけだと垂直、スティック操作を併せると任意の方向にジャンプする。
  • 飛ぶ際にほんの一瞬だが無敵時間があり、一部のトラップや敵の攻撃のすり抜け等に利用できる。 ガード(LT)
  • ボタンを押し続けている間、ガード可能な状況であれば敵の攻撃をガードする。
    • 攻撃モーション中でも、ボタンを押し続けていれば攻撃モーションをキャンセルして敵の攻撃をガードすることも可能。
  • 「投げ技」に分類される攻撃はガードできず、ボス等の強力な攻撃を受けるとガードを崩される。またそもそもガードできない「ガード不能技」も存在する。 裏風(LT+スティック)
  • スティックを倒した方向へ回避行動を取る。ガードできない「投げ技」や「ガード不能技」にも対応できる。
  • ただし無敵時間が発生するのは回避モーションの最初の方だけで、モーションの終わり際は完全に無防備である。
    • 回避のタイミングを見誤ると、敵の攻撃をモロに受けてしまう。
  • 裏風後の硬直はジャンプでキャンセルすることができ、裏風→ジャンプ→裏風→…と交互に出すことで高速移動が可能(通称裏風ジャンプ)。
    • 裏風ジャンプは、ボス戦において非常に重要となるテクニックである。 忍法(X+Y)
  • 術の書を習得し、装備することで使用可能になる強力な攻撃。使用するには気力ゲージが必要。
  • 忍法は鬼火・火炎・氷刃・百雷の4種があり、鬼火の術以外はレベルが存在する。レベルは「魄封珠」というアイテムを使うことで上げられる。最大レベルは3。
  • 忍法を使用するとほぼ全てのアクションをキャンセルすることができ、鬼火の術以外は使用中は完全無敵なので回避手段としても活用できる。敵によっては有効な物もあるので上手く使い分けていくのが重要となる。

テクニック

  • 先述の基本操作以外に、立ち回りに役立つテクニックが多数存在する。 絶技(Y押し続け)
  • 死亡した敵が落とす「エッセンス」を吸収して、凄まじい威力の一撃を放つ「無敵技」。
    • DLC「ハリケーンパック」により、エッセンスが存在しない状況でも実行できるようになった(ただしかなり長い溜め時間が必要になる)。
  • エッセンスの吸収量に応じて、繰り出される絶技の強さも変化する(2段階まで強化可能)。
  • 動作中は無敵であるため、敵の行動一切を気にすることなくぶっ放すことができる。また無敵であることを利用し、敵の攻撃の回避にも利用できる。
  • ただし、絶技の発動前に長い構え動作(動作中は無防備)が発生するというリスクも抱えている。 着地絶技(着地した瞬間にY)
  • 着地硬直をキャンセルして絶技を出すというテクニック。絶技との違いは構え動作が発生しないこと。
  • 絶技の欠点をフォローすることができるが、その性質上狭い部屋や通路では実行し辛い。 飛鳥返し攻撃(壁に向かってジャンプ→A→XorY)
  • 壁を蹴って高く跳躍し、落下の勢いを利用して真下の敵に強烈な一撃をお見舞いする「無敵技」。
  • 初心者でも比較的簡単に実行できるアクションで、かつ威力も高い。絶技同様、無敵であることを活かして敵の攻撃の回避にも使える。
  • ただし、壁が存在する場所でなければ実行できず、攻撃範囲も自分の真下及びその周囲を限定されてしまう。 捌き(敵の攻撃をガードした瞬間にXorY)
  • 敵の攻撃を受け流しつつで反撃する「無敵技」。俗に言うカウンター。
  • ガードから即座に攻めに転じることができる。本作における超重要アクションであり、この捌きが実行できるか否かで戦闘の難易度も大きく上下する。
    • 捌きによる反撃後、通常の近接攻撃で追撃することも可能(龍剣であれば、捌き → 飯綱落とし)。
  • 欠点として、「投げ技」や「ガード不能技」を捌くことはできない。またガードそのものを崩された場合も捌きは実行できない。 風路(敵の頭上でA)
  • 「かぜみち」と読む。敵の頭を踏み台に、空中でもう1度ジャンプする。踏み台となる敵さえいれば風路から風路に繋ぐことも可能。
  • デビルメイクライシリーズにおける「エネミーステップ」と似たようなもの、と認識してもらって良い。
    • ただし、操作や見た目が似ているだけで、その性質はエネステとは全く異なる。
  • 踏み台にされた敵はしばらく無防備になる。そのため、風路直後に繰り出す空中攻撃は多くの敵にとって「回避不能技」となる(例外もある)。 首切り投げ(敵の頭上でY ※BlackではX+Aに変更)
  • 敵の首を掴んで前方に放り投げる「投げ技」。動作中は無敵で、敵のガードによって防がれない。
  • 威力は並だが、発生が非常に早く敵に回避され難い。また動作中は無敵であるため、敵の攻撃の回避にも使える。
  • 風路と同様に、立ち回りや攻めの起点として積極的に使っていくことができる。 手裏剣キャンセル(手裏剣を装備した状態で、近接攻撃直後にB)
  • 手裏剣の発生、硬直の切れが早いことを活かしたテクニック。
  • 硬直の切れが遅い近接攻撃をフォローするのが主な役割。
  • 手裏剣キャンセルを利用した近接攻撃は非常に見栄えが良く、コンボの自由度を上げることもできる。

