「世界樹の迷宮III 星海の来訪者」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

世界樹の迷宮III 星海の来訪者 - (2013/03/31 (日) 16:08:22) の編集履歴(バックアップ)


世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者

【せかいじゅのめいきゅうすりー せいかいのらいほうしゃ】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 アトラス(インデックス)
開発元 アトラス
発売日 2010年4月1日
定価 6,279円

概要

口コミなどで徐々に人気を広めて行った「シビアな難易度」と「レトロゲームチックな雰囲気」が売りの「世界樹の迷宮」シリーズ3作目
世界樹の迷宮2から約2年の時を経ての発売となった
最大の特徴は迷宮以外のもう一つの冒険である「大航海」
ストーリーの開始の時点から遡ること100年ほど前に起こった大異変の影響で、ゲームの舞台となる「アーモロード」は各国との関係がほぼ断絶されたため、「海都復活」の為に大海原を船で駆け回り各地にある街などを目指すと言う物

特徴

例によってシリーズで共通している特徴については本稿では特に記述しない。

  • 大航海
    • 概要でも触れたが、今作の最大の特徴は大航海という迷宮探索と並ぶもう一つの冒険である
    • 文字通り大海原を冒険するものだが、船は際限なく進める訳ではなく出港時に積んだ食料が尽きた時点で港に戻される
    • 潮流や浅瀬、海賊船など、ギミックが多彩で目に見える場所に行くのも一筋縄ではいかない、また冒険を進めるごとに船の装備品が手に入るのでそれらを駆使し、困難を乗り越えていくという行程が面白く大航海の名にふさわしい
    • 各地の拠点にたどり着くと「大航海クエスト」ができるようになる、早い話がたどりついた先で魔物を討ち取るというものだが、何と他のプレイヤーと協力プレイができる、後半の敵はラスボスよりも強かったりするが、その分見返りも大きいので頑張り甲斐もある
    • ちなみに海でも迷宮と同様にマップに自分で海図を描いて行くことになる。
    • ついでに魚をとって資金の足しにできる。 気をつけなければ迷宮探索そっちのけで海原を駆け回っているなんでことも珍しくはない
  • 肝心の迷宮の冒険の方も進化を遂げている
    • 冒険者の職業が一新され、召喚技を使うビーストキング、文字通り分身するシノビなど個性的な職業が登場した
    • 歩くのに時間がかかる「ぬかるみ」や特定の地点にワープする「鳥居」などの新しいギミックや、迷宮内で休憩できる「野営ポイント」などが登場している
    • サブクラスの導入、キャラ登録時に決めたクラスの他にもう一つ職業に付き、そのクラスの技を習得することができる
    • 鍛冶システムの導入、武器毎に定められた枠の分だけ様々な効果を付与することができる
    • リミットスキルの導入、キャラクター間の連携技のようなものでゲージを溜めなければならない分強力な技を使うことができる
      • また一部の敵*1も連携技を使ってくるため、敵を倒す順番などより考えなければならないことが増えた

