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Riviera ~約束の地リヴィエラ~ - (2012/11/28 (水) 23:59:01) の編集履歴(バックアップ)


Riviera ~約束の地リヴィエラ~

【やくそくのちりヴぃえら】

ジャンル RPG
対応機種 ワンダースワンカラー(スワンクリスタル対応)
発売元 バンダイ
開発元 スティング
発売日 2002年7月12日
定価 5,229円(税込)
移植版 GBA版:2004年11月25日 6,090円(税込)
PSP版:2006年11月22日 5,040円(税込)
PSP版SpecialEdition:2007年10月18日 2,940円(税込)

概要

  • スワンクリスタルのロンチタイトルの1つ。美麗なグラフィック・古き良きBGM・他に類を見ないゲームデザインと、高いクオリティと独自性を持つWSオリジナルタイトル。
  • 携帯ゲーム機向けに調整された手軽な操作性に加え、RPGの構成要素をピックアップして無駄を省いたスマートなシステムが特徴的である。
    • 温かみのあるファンタジー世界や可愛らしいキャラクターは「絵本をめくるような冒険」と表現され、世界観やキャラ同士のかけあいを追うだけでも楽しい。
    • 難易度は低めであるが、全てのバトルにおいて戦闘評価が行われるため、高ランクを目指して戦略を組み立てるという、ただ敵を倒すだけではない新たな戦い方を見出す楽しみがある。
  • のちに続くD.H.Eシリーズの1作目。人を選ぶアクの強い後続タイトルと比べて、唯一万人向けのシステムを有する作品と言える。
  • 隠れた良ゲーとしてひっそりと評価されていた本作だったが、のちにGBAやPSPに移植された。移植に伴う追加要素はどれも好評である一方、問題点も多く存在する。
    • WS版は、現在は休刊となったゲーム雑誌「ゲームサイド」(旧ユーゲー)において、2002年下半期ベストゲームに選出されている。
    • 北米においてローカライズ発売されたGBA版は、海外の大手ウェブサイトGameSpotが執り行うコンテスト『GameSpot's Best and Worst of 2005 awards』において「Best Role-Playing Game」「Best Game Boy Advance Game」という2つの賞にノミネートされた。
      • ノミネート数は各賞5タイトルずつで、同賞の他のノミネート作品は「ドラゴンクエストⅧ」「ファイアーエムブレム 聖魔の光石」「ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし」など(いずれもローカライズ版)。

ストーリー

>かつて魔界と呼ばれ、いまは精霊のすむ悠久の地“リヴィエラ”。かの地に、1000年前封印されたはずの魔族が再び目覚める兆しがあらわれた。 >世界を黄昏へと導いた古の神魔戦争を繰り返させないため、神界は「神罰」の発動を決定する。その代償としてリヴィエラを永久に失おうとも…。 >天使と悪魔、そして幾多の精霊たち。それぞれの思惑が交差するリヴィエラの地に 今、二人の告死天使が神界より舞い降りる…。

シナリオ

・良く言えば王道、悪く言えばありきたりなストーリー。予想も期待も裏切られることのない、ある意味で最も安心して楽しめる出来となっている。 ・全部で7つのChapter(7つのダンジョン)で成り立っている。Chapter.1~2はシステムのチュートリアル的な側面があり、取扱説明書を読まなくとも大よそのシステムが把握できるような作りとなっている。特定の条件を満たすとクリア後にChapter.8が出現し、本編とは独立したストーリーをプレイすることができる。 ・物語が大きく動くのは序盤と終盤のみであり、中盤はキャラクター同士の掛け合いや世界観の描写に比重が置かれている。拠点となる街とダンジョンの往復により物語が進んでいくのは”お使い”的ではあるが、ダンジョンでの探索は無数のイベントと分岐が用意されており、一度のプレイで全てを把握することは不可能。 ・エンディングは、信頼度という隠しパラメータが一番高いヒロインとの個別エンディングとなる。信頼度は数値化されないものの増減は確認でき、イベントによる制御が可能であるため、特定のキャラの個別エンディングを狙うことは容易である。

