「ディノクライシス2」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ディノクライシス2 - (2013/04/10 (水) 00:00:48) の編集履歴(バックアップ)


ディノクライシス2

【でぃのくらいしすつー】

ジャンル アドベンチャーアクション
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 カプコン
発売日 9月13日
定価 5800円
配信 ゲームアーカイブス:2011年4月13日/600円

概要

バイオハザード』から生まれた恐竜パニックホラーゲーム『ディノクライシス』の続編。
前作はきつい弾薬制限に苦しみながら、トラップを使って恐竜の襲撃をかわし、パズル的な謎解きに頭を痛めながら施設を探索する・・・そんな、サバイバルホラーの特徴を突き詰めたと言うべきゲームだった。
早くもその翌年に発売された本作『2』は、大胆にもジャンルを「アドベンチャーアクション」(パッケージより)に改め、その様相を激しく変えることになった。


ストーリー

<カーク博士奪還作戦>から一年。

"究極のクリーンエネルギー""究極の兵器"・・・2つの顔を持つサードエナジー。
その開発プロジェクトは、開発者カーク博士の手を離れ、政府に移された。
そして、再び"事故"は起こった・・・。
前回の事故をはるかに凌ぐサードエナジー炉の暴走によって、研究開発都市
"エドワードシティ"が完全に消滅した。
政府は、研究成果とスタッフの保護のため、救出作戦を発動した。
まだ完全ではない"時空転移"装置を開発して、シティが転移したと思われる時代に
軍隊を送り込むことを決定したのである。
その任務がどのような結果になるか、想像できたものはいなかった。
ただ一人、レジーナを除いては・・・。


前作からの変更点・特徴

本作は前作にあったシステムの多くを改変・削除され、ゲーム性が大幅に変化している。

  • 動作の変更
    • キャラクターは×ボタンを押さなくても常に走り状態となった。ほとんどの武器は走り撃ちができる。
    • 方向キーとxボタンの入力でサイドステップ、バックステップが可能になった。この操作はオプションで有無を選択できる。
  • 武器の変更
    • 武器の種類が増加。マシンガンやショットガンといった武器で恐竜と熱いバトルが楽しめる。
      • 弾薬は全て武器に直接装填され、リロードの必要はなくなった。
    • メイン武器の他に、スタンガンやマチェットといったサブ武器を装備し、△ボタンで使用できる。
      • サブ武器は使用回数が無制限で、メイン武器の補助に効果を発揮する。また、解錠の際に道具として使用することも。
  • 画面表示の変更
    • 体力はゲージ性となり、体力が減ってもキャラクターの体勢は変わらなくなった。
    • 装備している武器と残弾数も表示されるようになった。
  • 敵を倒すことによるポイントの獲得
    • 敵を倒すとバイタルクレジットというポイントを獲得できる。短いエリア毎にこのポイントを稼いでいくのが本作の基本である。
      • 敵を連続で倒してコンボを成立させることで、ポイントの加算率が上昇していく。
      • エリア移動時にそのエリアでの最大コンボ数、合計獲得ポイントといった結果が表示される。
      • エリアをノーダメージで切り抜ければ、ボーナスが加算される(五頭以上の敵を倒していることが条件)。
      • ダメージを受けずにコンボを繋いでいくことが、高ポイント獲得のために欠かせないテクニックである。
  • 武器・弾薬・アイテムの購入
    • 各地にV.C.S端末(バイタルクレジットサービス端末)と呼ばれるものが設置されており、上述したポイントを消費して武器・弾薬・アイテムの入手とセーブを行う。
      • ポイントを消費してできることは、武器・回復アイテムの購入、弾薬の補充、装弾数の増加。
      • 購入できる武器等は、ゲームの進行に応じて増えていく。
  • 二人の主人公
    • プレイヤーが操作するキャラクターは二人おり、ゲーム中の特定のタイミングで切り替わることになる。
    • 一人は特殊部隊TRATの青年ディラン、もう一人は前作でお馴染みのレジーナ
  • 謎解きや探索要素の簡略化
    • ミッションという形で現在の目的が提示され、マップに示された目的地を目指す形式になった。
    • 鍵を入手したりもするが、ほとんどの鍵はどの扉で使うべきか成り行きで理解できる。
    • パズル的な謎解きもあるが、直感でテンポ良く解けるようなものばかりである。
  • 恐竜の世界へ
    • 恐竜の蔓延る原始の密林が舞台。まさに恐竜時代へのタイムスリップである。
    • 初めは密林と研究施設を探索するが、やがて溶岩の煮え滾る火山内部を進んだり、潜水服を着て水中を探索するエリアまで出てくる。
    • 恐竜の種類が増えた。お馴染みのT-REXやラプトルに加え、アロサウルスやトリケラトプスが登場。それ以外にも、空中には翼竜が飛び交い、水辺のステージでは首長竜が顔を出し、果ては古生代の生物まで出現してしまう(!?)。
  • その他
    • 調合、緊急ボックス、レーザーシャッター、連打イベント、DDKは無くなった。
    • 主に移動カメラ視点を採用していた前作と違い、本作では固定カメラ視点のみが採用されている。

