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伝説のオウガバトル - (2012/11/18 (日) 11:11:12) の編集履歴(バックアップ)


伝説のオウガバトル

【でんせつのおうがばとる】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 スーパーファミコン
プレイステーション
セガサターン
開発元(共通)
発売元【SFC】
クエスト
発売元(他機種) 【PS】アートディンク
【SS】リバーヒルソフト
発売日 【SFC】1993年3月12日
【PS】1996年9月27日
【SS】1996年11月11日
定価 【SFC】9,600円
【PS/SS】5,800円
レーティング 【SFC(VC版)】CERO:C(15歳以上対象)
【SS】セガ審査:全年齢推奨
廉価版 【PS】PlayStation the Best
1998年8月6日/2,800円
配信 バーチャルコンソール
2008年11月11日/800Wiiポイント
オウガバトルサーガシリーズ

概要

後に『タクティクスオウガ』で名を馳せるクエストが送り出したシミュレーションRPG。
日本ではあまりウケが良くないジャンル「リアルタイムストラテジー(RTS)*1」の数少ない成功例として知られている。

本作はシリーズの記念すべき第一作目であり、全8章からなる叙事詩「オウガバトルサーガ」の第5章(副題:「The March of the Black Queen (黒き女王の行進)」にあたる。

  • 企画・シナリオは本作のプロデューサーにして、後にスクウェアに移籍し『ファイナルファンタジータクティクス』『ベイグラントストーリー』などを手がけた松野泰己氏が担当。本作は彼の出世作となった。
  • オウガバトルサーガのプロットは松野氏が1989年のクエスト入社時に提出した企画である。そして1991年の夏から1年半の製作期間をかけて本作が製作された。

ストーリー

古の昔、 力こそがすべてであり、 鋼の教えと闇を司る魔が支配する、「ゼテギネア」と呼ばれる時代があった。

賢者と讃えられた魔法使いラシュディ。
しかし、彼は狂気に駆られたのであろうか?かつての友であったグラン・ゼノビア王を暗殺、さらに北方の軍事大国ハイランドを率いる女帝エンドラと共に、4つの王国へ向けて戦争を始めた。
強大な軍事力を持つハイランド軍はわずか一年で大陸全土を制圧し、神聖ゼテギネア帝国が誕生。その支配はまさに恐怖政治そのものであった。

帝国暦24年。辺境の地シャロームにて、ゼノビア王国騎士団のわずかな生き残りが帝国に対し最後の戦いを挑もうとしていた。
そこで彼らは一人の若者と出会い、「星の導き」(占星術師ウォーレン談)によりその若者を反乱軍のリーダーとして迎え入れるが……


システム

実質的な続編である『オウガバトル64』に近いシステムを持ち、基本的には、「ステージの地形確認」→「ユニット(小隊)の編成・出撃」→「ユニットの進軍」→「ボスの撃破でステージクリア。次のステージへ」という流れとなっている。

ユニット編成

まず、全てのキャラクターは「ユニット」と呼ばれるチームに配属されることになる。『タクティクスオウガ』ではユニットは個人のキャラクターを指すが、本作ではチームのこと。混同しないように。

