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ニンジャガイデンΣ2 - (2012/06/29 (金) 07:54:27) の編集履歴(バックアップ)


ニンジャガイデンΣ2(NINJA GAIDEN Σ2)

【にんじゃがいでんしぐまつー】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション3
発売元 テクモ
開発元 テクモ(Team NINJA)
発売日 2009年10月1日
定価 7,800円(税抜)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
廉価版 PlayStation3 the Best:2011年2月17日/3,800円
ニンジャガイデンシリーズ・関連作品リンク

概要

  • 3Dアクションの傑作『NINJA GAIDEN 2』をPS3用にリメイクした作品。
  • ディレクター(兼プロデューサー)は現TeamNINJAのリーダーでもある早矢仕洋介
    • 原作である2のディレクターであった板垣伴信は、Σ2の発表前にテクモを退社している。
  • 新プレイヤーキャラクターとして、あやね、レイチェル、紅葉(『NINJA GAIDEN DragonSword』のヒロイン)の3人が追加された。
  • Co-opで2人のプレイヤーが協力して敵の殲滅に挑む「チームミッション」を搭載。

評価点

2で不評だった点の削除および調整

  • スイッチを押して道を開く、鍵を入手して扉を開ける等の、いわゆる謎解き・おつかい要素がほとんど削除された。
    • 純粋にアクションのみを楽しめるようになり、ゲーム自体もサクサク進められるように。
  • 爆裂クラゲ、ホバーエクゼター、アマゾニアンデスワーム等の敵が削除された。
  • 人狼の死体投げ削除、9連装ポッド兵の配置数減少等の調整。

R1ボタンで次に進むべき方向を示してくれる

  • 初回プレイでありがちな、道に迷う、先へ進むための梯子や扉が見つからないといったことがなくなった。

チャプターチャレンジの搭載

  • ゲームクリア後の話になるが、任意のチャプターに挑戦できるようになった。
  • データを引き継いでの周回プレイはできなくなったが、チャプターチャレンジは最初から全ての装備・忍法が最大強化されているので特に問題はない。
    • ただし開始時の回復アイテムやエッセンスの所持量が固定であるため、一部チャプターは本編よりも難易度が高くなっている。

新武器「破砕牙・閻魔」の追加

  • 『NINJA GAIDEN』の大刀ダビラヒロを彷彿とさせる武器で、攻撃範囲の広さと攻撃モーションの勢いが特徴。
  • 絶技は自分中心の範囲攻撃であり、大量に沸く小型の敵の殲滅に役立つ。

手裏剣と遠距離武器を同時に装備できるように

  • 手裏剣は従来通り○ボタン。他の遠距離武器はR2ボタンで使用できる。

矢の所持数が無限に

  • 残り弾数を気にすることなく、積極的に使っていけるようになった。

問題点

新武器「轟砲大筒」の性能が微妙

  • バズーカ砲のような遠距離武器なのだが、弾速が遅くて敵に当たり辛い上に威力もそこまで高くない。しかも撃った直後に長い硬直が発生してしまう。
  • この武器を弱点とする敵も存在しないため、使い道のないネタ武器と化してしまっている。

チームミッションのCPUのAIが酷過ぎる

  • 1人で挑戦する場合、相方が必ずCPUになるのだが、完全にプレイヤーの足手まといとなっている。
  • どちらか片方の体力が0になるとゲームオーバーという仕様のため、どんなにプレイヤーの腕前が良くてもCPUがいるためにクリアできないというミッションが非常に多い。
    • 一応、体力が0になっても相方に助けてもらえば復活できるシステムが存在するのだが、CPUの場合復活直後にまた死ぬため意味が無い。
    • 「忍の道」「強者の道」程度の難易度であれば何とか突破できるのだが、「悟りの道」以上の難易度となると開始後十数秒でCPUが死ぬ。囮にすらならない。
  • 結果、ネット環境がないプレイヤーは「悟りの道」以上の難易度のミッションを、どう頑張ってもクリアできないことに。

