「超速変形ジャイロゼッター」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
超速変形ジャイロゼッター - (2012/11/06 (火) 09:34:07) の編集履歴(バックアップ)
超速変形ジャイロゼッター
【ちょうそくへんけい じゃいろぜったー】
ジャンル
トレーディングカードアーケードゲーム
対応機種
アーケード
発売元
スクウェア・エニックス、タイトー
開発元
ロケットスタジオ
稼動開始日
2012年6月21日
プレイ料金
100円
備考
ドライバーズIDカードは500円で販売
概要
児童(小学校中学年~高学年)を主なターゲットとしたアーケードゲーム。1クレジットごとに1枚の「マシンカード」が排出される。
ロボットに変形する自動車「ジャイロゼッター」の活躍を描く。国内自動車メーカーとの協力により、多数の実在車両がジャイロゼッターとなって登場している。
協賛メーカーは、トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、三菱自動車、光岡自動車、スバル(富士重工業)の計6社。
ゲームは「ドライブモード」と「バトルモード」の2部構成であり、1クレジットで両方を楽しむことができる。モード移行の際にゲーム筐体が変形するのが大きなアピールポイント。
スクウェア・エニックスの児童向けTCAGとしては『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ 』の後継作に位置づけられる。開発元も同じであり、バトルモードのシステムや演出などに共通点が見られる。
2012年6月に、先行リリース的な位置づけの「第0弾」が稼働開始。同年9月に新バージョン「第1弾」にアップデートされ、多数の新カードが追加された。
ゲーム内容
ゲーム開始&モード選択
100円玉を投入してクラクションボタンを押す。マシンカードが筐体下部から排出されるので受け取る。
「ジャイロゼッターをプレイする」「遊び方をおぼえる」「カードだけ買う」のうちから一つを選択する。
「ジャイロゼッターをプレイする」を選んだ場合、「ひとりでプレイする」「ふたりで協力してプレイする」のどちらかを選ぶ。
「ひとりでプレイする」を選び、かつ2台の筐体がリンク状態で設置されている場合、乱入対戦を受け付けるかどうかを選択する。
「ドライバーズID」という専用ICカード(500円で別売り)を挿入する。なくてもプレイできるが、プレイ履歴の記録や経験値・アルカディアポイント(チューンナップパーツや使い切りアイテムを買えるお金のようなもの)の蓄積はされない。
コースを選択する。第1弾の時点では「練習コース」を含む7コース+ランダムが選択可能。
持っているマシンカードを3枚まで筐体にスキャンする。最初にスキャンしたマシンがリーダーカー(ドライブモードで操作するマシン)となる。スキャン枚数が3枚未満の時は規定のマシンが貸し出される。
ドライブモード
CPUが操る敵チームが出現。このうちのリーダーカーと、一対一のレースを繰り広げる。
操作はステアリングと左手のレバー。レバーを上に倒すとブースト、下に倒すとブレーキ。
フットペダルはなく、アクセルを操作することもできない。アクセルは常に踏みっぱなしの状態である。
ブーストを使うと爆発的に加速するが、使用のたびにEP(エネルギー)を消費する。また壁や敵車に接触するとEPが大幅に減少する。路上に置かれたアイテムを取得するとEPが少し回復する。
このドライブモードで敵車に勝ち、より速いタイムでゴールインすると、バーストパワーが最初から溜まった状態でバトルモードを開始できる。またEPの残量がそのままバトルモードに持ち越される。
バトルモード
バトルモードに移行する際には、画面の指示に従ってステアリングを上に押し上げて、ゲーム筐体を「超速変形 」させる。 ダッシュボードが展開して4基の「ジャイロレバー」が出現。同時に画面上でもジャイロゼッターが車からロボットに変形する。以後、バトルモードでは中央2基のジャイロレバーのみを使用する(2人協力プレイの際は、それぞれ左右2基ずつを使用する)。
バトルモードは自チーム対CPUチームの、3対3のコマンド入力バトル。双方はマシン3台分のEPを合算したEPゲージをそれぞれ持ち、これを互いに技を繰り出して削りあう。 1対1の技の応酬を3組行うことで1ターンとなり、以後組み合わせを変えてターンを繰り返す。
