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beatmaniaIIDX 15 DJ TROOPERS - (2013/07/04 (木) 19:40:51) の編集履歴(バックアップ)


beatmaniaIIDX 15 DJ TROOPERS

【びーとまにあつーでぃーえっくす ふぃふてぃーん/じゅうご でぃーじぇーとぅるーぱーず】
ジャンル DJシミュレーション
対応機種 アーケード、プレイステーション2
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2007年12月19日
分類 良作
備考 プレイステーション2に移植。定価¥6,980(税抜)
beatmaniaIIDXシリーズリンク

概要

  • ゲームセンターで一世を風靡したDJシミュレーションゲームのデラックスバージョンであるbeatmaniaIIDXの16作目(1stと2ndの間にsubstreamがあるため、ナンバリングと通し番号がズレる)。キャッチフレーズは"「撃鉄(トリガー)」は引かない。「戦律」を打て。」"。
  • 今作では新筐体が発売され、前作までは36型フラットブラウン管モニターだったものが、ブラウン管テレビの製造終了に伴い、37型フラット液晶モニターに変更された。
    • ブラウン管モニターに比べ、画面の映り込みが軽減され、個人差はあるがプレイ中に後ろにある筐体等の光の映り込みが気にならなくなった。
    • 一方、ハイスピードを上げた際の残像の問題や、表示の遅延が問題に。遅延に関しては後のアップデートでブラウン管筐体と液晶筐体でディスプレイタイプを変えて遅延対策がなされた。
  • 後述のPS2移植版がCSスタッフの全力を投入した良移植。当初の予定では今作が最後の移植となる予定であったが、好評を奏したおかげで次作のEMPRESSまで移植され、加えてベスト盤も作られた。

特徴

  • エントリー関連
    • カードを読み込んだ際のエントリー画面の情報が大きく増加。
      • 1ページ目は従来と同じくDJ NAME(プレイヤーネーム)・段位・DJ POINT・ID・所属都道府県が表示されるのに加え、プレイ回数が表示されるように(携帯サイトで非表示にすることも可能)。
      • 2ページ目にはWEEKLY RANKING対象楽曲・THE TROOPER'S JOURNEY(行脚記録)・THE ACE TROOPERS(撃墜数)が表示。
      • 3ページ目・4ページ目にはそれぞれSP・DPのライバル情報が表示されるように。それに伴って前作まではSP・DPで共通の5人のライバルしか登録できなかったのが、SP・DPそれぞれ5人、合計10人まで登録できるようになった。
  • THE TROOPER'S JOURNEY
    • 8th styleの時に行われていた「行脚王」のようなもの。遠征エリア(都道府県)・遠征店舗数・遠征筐体数が記録される。
      • 当時もあまり評判は良くなかったが、今作では楽曲解禁にも絡むことで、主に都心部以外のユーザーから不満が続出。解禁される楽曲は、復活曲の「BRING HER DOWN」とDDR SuperNOVAからの移植曲「華爛漫 -Flowers-」。後に通常解禁されたため、一応は救済処置があったものの、次回作以降は更に解禁に絡むようになり、不満の声が大きくなることとなる(特に17 SIRIUSでは複数あるボスフォルダの内、1つの出現条件にも絡むため、遠征しないとラスボス楽曲が召喚できないようになっていた)。
  • THE ACE TROOPERS
    • 筐体内のトップスコアを更新すると、1ポイント獲得できる。ただし、他のユーザーが残したスコアを更新したときのみカウントされ、自分が残したスコアを更新してもカウントされない。
      • 稼動時の通常ONE MORE EXTRA楽曲であった、「PARANOiA ~HADES~」(DDR SuperNOVA2からの移植曲)を解禁するためには、このポイントを100獲得、つまり100回筐体内TOPスコアを更新しなければいけなかった。後に通常解禁されるとは言え、人数の多い店舗では初心者中級者は上級者が残したスコアを更新しづらく、逆に人数の少ない店舗では、自分以外の筐体内スコアが残っていない、という自体に陥りやすく、評判は良くなかった。次回作以降でも問題に。
  • TUTORIALモードの追加
    • 全く初めての初心者のためのモード。前作の人気曲「GOLD RUSH」のボーカル(という設定)のマイケル・ア・ラ・モードがプレイの仕方を解説し、練習曲2曲をプレイするといった内容。ユーザーの先鋭化が問題になっていたIIDXシリーズで、より初心者向けのモードを搭載したことは高評価。
  • オプション・選曲画面周りの改良(主な部分のみ)
    • SUDDEN+がスタートボタンを2回連続で押すことで、家庭用と同じく出し入れができるようになった。
    • DOUBLEプレイ時にBATTLE・RANDOM・MIRRORの同時がけができるようになった。
    • JUDGEコマンド(プレイ中にリアルタイムで判定数を表示)が保存されるように。
    • WINDOW HOLDコマンド(プレイ画面でのハイスピード変更がトグル式になる)が解除可能になる。
    • フォルダを選んでいる時に、他のフォルダが表示されなくなった。
      • フォルダを開いた際に、選曲画面がスッキリする一方、TUTORIAL・BEGINNERモードからSTANDARDモードに移行した初心者にはわかりづらくなったとの声もある。
    • スコアグラフのターゲットスコアにDJ LEVEL AAA・AA・Aが追加。

