「ファイナルファイト (SFC) / ファイナルファイト・ガイ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ファイナルファイト (SFC) / ファイナルファイト・ガイ - (2013/02/26 (火) 07:36:43) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファイト

【ふぁいなるふぁいと】

ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 1990年12月21日
定価 8,925円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
※バーチャルコンソール配信時のレーティングを記載
コンテンツアイコン 暴力、犯罪
配信 バーチャルコンソール:2007年4月17日/800円


概要

1989年12月よりアーケード(以下「AC」)で稼働していた『ファイナルファイト』のスーパーファミコン(以下「SFC」)向け移植作品で、カプコンのSFC用ソフト参入第1弾作品となる。

ハードスペックやROM容量の制限からか、AC版からプレイヤーキャラクターやステージが削除されたりなどしている。
大元の作品の記事が存在しているため、本項ではSFC版に関しての情報のみを記載する。
『ファイナルファイト』という作品そのものの情報に関しては上記リンクからAC版のページを参照いただきたい。


問題点

AC版からダウングレードしている個所

  • 前述の通り、様々な制限があるので致し方ない所だが、AC版から比べて多くの要素が削除されている。
    • なお、一部を除いてこれらの仕様は後述のSFCへの再移植版である『ファイナルファイト・ガイ』(以下『ガイ』と表記。なお、『』で括っていない場合はキャラクターとしてのガイを指す。)でも同様となっている。
  • プレイヤーキャラクター・ガイの削除。
    • AC版ではプレイヤーキャラクターにはコーディー・ガイ・ハガーの3人がいたが、本作では3人のうち、ガイが削除されており、コーディーとハガーのいずれかから選択する形となっている。
      • ガイもまた強い人気があるキャラクターであったため、この仕様に反発の意見も多く上がった。
  • AC版ステージ4「インダストリアルエリア (INDUSTRIAL AREA)」の削除。
    • AC版でのステージ4であったインダストリアルエリアが削除されたことで、本作は全5ステージ仕様となっている。
  • 2人同時プレイの廃止。
    • AC版では可能であった2人同時プレイが廃止され、本作は完全1人プレイ専用となっている。
      • これは『ガイ』でも同様で、2人プレイが実装されるのは完全新作となる『ファイナルファイト2』を待つことになる。
  • エリア間移動など、ほとんどの演出の廃止。
    • オープニングのダムドがジェシカを連れ去るシーンや、エリアクリア時の次エリアへの移動シーンがカットとなっている。
      • エリア間移動は全てブラックアウト処理となっている。
  • 画面内に一度に出現する敵の数の減少。
    • AC版では最大10人もの敵が一度に出てきていたが、本作は最大3人までに抑えられている。
      • 画面内に障害物がある場合は2人までしか出なくなっている。
    • AC版をやり込んでいたプレイヤーからは物足りないという意見も出ているが、見ようによってはプレイのハードルが下がったと見ることも出来る。
      • しかし、AC版に比べて、プレイヤーも敵も全体的に攻撃力がアッパー調整されているため、敵から受ける攻撃1発がバカにならないダメージとなり、特に本作ステージ4である「ベイエリア(BAY AREA)」のボス・「アビゲイル(ABIGAIL)」に投げられようものなら9割近いダメージを受けたりするようになっている。

評価点

『ファイナルファイト』の爽快感、雰囲気、操作性を再現出来ている

  • 敢えて問題点を先に書いたが、それでもなお本作はAC版の持つ雰囲気は“完全”には遠かれども、著しく損ねるということもなく再現出来ている。
    • キャラクターやステージの削除もなく、大元のAC版の再現度という意味ではSFC版より高い*1と言われている、メガCD向けに移植された『ファイナルファイトCD』では、多くの敵をまとめてぶっ飛ばす爽快感を損ねるプレイヤーキャラクターの攻撃速度の低下などで反発を受け、低い評価を下す傾向が見られるのに対し、キャラクターやステージなどが削除されていても、爽快感や操作性などの再現度が高い本作の方に高い評価を下す傾向が多い傾向が見られるのは、『ファイナルファイト』という作品には多くのプレイヤーが爽快感を求めているということであろう。
  • 同時に出る敵の数がAC版の最大10人から最大3人に減ったと書いてしまうととてもスカスカになった印象を受けてしまうかもしれないが、実際は敵の配置が実に絶妙なため、プレイしているうちにあまり気にならなくなる。
    • アビゲイルの投げなどの一部に弊害が出てしまっているが、攻撃力のアッパー調整と全体的には噛み合っており、敵の最大同時出現数の減少が結果的により多くのプレイヤーが『ファイナルファイト』という作品の持つ、群がる敵をぶっ飛ばす爽快感を存分に味わえるようになったと言える。

総評

ハードスペックやROM容量の制限から、大元の作品と比べて多くの要素が削除されたりアレンジされた個所も少なくはないが、作品の持つ特徴はしっかりと再現された作品であり、移植としてだけではなく一つの作品としても十分に優れた完成度を誇っていると言えよう。

勿論、キャラクターやステージなどが削除されてしまっていること、AC版の移植とするにはアレンジされた部分が多いことに難色を示す意見もない訳ではないが、それらが結果として作品の魅力を支える部分を損ねず、それでいてハードルを下げ、より多くのプレイヤーが『ファイナルファイト』という作品に触れられる要素となっているのであれば、ある意味で怪我の功名とも言えるのではないだろうか。