  • キャラクターは主人公含め最大100名まで登録可能。無名*2の「汎用キャラクター」のほかに、固有名持ちキャラクター(以下「主要キャラ」)も多数存在する。
    • 主要キャラは特定のイベントを発生させることで仲間になり、キャラによっては他のイベントにも関わってくる。最初から特殊なクラスに就いている者も多い。
      • ちなみに主人公キャラも「オピニオンリーダー」という固有クラスである。名前や性別を自由に設定でき(途中変更は不可)、性別ごとにグラフィックや、イベント時のメッセージ等の変化がある。
    • 汎用キャラは、ランダムエンカウントする中立のキャラクターを説得したり、各拠点で有料で*3雇用したりする等で仲間に引き入れることができる。また、主要キャラが仲間になる際に、汎用キャラがお供として一緒に加入することもある。
    • ファンタジーRPGらしく、ファイターやナイト、ホークマンにドラゴンといった多彩なクラスが用意されている。また、上級クラスへのクラスチェンジが非常に多彩に分岐するのも本作の特徴。
  • 各キャラクターにはHP、STR(物理攻撃と防御に影響)、INT(魔法攻撃と防御に影響)、AGI(行動順に影響)、各属性耐性(クラスにより固定)の基本パラメーターの他、CHA、ALIの特殊なパラメーターが設定されている。CHAとALIは上級クラスへのクラスチェンジに大きく影響を与える。
    • CHAとはカリスマ、つまり味方からの支持率を表す。自分よりレベルの低い相手を殺すと減少し、高い相手を殺すと上昇する。
      • ユニットのリーダー(後述)になれる上級クラスに転職するには、大抵は一定以上のカリスマが必要となる。また中立キャラの説得確率にも影響する。
    • ALIはアラインメント、善悪の度数である。自分よりALIの低い相手・レベルの高い相手を殺すと上昇し、ALIの高い相手・レベルの低い相手を殺すと低下する。簡単に言うと、「悪人を殺せば善人に、善人を殺せば悪人に、弱いものいじめは悪」ということである。
    • 最も特徴的なのはスケルトン・ゴーストといった“アンデッドモンスター”だろう。本作では初期アライメントが0でHPも0(!)、神聖攻撃を受けるとイチコロだがその他の攻撃を一切受け付けない*4という異色の性能を持つ。
      • なお後作とは違い「他クラスのキャラがアンデッドに変更される」とか「アンデッドを生者のクラスに転生させる」といった類の要素は無い。
  • 1ユニットの編成枠は最大5枠まで。人間や獣人、亜人などの小型キャラは1枠、魔獣やドラゴンなどの大型キャラは2枠を消費する。
    • そして編成時にはユニットリーダーを一人任命する。その際、リーダーになれないクラスもある*5ので注意。
  • ユニット内には前衛、後衛の配置がある。
    • それぞれ最大3枠まで配置可能。物理攻撃は前衛がいる限りは彼らが受け止めてくれるため、後衛のキャラに届かない。そのため肉弾戦キャラは前衛に、魔法キャラは後衛に置くのがセオリーとなる。前衛キャラが全滅すると物理攻撃が後衛に届くようになるため、迅速に相手の前衛を潰すことが勝利への近道である。
  • 各キャラは装備アイテムを1つだけ装備することができる。
    • 装備品の内訳は武器・防具・護符など色々と存在する。装備は必須ではない*6が、能力や耐性を底上げしたり直接攻撃に属性を賦与・変更したり出来るため、あると戦闘の助けになる。
      • 装備制限は特に無いため、魔獣系キャラに武器を使わせたり鎧や籠手を装着させるといった珍妙な組み合わせも可能。装備品はグラフィックに反映されないのが残念なところ。
    • 装備品は店では販売されていない。装備入手イベントや、教会を解放した際に低確率で入手できることもあるが、大部分は各地に眠る「埋もれた財宝」を見つけて入手することになる。

進軍

プレイヤーは各ユニットに目標地点を設定して進軍させる。マップに点在する拠点(都市や教会)を解放しながら進軍し、最後にボス敵のいる拠点を解放すればステージクリア。本作は半RTSであるため戦闘時は専用画面に切り替わるが、そこ以外は待ったなしのリアルタイムで進行する。

  • 日数と昼夜の概念が存在し、正午で一区切りとなる。
    • 各ステージは正午から開始し、その後は正午を迎えるたびにその日の決算が行われる。民衆からの支援金が支給され、出撃中のユニットの給料が自動的に差し引かれる。
    • 昼夜は戦闘にも影響する。昼はアライメントの高いキャラが強くなり、夜は低いキャラが強くなる。一部のキャラは昼夜で性能そのものが変わったりもする。
  • 敵ユニットは、味方ユニットから一定の距離内にいるものだけが表示される。見えない敵も(ボス以外は)常に移動しているため、放っておくといつの間にか味方本拠地を占領され、強制的にステージ敗退*7となりかねない。
  • ユニットの移動速度は、ユニットごとに設定された「移動タイプ」で決定される。基本的にはユニット内で最も運搬力の高いキャラクターの得意とする地形でユニット全体の移動タイプが決まる。魔獣系のキャラクターは全体的に運搬力が高めなので、これらのキャラクターを入れると移動タイプが特殊なものになりやすい。
    • 進軍の際にも、ユニットの移動タイプに応じ進みやすいルートが自動的に決定される。そのため目標地点が同じでも、ユニットによって途中のルートが街道沿いになったり森越え・山越え・海越えになったりする。
  • 各マップ開始時には味方本拠地以外の拠点は全て相手に占拠されているが、味方のユニットが進入し停止することで解放が可能。後述する「カオスフレーム」が増減し、都市を解放すれば支援金も増額する。
    • また、拠点解放時にはタロットカードを一枚引くことができる。引いた際になんらかの効果(プラスとは限らない)が発生する。入手したタロットカードは戦闘中にアイテム代わりに使用することができ、引いた時とは別の効果を発揮する(後述)。
    • 解放済みの拠点に敵が重なると再び占拠されてしまう。このため解放済みの拠点には防衛用のユニットを置いたり、敵の進軍ルートを読んで足止めを行う等といった対策が必要になる。

