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とびだせ どうぶつの森 - (2013/02/15 (金) 19:56:24) の編集履歴(バックアップ)


とびだせ どうぶつの森

【とびだせ どうぶつのもり】

ジャンル コミュニケーションゲーム

|対応機種|ニンテンドー3DS|~|

発売・開発元 任天堂
発売日 2012年11月8日
定価 4,800円(税別)
どうぶつの森シリーズリンク

概要

『おいでよ どうぶつの森』でブームを巻き起こしたシリーズが携帯機に戻ってきた。今度はプレイヤーが村長として村を発展させていくが、村長としての仕事を強制されることは何一つ無く、いつものように好きにスローライフを楽しむことができる。「もんばんさん」が「おまわりさん」になる、駅が復活する、島に行けるようになるなど、『おいでよ』以前の要素も盛り込まれている。


新要素(ほぼ評価点)

『おいでよ』とは違い、上画面がメインになった。立体視を生かすため、スライドパッドが搭載されたためタッチ操作が無くても自由に動き回れるようになったためだと思われる。空は前作と同じように十字キーを押さないと見れないが、

村長としての仕事

  • 「公共事業」と称して村にオブジェや実用的な施設を設置できるようになった。公園らしい噴水やベンチから村の移動が楽になる橋、ゴミ捨て場や枯山水まで非常にバリエーション豊か。喫茶店やリセット監視センターなど、シリーズおなじみの施設も事業として建てることになる。建てる場所も1マス*1単位で決めることができ、似たようなことができた『e+』と比べて自由度が大幅に増した。
  • 村の条例を決めることができる。「美しい村」条例なら花が枯れなくなる、雑草が生えにくくなる、などの効果があり、村を放置しやすい人でも環境を維持できるようになる。「早起き」「眠らない村」条例は住民や各施設の行動、営業時間に影響を与える。深夜や早朝といった偏った時間にしかプレイできない人でも、村での生活が楽しめるようになる。物価が全体的に高くなり、収入も支出も多くなる「リッチな村」という変わった条例もある。

家具のリメイク

  • カイゾーというどうぶつが家具のリメイクをしてくれるようになった。炊飯器の中のご飯を炊き込みご飯にする、鍋の中身をカレーにするといった「ただの調理だろ!」としか言えないものから「鉱石」という新アイテムを材料にきらびやかに光る家具にする、ミュージックと貝を合わせてオルゴールを作る、ソファのクッションをマイデザインに変更するという大掛かりなものまで ひとつの家具でも複数のリメイクパターンが用意されていることも。

フォーチュンクッキー

  • 今までも特殊なアイテムとして配布されていたマリオシリーズを始め、任天堂作品のコスプレができるグッズなどが当たるおみくじ「フォーチュンクッキー」が商店で買えるようになった。

夢見の館

  • この施設ではWi-Fi通信で任天堂のサーバーに自分の村のデータを送り、他のプレイヤーに「夢」として公開できる。あくまで夢なので自分の村に影響は全く起きず、夢としておでかけする方も気兼ねなく楽しむことができる。マイデザインは持ち帰ることもでき、任意で他者に配布するかどうか選べる。村のデータを更新するたびにゲーム内のお金を貰えるため、更新する意欲が生まれる。

博物館2階の展示室

  • 公共事業で博物館に2階を作ると展示室ができる。1万ベルで部屋を借りる*2と解放され、中に自宅と同じようにレイアウトできる。倉庫にするもよし、すれ違い通信で配布したくないようなレイアウトの部屋を作るもよし。最大で4つ借りることができる。2階にはロッカーが置いてあるが、中身は自宅と駅にあるものと共有しているため、模様替えの際に遠い道のりを何往復もしなくて済む。

交番

  • 条件を満たすと公共事業として設置可能。見た目の違う建物2種類のうちどちらかを選ぶことになる(取り壊し不可)。おまわりさんから村にきている人を教えてもらえる。

喫茶店

  • 条件を満たすと公共事業として設置可能。今作ではバイトができるようになった。その内容はお客さんの好みを見分けてコーヒーを選ぶというもの。成功すると特別なアイテムがもらえる。

クラブ444

  • 条件を満たすと公共事業として設置可能。昼間にししょーに食べ物を差し入れするとリアクションを教えてもらえる。毎日教えてもらえるので、本作を遊び始めて日が浅い人でも豊富な感情表現が可能。土曜日はシリーズおなじみのとたけけによるライブが楽しめる。平日でも夜間はダンスフロアとして解放されており、友人を村に招いていっしょに踊ることもできる*3。このとき流れる音楽はライブで聴けるとたけけの曲のアレンジで、時折自分の作った村メロが流れることもある。