問題点

  • 上記のTHE TROOPER'S JOURNEY・THE ACE TROOPERSの問題
    • 特に前者は、筐体が少ない県や気軽に県外へ移動できない地方では問題となった。
  • 特定の楽曲で譜面とBGMがズレる現象
    • REMINISCENSE(001)やBroadbandedなどで顕著に報告され、嘆きの樹・One More Lovely・waxing and wandingなどの人気楽曲でも報告されていた。
  • REMINISCENSEの楽曲分岐による問題
    • 前作GOLD、前前作のDistorteDでも存在した、junによる分岐楽曲。特定の条件で今回は3パターンに分岐するが、通常の「001」以外に分岐した際に、EXTRA STAGEに進出する際に必要なレベル条件を満たせないことが判明。
  • THE DEEP STRIKER・Digitank Systemの2曲が選曲画面から消える。
  • 後述のMILITARY SPLASHのラスボスである「MENDES」の条件を満たした際に、出現リザルト後に再起動する。
  • フレームが消失する
    • カスタマイズ要素として、以前からプレイ画面のフレームを変更できるが、稀にフレームを携帯サイトで変更した際に、真っ暗なフレームになる。
  • 上記の問題点は全てアップデートで修正された。
  • 新譜の譜面配置が非常に独特で特異
    • 過去作品でも毎回独特な配置をする譜面は存在するが、本作はそれが特に色濃く出ている。スクラッチに配置が特化したDigitank Systemや、同時押しを連打する譜面の見た目から「壁」と称されるMENTAL MELTDOWN、激しいBPM変化と左右の手で違う繰り返し譜面を配置されていることで非常にリズムをとるのが困難なPARANOiA ~HADES~など、過去の似たような譜面をより昇華させたような譜面になっている。
      • 後述のMILITARY SPLASHではその傾向が顕著で、特に#2で登場する楽曲のANOTHER譜面はすべて特徴的である。終始手を交互に叩き続ける、BPMが異常な変化で難易度を上げる、ひたすら同じフレーズを延々と叩かせられる、メロディではなくリズムばかりが譜面に配置されるなどの特徴を持った楽曲が名を連ねている。
    • これらの譜面配置はビートマニア本来の「音を叩いて音を出す」感覚を味わうことが難しいことから、ただ難易度が高いだけでつまらないと批判をするプレーヤーは多い。ましてやMILITARY SPLASHの楽曲は特殊条件をクリアしなければプレーすることができない楽曲であるため、苦労して時間と金をかけて出現させた楽曲がこれではがっかりするのも無理はない。
      • 作品テーマに合わせて楽曲のジャンルがブレイクビーツという常に同じリズムを刻んだ楽曲に偏っていることから、こうした譜面にならざるを得ない側面もある。また過去作品がトランスやユーロビート、ハッピーハードコアなど人気ジャンルを中心にしていた歴史から見ても本作は異端であり、楽曲批判とすり替えられている部分も多少ある。