ファイナルファイト・ガイ

【ふぁいなるふぁいと がい】

ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 1992年3月20日
定価 8,925円
プレイ人数 1人

概要(ガイ)

上記『SFC版ファイナルファイト』(以下「無印」)をベースに削除されたキャラクターであるガイを復活させ、更にゲーム内容にアレンジを加えた作品。
しかし、ROM容量などの環境は変わっていないため、ガイと入れ替わりでコーディーが削除され、それに伴いストーリーも破綻しないようにアレンジが加えられた。

本作には作中BGMをアレンジ収録されているシングルCDが付属していた。

因みにバーチャルコンソールでは無印は配信されているが、こちらは2013年2月現在では配信されていないので注意。


無印からの主な変更点

※無印と評価点と問題点のほとんどが共通となるため、ここでまとめて記載する。

プレイヤーキャラクターの入れ替え

  • 前述の通り、ガイの登場と入れ替わりでコーディーが削除されている。
    • これにより、ストーリーにアレンジが加えられ、ガイとコーディーはガイの師匠の元に修行に行っており、ガイがコーディーに先んじてメトロシティに戻ってきていた折にこの事件が発生、ガイとハガーがジェシカ救出に向かうというストーリーになっている。

1UPアイテムと無敵アイテムの追加

  • 1UPアイテム(使用キャラクターの人形)と無敵アイテム(ジェシカ人形)が追加されている。
    • これにより、結果としてよりプレイヤーに優しくなったと言える。
      • これらのアイテムはこれ以降のシリーズ作品でも形を変えて登場、定番アイテムとなった。

難易度の差がより明確に出るようになった

  • 無印の難易度設定は些か解りにくく*2、その違いもそれ程実感出来なかったが、本作では難易度設定が解りやすく*3なり、設定した難易度によって敵の体力やエリアに配置される敵が変動したりなど、明確に違いが出るようになった。
    • 更にエンディングにも影響を及ぼしており、難易度を「HARD」以上にすると『ガイ』でしか見られないオリジナルのシーンが追加され、更に最高難易度の「EXPERT」にするとAC版のエンディングの1シーンをデフォルメ化されたキャラクター達が再現するシーンが最後に見られる。
      • 余談となるが、これらも以降のシリーズ作品では定番となるが、『ファイナルファイト2』ではゲームバランスの問題で「最高難易度で完全なエンディングが見られる」という仕様が開発者の悪意を感じるものになってしまっていたりする。

一部のアイテムの変更

  • 上記アイテムの追加の他に、無印で登場していた骨付き肉、カレーライス、ブドウ、バナナが鶏の丸焼き、寿司、みかん、パイナップルに変更。
    • なお、効果自体は置き換え前のアイテムに準じている。

ゲームバランスの再調整

  • 難易度による変化以外にも基本的な敵の配置が変更されていたりしている。

総評(ガイ)

基本的には無印のアレンジ版というべき所に収まっているため、ゲームそのものの完成度という意味では無印同様に高い域に纏まっている。
1UPアイテムなどの追加で結果としてよりハードルを下げていることも全体的に見れば評価出来る点である。
しかしながら、今度はコーディーが削除されてしまったこと、それ以外の無印からのSFC版の基本的な仕様は全く変わっていないことに対して残念がる意見や不満も見受けられる。

無印と『ガイ』の2作のうち、使えるプレイヤーがガイかコーディーかという以外、全くの別物というほどに『ガイ』が無印に比して手を加えられている要素も多くないので、ガイもコーディーも使いたいという人でもなければどちらかを持っておけば十分といった所だろうか。

とは言え、『ガイ』のアレンジされたストーリーやエンディングは現状他の作品で見ることは出来ない*4ので、それが気になるという人は否応なしにこちらを選ぶことになるのだが。


余談

本作にまつわる逸話

上述の通り、無印も『ガイ』も2人同時プレイがオミットされている。
これに関して、ファミマガの人気コーナー・「ウソテックイズ*5」にて、「SFC版の『ファイナルファイト』で2人同時プレイが出来る裏技」というウソ技が掲載されたのを受けて、カプコンにこのウソ技に関しての問い合わせが殺到、カプコンの担当者がこのウソ技を掲載したファミマガの編集部に怒鳴り込んだという逸話がある。
それだけ2人同時プレイをしたいというプレイヤーが多かったと言うことの証左であろう。

海外版について

海外向けにも無印が移植されているが、日本版と比べて変更点が目立つものとなっている。
AC版のページにあるが、日本版の「ロキシー(ROXY)」と「ポイズン(POISON)」というキャラクターが、AC版稼働時のゴタゴタを受けてか「シド(SID)」と「ビリー(BILLY)」という全くグラフィックが異なるキャラクターに変更となっている。
その他、アイテムやグラフィックなどが様々な要因で変更を施されており、中でも日本版のステージ1のボス「ダムド(DAMND)」とステージ2のボス「ソドム(SODOM)」の名前がそれぞれ「スラッシャー(THRASHER)」・「カタナ(KATANA)」と変更されている。
しかし、後に発売された『ファイナルファイトONE』の海外版ではなぜかどちらも日本版と同じ名前に戻されている。

デバッグモードについて

ROM内に収録されている開発者用のシステムの中に「RGBエディター」という、キャラクターの色を変更できるモードがある。
普通は見ることができないが、カセットを半指しするなどの方法で呼び出すことができ、実際に色を変えて遊ぶことができる。
このモードは『ファイナルファイトONE』でゲーム内の隠し要素として正式に採用されている。