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ドラゴンクエストV 天空の花嫁 - (2013/02/20 (水) 20:10:14) の編集履歴(バックアップ)


ドラゴンクエストV 天空の花嫁

【どらごんくえすとふぁいぶ てんくうのはなよめ】

ジャンル RPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売元 エニックス
開発元 チュンソフト
発売日 1992年9月27日
定価 9,600円(税抜)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
ドラゴンクエストシリーズリンク


概要

ドラゴンクエストシリーズの第5作目。天空シリーズの2作目で、ストーリーに直接のつながりはないが世界観は『IV』と共有されており、時系列上も『IV』より後の時代になっている。


特徴

ストーリー

  • 父に連れられて世界中を旅する少年期から10年以上の苦節を得て花嫁と結ばれる青年期前半、8年間の離別を得て家族と再会し幼少期の因縁を果たす青年期後半まで、波瀾万丈の人生を経験する主人公が少年から大人へ、そして父親へと成長する様を描く。
    • 前作以上にストーリーを語ることに特化したため、「一本道」と揶揄される強制的な展開が批判されることもあるが、「少年が父親になるまで」を描いた本作のシナリオは、大河小説を読むようなスケールの大きさと感慨深さを味わうことができる。
    • 特に青年期前半の「結婚」イベントは、2人の候補からどちらかを生涯の伴侶に選ぶと言う選択となっており、多くのプレイヤーに強い印象を与えた。現在でも両方に大勢のファンとアンチが存在し、未だに論争を繰り広げているほどである。ただ、イベントの発生が唐突過ぎるなどシナリオ的には問題も含んでいる(詳しくは後述)。

仲間モンスター

  • 主人公は成長すると不思議な力が備わった「モンスター使い」になり、戦闘で倒したモンスターを一定の確率で仲間にすることができる。仲間になったモンスターはパーティの一員として連れて行くことができ、様々な「じゅもん」や「とくぎ」を覚えて戦闘をサポートする。
    • システムそのものは『女神転生』シリーズのオマージュと思われるが、威厳と愛嬌をあわせもった鳥山明デザインのモンスターは人気が高く、モンスターとともに戦えるシステムは好評を得た。このシステムは次作『VI』にも受け継がれ、『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』においてさらなる発展を遂げた。
    • 前作の仲間キャラクターがシナリオでは個性的なキャラづけを行った一方で戦闘面では『III』の「職業」の延長線上にとどまっていたのに対し、本作の仲間モンスターは人間にはない「とくぎ」を使うことができるなど「職業」の枠に収まらない個性を発揮している。
    • 全てのモンスターを仲間にできるわけではなく、ゲーム中では仲間にできるモンスターを判別できないなどの難点もあるが、基本的に過去のシリーズで知名度の高いモンスターは仲間になるし、イベントで必ず仲間になるモンスターもいるので、仲間集めに苦労することはない。また、モンスターは預かり所に預けることもできるので、コレクション要素として楽しむこともできる。
    • ちなみに、当時の攻略本などでは「仲間になる可能性のあるモンスターは最後に倒すと仲間になりやすい」と書かれていたが、これは厳密には間違い。正しくは、「仲間になる可能性のあるモンスターが複数いた場合、最後に倒した種類のモンスターだけが仲間になる可能性がある」。よって、敵パーティに仲間になる可能性のあるモンスターが1匹or1種類だけなら、どんな順番で倒そうと関係ない。

馬車・AIの改善

  • 「馬車」「AIシステム」が続投されたが、前作で批判されていた部分が改善されている。
    • 戦闘中の馬車を使ったメンバー入れ換えはターンを消費せずに一度にできるようになった。その一方で、パーティメンバーが4人から3人に減少している。これは「馬車が活きる」という中村光一氏のアイディアとバランス調整(おそらく積極的なメンバー入れ換えを促そうとしたもの。前作の難易度が比較的低く、4人パーティーが固定されがちだったことも踏まえている)だったが、この点は不評を買っている*1
    • 仲間に指示をする「さくせん」コマンドに、直接命令を下すことができる「めいれいさせろ」が追加された。出来の悪かったAIの学習機能も廃止され、AIはあらかじめ敵のHP、耐性、状態変化を全て把握しており「めいれいさせろ」以外で行動させると、適切な行動を行うようになった。