評価点

美麗なグラフィック

  • TeamNINJAだけあってグラフィックは文句無しの美しさ。Xboxのパワーを存分に使った、風景や自然描写は圧巻の一言。 戦闘のテンポが良く、スピード感がある
  • 慣れないうちは敵の猛攻に対して何をして良いか分からず戸惑ってしまうが、慣れてしまえば襲い掛かってくる敵を次々に斬り、投げ、捌いて蹴散らしてゆける。
  • 攻撃を当てたときの演出も派手であり、次々と敵を吹っ飛ばしたり切り裂いていくのは、快感の一言に尽きる。 戦闘の自由度が高い
  • 武器の種類が豊富(龍剣、ヴィゴリアンフレイル、大刀ダビラヒロ、妖刀鬼徹、無想新月棍etc...)で、それぞれで異なった戦闘スタイルを楽しめる。
  • ヌンチャク、木刀*2といった「弱い武器」もいくつか存在する。これらだけでクリアを目指してみるのもまた一興。
  • 全ての戦闘に対してそう言える訳ではないが、敵を倒す手段が豊富で、自分の思い通りに戦える。風路で飛び回って敵を翻弄しても良し、首切り投げや捌きで手堅くいっても良し、絶技で一掃する爽快感に酔いしれても良し、手裏剣キャンセルを駆使した超絶コンボに挑んでも良し。 やり込み要素が豊富
  • 全難易度制覇、スカラベ収集、殲滅戦、評価「超忍」狙いのプレイ等。XboxLIVEを利用したカルマ(スコア)アタックという遊び方もあった。
  • 更に条件を満たすと忍者龍剣伝シリーズの1~3を遊ぶことができる(Xbox限定。Xbox360ではプレイ不可)。
    • 残念ながらベースになっているのは評価の良くないSFC版だが、おまけ要素としては豪華な内容と言える。 開発陣のユーザに対する配慮
  • 大型DLCである「ハリケーンパック」が無料。
  • 『NINJA GAIDEN』の問題点がBlackで改善されている。視点操作が可能に、「EASY」に該当する難易度「NINJA DOG」を搭載等。

問題点

視点操作ができない

  • RTによる視点リセットのみで、スティックによる視点操作が不可能。 装備変更・アイテム使用の際、いちいちメニュー画面を開く必要がある。
  • 難しいゲームである以上、必然的に回復アイテムを使う機会も多くなる。故に、この仕様は少々煩わしい。 チャプター1にムラマサ像(ショップ)が存在しない。
  • 回復アイテムはマップに配置されているもののみ。途中で尽きてしまった場合、回復無しで乗り切るか、最初からやり直すしかない。
  • 初回プレイよりも、2~3周目の高難易度プレイにおいて嵌まりやすいパターン。 チャプター7のアルマ重鬼卿戦直前にムラマサ像が存在しない。
  • 回復アイテムがない状態でアルマ戦直前のセーブポイントでセーブしてしまうと、アルマ戦を回復無しで乗り切るか、最初からやり直すしかなくなってしまう。
  • どのタイミングでボス戦に突入するか分からない初回プレイにおいて、このパターンに嵌まって泣く泣く最初からやり直したプレイヤーも多かった。
  • チャプター16でも似たような状況に陥ってしまうことがあるが、16のボス戦の難易度は低いため回復無しでも突破は容易。 重要テクニックである「捌き」「首切り投げ」「飯綱落とし」が使えるのがチャプター3以降
  • チャプター2までは実行できるアクションに大幅な制限がかけられてしまう。初回プレイ時はともかく2周目以降の場合、チャプター3まで戦闘が単調で退屈なものになる。
  • この仕様のために、「VERY HARD」や「ハリケーンパック」では先述のムラマサ像がないことも相まって、チャプター1の難易度が恐ろしいことになっている。
    • 「ニンジャガ1最大の難関はチャプター1」と言われることも。 謎解き・おつかいが面倒
  • 同じ場所を何度も行き来したり、ノーヒントで仕掛けを解かなければならない場合が多々ある。
  • そもそも謎解き自体、楽しめるのは初回プレイのみで、2周目以降のプレイだとただの作業になる。
    • 何周も繰り返しプレイすることでプレイヤーの腕前が磨かれていくというニンジャガの性質上、この欠点は致命的。
  • アクション面での評価が高かっただけに、余計にこれらの要素が(悪い意味で)目立ってしまっている。 前のチャプターに戻ることができず、また任意のチャプターに挑戦することもできない。
  • 特定のチャプターだけを遊ぼうと思った場合、そのチャプター開始時のセーブデータを個別に作っておく必要がある。

