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奇々怪界 - (2011/04/25 (月) 09:29:39) の編集履歴(バックアップ)


奇々怪界

【ききかいかい】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード
販売・開発元 タイトー
稼働開始日 1986年

概要

  • 神社の境内で妖怪を退治しつつ、道中に落ちている鍵を手に入れステージ最後に待ち受けるボス妖怪を退治し、ステージごとに1人ずつ囚われた七福神を救出する事がゲームの目的。
    • 任意スクロール。ぶっちゃけ巫女版の戦場の狼である。
  • 全8面で1周クリア。3周クリアすると1周目に戻る。2、3周目は難易度が多少上昇している。

ゲーム性

  • 攻撃方法は打撃のお祓いと射撃の御札投げ。それに途中拾った黄色の水晶玉と青色の水晶玉をボムとして使用出来る。
    • だがお祓いの影はやや薄い。お払いで倒した敵は射撃で倒した時よりもスコアが半減。
    • また敵の玉を御払いで消す事なども出来ないため、基本的に御札投げで進めてしまう局面が多い。ちなみに後述の続編では御払いで敵弾を消す事も出来る
      • ボムは出てくる確率が低いので隠しアイテムとして入手する事が多い。尚、固定隠しアイテムはボムとエクステンドアイテムで二択。
  • グラフィックは当時にしては綺麗で今見ても遜色ない。
    • 後述する藪崎氏のイラストやOGR氏の作曲などもあっておどろしさと可愛らしさが同居した和風の世界観を作り出している。
  • だがゲームバランスは基本的に古いゲームらしい硬派な物。パターン要素もあるがランダム要素も強い。
    • 当たり判定が大きい。主人公も移動がモタモタしている
    • 幽霊の「ぷかぷか」は最初は大した事のない敵だが3面の後半から弾を撃ってくるようになり、非常に危険な敵と化す。
      • しかし自機狙いが多いので出来る限り止まらずに進む事を心がければ先に進みやすい。
    • ショットの範囲が小さいので狙い撃ちスキルが要せられる。ただし後述の黄お札を取れば攻撃範囲はやや改善される。
    • とりわけ4面が難関となっている。
      • 道中は足場が狭く厳しい上にボスの山婆がとても強い。発狂すると手がつけられないのでノーミスで辿り着いて連射で仕留めるしか無い。
    • 復活がとても厳しい。
    • 一度やられると装備と水晶玉を全て剥奪される上にランクは下がらない。
    • 強アイテムの黄お札(攻撃範囲が広がる)は1面で井戸から湧きでる雑魚を倒しまくれば入手出来るが、一度失うと次に確実に出るのは終盤の7面まで。
    • それ以外で黄お札は安定して入手出来ない。
    • ボスが強い。一度でも死んでから挑むとやたら攻撃が激しくなる。4ボスと5ボスが顕著。
      • しかしデザインなどは魅力的である。特に6ボスの魔尾狐(まびこん)と7ボスの魔奴化(まぬけ)は良いボス。
    • 射程を延ばす代わりにランクを上げる青お札は一個あれば十分(隠しアイテムの二重お札で射程増強+ランクが上がらない)。
      • むしろランクが上がるとボスを倒しづらい。
    • 敵を倒して出るアイテムは運が絡むので確実に手に入る隠しアイテム(前述の二重お札やボムなど)が出る所を覚えておく必要がある。
    • 攻略サイトが今でも充実しているので確認しやすいのが救い。
  • ノーミス前提の節はあるもののコミカルな和風の世界観は良く出来ている。効果音やBGMも雰囲気に合っている。
    • 覚えてしまえば意外と先へ進めるので攻略のしがいがあるとも言える。
      • EDの曲が中々良い。これまでの苦労が報われる。