新プレイヤーキャラクターで遊べるチャプターが1つだけ

  • 新キャラクターの参戦を売りにしているにも関わらず、そのキャラクターを操作できるのはたった1つの専用チャプターのみ。
  • ハヤブサのチャプターを新キャラクターで遊びたかった、という意見は多い。
  • 一応、チームミッションで操作することはできるが、後述の問題により実際にチームミッションで使うプレイヤーはあまりいない。

新プレイヤーキャラクターの性能が微妙

  • 『NINJA GAIDEN Σ』でもあったが、今作でもその問題は解消されていない。
  • 3人に共通した欠点として、「風路」が存在しない、攻撃力が低い等。
  • レイチェルとあやねは忍法が弱く、あやねに至っては攻撃のリーチが非常に短い上、絶技の威力・欠損率も悲しいぐらいに低い。
  • 紅葉は強力な忍法やリーチの長い武器を持つが、どちらもハヤブサより高い性能ではない。
  • 結果、どのキャラクターもハヤブサの劣化版になってしまっている。そのため高難易度のチームミッションにおいて新キャラクターを使うプレイヤーはほとんどいない。
    • 例外として、レイチェルのみ裏風を利用した裏技(通称レイクル)や、エリザベートに有効な絶技、超性能のマシンガン等があるため、特定のミッションでは需要がある。

賛否両論点

大幅な難易度調整・敵配置変更

  • 敵の数がかなり減り(半分以下)、殲滅戦(大量の敵と戦うイベント)も廃止された。
  • アクション初心者・シリーズ未経験者には好意的に受け入れられた一方で、『NINJA GAIDEN Black』や2をやり尽くしたプレイヤーからは歯ごたえがなくなったと批判された。
  • ただ、敵の数が減った分、敵の攻撃力が強化されており、サクサク進めるほど簡単になった訳ではない。
    • もっとも、その攻撃力の強化という調整自体賛否が分かれるのだが(後述)。

「超忍の道」における敵の投げ技が実質即死攻撃

  • 敵の投げ技を喰らうと8~9割程度のダメージを受ける。
    • 2やBlackの最高難易度でもここまでのダメージは喰らわない。
  • アーチヴァンゲルフや、ボスの投げ技はどんなに体力が高くても即死する程の威力。
  • 調整により下がった難易度を引き上げるための処置なのだが、これもシリーズ経験者の間では賛否が分かれている。
  • 「緊張感があっていい」と容認する者もいれば、「そういう難易度の上げ方は求めていない」と批判する者もいる。

「超忍の道」におけるアーチヴァンゲルフの火炎弾が即死級の威力

  • こちらも先述の点と似た内容であるが、問題はそれを画面外から放ってくるということ。
  • 投げ技と違ってガードできる(それでも半分近く体力を削られる)ので、全く対処法がない訳ではないが・・・。
  • チャプター3の終盤で、アーチヴァンゲルフが複数体出てくる場所があるのだが、この問題によりその場所の難易度が恐ろしいことになっている。
    • 戦闘場所は長く狭い通路でありアーチヴァンゲルフはその通路の両端から出現する。つまり敵全員を画面に映せない。画面外から火炎弾を撃ちまくられてしまう。
    • もっとも、このような事例は2では(即死級のダメージではないが)当たり前のようにあったため、シリーズ経験者からすればそこまで問題視するようなことでもなかった。
  • ただ、シリーズ未経験者からすればこの画面外攻撃は悪質極まりないものであり、この場所で「超忍の道」のクリアを諦めた者も多い。