システム

  • フィールド
    • 各ダンジョンは9つのエリアに分かれており、各エリアは複数のブロックで構成されている。各ブロックを行き来しながらバトルやイベントをこなしていき、最奥部に潜むボスを倒すことでダンジョンクリア(Chapterクリア)となる。
    • フィールドの探索は、画面上に表示された「トリガー」を十字キーで選択することで行われる(従来のRPGのように、キャラを移動させて怪しい場所を調べてイベント発生…という流れではなく、トリガーを選択してイベントを発生させることでキャラを動かしていく)。しらみつぶしの探索や多くのボタン操作を必要としない、携帯ゲーム機ならではのシステムとなっている。
      • トリガーは、バトルで得られるTP(トリガー・ポイント)を消費して選択する。トリガーを選択することで何らかのイベントが発生し、アイテム入手・バトル発生・ステータス増減・スコア獲得などの反応が得られる。キャラクター同士の会話や状況説明で終わることもある。
    • イベントの合間にAT(アクション・トリガー)というミニゲームが発生することがある。コマンド入力・目押し・ボタン連打など、いずれも数秒で終わる簡易的なものであり、結果の成否によってイベントが分岐する。成功した場合に良い結果が得られることが多いが、失敗した場合に特有のイベントが起こることもある。
  • バトル
    • バトルに突入すると、初めにフォーメーション(物理特化or魔法特化)・出撃キャラクター(5人中3人)・装備アイテム(15個のうち4つ)を選択する。これらはバトルが始まってからは変更不可能であるため、敵の攻撃手段や弱点などに応じた戦略を立てる必要がある。
    • バトルは敵味方ともに個別のターン制であり、キャラクターはアイテムを選択することでスキルを使用する。ダメージを与えたり受けたりすることでオーバードライブゲージが溜まっていき、それを消費することでオーバースキル(必殺技)を繰り出していく。バトル終了後には戦闘評価が行われ、高レベルのオーバースキルでトドメをさす&短時間でバトルを終えるほど評価が上がる。高ランクであれば有用なアイテムが入手でき、TPやスコアも多く加算されるため、いかに効率的なバトルを組み立てるかが攻略の鍵となる。
      • 本作にはいわゆるレベルの概念がなく、キャラクターを成長させるためには、使用可能なアイテムの熟練度を溜めることでスキルアップする必要がある。スキルアップするとステータス上昇と同時にオーバースキルを習得するため、多くのアイテムを入手して使用することが育成へと繋がる。
    • アイテムは系統ごとに分類され(剣・弓・杖など)、キャラクターごとに使用できるスキルが異なる。例えば杖は3人のキャラが使用できるが、杖をかざしての魔法攻撃・杖で殴りつけての物理攻撃・魔法の力で回復のように、効果は様々である。また、効果範囲・属性・追加効果なども個別に設定されているため、アイテム選びがバトルの勝敗を分ける大きな要因となっている。
      • アイテムには耐久度(使用回数)が設定されており、バトルで使い切ると破損してしまう。基本となるアイテムは耐久度が多めに設定されてあり破損することは稀であるが、耐久度の少ない強力なアイテムも存在する。
      • アイテムは街やダンジョンの至る所で入手できるものの、15個までしか所有することができない。スキルアップの有無や耐久度、有用性を考慮してアイテムを取捨選択していく必要がある。
    • バトルは全てイベントにより発生する。ランダムエンカウントが存在しない代わりに、いつでも任意で行える練習バトルというものが存在する。練習バトルではアイテム入手に制限がかかるほか、TPやスコアは入手できないが、アイテムを使用しても耐久度が減少しない。練習バトルでスキルアップを行ってキャラを育成し、イベントバトルで高評価を狙うのが基本的な流れとなる。
  • その他の要素
    • エンディング分岐に関わる"信頼度"とは別に、"ご機嫌度"というもう1つの隠しパラメータが存在する。
      • 信頼度と同様にイベントにより増減するほか、ヒロインのバトルの成果に応じて変動する。
      • ご機嫌度が高いと、バトルにおける与ダメージ量が底上げされる。
    • 特定のアイテムを入手すると、クリア後にエクストラコンテンツがオープンする。イベントCG・アイテム・BGMなどを閲覧することができ、プレイ中に得たデータが記録されていく。
      • いわゆるコレクション要素、やり込み要素。
    • バトルでゲームオーバーになるたびに、敵が弱体化しプレイヤーに有利な状態で再戦できる。
      • システムに制限の多い本作ではあるが、事実上の詰みは存在しない。
    • RPGとしては珍しく、スコア制が導入されている。バトルやイベントの成果に応じてスコアが加算されていき、Chapterクリアするごとにトータルスコアが算出される。
      • あるアイテムの入手条件になっている以外は、攻略やストーリーには一切影響しない。トータルスコアはエクストラコンテンツに記録されるので、スコアアタックも可能。
    • イベント中でなければ文字通りいつでも中断セーブが行える(バトル中でも)。イベントスキップはできないが、それと同等のメッセージ高速送りができる。ソフトリセットも可能。
      • 一昔前のゲームではあるが、一通りのユーザビリティが実装されている。
    • 特定の条件を満たすことで発生する沐浴イベントはあまりにも有名。ヒロインや街の住人たちの、限りなくアウトに近い裸体をイベントCGで見ることができる。
      • 本作の代名詞とも言え、一部のユーザーに絶大な支持を得ている。