評価点

戦闘

  • 次々と迫ってくる雑魚恐竜をテンポ良くバシバシと倒していく戦闘は、コントローラーの振動も相まって爽快感抜群である。
  • システム上、弾丸は非常に手に入りやすいので、多少の無駄玉は気にせず豪快に戦うことができる。
  • ノーダメージによるボーナスを狙おうとすると、敵の飛び出すポイントを予測しながら進む必要が生じるため、中々の緊張感を楽しめる。

グラフィック・演出

  • グラフィックは背景、ポリゴン共に非常に美麗。PS末期の爛熟した表現力が光る。
  • 前作に引き続き、恐竜の挙動も非常に豊かに描かれており、さながら某恐竜映画のような出来である。
    • 背景をティラノサウルスが徘徊するシーンがあったり、草むらの中にトリケラトプスの親子がいたりと、要所要所での雰囲気作りも見事である。
  • プリレンダムービーはOPとEDに使われるのみだが、美麗な上に演出もクールなので、非常に印象に残る。

ストーリー

  • タイムトラベルをメインに据えたストーリーは終盤、衝撃の展開を見せる。
    • 余韻を残した壮絶なラストシーンはプレイヤーの心に深く刻み込まれた。本作の話題になると多くの人から「この結末の続きを見たい」という願望が聞かれる。

リプレイし易いボリュームと密度

  • プレイ時間は早ければ五時間を切るほどであるが、その密度は高い。
    • 豊富なロケーションに加え、通常戦闘以外でのイベント(備え付け機銃でのシューティングや戦車を操作しての戦い等)もプレイにアクセントを与えているため、飽きずに一周を楽しむことができる。

おまけゲーム「DINO COLOSSEUM」

  • 本作の特筆すべき点としてクリア後のおまけゲーム「DINOCOLOSSEUM」がある。
  • キャラクターを選び、VR闘技場のような空間で襲い来る恐竜を倒すというもの。
  • 本編クリア後の残ポイントを使ってキャラクターを購入することになる。
    • 前作のゲイルやリックを使用できるのは普通に嬉しいが、やがて戦車も追加され、ついにはゲームに登場した恐竜まで使用可能になる。恐竜を操作して恐竜と戦うのである
  • 更には条件を満たすと「DINO DUEL」いう二人用対戦格闘ゲームも追加される。夢にまで見た恐竜の格ゲーである
    • かなり無茶な内容だが、はまる人は結構はまるらしい。

問題・賛否両論点

  • ノーダメージを狙う際、画面外から突然襲い掛かる恐竜が実に脅威である。しかし、これに対処できるかどうかは結構運によるところが大きく、ストレスの要因になり得る。
    • 今まさに襲ってこようとしている敵に照準を合わせようとしても別の敵を向いてしまい、攻撃を食らってしまう・・・といったことが頻繁に起こる。
  • 新動作のステップは、あまり使い勝手は良くない。
    • 無敵時間も無く、本当にただのステップ移動であるため、とっさの回避に使おうとしてもほぼ失敗する
    • その有効性には作り手側も確信が持てなかったのか、新規開始時にはこの動作はオフになっている。
  • リアリティに徹していた前作とは打って変わって、娯楽度を優先した凄まじい世界観である。
    • 原理不明の武器売買システム、生息時期が何万年も離れた恐竜が混在しまくっている、超巨大恐竜として兵士たちの間で伝説化しているラスボスetc...
    • 全体的にどこかバカゲー臭の漂う雰囲気であるのは否めない(前作が極めてシリアスだったことを抜きにしても)。
  • おまけコスチュームの類が存在しない。がっかりする人はするだろう。

総評

前作のようなサバイバルホラーから180°方向転換し、おもちゃ箱をひっくり返したような痛快アクションゲームへと生まれ変わった。複雑なシステムも特に無く、操作性やUIも快適なため、間口は広い。 前作のような方向性を求める人は冷や水を浴びせられることは間違いないが、そういう人も本作の特徴を承知の上でプレイすれば、後の『鬼武者』や『デビルメイクライ』にも通じる、バイオ系アクションゲームが持つ独特の味わいが楽しめるだろう。 現在は1と共にゲームアーカイブスで配信中なので、興味のある人は是非。


余談

  • 前作の三上真司氏に代わり、本作のディレクターを務めたのは、後に『逆転裁判シリーズ』を手がける巧舟氏。