賛否両論点

難易度の高さ

  • プレイヤーによって難易度の感じ方は異なり、一般に「難しい」と言われるゲームでもヘビーユーザーにとっては簡単だったり、「普通」とされるゲームでもライトユーザーにとっては難しかったりする。だが、この作品は先述の「難易度の感じ方は人それぞれ」という点を踏まえても難しいと言わざるを得ないほどシビアなゲームである。
  • 初回プレイでは、どんなにアクションが得意なプレイヤーでもクリアまでに何十(人によっては何百)回とコンテニューすることになる。その難しさから「NORMAL」の途中で挫折して投げ出してしまうプレイヤーも少なくなかった。
  • 一方で、「やりがいがある」「緊張感が保てる」「クリアした時の達成感が凄い」「自分の腕の上達を実感できる」と、ニンジャガを高く評価するプレイヤーも多い。
  • また、一見強すぎて対処のしようがないように見える敵にも、特定の攻撃に対して極端に弱かったり、実は行動パターンが明確に決まっているといった何らかの弱点が必ず存在する。そうした敵の弱点・行動パターン等を研究し、自分なりの攻略法を編み出すというのもニンジャガの醍醐味である。

敵AIの凶悪さ

  • 良く言えば歯ごたえのある、悪く言えば理不尽な仕様の敵が多い。以下、ニンジャガにおける敵の特徴。
  • 攻撃パターンが豊富
    • チャプター3に登場するMSAT(白スーツの兵士)を例に挙げると、MSATは「発生の早い投げ」「銃撃による固め」「打撃技の連携」の3種類の攻撃を無作為に(実際は「ある程度」パターンが決まっているが)仕掛けてくる。そして、このMSATが複数人でチームを組んで一斉に襲い掛かってくるのである。
  • ガード・回避能力が異常
    • 同チャプターに登場するMSATの上位種であるMSATコマンダー(黒スーツの兵士)は、先述のMSATに攻撃パターンに加え、異常に高いガード能力を備えている。適当なタイミングで攻撃を仕掛けてもまず通らない。それどころか、こちらの連携の隙間に割り込んでくることさえある。
    • 中盤以降で出現する魔神シャドウ(一つ目の悪魔)は高い回避能力を持ち、ハヤブサの攻撃を頻繁に回避するため安易に攻撃を仕掛けられない。
  • スーパーアーマー
    • 中盤以降で出現する魔神ガルラ(恐竜)はスーパーアーマーで仰け反らないときがあり、被弾中でもアーマーで強引に投げ技で割り込んでくる。ゲームのシステム上、攻撃モーションを裏風でキャンセル・・・ということは不可能なので、攻撃中に相手のスーパーアーマーが発動したら確実に反撃を貰うことになる。

総評

後に多くのリメイク・移植作品および続編が作られるニンジャガイデンシリーズの第1作目。ハードがXboxであったため日本での売り上げは芳しくなかったが、国外では高い評価を受けたため総合的な売り上げは100万を超えた。

敵と対峙した際の緊張感や、難関を突破した時の達成感、絶技や捌きといったテクニックで敵を打ち倒す爽快感等、アクションゲームで重要となる要素のほとんどを兼ね揃えており、声優の熱演や開発陣のゲームに対する入れ込みも相まって、3Dアクションとしては非常に完成度の高い作品となっている。「絶技」「捌き」「風路」といったニンジャガを構成するアクションの大半がこの時点で完成しており、続編である『NINJA GAIDEN 2』やリメイク作品である『NINJA GAIDEN Σ』にそのまま継承されていることからも、アクション面での完成度の高さが伺える。