インターフェイス面の進化

  • 「はなす」「しらべる」などのコマンドを1つのボタンで実行できる「べんりボタン」が登場。ライバルのFFは1作目からこれに似たシステムを搭載していたが、DQでは初搭載となった。また、コマンド1つでHP全快まで回復呪文を使い続ける「まんたん」コマンドが初登場したのも本作である。
  • 戦闘画面では背景や武器・魔法のエフェクトが表示されるようになり、フィールドマップでの操作感もスムーズになった。
  • 地味な変化ではあるが、文字が拡大され漢字交じり文になるなどテキストも読みやすくなった。また、容量制限から解放されたことで主人公の名前にカタカナが使えるようになった

やりこみ要素の充実

  • エンディング後、とある場所に隠しダンジョン・裏ボスが出現する。本作はエンディング到達をフラグとする隠しダンジョンと裏ボスが取り入れられた事実上最初のRPGでもある。「クリアしたらそれっきり」というRPGが主流であった当時、「クリア後の隠しダンジョン」というお楽しみ要素は各方面で大きく取り上げられ、後にシリーズ恒例の要素となった。
    • 隠しダンジョンでは「たたかいのドラム*2」「はかいのてっきゅう」などの強力なアイテムが手に入り、これらを使うことを前提としたゲームバランスになっているため、それまでとは違ったプレイ感覚で遊ぶことができる。
  • 仲間モンスターについても、「はぐれメタル」「キラーマシン」など非常に仲間になりづらいモンスターを仲間にしたり、モンスターを限界まで育てて強力な特技を覚えさせたりする楽しみがある。また、仲間モンスターは強さに極端な格差がある(詳しくは後述)のだが、それを逆手にとってわざと弱い仲間モンスターでクリアするというやりこみ(縛りプレイ)も見られた。

賛否両論点

今でこそ「古きよき時代のRPG」と笑い飛ばせるものも多いが、当時からシナリオや仲間モンスターに関する問題を指摘する声はあり、特に以下の点が賛否両論となっている。

結婚イベント

  • ストーリー中でも最重要イベントの1つなのだが、そこへ至るまでの流れが唐突かつ強引であり不自然に感じられてしまう。
    • たまたま立ち寄った街で令嬢の争奪戦が行われていること、その途中で偶然幼馴染みと再会し花嫁候補になること、どちらを選んでも花嫁が勇者の血筋であることが明らかになることなど、よく言えばドラマチック、悪く言えばご都合主義的な展開が随所に見られる。
    • 余談だが、ファンの間では結婚相手の選択を巡るいわゆる「嫁論争」が頻繁に交わされており、掲示板などで話題に挙がると必ずと言っていいほど荒れるため、多くの場で禁則事項とされている。
      • その候補2人のうち、ビアンカはイベント面*3で、フローラは性能面*4で、それぞれ大きく優遇されており、それも論争を巻き起こす大きな原因となっている。
      • 例えば、ビアンカ派の「フローラを選ぶ奴は実利を優先して情がない」、フローラ派の「ビアンカを選ぶ奴はシナリオを押し付けられているだけ」と言った罵り合いは、結婚イベントを語っている場所ならそれこそ無数に見る事が出来てしまう。特に荒らしでない人間でさえこういった発言を自然としてしまうあたり、非常に罪深いイベントといえる。

シナリオ

  • 本作はシリーズの中でも特にシナリオに重点が置かれた作品であり、ファミ通クロスレビューで「のめり込むシナリオ」と評された一方、「一本道」とも評されており、自由度の低さが批判されていた。いわゆる「JRPG」のハシリとも言える。
    • 例えば、船を入手しても浅瀬で不自然に区切られていて自由に行き来できず、他の新しい乗り物を取得してもその時点で行ける場所は基本的に1つと、自由な探索がほとんどできない。
      このような構成は物語をスムーズに進められるという利点はあるものの、決められたとおりに進めなければならないという印象が強く、「親子3代の物語」という壮大なストーリーでありながら小ぢんまりとした感じになってしまっている(これに加えて、物語が主人公の身内の問題に終始してしまっていることやフィールドマップに町や城が少ないことも世界を狭く感じさせる一因となっている)。
    • また、シリーズお約束の「喋らない主人公」であるせいで、主人公の心情が読み取りにくかったり、主人公が次に何をしようとしているのかがはっきりしなかったりするなどの弊害も起こっている。上記の結婚展開の唐突さや『嫁論争』の要因もここにある。
      • プレイヤーに感情移入させるための「喋らない主人公」はドラクエの恒例だが、本作の場合、プレイヤーの心情と主人公の行動が必ずしも一致してくれない。
  • DQシリーズには欠かせない「伝説の勇者」。本作でも必要性が強調されているのだが、加入後も物語の中心は主人公である。途中参加するがパーティに入れる必要もなく、実はいなくても魔王は倒せる。それどころか、一度たりとも同行させないままクリアすることも可能である。
    • とはいえ、伝説の勇者というだけあって戦力としては申し分ないので、だいたいの人はパーティに勇者を加えることとなり、結果この部分がクローズアップされることはあまりない。
  • 同じくDQシリーズには欠かせない「大魔王」も、終盤にならなければ名前すら出てくることはなく、これといって表に出てくることもないため、主人公にとっては母親を助けるついでに倒す程度の存在に感じられる。当時の雑誌インタビューなどでも「『IV』よりもボスの存在感が薄くなった」と言われた*5

