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ファイナルファンタジーIII (DS) - (2013/04/28 (日) 18:40:07) の編集履歴(バックアップ)
ファイナルファンタジーIII (DS)
【ふぁいなるふぁんたじーすりー】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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1GbitDSカード
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発売元
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スクウェア・エニックス
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開発元
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マトリックス
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発売日
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2006年8月24日
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定価
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5,980円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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3個+クイックセーブ1個(フラッシュメモリバックアップ)
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通信機能
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ニンテンドーWi-Fiコネクション、ワイヤレス通信対応
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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廉価版
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アルティメットヒッツ:2008年10月23日/2,940円
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ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク
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概要
『ファイナルファンタジーIII』のリメイク作。
画面がフルポリゴンになり、キャラクターデザインは新たに吉田明彦氏が担当している。
ゲームシステムが大幅に改変され、難易度が調整されたことにより、オリジナル版未プレイ者も経験者も楽しめるようになった。
田中弘道氏がディレクターを務めたため、彼が統括している『ファイナルファンタジーXI』から輸入された要素も多い。
特徴・評価点
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このゲームではジョブ(職業)を自由に変更して進んでいくが、オリジナル版では後半手に入るジョブは前半のジョブの上位互換的扱いであり(賢者や忍者などのジョブで顕著)、ストーリー前半で使ったジョブを後半まで使っていくようなことは難しかった(モンクや戦士など)。また、どうにも役に立たないジョブもあり、ジョブ間に相性の域を超えた格差があるのも確かだった。
それに対し、このリメイクでは「どのジョブでもゲームクリアできる」ことを念頭にジョブが調整された。
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オリジナル版では戦力にならなかった吟遊詩人や狩人などは大幅に強化され、特に風水士は強力ジョブの一角に食い込むほどになった。一方、FC版で他のジョブの追随をほとんど許さなかった賢者や忍者は大きく弱体化。下位互換だった戦士やモンクもそれぞれ装備品や専用スキルが追加され、最後まで使えるようになった。
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また、キャパシティ(ジャブチェンジに必要なポイント)やアイテム所持数の制限が廃止され、ジョブチェンジしやすくなった。
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ただしチェンジ直後は移行期間として能力値が僅かながらマイナス修正されてしまう。移行期間中に再度チェンジすると移行期間が延びてしまう為、どのジョブが使いやすいか見極めるのが難しくなっている。
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就いているジョブの熟練度によってキャラが強くなるため、お気に入りのジョブを使い続けるほど有利になるというのもプレイヤーにとって嬉しい仕様。
その反面、5のようなアビリティ付け替えシステムは搭載されなかったため、様々なジョブを使ってみようという動機付けにはやや欠ける。
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賢者と忍者に関しては単純な弱体化ではなく、魔法では賢者、物理では忍者が、それぞれの万能選手だったものを、ジョブの個性を持たせるために再調整したものである。
---たとえば忍者に関しては、武具装備制限がきつくなった代わりに武器を投げつける「投げる」コマンドが追加。賢者は召喚魔法が白黒ランダム方式(召喚士と同じ方式)に変更の上、魔法の使用回数自体が減少、など。
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オリジナル版で難易度が高すぎとされた暗黒の洞窟・クリスタルタワー・2ヘッドドラゴン戦などは調整されている。しかし、単純に難易度が下がったわけではなく、メデューサやケルベロスなどオリジナル版で弱かったボスは強化されている。
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3Dになった仕様上、モンスター同時出現数は最大3体(一部イベントのみ4体)に減ってしまったが、その代わり敵1体の強さが強化されている。
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総合的に見てオリジナル版と比べ難易度は下がったものの、近年のFFシリーズに比べると難易度はやや高い。
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音楽も概ね好評。ラスボス戦ではファミコン音源の一部が使用されている。
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主人公4人の設定変更。
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「少年4人」というパーティ構成から「少年3人+少女1人」という構成に変更され、名前・容姿・性格などの個性が新たに設定された。序盤の時点で4人全員揃っていたオリジナル版に対し、DS版では序盤のイベントを経ていくごとに段階を追って1人ずつパーティに加わっていくという形に変更されている。
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新規イベントも追加はされているが、基本的にオリジナル版の元のイベントにあてはめる形でキャラクターを個性付けしたこともあり、オリジナル版プレイヤーにもこの変更点は比較的受け入れられているように思われる。
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また、戦闘ではゲストキャラがサポートを行ってくれるようになった。
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モーグリの喋り方、ボム系モンスターの弱点属性など、後のシリーズで確立した要素・設定に準じてセリフやパラメータなどに若干の手直しも行われている。