戦闘

マップ上を移動している敵のユニットと接触すると戦闘になる。また移動中に突然、中立キャラクターとの戦闘が起こることもある*8

  • 各キャラクターは自クラスに応じた行動をとる。行動内容は配置によっても変わる。
    • 例えば、パラディンなら前衛時は単体物理直接攻撃の「きりつける」を3回行うが、後衛時は味方のHPを回復させる「ヒーリング」を1回といった風に、使用する攻撃からして全く違うものになる。
    • クラスによっては複数の行動手段を持ち、ランダムまたは相手に応じて使い分けるものも存在する。例えば魔法使い系は、最初から神聖以外の各種属性(物理・火炎・冷気・電撃・暗黒)の攻撃魔法を扱うことができ、実際の戦闘では相手の耐性の弱点を突く魔法を自動的に選択して使用する。
  • 戦闘は基本的に自動で推移し、プレイヤーが手出しできることは少ない。各種タロットカードの使用、作戦の変更*9、「撤退」「説得(中立キャラなら)」の指示が出せる程度。
    • タロットカードの効果は図柄により違い、攻撃・回復・能力の増減など多岐に渡る。プレイヤーが敵や味方に能動的に影響を及ぼすことができる唯一の手段*10である。
  • 敵味方どちらかの全滅か、双方のキャラクターの行動をすべて処理した時点で戦闘は一旦終了する。全滅でない場合は損害を多く被った方が敗北扱いとなり、敗けた側のユニットはノックバックしてしまう。
    • リーダーの生死は勝敗そのものには影響しない。しかしリーダーが死亡状態のユニットは大半の操作を受け付けない敗走状態になり、本拠地まで逃げ帰るようになってしまう。
      • ボス戦だけは例外で、リーダー(ボス)を倒せばその時点で勝利しステージクリア、倒せなければ必ず敗北扱いとなる。部下を倒してもボスが生き残っていると部下が復活(再補充?)してしまうので、ボス戦ではボスを集中攻撃するのが鉄則。

その他のシステム

  • カオスフレーム
    • カオスフレームは「民衆からの支持率」を表すバロメーターで、エンディングも含むイベントの結果に大きく作用する。民衆を思った行動を取る(悪人を倒す、戦いを無用に長引かせない、等)で上昇し、逆の行動を取ることで下降していく。
    • 拠点解放時には、解放したユニット内のキャラ達のアライメントの高さに応じカオスフレームが変動する。個々の変動は小さくても、積もり積もれば影響が目に見えて大きくなっていく。民衆は英雄的な戦いを求めているのである。

評価点

完成されたゲームシステム

第一作にも関わらず、ゲームシステムはよく練られている。SFC初期の作品ながら、既にリアルタイムストラテジーの一つの完成形と言ってもいいかもしれない。

  • キャラクターは非常に多彩で個性豊か。そのキャラクターを組み合わせたユニットの種類は実質無限といってもいいほどであり、自分の好みにあわせて戦略を立てられる。ただし、後述する理由によりグッドエンドを狙うなら戦略はほぼ固定されてしまう。
  • 先述の通り、戦闘においてプレイヤーが手出しできる事柄は多くない。しかしそれだけにストイックさがあり、戦闘の緊張感は高い。日ごろのユニット育成が試される機会である。
  • 隠し拠点、埋もれた財宝、特定のイベントをこなさないと仲間にならないキャラなど、やりこみ、隠し要素も豊富。

魅力的なシナリオとキャラクター

  • グロテスクなまでに現実的な『タクティクスオウガ』に比べると、本作のシナリオの大筋は「世界制覇を狙う帝国とそれを陰で操る宰相を正義感にあふれる若者が打ち倒す」というありがちな王道ストーリー。しかしシナリオを彩る個々のキャラクターのクセが強く、それでいながら王道を外さない壮大な「英雄叙事詩」に仕上がっている。一部のキャラクターは『タクティクスオウガ』『オウガバトル64』に続けて出演している。
  • また、エンディングは様々な要因によって多彩に分岐する。帝国を打ち倒した後、主人公たちがどのような運命をたどるのか?是非とも自分の目で確かめてほしい。
    • 基本的にはカオスフレームと主人公のパラメーターが強く影響するが、それ以外にも特定の仲間を加えたかどうか、とあるアイテムを手に入れたかどうか等の条件により分岐する。中にはバッドエンドもあるが、選択肢があからさまに怪しいので回避は可能なはず。