評価点

  • 圧倒的なクオリティとボリュームで表現される、独自の世界観
    • 色鮮やかに描かれた、綿密なファンタジーの世界
      • 画面いっぱいに表示される背景イラストやイベントCGは、グラフィックの描きこみがWS随一。
      • 移植先であるGBAでも高水準を維持しており、PSPでも遜色なく通用している。
      • ダンジョンは森林の遺跡・水没都市・地下霊園など、独特かつ多種多様。ボス戦へと繋がる通過点ではなく、魅力溢れる冒険の舞台として成り立っている。
    • 豊富なイラストと細かな設定で綴られる個性豊かなキャラクターたち
      • メインキャラクターには、喜怒哀楽に富む十数種類の表情パターンが用意されている。要所で挿入されるイベントCGはキャラの全身を描いた動きのあるものが多く、雰囲気を盛り上げる。
      • キャラ同士のかけあいを重ねながらダンジョンを進んでいくため、とにかくテキスト量が多い。キャラの性格や設定を探る楽しみがある。
      • 拠点となる街の住人は多くないものの、一人ひとりに名前やグラフィック、職業や居住地が個別に設定されており、生活観が溢れる生き生きとした姿を見ることができる。
      • バトルにおいても大小様々な寸劇があり、ただの障壁としてではなくイベントとして楽しめることも多い。固有名が与えられている敵や、細かく性格付けされている敵もいる。
    • 膨大なテキストを持って表現される世界観の奥深さ。
      • ダンジョンの各エリアにはエリア名が冠されており、その土地環境を説明する注釈が付いている。

  • 戦闘では使用できないイベントアイテムが大量に存在する。それぞれに固有のドット絵と注釈が付いており、意味のある無しに関わらず本策独自の設定を示している。

  • RPGの楽しみを集約したバトルシステム
    • 戦闘評価制の導入による、緊張感と達成感の維持
      • 全てのバトルをイベントバトルおよび戦闘評価制とすることでザコ敵という概念を失くし、一戦一戦に意味と目的が付与されている。
      • 高ランクを狙うという目標を掲示することで、本来ならば適当にやっても勝てるバトルを緊張感あるものに昇華させた。


  • 戦略を立てる楽しみ、弱点を突く楽しみ、必殺技を繰り出す楽しみ
    • 同じ状況のバトルは二つと存在しないため、全てのバトルで個別の戦略を立てる必要がある。