しかし、その硬派な難易度と独特の世界観は決して万人受けするものではなく、安易に他人に勧められるゲームでないことも確かである。ニンジャガの魅力全てを初回プレイで理解するのは難しく、このゲームを「面白い!」と思えるようになるまでには長い時間を必要とする。良作であることは間違いないが、ゲームを始めてから十数時間は苦しむことを覚悟しなければならない。

  • 一方で続編である『NINJA GAIDEN 2』『NINJA GAIDEN Σ2』は比較的簡単で、(アクション好きなら)誰にでも勧められる良作となっている。
    • いきなり1に挑戦するのはオススメできないが、2で基本操作を学んでからやれば、存分にその面白さを堪能できる。
  • ゲームが難しいというユーザの意見に対する、板垣氏の「難しいのなら、できるようになるまで頑張れ」「上達することも面白さである」という辛辣なコメントは有名。

ニンジャガイデンブラック(NINJA GAIDEN Black)

【にんじゃがいでんぶらっく】

対応機種 Xbox
発売日 2005年9月29日
定価 4,800円(税抜)
レーティング CERO:18歳以上対象
配信 【Xb360】Xboxクラシックス:2008年2月11日/1,200マイクロソフトポイント

評価点(Black)

イベントシーンの追加

  • いくつかのイベントシーンが追加されており、ストーリーや世界観をより楽しめるようになった。 あやねのボイス追加
  • 「あやねのクナイ」を調べた際、その内容を音読してくれるようになった。 視点操作が可能に
  • スティックで視点を操作できるようになった。探索がより楽に。 「VERY HARD」を超える難易度「MASTER NINJA」の搭載
  • 敵配置は「VERY HARD」とあまり変わらないものの、敵の攻撃力が更に強化されている。
  • この難易度がクリアできれば、一人前のニンジャガプレイヤーと言えるだろう。 「MISSION」の搭載
  • 特定の条件下で、与えられた任務をこなすというもの。
  • いわゆる1つのやり込み要素であり、本編で満足できなかった人向けに、難しいミッションが多数用意されている。
  • ミッションのほぼ全てが戦闘で、探索や謎解きといった要素は一切無い。純粋に戦闘だけを楽しむことができる。 「NORMAL」より簡単な難易度「NINJA DOG」の搭載
  • 「NORMAL」で何度もコンテニューすると「忍びの道を諦めるか?」という問いが画面に表示される。ここで、「Yes」を選べば「NINJA DOG」へ移行することができる。
  • 最初から復活アイテムを所持した状態で始まり、ゲームオーバー時に回復アイテムがもらえる等の特典がある。
  • 「NINJA DOG」移行時のムービーは必見。

問題点(Black)

無印であった問題点が改善されていない

  • 「装備変更・アイテム使用の際、いちいちメニュー画面を開く必要がある」「謎解き・おつかいが面倒」等。 無印のおまけ要素である忍者龍剣伝の1~3が削除された
  • 代わりにおまけ要素としてアーケード版の忍者龍剣伝が追加された。
  • このAC版忍者龍剣伝は、ファンから半ば黒歴史扱いされているゲームであり、お世辞にも面白いとは言えない出来(要するにクソゲー)である。

賛否両論点(Black)

敵配置の凶悪化

  • 「HARD」以上の難易度において、敵配置がより凶悪でいやらしいものへと変更された。
  • 特に顕著なのがボス戦で、ボスのお供として雑魚敵が複数体出現する。つまりボス戦がタイマンでなくなった。
    • この変更によって、ボスの行動をパターン化し辛くなり、安定して勝つことが難しくなってしまった。
  • ただ、より緊張感のある・歯ごたえのある戦闘ができるようになったという見方もできるので、改悪という訳ではない。
  • また、難しくなっただけで勝てなくなった訳でもない。忍法や各種テクニックを駆使すれば必ず勝てるようになっている。 「HARD」以上の難易度におけるチャプター1が異常に難しい
  • チャプター1自体「ムラマサ像がない」「回復アイテムが少ない」「捌きや飯綱落としが使えない」等、元々難易度が高かったのだが、先述の敵配置変更により高難易度ではより強力で厄介な敵がたくさん出現するようになってしまった。
  • 極めつけはボス戦で、ボスの護衛に雑魚敵が2体いる(雑魚敵は倒してもボスの体力を減らせばまた沸いてくる)という極悪仕様。
  • 「VERY HARD」や「MASTER NINJA」のクリアは、チャプター1を突破できるかどうかにかかっていると言っても過言では無い。

ニンジャガイデンΣ(NINJA GAIDEN Σ)

【にんじゃがいでんしぐま】

対応機種 プレイステーション3
発売日 2007年6月14日
定価 7,800円(税抜)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
廉価版 PLAYSTATION 3 the Best:2008年7月3日/3,800円