評価点

  • 前作Ⅱで多くの脱落者を出した理不尽要素がマイルドに調整されている
    • 例としてプレイヤーを本気で殺しにかかっていた「!!ああっと!!」*2や、危険な花びらを始めとした状態異常をばら撒いてくる雑魚敵の技の性能の下方修正、また比喩なしに無現に湧き続けるFOEが本編クリア後の迷宮にしか出なくなったなど
    • また前作で余程不評だったのか、FOEを倒しても経験値が手に入るようになった。
    • このような理不尽要素が減ったことにより、プレイ時のストレスがある程度減った*3と言える(それでも他のRPGに比べたら十分難しいが、それが本シリーズの特徴でもあるので難しい所)
  • 高難易度のドロップアイテムへの救済措置が用意された
    • 敵を特定の条件を満たして倒せば貴重なドロップアイテムが手に入るというものだが、全部位を縛った上での倒すなど一部で異様に難しい条件のものがあった。 今作ではアイテム「解剖用水溶液」とリミットスキル「幸運のハンマー」を使えばある程度楽にドロップアイテムが手に入るようになった
    • コンプリート派には嬉しい救済措置と言えるだろう
  • 周回制を導入し、ラスボスとの再戦が可能になった
    • 前作までは一度倒せばそれっきりだったが、もう1周することにより何度でも再戦可能になった。 当然ドロップアイテムも手に入る。
    • またデータを引き継いで2週目に入れるため、今まで使っていなかったクラスのキャラもある程度気軽に使えるようになった」
  • 相変わらずクオリティの高いBGM
    • 古代祐三氏による高クオリティ・ゲームの雰囲気にマッチした秀逸なBGMは今作でも健在
    • 特に「迷宮V 白亜ノ森」、「戦乱 荒れ狂う波浪の果て」、「戦乱 剣を掲げ誇りを胸に」の3曲は評価が高く、中でも大航海クエストの戦闘BGM「戦乱 荒れ狂う波浪の果て」はアレンジされて続編のⅣでも使用されている
    • 余談だがⅢの開発にあたって、小林成雄氏から古代氏に「これまでと違う方向性に行きたいのですが、だけど聞いた瞬間世界樹だと解かる曲を・・・」という注文があったらしい。 通常ボス戦のBGM「戦乱 剣を掲げ誇りを胸に」の曲調がいままでのシリーズの曲と比べてガラっと変わっているのはそう言う背景があったのかもしれない。
  • ユーザーインターフェースの向上
    • オートパイロットが実装され、あらかじめ決めておいたルートを自動で進んでくれる。 素材稼ぎや経験値稼ぎに便利な機能かもしれない。
    • 取得時にレア素材が色分けして表示されるので、分かりやすくなった。

賛否両論点・問題点

  • 迷宮1階層あたりのフロア数が基本4つと、前作に比べて1つ減っている
    • 恐らく大航海にガッツリと要領を持っていかれたのが原因ではないかと思われる
  • 理不尽な要素が削られただけでなく、ゲーム前半を中心に全体的な難易度が下がったのではないかと言う声がある
    • 特に言われやすいのが第1階層と第2階層の赤FOE*4、前作までは赤FOE初遭遇時は戦闘に入るとなす術なく殺されるのがお決まりであったが、今作では頑張れば初遭遇時の戦闘でも勝ててしまったりする。
    • 最も第4階層辺りからは前作までと同じくらいの危険度となっているので、初心者へ対する気遣いの内なのかもしれない。
  • ストーリーが分岐するマルチエンディングを採用しておりプレイヤーの行動次第でエンディングが変化する・・・、が真エンドの条件が非常に分かりづらく、まともにプレイしていてもとても気付けるようなものではない
    • またマルチエンディングの導入に伴って同時に導入された周回制だが、全てのエンディングを見ようとしたら3週もしなければならないので結構な時間を必要としてしまう
  • サブクラスの導入に伴い、一部で強力すぎる連携ができたりする(例:ウォリアーのチャージからゾディアックのメテオなど)
    • またサブクラス習得時には無条件でスキルポイントが貰えるので、特になりたいクラスが無くてもとりあえず適当なサブクラスを取っておけばいいとう状態になっている。
  • ワダツミの2人の結末や海都ルートのエンディングなど、ストーリーに鬱な要素がやや多い
    • 最も世界中の迷宮にストーリーはあってないようなものだが

総評

ニンテンドーDS最後のシリーズ作なだけあって、グラフィック・BGM・システムなど基本的なクオリティは高い。 サブクラスなど新しい要素が多いだけあって荒削りな部分も散見されるが、根本の部分は堅実で他のシリーズ作をプレイした人なら十分に楽しめるだろう。

余談

  • 1Fに出現するオオヤマネコというモンスターがやたら強く、一部の人は「今作のFOEは見えないのか!?」と勘違いするほどだったらしい*5
  • 本作の裏ボスはⅠ~Ⅳの中で唯一専用のBGMが用意されている。