仲間モンスターシステム

  • 斬新なシステムではあったのだが、新要素ゆえか作り込みの甘さや底の浅さを指摘する声も少なくない。
    • どのモンスターが仲間になるか分からないので、仲間にならないモンスターを勘違いして延々と倒し続ける人が多かった。モンスターの中には仲間になる確率が極端に低いものもいる*6ため、よけいに判別が難しい。
    • 序盤・終盤に登場するモンスターに強力なものが多い*7反面、中盤に登場する(攻略本などでは「★★☆」と星三つ以内で表記されている)モンスターは成長限界や習得特技が中途半端なものが多く、ピンポイントで連れて行くには適したものもいるのだが、長く連れて歩くには厳しい。
      このため、仲間になるモンスターの数こそシリーズ随一であるが、モンスターを仲間にすることによる戦術の広がりやパーティ編成の自由度はそこまで高いとは言えない。 ただし、中間枠のモンスターが全く使えないというわけではなく、趣味になりがちだが最後まで連れて行くこともできる。
    • 後の作品とは違って、起き上がったモンスターを直接預かり所へ送ることができず、今いるモンスターを強制的に預かり所へ送る必要がある。スタメンであっても例外ではないため、ダンジョンなど容易に戻ることができない場所でモンスターを仲間にすると苦労する(この問題はリメイクで改善された)。

難易度

  • シナリオ主導に作られているらしく、DQシリーズではお約束となる「レベル上げ」をしなくてもサクサク進んで行き強いモンスターが比較的序盤かつ簡単に仲間に入ったりするので、ゲームとしての難易度は歴代でも一,二を争うぐらいに低い。
  • ボスキャラも6行動の完全ループであるのが多く、余裕を持って対処出来る。ラスボス第二形態は登場時に3つの行動パターンのどれになるかランダムで選ばれそれによる難易度差があるが(俗に言う強、中、弱パターン)、完全2回行動でない上にパターン化されているのでシリーズでもかなり弱い部類である。

バグ・裏技

  • SFC第1作目であったためか、本作は有益・無益を問わずバグが多いことでも有名。当時のゲーム雑誌や『大技林』などでも多数のバグ技・裏技が紹介されている。主なものとしては、
    • 特定の手順を踏むことでカジノで高確率で儲けることができるバグ。
    • 仲間モンスター2匹以上の時に、モンスターじいさんを利用して1回戦っただけで仲間モンスターが必ずレベルアップするバグ。
    • 1匹のはぐれメタルをどくばりで何度も倒せるバグ。また、同様の手順でバグモンスター「きせきのつるぎ」が出現する場合もある。
      • これらはプレイヤーに有利なバグであるため、裏技として活用された。
    • 船のグラフィックが主人公に変化したり、何もない場所でタルや墓を調べたことになったり、宿屋でパーティの最後の1人が壁からはみ出したり、など、グラフィックに関するバグ。これらはお遊び的なものとして紹介されており、ゲーム進行に支障はない。
    • 「主人公が消失する」「バグった仲間モンスターに変化する」バグ(通称:ボロンゴ技)
      • これは主人公のデータ自体が消滅してしまい以降のフラグ立てができずに詰むなど致命的な場合も多い。手順は「主人公以外を先頭にしてモンスターじいさんに仲間モンスターの様子を見せてもらう」だけだが、これをやった時点でほぼ正常なゲーム進行ができなくなる*8
      • 棺桶のまま生き返れなかったり、ステータスのバグった仲間が出現したり、フィールド上で突然オープニングが流れ始めたり、5桁ダメージを出すキャラが出たりなど様々な怪現象が発生する。しかしフリーズする場合も多く、バグらせた状況によってはすぐにリセットしたとしても高確率で「ぼうけんのしょ」が消える危険がある。
      • 現在は解析が進んでおり、バグありRTAやTASではイベントフラグを強引に立ててショートカットなどに利用されている。ただし通常のプレイへの意図的な運用は難しい。
    • さらに、発売から10年を経て「ひとしこのみ」と呼ばれる裏技が発見された。これは「必ず会心の一撃が出すことができ、必ずモンスターを仲間にできる」というもので、発売当時に発見されていたらゲームバランスどころかゲームの存在そのものを崩壊させかねない技であった*9