スタッフ

  • 企画とキャラクターデザインを担当したのは藪崎久也。
    • 妖怪をモチーフにしたキャラクターは愛らしく、それでいて骸骨やぬりかべ等でプレーヤーをパニックに陥れるギミックを用いた。
  • サウンドはOGRこと小倉久佳。
    • 藪崎氏は本作のBGMの作曲に際し「愛嬌があっておどろおどろしさがあり、不思議な曲にしてほしい」とOGR氏に難しい注文をした。
    • OGR氏は童歌を片っ端から聞き、そこに共通する曲調をヒントに作曲。暖かくもどこか薄ら寒さを感じる曲調はOGR氏の職人芸とも言える。
  • 戦場の狼に近いと言われるが、むしろゼビウスを参考にした所が大きい。
    • お祓い棒はゼビウスのバックファイアからインスパイアされたもの。開発時は強すぎたらしく弱体化したのが現在の形。
      • 敵キャラの動きや難易度なども参考にされている。

総評

  • ゲーム性はやや古い。だが今の時代から見ると「狙い撃ち」が重要なゲームシステムは却って新鮮な気持ちで遊べるかもしれない。
    • 一方で世界観や雰囲気はあまり古臭さを感じない。小夜ちゃんのキャラクター性や和風世界観の素晴らしさが今でも色あせぬ名作であり、愛され続けてる作品であるとも言える。

移植

  • 今から遊ぶならタイトーメモリーズ2作かWindows版かWiiのVCでPCE版を遊ぶのがオススメ。
  • 怒涛編(ディスクシステム)
    • ARPG的なアレンジを大幅に追加された。
    • アイドルの伊藤美紀(注:声優の伊藤美紀とは別人)とタイアップを行っており、2Pだと彼女をモチーフにした巫女「美記ちゃん」を使える。
      • CMソングは彼女の歌う『哀愁ピュセル』であった。
  • MSX2版
    • グラフィック、ゲーム内容共にAC版に準拠した移植となっているが、敵が全体的に凶悪化している。
  • PCエンジン版
    • ルート変更、コンティニューの追加(AC版はコンティニュー不可)などのアレンジはあるが基本的には忠実移植。
      • ロケテストのマップを参考にしているらしい。
    • WiiのVCでも遊べる。600ポイント。
  • タイトーメモリーズ上巻(PS2)
    • 奇々怪界が収録されている。移植度は基本的に良好。
    • 通常版は最初から遊べない仕様なので注意。後に出たベスト版やエターナルヒッツ版では最初から遊べる。
  • タイトーメモリーズポケット(PSP)
    • タイメモ上巻とほぼ同じ仕様。DLでも買える。
    • 縦画面可能だがPSPを持ちづらいのがネック。
  • 携帯アプリ
    • Docomo、au、Softbankの三機種で出ているがどれも月額なので注意。
  • Windows版
    • 遊遊シリーズなどで登場。定価は1500円だがもっと安く売られてる事もある。
      • これも移植度は良好な方。説明はやや甘いのがネックだがこれに触れてみるのも悪くない選択。
  • Let's!TVプレイCLASSIC タイトーノスタルジア2
    • ゲーム機に繋ぐのではなくてTVに直接繋ぐ単体ハード。スラップファイトと共に収録されている。
    • 『地獄めぐり』のキャラを使ったアレンジ『奇々怪界~覚蓮坊』も遊べる。ラスボスとして宝船に乗った魔寝来猫が爆弾と小判で攻撃してくる。
      • しかし移植度は悪い。残念。

