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ドラゴンスピリット - (2012/07/25 (水) 19:11:00) の編集履歴(バックアップ)
ドラゴンスピリット
【どらごんすぴりっと】
ジャンル
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縦スクロールシューティング
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対応機種
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アーケード
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メディア
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ナムコシステムI
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発売
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ナムコ
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発売日
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1987年6
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概要
ナムコのゼビウス以来となる縦スクロールタイプの対空・対地撃ち分けタイプのシューティングである。
これまでのナムコシューティングの要素を取り入れた集大成的作品となっている。
ストーリー
主人公アムルは魔神ザウエルにさらわれたアリーシャ姫を救出するため、太陽神アーリアから授かった剣の力によってブルードラゴンへと姿を変え飛び立った。
特徴
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既存のファンタジーRPGなどにおいて敵となることが非常に多かったドラゴンが主役となり、縦シューティングでは珍しい中世を舞台となっている。
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体力&残機制。敵、敵弾または障害物に接触することによってライフが1消耗し、0になるとミスとなる。
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ライフを増やす方法は無いが残機はスコアによるエクステンドが2回、またはハートのアイテムを3つ回収することによって増やすことができる。
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ハートのアイテムに関しては次回プレイに持ち越しが可能。これは『ギャプラス』のシステムを取り入れている。
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レバーでブルードラゴンを操作する。
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横移動のほうが縦よりも移動速度が若干速いため、敵弾の回避などには横移動を主に用いる。これも『ギャプラス』と同様である。
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対空・対地ファイヤーボタンでそれぞれの敵を攻撃する。これは『ゼビウス』を踏襲している。
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点滅する敵を撃破するか卵を破壊することによって出現するアイテムを取ることによってパワーアップ(場合によってはダウン)する。
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赤玉:3つ集めることによって対空ファイヤーの威力がアップ。最大2段階まで。
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ただし第2段階にしてしまうとワインダー能力をつける反面連射能力が弱まり、かつ目の前の敵を攻撃できない仕様となるため事実上第1段階のほうが強い。
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青玉:ドラゴンの首が増える。最大3本まで。
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これも3本にしてしまうと当たり判定の大きさの割に画面内に表示できる弾の限界を越してしまう所謂「弾切れ」が発生するため、首2本で進めるのが基本となる。
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Sマークの玉:スモールドラゴン
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首が1本となる代わりに当たり判定がかなり小さくなる。下記のワイドと併用すると火力不足も余裕で補えるが出現はランダム。
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Wマークの玉:ワイドファイヤー
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左右斜めにファイヤーが追加される。火力は最低段階となるがそれを補えるほどの広範囲への攻撃力を誇る。これも出現はランダム。
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火球の玉:ファイヤーブレス
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ノーマル時の8倍の攻撃力の貫通力のある長い対空ファイヤーを放つ。壁も貫通且つラスボスも俊殺できる火力だがファイヤー2段階同様目の前の敵を攻撃できないためザコラッシュには案外脆い。
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以下のアイテムは時間制限のあるものとなる。
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×マークの青い玉:ホーミングファイヤー
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一定距離進むと炸裂し敵を誘導する対空弾。しかし誘導性能が良いとは言えず弾切れも起こすためあまり使えない。
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緑と赤の×マークに透明の玉:アースクエイク
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一定時間地震を起こし陸上の敵にダメージを与える。これを引くと非常に楽になる場面もある。
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紫の翼のマークに透明の玉:パワーウィング
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一定時間無敵になる。アースクエイク以上にこれが出ると非常に楽になる。
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黄色の玉:マジックアイ
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暗闇の中を進む8面のみ出現。一定時間前方の視界が広がる。
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なお、これ以外にも取ると1段階パワーダウンするドクロ、1000点のダイヤ、10000点の金色の玉が存在する。
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ステージ構成は1面のカルスト台地に始まり、火山、ジャングル、砂漠、洞窟、氷山、海中、暗黒面、魔宮と全9エリアからなっている。
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道中チェックポイントがあり、ミスした場合はそこまで戻されて再開となる。
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BGMはめがてんこと細江慎治氏作曲。彼のナムコ入社のデビュー作であり、これまでのナムコの作曲者とはまた違う路線であり名曲揃いであった。
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アーケードのオリジナル版と若干の修正が入った後のCD、移植版に収録されたリファイン版が存在する。
問題点
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「弾、撃たせ過ぎ」
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当時アーケードではまだ連射装置が一般的ではなく、手動による連射が基本であった。しかしこのゲームは自機の画面内に出現できる弾の数が非常に多めに設定されていたため、一定以上の連射能力があるとファイヤー第1段階さえあれば首2本、いや首1本で進んでいっても問題なく進めてしまう。上記の台詞は開発当時『ギャラガ』のプロジェクトリーダーに言われた言葉である。しかしそのままリリースしてしまった。
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不安定なゲームバランス
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上記のように連射装置があると並みいる敵を一掃できるので一見ヌルゲーのように思えるが、厄介となっているのは当たり判定のある障害物である。
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ショットで破壊できないわ、弾をドカドカ吐くザコを守るわ、果ては行き止まりと非常にいやらしいものとなっている。
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このため、アイテムの引きに左右される場面もあり、無敵が出るか否かで全然違ったり果ては最終面のアイテム地帯の金の玉とハートアイテムの引きで最終スコアが大きく変わる運ゲーの要素も強い。
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ただし行き止まりに関しては壁抜けという裏技を使うことにより突破可能。というより最終面はこれを使うこと前提の攻略となっている。
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さらに輪をかけて初期バージョンではブルードラゴンの縦移動速度が極端に遅かったため目の前で弾を吐かれたら終わり、という状況も多々あった。
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さすがに開発もリリース前に分かっていたらしく、ニューバージョンでは移動速度を向上、コンティニュー時にはパワーアップして再開という仕様とされた。
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4面ボスのバグ
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しかしニューバージョンでも修正されなかったのが4面ボスのバグである。
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一定以上の火力で撃ちこんでしまうと何もない空間で1ダメージを受けてボスを瞬殺またはボスが無敵となってしまうというものであった。
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これを回避するには自力で撃ちこみ速度を変えるか、道中であえてパワーダウンをするしかないため厄介な初見殺しであった。
総評
しっかりとした背景設定、クオリティの高い楽曲群、アリーシャ姫の「アムルー!」の呼び声が感動させてくれるエンディング、そしてナムコの当時までの全作品が紹介されるスタッフロールは圧巻。『ナムコ黄金時代』の思い出として、この作品を挙げるレトロゲーマーも数多い。
英字による「故深谷正一氏へ捧ぐ((86年に逝去した同社プログラマー。このころにリリースされた『イシターの復活』『源平討魔伝』にも同様の文が掲載され彼が非常に慕われていたことがうかがえた)」からも分かるように、これまでのナムコゲームの集大成的な作品となっている。
リリース当時はD&Dマニアから「ブルードラゴンが火を吐くのはおかしい」という指摘もあったが、その後この火を吐くブルードラゴンは受け入れられた模様である。