問題点

グラフィック

  • 致命的な問題があるわけではないが、同時期のSFCのRPG作品と比較すると、ダンジョンマップやモンスターグラフィックの陰影などの質が低いという指摘が根強い。また、公式イラストや戦闘画面などと歩行用ドット絵の配色が明らかに異なっているもよく批判される。

ゲームバランス

  • 戦術面など細部を見るとやや大味なところがある。
    • 一言でいえば物理優遇。「レベルを上げて物理で殴ればよい」とまでは言わないが、下手に攻撃呪文や補助呪文を使うよりも、物理攻撃と回復呪文による力押しの方が楽に攻略できてしまう。これに関連して、戦闘の主要メンバーも物理優遇の「鉄板」モンスターに固定されてしまうことが多い。
      • 本作では物理役でありながら同時に回復呪文・特技が使えるキャラが多いのもその一因である。また前述のとおり、パーティメンバーが4人から3人に減らされたことで、その減少分に「補助・攻撃呪文役」の枠を割り当てる人が多かったようだ。
      • また、前作までは攻撃呪文役は攻撃力が皆無と言っても良かったのだが、本作以降の攻撃呪文役はそれなりに物理攻撃がこなせる事も呪文が冷遇される一因であると言える。
    • 本作からブーメラン・ムチなど通常攻撃で複数の敵に一遍にダメージを与えられる武器が登場したが、そのぶん攻撃呪文の利用価値が落ちてしまっている。また、仲間モンスターのみが使える「とくぎ」もMPを消費せずに強力な攻撃ができるものが多いため、『VI』以降で加速していく「特技偏重」の発端ともいわれる*10
      • 終盤で手に入る「やまびこのぼうし」(1回の呪文で2回分の効果を得られる)を装備すれば立場は逆転する*11。が、物理側にも隠しダンジョンに前述した「たたかいのドラム」があり、それによって再び立場は覆る。
      • 更に、主人公が覚える系統の攻撃呪文に対し耐性を持つ敵が中盤に差し掛かる頃から増え始め、終盤では多くの敵に無効という有様。主人公は力も十分に伸びるので結局は打撃攻撃の方が強い。
    • 一概に問題点と言うことはできないが、AIが優秀すぎる。倒し損ねた敵にとどめを刺したり、敵の先制で味方のHPが大きく減ったところに回復魔法をかけたりと、手動操作ではできない臨機応変性を備えており、作戦によっては「めいれいさせろ」よりも効率のよい行動を行う。そのため、戦闘ゲームとして楽しみたい場合はAIを使わない方がよいと言われることも。
      • 特に作戦のうちの一つ、「じゅもんせつやく」がきわめて良効率に立ち回る。この作戦だけを指定しさえすればただでさえ低めの難易度が一段と下がるといわれるほど。「じゅもんせつやく」は本作以降姿を消した作戦だが、あまりに優秀すぎたために削除されたと邪推されるほど。
  • ストーリーの中核ともいえる「嫁」が弱い。
    • 魔法使いキャラであるため物理優遇の本作では不利なうえに、肝心の魔法戦力としても意外に便利な呪文を覚えてくれない。後で加入する娘の方が装備品に関しては強い*12
    • さらに嫁はストーリーの中盤で長い間離脱してしまうため、復帰後にレベルの開きが出てしまうというのに、レベルアップに必要な経験値が群を抜いて高く成長が遅い。このため、再加入後は他の仲間にどうしても大きな遅れを取るため、ダメージ重視のプレイヤーには外されやすい。
  • 「かしこさ」の存在意義。仲間モンスターは「かしこさ」が20以上になれば命令を聞いてくれるが、人間キャラに設定された「かしこさ」は何の役にも立たない。これはリメイク版でも一切改善されていない。

総評

シリーズが慢性的に抱えていたビジュアル面の問題に加え、ゲームバランスの粗さやシナリオ・設定の異端ぶりに注目が集まり、本作の売り上げは『III』以降ではシリーズ最低となる280万本に留まるなど低い評価がなされていた*13が、その後再評価され、リメイク版はPS2版が現時点で歴代1位となる161万本を売り上げるなど、「シリーズ最高傑作」とまで言われるようになった。シリーズのお約束を破りつつもそのアイデンティティを失わないよう新たな地平を拓いた本作は、発売当時は他のRPGに遅れをとったが人気シリーズの新ハード第1作としては充分な活躍を示したといえる。