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オリジナル版でデータ上は存在するが絶対に出現しないようになっていた敵がレアモンスターなどで出現するようになった。下記のモグネットが必要だが、隠しボスも追加されている。
不評点
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「モグネット」という新システムが不評。通信要素ながら一部の新イベントの発生必須条件にもなっていたため大変なことに。
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このメールを何度か利用しないと入手できないジョブや多数の武器防具があるため、評価はあまり芳しくない。しかも、通信でできることは最大数行程度の長さの手紙を書いて送るだけのメール機能だけ(「署名」などの要素もあるが、ほとんどおまけ程度)。
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オリジナル版での初期ジョブであった「たまねぎ剣士」はDS版では隠しジョブとなっており、これを開放するためにモグネットが必須となるため特に批判が多い。
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「たまねぎ剣士」はオリジナル同様終盤まで弱いが、LV90代になると専用装備とあいまって爆発的に強くなる大器晩成型。
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なお初期職は「すっぴん」になっているが、これはFFVのような終盤最強タイプではなく、単に装備が多いだけの弱小性能キャラ。
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しかもセーブデータごとにモグネットをやり直さなければいけない仕様となっているため、最初からやり直すのも気軽にはできない(セーブデータ自体は3つある)。
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「モグネット」により開放されるのは、ジョブ「たまねぎ剣士」、「アルテマウェポン」という最強の剣、各ジョブの最強装備1つずつ、1体の隠しボスであり、普通に遊ぶだけならなくても十分クリア可能だが、やはり気になってしまう部分である。
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スタッフによれば他の通信要素として育てたパーティ同士を通信対戦させるアイデアもあったが、味方のキャラクター同士で傷つけあうことに懸念があったなどの理由で見送ったと語られている。
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この欠点は後述のiPhone版で改善されている。
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黒魔導士などの魔法攻撃系ジョブの有用性が下がり立場がかなり悪化した。
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上述のように敵の同時出現数が減った結果、わざわざ魔法で倒す必要性が低下。加えて状態異常系や即死系の成功率がFC版より極端に下がっているため、補助魔法で雑魚を無力化するのも安定しづらくなっている。
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本作での調整で黒魔法系はその役割を奪われ、召喚魔法も効果がランダムなのにそのうち状態異常の効果がほぼ完全にハズレと化した。これにより黒魔導師系や幻術士は使い方の難しい微妙なジョブになってしまった。
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炎の辞典やルーンのベルなどのFC版では買えたが本作では非売品になった武器が多い。
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矢が消耗品のままなので道のりの長いラストダンジョンでは心細い。
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持ち物がいっぱいになることはないので、お金さえあれば大量の矢を持ち込むことは可能。
iPhone/iPad版
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基本的にはDS版のほぼ丸移植。だが画質は良くなっており、スマートフォンにありがちな操作性の煩わしさも仮想スティックが使いやすめ。
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上述のモグネットは見直されており、ストーリーを進めて各手紙の送り主に話しかける際に関係の深いキャラを一番上に持っていくことで進めるようになった(サラ姫→イングズを先頭にして話しかけるなど)
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スマートフォンを所有しているのであれば、今遊ぶならこちらで進めることを勧める。
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iPhone/ipod touch用とiPad用が出ているが、どちらも別売りになっているのはマイナスかもしれない。
PSP版
対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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メディア
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UMD
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発売日
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2012年9月20日
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定価
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UMD版3,900円 ダウンロード版3,300円
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PSP版はiPhone版ベースの移植。画面比率が16:9になるなど、グラフィックが再調整されている。
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PSP版FF4同様、オリジナル版の音源切り替え機能とギャラリーモード、オートバトルを収録している。
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iPhone版とほぼ同じで追加要素はほとんど無いので、DS版かiPhone版を持っている人は無理して買わなくてもいいかもしれない。
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DSでモグネットを利用しなければ出て来なかった隠し要素も、iPhone版と同じくDS版よりも容易に入手可能。
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問題点もある。それはロード時間が長くなったという点。
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DS版の2~10倍以上の時間が掛かっており、なおかつインストールプレイでもこの点は軽減されない。
総評
オリジナルのFC版から様々な面で大幅な変更が施されているものの完成度は充分高く、高い評価を受けた。
FC版のプレイヤーからは賛否両論だが、FFシリーズの移植・リメイクの中では成功した部類にあるといえる。
余談
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FFIVもDSでリメイクされたが、当作品とは逆に難易度をオリジナル版よりかなり高く設定した事などが仇となり強烈なアンチを生んでしまう問題作となった。DS版FFIVには田中弘道氏と吉田明彦氏は関与していない。
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ちなみに原作は初のFFシリーズのミリオンヒットではあるが、こちらも長期に渡るジワ売れの結果、見事ミリオンを達成した。