ターンの最初に、マシン3台分の技を選んで、ジャイロレバーを押し込んでコマンド入力する。技はマシンごとに多種多様だが、どのマシンでも3種類から選ぶことになる。
ノーマルアタック :通常攻撃。クリティカルが出やすく、バーストパワーも溜まりやすい。右のレバーを押し込んで入力する。
バーストアタック :威力が高い必殺技。何らかの追加効果を持つことも多い。左のレバーを押し込んで入力する。
カウンターアタック :敵がバーストアタックを選択していた場合は、これを跳ね返して自分は無傷、敵に大ダメージを与える。それ以外の場合は微量のダメージを与えるのみ。両方のレバーを押し込んで入力する。
入力が終わったらバトル開始。バトルは自動で進行するが、技のインパクトの瞬間にジャイロレバーの操作が求められる。タイミングよく操作するとバーストパワーが大きく加算される。
「スペシャルカード」を一試合につき1回だけ使用可能。全体攻撃、味方強化、敵の行動阻害などの特殊な技が発動する。
バーストパワーが溜まりきると自動的に、究極必殺技「ファイナルバースト」モードに移行して、ゼツボー的にカッコイイ ファイナルバースト発動 (公式攻略動画より)となる。その威力は絶大であり、ほぼ勝利が確定する。
こうしてターンを繰り返していき、先に相手のEPゲージを0にした側が勝者となる。
まれにボスキャラがバトルモードに乱入してくることがある。一体のみで出現し高いステータス値を誇るが、行動パターンにある程度の法則性があるので、それを読みきれば撃破可能である(2人協力プレイでは必ずボスキャラが出現する)。
マシンの能力値とタイプ
+
クリックで表示
各マシンは以下の能力値を持つ。
EP :ドライブモード開始時のEP(エネルギー量)。これをたくさん残してドライブモードを終えると、バトルモードでのEPも多くなる。
スピード :ドライブモードでは速度に影響。バトルモードでは攻撃の順番に影響。高い方が先攻を取りやすくなる。
パワー :ドライブモードではブースト時の速度に影響すると言われている(詳細は未検証)。バトルモードでは攻撃した際に与えるダメージに影響。
ボディ :ドライブモードでは壁にぶつかった際のEP減少量に影響。高いほどEP減少が少ない。バトルモードでは攻撃を受けた際の防御力となる。
エコ :ドライブモードにおけるEPの減りにくさ。これが高いほど、通常時・ブースト時ともにEP減少量が少ない。
そして、各マシンは以下の4つのタイプに分類される。
スポーツタイプ :スピードに優れる。ドライブモードを高速で駆け抜け、バーストパワーを貯めてファイナルバーストを撃つ戦法を得意とする。上級者向け。
セダンタイプ :すべての能力値が高めのバランス型。クセがなく幅広い戦法に対応できる。中~上級者向け。
ワゴンタイプ :パワーとボディに優れる。ドライブモードでの速度は控えめで、壁にぶつかってもEPペナルティが軽い。バトルモードでは攻防に直結する能力が高いため主力となる。初~中級者向け。
エコタイプ :エコに優れる。速度が遅いが、ハンドリング性能が高く扱いやすい。安全運転に徹して多くのEPをバトルモードに持ち越す戦法を得意とする。バトルモードでは特殊能力に長けたサポート役となる。初心者向け。
この他にマシンのメーカーと車体色も重要。「メーカーをすべて揃える」「車体色をすべて揃える」「マシンのタイプをすべて異なるものにする 」と、バトルモード開始時にボーナスとして能力が強化される。このボーナスは複数の同時取得も可能。
評価点
気分を盛り上げる凝った筐体。
本作の魅力・特徴は、まず何よりも筐体構造にある。ドライブモードこそ一般的なレースゲームと大差ないが、バトルモードでは「ジャイロレバー」という特殊なデバイスを操作する。 このジャイロレバーは円筒型で、押しこむことで操作する。かなり大きく、強めのバネが入っているので、プレイヤーは両腕を張りそれなりの力を込めて操作することになる。トリガーもついており射撃系の技などでタイミングよく入力する。 こうした操作感覚が、いかにもロボットを操縦している気分を実感させてくれる。『戦場の絆』のようなリアルな操作感覚とも異なる、まさにスーパーロボットの操縦者気分を味わうことができる。