  • 同じスキルでも、弱点を突いたり相性が悪かったりで0.1~2倍ものダメージの振れ幅が出る。

  • 必殺技であるオーバースキルは強力で、ダメージも演出もド迫力。

  • RPGにおける煩わしさを、思い切って全て削除
    • ランダムエンカウントを排し、バトルとフィールド探索を明確に区別して楽しめるようになっている。

  • レベル(経験値)やお金の概念を排除することで、“稼ぎ”に費やされる時間を省いている。

  • バトル終了ごとにキャラクターのHPが全回復する。HPやMPの管理といった慢性的な節制要素を失くした。

  • 制約の多い音源を最大限に駆使して奏でられる、アップテンポでノリの良いBGM
    • GBとほぼ同等という性能に難のあるWSの音源でありながら、それを感じさせないメロディの力強さと独特の表現手法が用いられている。
      • 最大同時発音数を超えて鳴っていると感じられるようなメロディ構成を持つBGM、水泡の弾ける音をメロディとして組み込んだ水没都市のBGMなど、ハードの性能不足をアイデアで補っている。
    • プレイ時間の大半を占めるバトルおよびフィールドのBGMが、特に評価が高い。
    • ただノリが良いだけではなく、世界観や情景を掻き立てる奥深いサウンドとなっている。
      • メロディのキレはSFC時代のイトケンと喩えられることも。
    • のちに展開されるシリーズ作品に対するサウンドへの期待を決定付けた。
      • 事実上の続編であるユグドラ・ユニオンでは、グッズ化してほしい製品を問う「ユグドラ・グッズアンケート」において、発売前でBGMが未公表であるにも関わらずサウンドトラックが1位となった。
    • 作曲者は足立美奈子氏(現ゲームフリーク所属)。サモンナイトシリーズやポケモンBWの楽曲を手がけている。

賛否両論点

  • ギャルゲーっぽい
    • メインキャラクターが主人公を除き全員女性であり、ほぼ無条件で主人公に好意を寄せている。個別に設定された信頼度(いわゆる好感度)によってエンディングが変わることは言わずもがな、沐浴イベントを初めとしてギャルゲー風味なやりとりが多い。
    • 4人のヒロインの性格は、元気娘・しとやか・サバサバ・おっとりと基本が揃い踏み。容姿は子供体型~大人のお姉さん、髪型はロングヘア・ショートカット・ツインテール、胸はぺったんから巨乳までと、大よその基本属性を満たしているという徹底ぶり。ヒロインの個性を色濃く際立たせており、ギャルゲー云々はともかくとしてキャラ人気に一役買っている。
    • 拠点となる街の住人も多くは女性、そのほとんどが主人公に惚れているというハーレムっぷり。アニメチックな絵柄も幸いして、ギャルゲーの耐性が無い人は拒否感を示しかねない。
      • しかしながら、恋愛に関する苦悩や愛憎劇といった”毒”の要素は一切ないため、ギャルゲーと言うよりはファンタジーや童話の作風に近い。
      • ストーリーの要所要所ではちゃんとシリアスに締めてくれるので、悪ノリの過ぎない節度あるものとなっている。
      • ギャルゲーが好きな人や可愛いらしいキャラが好きな人にとっては、正に理想と言えるゲームかもしれない。まさに賛否両論、好みの問題と言える。
  • アイテムまわりに制限が多く、窮屈に感じる
    • 15個の所持制限、耐久度の存在、バトルに持ちこめるのは4つだけ、スキルを使用できるキャラクターが限られる等、とにかく制限が多い。特に所持制限について、新しいアイテムを入手するたびに取捨選択を強いられることに対する不満が多い。FFでエリクサーを使用しないままラスボスを迎えてしまうような貧乏性の人には極悪とも言える仕様。
      • アイテムは基本的に各Chapterで入れ替えていくものであり(威力不足や耐久度低下が原因)、取捨選択は必然である。
      • 使い所が限られる補助アイテムや希少なアイテムがアイテム蘭の肥やしとなっている状況が実はよくあり、所持数制限を無駄に圧迫している場合が多い。
      • 初回プレイではこれらの特徴に気付かず窮屈に感じることも多いだろうが、システムに慣れてくると余裕が生まれ始める。

