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サクラ大戦 - (2012/09/27 (木) 15:02:01) の編集履歴(バックアップ)


サクラ大戦

【さくらたいせん】

ジャンル ドラマチックアドベンチャーゲーム
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対応機種 セガサターン
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
企画 セガ・エンタープライゼス、レッドカンパニー
発売日 1996年9月27日
定価 7,140円
レーティング セガ審査:全年齢推奨
サクラ大戦シリーズリンク

B級エンターテインメントの最高峰

原作は『魔神英雄伝ワタル』『天外魔境?』の広井王子。
脚本には『爆れつハンター』『セイバーマリオネットシリーズ』のあかほりさとる。
キャラクターデザインに『逮捕しちゃうぞ』『ああっ女神さまっ』『テイルズ オブ ファンタジア』の藤島康介。
そして音楽は田中公平と各界の一流クリエイターが集結し作り上げた、セガサターンオリジナルタイトルとしては売り上げ最高*1を記録した作品。
大正浪漫に恋愛、スチームパンク、宝塚、スーパー戦隊シリーズ等あらゆる要素をごちゃまぜにして一つの作品を作るその様は、まるで原作者・広井王子氏の地元である月島の名物、もんじゃ焼きのような凄まじい世界観のゲームである。

ストーリー

時は太正十二年の日本。帝国海軍の士官学校を首席で卒業した新任少尉である大神一郎は、財界の大物である花小路伯爵より、秘密部隊「帝国華撃団」隊長の任を受け、銀座の帝国華撃団本部へと出頭する。しかし、そこは少女劇団「帝国歌劇団」が舞台に立つことで帝都東京でも有名な劇場「大帝国劇場」であった。
秘密部隊ではなく、軍が運営する秘密舞台の雑用(モギリなどの)として呼んだという劇場支配人米田一基の言葉に落胆する大神であったが、劇場に突然鳴り響く警報音と共に状況は一変する。米田の言葉は大神を試すためのウソであり、この劇場こそが間違いなく帝国華撃団の総本部、そして平時は舞台に立つ歌劇団の少女たちは霊力を武器にして帝都の平和を乱す魔に立ち向かう秘密部隊「帝国華撃団・花組」の隊員だった。大神一郎は個性豊かな6人の隊員たちを時には衝突しつつも一つの部隊としてまとめあげ、悪の組織「黒之巣会(くろのすかい)」へと立ち向かっていく(Wikipediaより)。

LIPS

基本、アドベンチャーパートでは所謂「恋愛シミュレーション」のようなコマンド選択を迫られるが、このゲームにおいてはその選択肢を選ぶ際に時間制限がある。これが本作におけるオリジナルシステム「LIPS」である。

  • ゆえに、のんびり考えている暇などなく、また、それゆえに「現実の女の子と会話をしているような」臨場感も味わえる。
  • むろん、ただ早く答えればいいとは限らず時間をかけたほうが良かったり、場合によっては答えないほうがいいこともあり、そういった部分もより実際の会話らしさを強める要素である。

作品評価

アドベンチャーパートとシミュレーションパートを繰り返す形となるが、難易度は高くなく進めやすい形式だった。ただし、難易度の低さゆえに手ごたえがないといわれることもある。またシナリオは概ね好評だがラストの超展開のみ評判が芳しくない。 キャラクターはメインヒロインで異常なまでにやきもち焼きの 真宮寺さくら 、トップスタァの 神崎すみれ 、男装の麗人役を務める マリア・タチバナ 、関西弁でメカの達人の 李紅蘭 、大柄で怪力な 桐島カンナ 、そしてずば抜けた霊力を秘めた少女 アイリス と個性が強いというかアクが強いという形であるため好みが分かれやすい*2。そういったこともあるが、ヒロインではない比較的オーソドックスなキャラ立ての脇役女性キャラがヒロインたちに匹敵する人気を持っており、実現しなかったが攻略対象への昇格を求める声は多かった。
家庭用機では始めてインターネット接続に対応したサターンのゲームだったこともあり、インターネット黎明期においてはもっともファンサイトも多いドラマティックアドベンチャーゲームである。

  • キャストも横山智佐、富沢美智恵といった当時の人気声優はもちろん、『ドラゴンボール』のクリリン役や『ONE PIECE』のルフィ役で知られる田中真弓など意外なキャスティングも多い。勿論全員演技の質が高く、棒読みは存在しない。

作品を彩る名曲の数々

ミュージカルの世界を舞台にしたゲームだけあってそのBGMも評価が高い。
『天外魔境 風雲カブキ伝』*3やOVA『トップをねらえ!』アニメ『機動武闘伝Gガンダム』の音楽や『ONE PIECE』の主題歌を手がけた巨匠、田中公平氏が手がけた主題歌「檄!帝国華撃団」を始め、当時脂が乗っていた実力派声優たちが歌う楽曲はどれもレベルが高い。特に「檄!帝国華撃団」、通称ゲキテイは初めて聞いたはずなのにどこか懐かしい、そんな錯覚を覚える田中氏の職人芸が垣間見える。一度は何処かで耳にしたことがあるのではないだろうか(※動画参照)。

メディアミックスとして

そしてこのごちゃまぜゲームはそのスケールの大きさゆえにゲームの世界だけに安住することを好まなかった。
原作者、広井王子は仕掛け人としてなんと「中の人に実際にゲームのキャラと同じ格好で」舞台で演技させたのだ*4。「歌謡ショウ」と名づけられたこの一連の舞台はゲーム関係者だけでなく舞台関係者の度胆を抜き、後年広井氏がNHK-BSの舞台の番組にインタビューされる事となる。
この「歌謡ショウ」は当時のアイドル声優ブームによる声優の露出急増という後押し要素もあり、ゲームの担当声優による作品宣伝イベントの範疇を超えたコンサートイベントであったり作品劇であったりという企画が行われるようになる切欠を作った。

その後の展開

その後SS→DC→PS2とプラットフォームを変えながら着実にシリーズを重ね、同時期にギャルゲー界で覇権を競った作品群の多くが衰退する中地道に10年以上生き延びた数少ないギャルゲーでもある*5
メインナンバリング作品は5作までだが、多数の派生作品が存在しており2011年4月にはブラウザゲームが稼働する予定だったが、続編の情報が無いことから事実上凍結されたものと思われる。ただしその中には、レッドカンパニー改めレッド・エンタテインメントが「ゲーム*6は誰のもの?」と疑問を投げかけて制作したGB版*7や、セガサミー経営統合直前という*8絶妙のタイミングで、よりによってライバル会社のアルゼ*9からリリースされたパチスロ版があり、現在新作リリースが途絶える遠因となっている。
また、池袋にサクラ大戦専門ショップが存在していた。
ゲーム以外ではOVA、テレビアニメ、劇場版アニメ、漫画、ラジオ等さまざまに展開しており、2012年現在も漫画や歌謡ショウは継続中である他、同年には初の女性向け作品『サクラ大戦 奏組』が『花とゆめ』で連載されており、こちらもやはり舞台化が決定している。ただし、本作は広井王子、あかほりさとる、藤島康介の三人はノータッチである。
余談として、一度『スーパーロボット大戦』シリーズへの参戦交渉が行われていたこともあるのだが、原作者広井王子氏自らがはっきりと断っている。ただし、2012年に発売予定の3DSソフト『プロジェクトクロスゾーン』にはさくらと大神、エリカとジェミニの四人と、『OGシリーズ』のキャラクター・ゼンガーが参戦する。
現在プレイするなら2とセットになっているPSP版がお手軽。4までをプレイするならWin版がお勧め。