BGM

  • 岩田匡治、崎元仁、松尾早人の3人による共作となっている。3人ともが当時からすでに名を上げていた作曲家であり、オーケストラ調のBGMは非常に好評である。

ビジュアル面

  • 吉田明彦氏と皆川裕史氏がキャラクターデザイン等のビジュアル面を担当。独特の画風は当時から健在であった。
  • 戦闘時のキャラのアニメーションも凝ったものばかりで見ていて飽きがこない。

難点

グッドエンドの発生条件が非常に厳しい

具体的には「とあるアイテムの入手と重要NPCの参入」、「主人公のアラインメントとカオスフレームがほぼ最高値である」ことが条件となるのだが…。

  • 前者の達成条件が非常に厳しく、事前に攻略情報を知っていないと各地をかけずり回らされたり、最悪最初からやり直すハメになる。
    • ちなみに最高のエンド「World」を目指す場合、必要となるアイテムは10種類を軽く越える。
  • 後者に関しては調整を行えば何とかなるが、ゲームシステムをかなり熟知していなければ厳しい。そして、ゲームシステムを理解せずにカオスフレームを無視してクリアにこぎつけたプレイヤーには、相応のエンディングが用意されている。
    • アラインメントを調整するため、主人公のユニットが戦う相手は慎重に選択する必要がある。できるだけ低ALI・高レベルの相手を狙っていくのが望ましい。
      • ALI自体は一旦最高値(100)にしてしまえばそれより高い相手は存在しないため、その後は相手のALIを気にする必要はあまり無くなる。
      • 一方、レベル差は常に意識する必要がある。相手より強すぎるとALIがもりもり減っていき、逆に低すぎても苦戦するだけなので、相手のレベルに対して-2~+0程度のレベル範囲を目安に神経をすり減らしながら戦うことになる。
    • カオスフレームはさらに面倒。普通に進めて適当なユニットで適当に解放していると、条件を満たすのはほぼ無理。敵を倒しすぎるとレベルが敵より高くなり、それでも倒すとアライメントが低下してしまい、アライメントの低いユニットで拠点を解放するとカオスフレームは下がってしまう。
      • これを避けるためには「拠点解放はアライメントの高い部隊で」というのが鉄則。高ALIキャラは解放部隊に、低ALIキャラは実戦専門部隊にといった役割分担をすればよい。
      • 上記を突き詰めたものが通称「死神部隊」という物騒な戦術。殲滅力・戦闘性能の高い精鋭部隊で結成したユニットを敵の本拠地の正面に配置。出現する敵をこのユニット単体によりレベル差もALIも度外視で黙々と処理。時々わざと手加減して敵を見逃し、そのおこぼれを他のユニットで仕留めればレベルの問題も解決。
      • そして死神部隊が殺戮を繰り返すその裏で、ALIを高くした小奇麗な解放部隊が各地を解放して回り*11、民衆の支持を集める。簡単に言うと民衆が見ているところでは清廉潔白な解放軍を演じ、しかしその裏では情け容赦なく徹底的な殺戮を行う鬼畜な軍隊ということ。「いくらリアルを謳っているとはいえ、そんなところまでリアルにしなくても…」と思うかもしれないが、こうでもしないとカオスフレームを高く維持するのは難しい。

キャラクター性能の格差

  • 移動タイプ「低空」「大空」の移動性能が高すぎて、他の移動タイプの価値が低い。特になまじ運搬力の高い非飛行系の魔獣キャラは実用性が極めて低くなっている。
  • 本作では現在出撃中のユニット全てに給料を払う必要があるのだが、このせいで給料の馬鹿高い固有キャラの実用性が怪しくなっている。
    • 実質死神部隊含めて3~5ユニットもあれば攻略には十分であり、それ以上作るのは金の無駄になりやすい。相手の侵略も敵本拠地付近で死神部隊が全て迎撃すれば気にする必要はないので、防衛用ユニットも不要。
      • 逆に死神禁止となると、前線の拠点や交通の要所に防衛ユニットを張りつける等して完璧な包囲網を敷く必要がある。戦闘もレベルの関係で(タロット補助が無ければ)一人一殺はほぼ無理で、さらにユニットのレベルが上がりすぎるのを防ぐために早解きが必須に近くなる。
      • 出撃させない限りは費用もかからないため、多数のキャラを育成したい場合は、マップ毎に出撃ユニットを決めてローテーションを組むなどといった方法もある。
  • 主人公の戦闘タイプはゲーム開始時の質問で4タイプに分かれるのだが、ここで「魔法使い型」が来るとアラインメントの上昇が非常に難しくなる。理由は前衛後衛どちらに配置しても暗黒属性の魔法攻撃しかできないため。スペック自体は高いのでグッドエンドを狙わないなら使いやすいのだが…。
    • 多くの低ALIクラスは暗黒耐性に優れるため、低ALIキャラにとどめを刺すのが難しくなり、結果的にALIの上昇が難しくなる。
    • 加えて、最低のALIを持つ“アンデッド”を直接倒すことが出来ない。神聖攻撃を一発当てさえすれば(攻撃力とは無関係に)倒せることもあり、ALI上げには最適な相手だというのに。
      • 他の戦闘タイプなら前衛に配置すれば、神聖魔法を使えたり、神聖武器を装備しての直接攻撃で討伐可能だったりする。