そして本作の最大のアピールポイントが、モード移行時の「超速変形 」である。 プレイヤー自身の手でステアリングを押し上げると、派手な電飾と効果音にあわせてジャイロレバーがせり出して来る。一度体験したら忘れられないほどのインパクトのあるギミックで、プレイヤーの闘争心をゼツボー的に 高揚させてくれる(大人のプレイヤーにとっては、少し気恥ずかしいかも知れないが)。
腕前の優れた者が勝利するゲーム設計。
当たり前のことを言っているようだが、児童向けTCAGというジャンルでは、むしろ少数派と言っていい。プレイヤースキルが勝敗を分けるゲーム設計であるため、年長・大人のプレイヤーにとっても遊びごたえがある。
ドライブモードでは、一般的なレースゲームと同様のテクニックが要求される。繰り返し練習してドライビングテクニックを身につけ、コースを憶える必要がある。 バトルモードでは互いの戦略と戦術が勝敗を分ける。「このとおりに操作すれば必ず勝てる」というヒントなどはなく、相手の選ぶ技を読みきることが重要になる。 対CPU戦では、敵は行動にクセやパターンを持っているので、これを熟知すれば戦いを優位に進められる。また対人戦では「わざと特定属性のバーストアタックに弱いチーム編成にして、相手のバーストアタックを誘ってカウンターバーストで返す」「レースモードで負けたからカウンターバーストを多めに入れて一発逆転を狙う VS それを見越してノーマルアタック中心で攻める」などといった心理戦が展開されることになる。
レアリティの高いカードが絶対ではないバランス。
マシンの強さとカードのレアリティとの相関性がそれほど高くない。同じ車種が複数のレアリティに存在することもあるが、大抵は属性攻撃への耐性(および車体色)が違うだけで、ステータス値は同一である。 したがって、レアリティの高いカードを多数集めるよりも、明確な戦法を踏まえたチーム構成を考えたり、先述した組み合わせボーナスを取得する方が重要となる。そのためレアリティの低いカードだけでも十分に戦える。
児童向けTCAGは「強力なカードをたくさん持っている者が勝つ」「希少なレアカードを多数集めないと真剣勝負の場に立つことすらできない」といった物が多いのだが、本作はそのような傾向が薄い。
ジャイロゼッターというメカの持つ魅力。
ジャイロゼッターのデザインがユニークで魅力的であり、技のモーションも凝っている。
リーゼント頭のツッパリ学生のような姿の「羅武流」、女狐と花魁をモチーフに三味線型のライフルを持った「アルシオーネ」、ボンネットがそのままカエルロボの頭部となる「マーチ12X」などなど、非常にキャラが立った個性的デザインが多い。
デザインがオーソドックスな機体も、多くは特徴的な目立つ武器を持っており、それを活かした技モーションを見せてくれる。
メインメカデザインは、アニメ『機動戦士ガンダムAGE』で敵モビルスーツのデザインを担当した石垣純哉氏。他に『ガンダム』シリーズや『ダライアスバースト 』の海老川兼武氏、『マクロス』シリーズや『アクエリオン』シリーズの河森正治氏など、多数のデザイナーが参加している。
アナウンサーによるアツいバトル実況。
バトルモードでは「マイクマン関」というアナウンサーが、戦いをハイテンションに実況してくれる。「ヤリヤリヤリヤリ、やりすぎィィー!!」「装甲を脱ぎ捨てて……おまえ誰だァーーッ!!」などの実況セリフはネタ性も高く、ファンから愛されている。
ジャイロゼッターは純然たるメカであり、意志を持ったり喋ったりすることはない。しかしこの実況の楽しさと、躍動感ある技モーションのおかげで、無機質で冷たい印象は感じさせない。
賛否両論点
筐体構造による問題。
ショッピングセンターや大型電器店にも設置できるように、小ぶりでコンパクトな設計でありコクピット型をしていない。そのためレースゲームとしての臨場感では見劣りする。
椅子も店が別途用意する。椅子を置いてない店では大人には遊びづらい(体格によっては小学生でも苦しい)。体格の小さな子供には、むしろ遊びやすいのだろうが。
アクセルを緩める操作ができないため、コーナリングに独特の感覚とテクニックが要求される。レースゲーム経験者でも最初は戸惑うかもしれない。
減速してグリップ状態で曲がることが難しいので、ほとんどのコーナーをドリフトで走破することになる。ひとたびコツを掴めば、なかなか気持ちが良い。
フットペダルがないという点は、今までレースゲームの経験がなかったプレイヤーには遊びやすいのかも知れない。
スペシャルカードが手に入りにくい。