  • 練習バトルによるスキルアップが作業的になりがち
    • 敵が弱く全滅の危険性がない、戦闘終了後にHPが全回復するなど、ただアイテムを選択するだけの単調なバトルとなる。
      • 一般的なRPGにおけるレベル上げと思えば、作業的なのは当然とも言える。
      • 通常のバトルと同様に戦略を立てることで効率化を図ることはできる。
      • ちなみに、練習バトルを利用しなくてもクリアは十分に可能である。

問題点

  • 引継ぎ要素(イベントの変化や強くてニューゲームなど)がない
    • 個別エンディングやコレクション要素が用意されているように周回プレイを推奨している作りであるが、アイテムや熟練度の引継ぎといった周回プレイへの配慮がない。
    • イベントや分岐自体は多いものの、どれを選んでもストーリーの大筋には影響しない。イベントの変更は僅かにあるが、全体的なプレイ感覚は一切変わらない。
      • 一周のプレイ時間は約20時間程度とそこそこボリュームがあり、一度のプレイで大体の要素を楽しむことができるため、必ずしも周回プレイが必須というわけではない。
      • Chapter.1からプレイし直さなくとも、信頼度の管理を徹底することで、ストーリー終盤であるChapter.6のセーブデータから全キャラの個別エンディングを狙うことが可能。
      • 複数から1つを選択しなければ入手できないアイテムも、中断セーブを活用して多少のやり直しをすれば、1つのプレイデータで一通りのアイテムをコレクションすることができる。
      • のちに発売されるPSP版SEで一部改善された。
  • 全体的なゲームテンポが遅め
    • ボタン操作を受け付けない空白時間が多い。フィールド探索もバトルもボタン1つで行える手軽さが魅力ではあるが、裏を返せば、画面を眼で追うだけの時間が長いということに繋がる。
    • バトルでは敵味方共にドットキャラによる豊富なアニメーションが展開されるものの、それをスキップすることはできない。
      • テンポが悪いわけではないが、ゆったりしている。
  • バグ
    • 聖水というアイテムを所持した状態でゲームオーバーになると、フリーズしてしまう。
    • エクストラコンテンツにおける不具合が多い。
      • 登録の不備により、イベントCGと表情パターン集がコンプリート不可。
      • 設定ミスなのか入手できないアイテムが存在し、アイテム図鑑もコンプリート不可。
      • ハイスコアランキングでは、オールクリアスコアが記録されない。
    • フリーズバグについては対応できるが、エクストラコンテンツは対策不可。コレクション要素をコンプリートできないのは致命的と言える。