賛否両論点

  • ストーリーに関係しない部分で、運任せな要素がかなり多い。
    • アイテムの入手のランダム性が高い。
      • 装備アイテムの入手法は先述の通りだが、内容は完全にランダム。弱い武器ばかり出ることもあれば、序盤から強力装備が出ることもある。
      • 敵ユニットを全滅させた際に消耗品アイテムを入手できることがある。ただ消耗品の中には「強力な上級クラスへのクラスチェンジを可能とするアイテム」まで含まれているため、これを序盤に引き当てるとバランスが崩壊しかねない。
    • タロットカードを引いた時の効果にマイナス効果が含まれている。首尾よく「Lovers(カオスフレームUp)」「Emperor(カリスマUp)」あたりを引ければいいのだが、「Devil(カオスフレームDown)」「Tower(アラインメントDown)」などの後処理が面倒な効果も。
      • また「Sun(真昼にする)」を引いた場合、元の時間によっては強制的に正午まで時間が進み、一日経過したことになってしまう。

総評

日本ではまず受けないだろうと言われていたリアルタイムストラテジーでありながら、40万本以上という大ヒットを記録した作品である。
その理由としては完成されたシステム、一般受けしやすいファンタジー的な世界観、魅力的なキャラクターが挙げられるだろう。
そして本作のヒットを受けてクエストは世紀の傑作、『タクティクスオウガ』を発表するに至るのである。


その後

移植

本作はセガサターン、プレイステーション、携帯アプリなど様々な媒体に移植されている。

  • セガサターン版は、声優、マップなどが追加された「完全版」と呼ぶに相応しいもの。
  • プレイステーション版は…残念ながらほぼ劣化移植である。
    • 上の両者は基本的な部分は再現されているものの、敵ユニットの総数や獲得経験値が減少している等の調整が加えられており、SFC版と同じ戦略は通用しない点に注意。
    • またPS版には「耐性バグ」「装備品バグ」などの独自の不具合がある。
      • 前述の通り本作では耐性はクラスにより変化するのだが、PS版ではクラスチェンジしても耐性がクラスチェンジ前のまま変化しない。これが耐性バグ。
        つまり、男性系最下級クラスのファイターから手塩にかけて最強クラスのリッチ*12を作り上げても、耐性は貧弱なファイターのまま、という悲惨なことに。
        ちなみに、昼夜で性能の変わるクラス「ヴァンパイア」「ワーウルフ」「ワータイガー」だけはこの呪縛から逃れている。しかし、ワーウルフもワータイガーも事故*13を除くと積極的にクラスチェンジすることができず、クラス自体も昼夜の性能差が激しすぎて非常に使いづらい。
      • PS版ではSFC版にはなかった「装備を外す」コマンドが追加されているのだが、このコマンドを使っても変化したパラメーターが元に戻らない。こちらが装備品バグ。
        よって貧弱だろうがなんだろうが一個でも装備品があればそれを使いまわすことですべてのキャラクターのパラメーターを大幅に向上可能。耐性を上げる装備があれば耐性もマックスにできる。
        ただし、やりすぎるとオーバーフローを起こして大幅にパラメーターが減少する羽目になる。
      • 耐性は画面上では確認できないので変化を実感しにくいが、装備品バグは一度でもこのコマンドを使えば確実に気付くレベルの稚拙なバグ。なぜこんなものが残っているのか非常に不可解である。
  • 携帯アプリ版はSFC版ベースの移植。サイドストーリーであるエクストラマップと自軍ユニットを派遣するサーバークエストが追加されている。
  • バーチャルコンソールでも配信されている。こちらはSFC版ベースとなっている。
    • 上記の通りPS版はろくでもないバグの存在でオススメ出来ず、またSS版は現在入手困難。よってプレイするならば携帯アプリ版か、VC版(本体があるならSFC版も)を選ぶと良い。

関連作

後にネオジオポケットにて本作の前日談である『伝説のオウガバトル外伝 ゼノビアの皇子』が発売されている。