余談

  • 前述のとおり本作は裏技が多いことで有名だが、その中でも有名だったのが「裏ボスを一定ターン以内に倒すと仲間になる」というもの。結論を言ってしまうと完全なるガセネタなのだが、当時まだインターネットも存在していなかったにも関わらず、なぜか全国レベルで知られていた。
    • 当時のVジャンプなどでも話題になっており、発売から数年経ったVジャンプでようやく公式的に否定された。
    • この噂を参考にして、リメイク版ではとある仲間モンスターが追加されたり、『VI』『VII』SFC版『III』では裏ボスが自分の撃破ターン数を教えてくれるイベントが追加されたりした。
    • また、外伝の『ジョーカー2』『ジョーカー2プロフェッショナル』ではこのボスを10ラウンド(ターン)以内に倒すと本当に仲間になるイベントが挿入された。
  • 本作のサウンドエンジンに満足が行かなかったすぎやまこういちは、次作『VI』の開発に向け、崎元仁を筆頭とする専門のサウンドチームを結成。専用のサウンドエンジンを開発するに至った。
  • Yahooゲーム、DQMVBコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行なわれたアンケートでは、全9作中、Vの主人公が2位にランクインしている。更に同日行なわれた「お気に入りの(ナンバリング限定)大魔王は?」のアンケートでは全9作品中、Vのラスボスはビリから2番目であった。
  • 本作から攻撃呪文「ヒャド」がシリーズ内で謎の冷遇を受け始めている。
    • 本作ではなぜか「モンスターだけが使える呪文」として登場し、仲間キャラは誰1人ヒャドを覚えない(「ヒャダルコ」「マヒャド」は覚える。また、本作以降「ヒャダイン」が削除された)。リメイク版では仲間も覚えるようになったが、使えるタイミングの問題で用なしに。
    • ちなみに、『VII』ではヒャドを覚えられる職業(モンスター職)にはかなりゲームを進めないと就くことができない。また、強力な攻撃手段が多いため気づかれにくいが、本作と『VII』の終盤はヒャド系の効く敵が極端に少なくなっている。
    • また、かなり役立つ「ルカニ」という呪文を覚えるキャラが本作では仲間モンスターのエリミネーターのみ。これもリメイク版では覚えるキャラが増えた。
  • 本作の戦闘画面は歴代のものと比べても特殊で、地上のほかに空中にも出現場所があり、飛行タイプのモンスターは上に、それ以外のモンスターは下に表示される。このため、「スライム6匹+真上にドラキー4匹=10匹」のように、他のシリーズよりも敵の出現数が多くなったり、モンスターのサイズによっては飛行タイプのモンスターのグラフィックで地上モンスターのグラフィックが隠れることも。狭い画面にモンスターがひしめきあう姿が見られるのは本作だけであろう。
  • ちなみに本作は、設定上ではIVの数百年後の世界である。IVにも出てきた建物が「天空への塔」と「天空城」だけなのはまだ分からなくもないが、大陸の形が大幅に変わった理由は不明。短期間のうちにとてつもなく大規模な地殻変動でも起こったのだろうが、その点について全く説明は無い。

その後の展開

  • PS2DSでリメイクされた。
    • やりこみ要素の追加、4人(匹)パーティ、仲間モンスターの増加などが評価されている一方、PS2版はお粗末なAI、DS版は新たな嫁のデザインや扱いなどが批判され、リメイク版両方共ではとあるボスの出番を多くした結果ストーリー中に矛盾が生じてしまったことなどが批判されている。個別の記事があるので詳しくはそちらで。
    • 「裏ボスを仲間にできる」というガセネタがなんと本当になった(正確には仲間になるのは裏ボス本人ではなくその息子(自称)だが)。当時やりこんでいた人たちには嬉しいサプライズだった。
  • 本作を題材にした作品として『小説ドラゴンクエストV』(久美沙織著。ノベライズ自体は『I』のころからあり、久美氏は『IV』~『VI』を担当した)のほか、とまとあき脚本のCDシアター、ゲームブック、マンガ『天空物語』(幸宮チノ著。主人公と子どもたちが再会するまでの8年間の物語を描いた)などがある。
  • 厳密には本作出典ではないのだが、本作の仲間モンスターを使った「バトルえんぴつ」というキャラクター文具が発売され、空前絶後の大ヒット商品となった。20代以上の人に聞いてみよう!
  • 『IX』では配信限定のゲストキャラクターとしてビアンカ・フローラ(・デボラ)が登場。装備品として主人公のコスチュームも登場している。ただし、キャラクター描写はリメイク版に準拠しており、フローラの性格が『いたスト』仕様のためか、やや不評。