移植版における主な変更点

  • GBA版&PSP版&PSP版SE
    • イラストレーターが変更となった。クセのあるWS版のイラストと比較して、より親しみ易い絵柄となった。
      • 新イラストレーターは戸部淑氏。電撃PlayStationの挿絵や、ライトノベル「人類は衰退しました」で活躍中。
    • ○ハードの性能に応じてBGMがアレンジされている。
      • ラスボス戦の2曲がアップテンポなBGMに変更され、迫力が増した。
      • GBA版では1曲、PSP版では更にもう1曲、新たなBGMが追加された。
    • ○キャラクターボイスが付くようになり、ギャルゲーっぽさが増した表現力が増した。
      • 釘宮理恵を初めとして有名どころの声優が多い。
      • GBA版はバトル中とエンディングのみであるが、PSP版はフルボイスである。
      • ボイスはON/OFFの切り替えが可能。
    • ○新たな個別エンディングが追加された。それに伴い、新キャラクターが登場する。
    • ○AT(アクション・トリガー)の仕様が若干変更され、多少成功しやすくなった。
    • ○WS版のバグが解消されている。
    • ×攻撃の命中率が下がった。移植に際しての調整とも考えられるが、明らかに改悪。
    • ×一部のステータス異常が正常に機能しなくなり、結果として終盤のボス戦の難易度が下がった。
    • ×バトルシステムや演出面の細部が、WS版と比較して不自然なものとなっている。
      • WS版を未プレイの人はあまり気にならない模様。
  • PSP版
    • ○イベントCGの数が約2倍となった。それに伴い、いくつかの場面で新たな会話シーンが追加されている。
    • ×頻繁にロードが発生し、ゲームテンポが著しく悪くなった。
    • ×中断セーブとソフトリセットが廃止された。
    • ×沐浴イベントが削除された。イベント自体はあるもののイベントCGは表示されず画面が暗転、セリフと効果音のみで妄想想像しろというお預け状態。
      • いわゆるソニーチェックにひっかかった模様。
      • のちに発売された攻略本には、お蔵入りとなったイベントCGが掲載されている。
  • PSP版SE
    • ○イベントCGがPSP版よりも僅かではあるが増えている。
    • ○一度クリアすると、スキルアップまでの熟練度が1(最小)となる周回プレイ向けのモードが追加される。
    • ○Chapter.8のシナリオが強化された。また、ライバルキャラとのシナリオが新たに追加されている。
      • バトルがメインに据えられているせいか、キャラ同士のかけあいに乏しい。それにも関わらず、難易度調整がおざなりである。
    • ○ロード時間が改善され、GBA版相当のゲームテンポに戻った。
    • ○何度でも再開可能な中断セーブ(どこでもセーブ)が導入された。しかし、WS版のようにバトル中にはセーブできない。
    • ○ソフトリセットの代わりに、メニュー画面に「終了」(タイトル画面へ戻る)の項目が追加された。こちらも、バトル中には選択できない。
    • ×水着着用という強硬手段を持ってソニーチェックを回避、沐浴イベントが復活した。
      • セリフは一切変わっていないため、裸体ではなく水着姿を目撃されて困惑するヒロインたちという何とも珍妙な光景に。
      • ちなみに、こちらのイベントCGは攻略本には未掲載。

総評

  • ギャルゲー要素や沐浴イベントでネタにされがちな本作ではあるが、グラフィックやBGMなどの質の高さとシステムの完成度は、並みの作品を上回る一級品だと言える。
  • いまプレイするのであれば、プレイ環境や追加要素の面でPSP版SEがオススメ。本作品やシリーズの源流を辿るならば、ディレクターのゲームデザインが最も色濃く反映されているWS版をプレイしたいところ。GBA版は中古価格が高騰しており、また上位互換としてPSP版SEが存在していることから、オススメとは言いづらい。PSP版は内容も価格もロード時間も全てPSP版SEに劣るので購入非推奨。

余談

  • 続編について
    • キャラクターやシステムは本作限りのものではあるが、世界観を共有した続編がD.H.Eシリーズ(Dept. Heaven Episodes)として展開されている。
      • 本作は、そのEpisodeⅠとして据えられている。ただし、ナンバリングに設定上の意味はない。
      • 続編制作の話が上がったものの、新規タイトルの開発に取り組みたいという意向によりディレクターが断りを入れている。
    • 本作のとあるキャラクターが、後続作品ではキーパーソンとして登場している。
      • 時系列は本作が最終に当たるため、各作品で活躍するそのキャラクターの行く末は、本作で明らかとなっている。
  • 沐浴イベントについて
    • イベントCGは、ディレクターの意向により「とにかく際どく」描かれた。
    • GBA版のイラストレーターは、イベントCGを見た友人たちから「ここまでエロくない裸を描けるのはある意味才能」と褒められたとのこと。
    • WS版の攻略本およびPSP版の初回特典である「Riviera Designer's Works」には、WS版の沐浴イベントCGの修正が入る前の設定イラストがカラーで掲載されている。
      • 製品版では草に隠れていて見えない臀部が丸見え。胸部や局部は残念ながら確認できない。
      • ラフスケッチに添えられた「ルゥリのかんじんな所は滝のしぶきでかくす。」の一文が物議を醸した。
    • 続編であるユグドラ・ユニオンにも沐浴イベントが存在する。シリーズの代名詞となったかと思いきや、それ以降は実装が見送られている。
      • 作風や世界観に馴染まないこと、お色気要素は昨今のゲームにおいて特に珍しい要素ではなくなったことが理由であるらしい。
      • シリーズの派生タイトルでは同様のイベントが存在し、温泉や海水浴と形を変えて引き継がれている。