  • 序盤に前村長が行けるようにしてくれる。今までの作品では家の借金を全て返した後に買い取る物だったり、GBAと連動させて遊ぶ物だったり、そもそも存在していなかったりと役割がそれぞれ違っていた。今作ではローカル通信やオンラインでミニゲームを楽しむためのレジャーランドとなっている。ミニゲームでノルマを達成するとメダルがもらえ、ここでしか手に入らないアイテムと交換できる。ミニゲームは昆虫採集や魚釣りなどの基本的な物から、住民とのかくれんぼや、ピコピコハンマーでロボットを叩いた回数を競う遊びなど一風変わったものが用意されている。
  • 今作は公共事業や借金返済などでお金が今までの作品とは比にならないレベルで消費されていくので、序盤から島で昆虫採集をして稼ぐのが定石となっている。村に来て数日で高価な昆虫がホイホイ獲れるのはシリーズ中でも珍しい。

海を泳げるようになった

  • マリンスーツを手に入れることで海を泳げるようになる。海の中には泡が吹き出しているところがあり、素潜りして調べると海藻やサンゴ、カニなどの海の幸が手に入る。寒い時期に海に長いこと浸かっていると上がったときに体がブルブル震える。クラゲが現れることがあり、プレイヤーに対してゆっくりと向かってくる。触れるとしびれて少しの間動けなくなる。

評価点

シリーズを通して好評だった点はあまり変わっていないため割愛。

前作までの問題点を解決した

  • 前作が据え置き機なのに携帯機と同じくらいのボリュームだったことを反省したのか、『e+』までの作品に存在した日本の行事や世界の祭りが復活、音楽も新規で作り直されるなど物量が増した。DS版で好評だった誕生日を祝うイベントは専用のBGMとパーティ会場*4を追加して復活、住民から写真をもらうイベントも復活。家具も増えた上、リメイクで印象をがらりと変えられる物もできた。
  • 前作で不評だった「街」は商店街という形でリファインされ、時間が経つにつれ発展する様を見る楽しみもできた。まめきち、つぶきちの店は商店街にあるが、アイテムの売却はリサイクルショップでできるため、金策の際に遠くまで足を運ぶ必要がない。
  • テキストも柔らかく、優しい表現のものになった。あたし系は特に変化が大きく、他の性格の住民の場合は何回も話しかけていると普通は「しつこい」と怒られるのだが、「そんなに私に話しかけてくれるなんて…」と喜んでくれるようになった。高飛車、色気のある大人な性格からおばちゃんツンデレになった、と言うと分かりやすいだろうか。

村の形を厳選しやすい

  • 村の名前を決めた後、みしらぬネコから村の地図を見せられ「この村だよね?」と聞かれる。違うと答えると別の地図を見せられる。このとき見せられる地図は3つ。どれも気に入らないときはゲームを終了してまた起動すればいい。今までは村についてから地図をもらっていい土地か確認する必要があったが、今作ではこのように村に入る前に確認できる上、複数の選択肢が用意されるため厳選が楽になった。自分の家も1マスごとに建てる場所を調整できるようになったので厳選する際の手間がひとつ減った。

水やりした花から水滴がしたたるようになった

  • 前作までの「花に水やりをしたか分かりにくい」という問題点がようやく解消。条例で水やり自体しなくていいようにもできるため、ガーデニングがしやすくなった。住人が積極的に花を植えたり水をやったりするようになったので、勝手に花畑ができていることも。

家がシリーズ最大の大きさに

  • 1階と2階と地下室があり、1階の北、東、西にひとつずつ部屋があるという構成は変わらないものの、全ての部屋が1階中央と同じ大きさまで拡張できるようになった。

すれ違い通信

  • 通信機能が強化された3DSの能力を活用している。自宅の内装がすれ違い通信で発信、受信され、商店街の「ハッピーホーム展示場」にモデルルームとして展示される。欲しいと思った家具がモデルルームに展示されている場合は、リメイクされた家具や非売品以外でなければ通信販売で購入することもできる。その他にも、他の村から住民が引っ越ししてくるなどの要素がある。『おいでよ』に比べ、「メッセージボトルを流さなくても通信できる」「20件まですれ違いした記録が保存できる」「別のゲームを遊んでいても通信できる」などハードルがかなり低くなったので、通信するチャンスも増えた。