先述のようにレアリティが低いマシンカードでも十分に戦えるが、スペシャルカードはすべて「ウルトラプレミアム」か「プレミアム」のレアリティに属しており、筐体から排出される確率が極めて低い。 「一枚も持っていないより、どんな種類の物でも一枚持っていた方が確実に有利」という性質の物なのだが、そのたった一枚を手に入れるだけでも苦労させられる。
しかし雑誌やマンガ版単行本に付録としてついており、また「マシンカード下取りキャンペーン」でも手に入る。これらの方法で入手するのが良いだろう。
問題点
児童層に対する配慮と希求力の不足。
高いプレイヤースキルが要求されるゲームなのに、チュートリアルなどに児童層への配慮が薄く、ハードルの高いゲームになっているという批判がある(特にドライブモード)。
「遊び方をおぼえる」では「初心者にはエコタイプがおすすめ」ということを教えてくれない。アニメの主役メカであるスポーツタイプのライバードなどを初回プレイに選んだら、ろくにコーナーも曲がれず、わけがわからないまま終わってしまうかも知れない。
ドリフトをする方法は教えてくれるが、ドリフト状態から脱する方法は教えてくれない。
ドリフトのコツは早めのカウンターステア。またドリフト中にブーストを使用するとドリフト状態が強制終了する。これらのテクニックを知らないと、壁に連続でぶつかってピンボール状態となってしまう(小学生の中には「カウンターステア」という概念すら、教えてもらわないとわからない子もいるのではないだろうか)。
「練習コース」が実装されたのは第1弾にバージョンアップされてからであり、第0弾の時点では存在しなかった。
そもそも、努力や練習が勝敗を分けるゲーム内容が、児童向けではないという指摘もある。お金の力でレアカードをかき集め、それを並べるだけで勝てるようなゲームの方が、児童層への希求力は高いと言うのだ。 極論のようにも聞こえるが、他社の高インカムTACGの人気の理由を考えると、あながち間違っていると言い切ることもできない。
カードデザインからマシンのタイプを判断しにくい。
マシンタイプはカードの四隅の色で判別できるのだが、エコタイプは緑、ワゴンタイプは赤っぽい茶色、セダンタイプは黒っぽい灰色 、スポーツタイプは黒っぽい灰色にカーボンシート風の模様 となっている。 また「旧車コレクション」と呼ばれるシリーズと、筐体から排出されないプロモーションカードは、マシンの種類にかかわらず全て赤っぽい茶色にカーボンシート風の模様となっている。
マシンの車体色に見分けづらい物がある。
どう見ても赤い「ロードスターRS(カッパーレッドマイカ)」が「ゴールド」に属している。また「プリウスα G(クリアーストームメタリック)」は、カードでは白あるいは銀色に見えるが、実際は「ブルー」である。
第2弾以降のカードデザインでは、マシンタイプや車体色分類が明記されて、判別しやすくなることが期待されている。
ネットワーク通信機能がなく、同じ店の2台の筐体で対戦する形式である。1台しか導入していないお店では対CPU戦しか遊べない。
総評
独創的で遊びごたえのあるゲーム内容が高評価を集めている作品。
基本的には児童向けのゲームなのだが、プレイヤースキルが勝負を分ける優れたゲーム性と、実在の車が多数登場するという要素のため、中高生や大人のプレイヤーも多く見られる。親子二代で楽しんでいる例も多い。
稼働開始当初は、肝心の児童層の人気が振るわないという声も聞かれたが、テレビアニメの放映開始により、少しずつ人気・知名度が向上してきているようだ。
余談
メディアミックス展開として、最強ジャンプ誌にマンガ版が連載中。また2012年10月よりTVアニメが放映されている。どちらも小学生の轟駆流(カケル)とジャイロゼッター「ライバード」、そして仲間たちの活躍を描いている。
バンダイより玩具も発売されている。しかし元々ジャイロゼッターは、玩具化を前提とした完全変形可能なデザインではないこと等から無理が生じており前評判が悪く、発売後もその評価は芳しくない。
ドライバーズIDカードや専用カードケースは、カケル少年とロボット形態のライバードが描かれた物と、漆黒の背景に車両形態のライバードが描かれた物の2種類が用意されており、後者は大人が所持していても違和感が少ないデザインである。この点からも、本作が大人のプレイヤーをも視野に入れて企画されていることがうかがえる。
+
参考・公式による攻略動画
VIDEO
VIDEO