評価点(Σ)

グラフィックの質の向上

  • ハードが次世代機であるだけに、元々綺麗だったグラフィックがさらに質が良くなっている。
  • ヴィゴル帝国の建物や僧院内部等のグラフィックが、PS3用に描き直されている。 BGMの追加
  • アルマ、ドーク、ラスボス等の専用曲等が新たに追加された。 新武器「厳龍・伐虎」の追加
  • いわゆる二刀流で戦う武器。攻撃力が非常に高いが、龍剣ほどの万能性はないというピーキーな性能。
  • 戦闘スタイルの幅が広がった。 弓の空中撃ちの追加
  • 文字通り、弓を空中でも撃てるようになった。
  • 地上撃ちに比べて即座に撃てるという利点があるが、威力は低下する。 アイテムのショートカットキー追加
  • 十字ボタンの上を押すことで、メニュー画面を開かずともアイテムを使用することが可能となった。
  • 十字キーの左右で使用するアイテムを切り替えることができる。
  • 無印やBlackではアイテム使用のために、戦闘中でもいちいちメニュー画面を開かなければならなかった。この機能により戦闘のテンポが更に良くなった。 難易度の調整
  • 全体的に難易度が易しくなるよう、敵の出現数が抑えられたり、敵の攻撃が弱体化される等の調整がなされた。
  • 道中で入手できる回復アイテムの量が増やされる、チャプター7のアルマ戦直前にムラマサ像が追加される等の詰み対策も多い。
  • 歯ごたえが無くなった、という見方もできるが「易しい」というのはBlackに比べての話であり、一般的な尺度で言えば「とても難しいゲーム」のままである。

問題点(Σ)

調整不足を感じられるレイチェルの弱さ

  • 魔神の血を引いているため女性でありながら魔神と互角に戦える程の力を持つ彼女は本編にて一撃で魔神ガルラを粉砕する怪力を見せつけたのだが、プレイヤーキャラでは一転して攻撃力が低めになっている。
  • にも関わらず、攻撃動作が鈍く隙が大きいためコンボを途中で潰されることが多い。被ダメージの大きい高難易度では隙の小さい技を小出ししていくしかなくなる。
    • ハヤブサの飯綱落としのような高威力技も無いため、1つの戦闘に結構な時間がかかる。謳い文句である「奥深く爽快な最強ハイスピード・バトル」には程遠い。
  • かといって立ち回りが優秀な訳でもなく、むしろ便利なテクニックである「風路」が使えないため、その点でもハヤブサに劣る。
    • 「ロールオーバー」という裏風の上位技のようなテクニックがあるため、完全な下位互換ではないが、それにしても劣る部分が多すぎる。
  • 遠距離武器であるウィップの性能も微妙で、射程距離・威力・発生速度どれを取っても実用に値しない(空中で使用して着地絶技に繋げる程度)。
  • ソーサリー(ハヤブサの忍法に該当)の威力もあまり高くない。
  • 唯一優秀なのが絶技で、自分中心の範囲技であるため、これを連発するだけで大抵の雑魚敵は沈む。と、いうよりそれ以外の有用な戦法がない。 プリレンダムービーがSD画質のまま
  • 「驚愕の映像美」という謳い文句であるにも関わらず、随所で流れるプリレンダムービーが無印・Blackの流用。
  • 液晶ディスプレイ等に高解像度で映している場合、ムービーの粗さがかなり目立つ。
  • クライマックスである神聖皇帝と対峙するシーンや、ラスボス登場シーンまで、SD画質のままであるという始末。
  • 一方でチャプター2のドーク登場シーンなどはリアルタイムレンダで描き直されており高画質である。全てのムービーをそうして欲しかったという意見も多い。 装備のショートカットキーがない
  • 「アイテム用のものがあるのに、なぜ装備用のものがないのか」という意見が多い。

賛否両論点(Σ)

レイチェル編の追加

  • Σ最大の売りであるレイチェル編だが、たった3つのチャプターしか存在しない上に、チャプター1つあたりのボリュームも少ない。
    • レイチェル編にも問題(先述)が多く、プレイも強制であり、ハヤブサ編の途中に割って入る形で存在しているため、ハヤブサ編だけをやりたい人にとってレイチェル編は苦痛でしかない。 一部ゴア表現のカット
  • ゴア表現のあったムービーが無難なものに変更されていたり、戦闘中に敵(人間系のみ)の首が飛ばなくなった。
  • ゲームシステム上、首が飛ぶ=即死であったため、それが無くなったことにより敵にトドメを刺せたか否かの判断が少し難しくなってしまった。