しずえがかわいい

  • 村長の秘書として「しずえ」というどうぶつがサポートしてくれる。24時間役場で業務を行っており、深夜でも早朝でも公共事業や条例の変更ができる。彼女はゲームを始める際にプレイヤーに対して挨拶をし、その日にイベントがある際は丁寧に教えてくれる。時間を変更する際に「時間、ずれちゃってました?」と申し訳なさそうにしたり、仕事中に居眠りをしてしまったときに「夢の中で仕事してました!」と得意げな顔をしたり、イベントでコスプレをしたり……表情豊かでお茶目で真面目、という「萌え」の固まりのようなキャラが人気を博した。ちなみに彼の弟は24時間何があっても外で立ち続ける薄幸キャラとなっている。

問題点

非売品家具が多すぎる

  • 「おかしシリーズ」「おうごんシリーズ」「カーニバルシリーズ」「きのこシリーズ」「グレースシリーズ」「ゴージャスシリーズ」「たまごシリーズ」「だらしないシリーズ」「バルーンシリーズ」「マーメイドシリーズ」「ゆきだるまシリーズ」「リゾートシリーズ」「かいぞくテーマ」「サカナテーマ」「ムシテーマ」の家具はすべてカタログ注文*5不可能。ほとんどは期間限定でしか手に入らないか、入手に運や積み重ね、大金が絡むものばかりなので捨てられずどんどん溜まっていく。今作では家具をタンスに180個しまえるようになったが、全く足りていない。上記の家具のほかにも、同じ生物の化石をパーツ一式そろえることで作ってもらえる「ミニチュア」やフォーチュンクッキーの賞品、南の島のお土産や年に一回の祭りでもらえる家具、リメイクに必要な鉱石など溜め込みやすいものが一気に増えた。サブキャラクターや博物館の展示室を倉庫にしても足りなくなることも。

最初にできることが少なすぎる

  • 村長の仕事をする前に、住民から信頼を100ポイント分集める必要がある。住民の頼みを聞く、ゴミを釣って捨てる、花に水をやるなどの行為で数ポイントずつ溜まっていくが、80ポイント辺りからなかなか上がらなくなる。頑張ってポイントを溜めると次の日から仕事ができるようになる。すれ違い通信は家の頭金を支払い、家が建った次の日からできるようになる。家具のリメイクは村長就任から7日以降(他にも条件があるが割愛)でなければできない……など、今作目玉の新要素がしばらく楽しめない状態が続く。最も、2~3週間経てば以降は自由度がシリーズで1番高くなるため、発売した頃に遊び始めた人はもう気にしていないだろう。

引っ越しテロ

  • 今まで「自分が気づかないうちに引っ越していく」という悲しい別れはよくあったが、今作では「前ぶれなく引っ越してくる」という問題が生まれた。今作では「ここに誰か引っ越してくるかもしれない」ということを暗示する立て看板があったが、今回はそれがない。どこにいつ引っ越してくるか予想できないため、発売直後は「アイテムを置いていたら次の日にそこに引っ越しされてアイテムが消えた」「特産品以外のフルーツ*6を植えたら、次の日にそこに家が建っていた」「公共事業で公園を作ろうとしていた場所に引っ越してきた」という事件が後を絶たず、ユーザーの阿鼻叫喚の声がさまざまなコミュニティで響き渡った。

通信の不具合

  • オンラインで遊んでいるとき、ひとりの回線が切れると全員がはじき出される。誰が原因か全くわからない上、状態が通信直前まで戻されるため「誰かが村、島に入ったとたんに通信が切れる」という事態になると非常に気まずくなってしまう。とくにオンラインの島ではポイント稼ぎや昆虫採集に燃えている人が多いため被害が大きくなる。
  • セーブに1時間ほどかかる、フリーズしたと思って電源を切ったらデータが壊れた、という報告も少数ながら確認されている
    • 本作はDL版*7のデータのバックアップができない*8ため、データが壊れると取り返しがつかない。上記の不具合が無い場合でも、SDカードは長い間使っていると劣化し、データの読み込みや書き出しができなくなることもあるので、本作の購入前にSDカードを買い替えることを薦める*9

総評

『おいでよ』『街へいこうよ』の問題点を見つめて修正した上で新要素を盛り込み、シリーズの集大成とも言えるボリュームと完成度を誇る良作となった。欠点が全く無いわけではないが、それよりも良い点の多さと大きさが遥かに上回っている。ゲーム内でスクリーンショットを撮り、ゲームを中断すること無くブラウザを立ち上げてtwitterに画像を投稿できる、という3DSの機能やコミュニケーションサービスの普及などにより、ユーザーの楽しんでいる姿がダイレクトに伝わってくるため、本作が気になり購入したという人も多い。発売から時間が経った現在*10でも店頭で売り切れが頻発し、わずか3ヶ月で300万本を売り上げ、DL版も70万本売れるという前例の無い快挙を成し遂げた。