高難易度におけるチャプター11(あやねの専用チャプター)が難し過ぎる

  • こちらも「新プレイヤーキャラクターの性能が微妙」に関連することで、このチャプターで詰むプレイヤーが続出。
  • 出現する敵は地蜘蛛忍者(二刀、爪、妖忍)、人狼、アーチヴァンゲルフ(難易度によって変化)と、普通。
  • 問題はあやねの弱さにあり、今まで紅葉・レイチェル・ハヤブサでならできたことのほとんどが、あやねではできない。
    • 絶技・忍法の威力が低過ぎるのでそれに頼った戦法が使えない。レイチェルも忍法は弱かったが、代わりに絶技が強かったので何とかなった。あやねは絶技も弱い。
    • ハヤブサの飯綱落としに該当する胡蝶飯綱も威力が低すぎるために主力として使えない。
    • ハヤブサの首切り投げに該当する闇鴉も、攻撃の起点としては優秀だが威力はかなり低い。ハヤブサのように壁に当てて欠損という戦法も取れない。
  • 結果、弱攻撃や飛燕で欠損させて滅却というスタイルで戦っていくしかなくなるのだが、リーチが短く立ち回りには相当苦労する。
  • ただ、2の「超忍の道」やBlackの「MASTER NINJA」のチャプター1ほど理不尽という訳ではないので、時間を掛けて慎重に戦っていけば突破はできる。
    • また難しいのは雑魚戦だけで、ボス戦は非常に楽。要は雑魚敵の行動パターンや弱点さえ把握してしまえば良い。

チームミッションの「忍びの極み(特に2と3)」の難易度が異常

  • 内容は2が「エリザベート、ヴォルフ、アレクセイの3人(増援でゼドニアスも登場する)を同時に相手にする」、3が「魔神幻心3体を同時に相手にする」。
    • どちらも「超忍の道」基準の強さ。その難しさは理不尽を通り越して、ユーザに対する嫌がらせとも言える。
  • 更に、Σ2のトロフィーの中に「チームミッションを全てクリアする」という物があり、この問題のためにトロフィーコンプできない人が続出。
  • 後に、レイチェルの裏風で常時無敵になれる裏技や、魔神幻心2体を無力化できる方法が見つかったため、現在では攻略法はある程度確立されている。
    • それでも初~中級者レベルのプレイヤーにはクリア不可能なレベルであり、本気でクリアを目指すなら、上級者同士が前もって打ち合わせをした上で挑戦する必要がある。

爆破・風魔手裏剣、弓絶技の廃止

  • 2種の手裏剣に関しては、もともと2でもあまり出番がなかっただけにそこまで問題視されなかったが、弓絶技の廃止に関しては批判の声が多い。
  • 代わりに通常撃ちの威力がかなり上がる等弱体化した訳ではないのだが、弓絶技で敵を粉砕する爽快感が味わえなくなってしまった。

ゴア表現の緩和・カット

  • 人間系の敵の首が飛ばなくなった他、欠損箇所の断面図が紫や緑色のエフェクトでぼかされたり、血や肉片の飛び散る量がかなり減らされる等の変更があった。
  • より一般向けになったと言えるが、リアリティがなくなったことを嘆くファンもいる。

総評

板垣伴信を始めとするTeamNINJAの主要メンバーのテクモ退社により、発売前から「板垣本人がいないのにリメイクとか大丈夫か」「凡作・クソゲーに改悪されるでは」と、本作に対する大きな不安がファンの間に広がっていた。が、実際のところ特にこれといった改悪はなく、むしろアクション初心者・シリーズ未経験者向けに改良された部分が多い。

無論、そういった調整・変更はファンの間では賛否両論だが、アクションやテクニック等の肝心な要素は2からそのままの形で継承されており、ニンジャガの持つ本来のゲーム性は損なわれていない。3Dアクションとしての出来は依然として良く、ニンジャガシリーズの入門用としては最適である。


余談

このΣ2の発売により、早矢仕洋介を始めとする新生TeamNINJAはシリーズファンから一定の評価を得られたのだが…続編である『NINJA GAIDEN 3』の出来が「ニンジャガイデンシリーズとして」あまり良くなかったために、せっかく得た評価を落とすことになってしまった。