MILITARY SPLASH

  • DistorteDの「CARDINAL GATE」、GOLDの「VIP ROOM」に続く、ボス曲フォルダ。
  • 今回は、NORMAL譜面・HYPER譜面でもONE MORE EXTRA STAGEを出現させられるようになった。
    • 前作まではANOTHER譜面のみがONE MORE EXTRA STAGE召喚の対象だったが、ハードルが下げられたことで初心者・中級者にとってもやりごたえのあるイベントになった。
  • #1と#2に分かれており、#1のONE MORE EXTRA STAGE楽曲である「TROOPERS」をクリアすることで、#2に移行する。
    • #1では、当時稼働していた他BEMANI機種から、「Übertreffen(pop'n music 14)」、「ミラージュ・レジデンス(GuitarFreaks&DrumMania V3)」、「TRIP MACHINE PhoeniX(DanceDanceRevolution SuperNOVA2)」が移植。それぞれ特定の条件を満たしてEXTRA STAGEに進出することで、ボスフォルダが出現する。
    • 上記の3曲をNORMALでは正規譜面でクリア、HYPER譜面では正規譜面でDJ LEVEL AA以上でクリア、ANOTHER譜面では正規譜面+HARDオプションでDJ LEVEL AA以上取得でクリアすることで、勲章を獲得、同一譜面の勲章を3曲分集めるとONE MORE EXTRA STAGEの「TROOPERS」に特殊リザルト後、突入する。
    • 上記の「TROOPERS」は出現すると強制的にHARDオプションがつき、その状態でクリアすると、#2に移行する。
    • #2の楽曲は「Do it!! Do it!!」・「ICARUS」・「four pieces of heaven」・「STEEL NEEDLE」で、#1と同じく、特殊条件を満たすことでボスフォルダ内に出現する。
      • 各ボスにはそれぞれボスキャラクターのレイヤーがつけられており、ボタンを押すことでシューティングゲームのように弾が出る演出になっている。
        • 余談だが近年のプレーヤースキル向上やノーツ数を増やして物量で難易度を上げることによって、音を叩いて鳴らす楽しさよりも難しい配置をいかにクリアするかに目的がシフトしている近年の音楽ゲームを皮肉って「シューティングゲーム」と揶揄されるようになったのは、本作のこの演出が影響している。
    • #2でも#1と同様に勲章を集めると、特殊リザルトが出現し、ONE MORE EXTRA STAGEの「MENDES」が出現する。

PS2版でのMILITARY SPLASH

  • #1と#2に分かれていることは同じ。
  • プレイ中に、特定の条件を満たしてフォルダに進出すると、選曲画面にノイズが走り、サイレンが鳴り響いた後、UNKNOWN演出とともに強制的に選曲され、各BEMANI機種+5鍵盤beatmaniaからの移植曲と完全新曲が、「未確認戦力」として出現するという演出がされた。 参考
    • 以前からACの要素を完全移植するだけでなく、SUDDEN+や0.5倍刻みハイスピードなどを先行導入してきた家庭用スタッフの「本気」とも取れる内容に、ユーザーは感嘆の声をあげるとともに、次回作がないのではないかというメッセージもあり、続編の開発を心配する声もあった。

その他

  • 楽曲面は安定した評価。ハードコアやトランスといった定番ジャンルはもちろん、プログレッシブハウスやテクノなどの低BPMの楽曲も充実。家庭用ではその隙間を埋めるような書き下ろし新曲、コラボレーション楽曲、5鍵盤beatmania移植楽曲が収録された(5鍵盤beatmania 7thMIXの「WHAT'S NEXT?」が収録されたことも、続編を心配する声の一因となったが)。
  • 『DJ×軍隊・迷彩』というシリーズを通しても奇怪なテーマがロケテストから話題となったが、哀愁感や緊迫感漂うシステムBGMや「戦い」「緑(自然)」「旅」をテーマにした楽曲が多く収録されているため、結果としてテーマが直接的なGOLDやResort Anthem並みにわかりやすい作品となっている。
  • 家庭用にすら収録されず、一作で削除された楽曲がある。
    • dj TAKAのアルバム「milestone」からの移植楽曲である、「I'm in Love Again(DJ YOSHITAKA Remix)」が、ボーカルの権利上の問題から、家庭用収録のスコア募集はされたものの、家庭用には収録されずに次回作EMPRESSで削除された。原曲と、9th styleで収録されたY&Co.によるユーロビートリミックスも同時に削除された。

総評

一部のバグなどはあったが、全体としては今までのシステムを踏襲しただけでなく、昇華させており、「奇数作は良作」という伝統に恥じない出来。特に家庭用の良移植ぶりは、Dance Dance Revolution EXTREMEの家庭用と並ぶ良移植と言っても過言ではないだろう。
楽曲もジャンルの偏りなく収録されており、どの楽曲も個性が豊か。