続編

  • 奇々怪界 謎の黒マント(SFC)
    • メダロットや東方見文録でお馴染みのナツメ製作。
    • 小夜ちゃんに懲らしめられた化け狸の魔奴化と共に謎の西洋軍団に挑むという話。このゲームからさりげなく魔奴化が小夜ちゃんの仲間として扱われる事になる。
  • お札強化がワイドとストレートと2種類に増え、スライディングによる緊急回避の盛り込み、お祓い棒での弾消し、お守りアイテムでのバリアなど、初代奇々怪界で欲しかったであろう要素をこれでもかと詰め込みまくった作品。
  • 序盤から敵の攻撃が激しく、終盤になるとかなり自重しなくなるので難易度はかなり高めである。
    • ただ、ライフがある上にボスを倒すとライフが伸び、回復アイテムも普通に置かれており。水晶ボムも死んだら消えるわけではないので、きちんと攻略していけばクリア出来る難易度になっている。
    • 裏技でステージセレクトも出来るが、どのステージからでもライフが初期値から始まるので、よほどの熟練者でない限り1面から攻略するのが無難だろう。
  • スピード感も増し、初代での穴が色々と埋まって非常に遊びやすくなり、ファン人気の高いゲームとなった。
  • 奇々怪界 月夜草子(SFC)
    • 製作は黒マントと同じくナツメ。しかし開発スタッフは黒マントとは別。
    • 黒マントの重要アクションだったスライディングが無くなった。それによってスピード感がやや失われたという意見もあり、賛否両論となっている。
      • だが難易度は下がって遊びやすくなっている。
      • 仲間を投げたり合体したりする他、コナミのゴエモンシリーズのように小判を集めてアイテムを買うシステムも導入された。
  • 製作チームが違うため、前作と比べて若干グラフィックが粗いのが残念な点。
  • 奇々怪界あどばんす(GBA)
    • アルトロン社制作。タイトル画面のデザイン、ストーリーやマップ構成、自キャラのアクションはAC版のテイストをほぼ踏襲しており、和風妖怪軍団が敵キャラであるなど原点回帰的な趣が強い。
    • ヤマタノオロチを封印すべく小夜ちゃん、魔奴化、美記ちゃん(怒涛編の2Pキャラ)の三人がそれぞれ妖怪軍団に挑む。
    • どのキャラを選ぶかによって、お札をパワーアップした際の性能が異なる仕様になっている。
      • これも難易度はやや抑えめだが出来は比較的良い。現時点における事実上の奇々怪界シリーズ最終作。
  • 奇々怪界2(未発売)
    • スターフィッシュにより製作が進められていたゲームだが結局は発売されなかった。詳細は後述。

発売しなかった奇々怪界2

  • スターフィッシュが奇々怪界2をPS2用に作っていて画面写真も公開されたが、結局は開発中止になってしまった。どうやら版権の問題らしい。
    • コンボシステムやダッシュの追加、敵を倒して文字を変えて九つの字を完成させてスペシャルアタックを放つ九字システムなど新システムが追加される予定だった。
    • キャラデザはイラストレーターの夢宮鈴乃で小夜ちゃんが今風の萌えキャラとしてリファインされていた。
    • 相棒は狐火の狐魂(こんこん)。EDは2種類だったらしい。魔奴化はどこへ行った。
      • その後、奇々怪界2のデータを流用したと目される『雪ん娘大旋風 さゆきとこゆきのひえひえ大騒動』がWiiで出ており(後にPS2に移植)、これらは隠れた良作と言われる。
  • また発売中止になった本編のデータやグラフィックをそのまま用いたと思われるソフトが『Kikikaikai World』として海外でリリースされているらしいが、詳細や経緯は不明である。

影響

  • 何の変哲も無い神社の巫女さんをゲームに起用した作品の先駆けと言われる。
    • また当時は女性が主人公のゲームも少なく、『イシターの復活』のカイくらいしか居なかった。そういった時世に対するキャラ需要も当時はあったと見られる。
  • 他にもタイトーゲーのパロディに小夜ちゃんがゲスト参戦する事もある。
    • 後にアルファ・システムが開発したシューティングゲーム『式神の城』の自機キャラである結城小夜は今作の主人公、小夜から名前を取られている。
      • 式神の城は発売元がタイトーなのでパロディの意味合いもあると思われる
      • ただ設定的には『高機動幻想ガンパレード・マーチ?』の壬生屋というキャラと同一存在とかいうのが芝村クオリティらしい。
    • スペースインベーダーをパロった『あっかんべぇだぁー』にも小夜ちゃんが参戦。2Pは「みよちゃん」という小夜ちゃんの弟子。
      • あっかんべぇだぁーはタイトーメモリーズ下巻かスペースインベーダーポケットに収録。
      • 後述する『狐の里入り』にもみよちゃんネタの漫画が小話として挿入されている。
      • 『爆笑人生劇場』シリーズを筆頭にとしたパーティゲームやパズルゲーム関係ではよく登場している。
    • タイトーのキャラクターが勢揃いするパズルゲーム『ぽっぷんぽっぷ』でも自機として登場。魔奴化もボスとして登場する。
      • ゲーム中やシナリオで声付きで喋る。家庭用版での声優は小夜ちゃんが川澄綾子、美紀ちゃんが菊地祥子。
    • Wiiのミニゲーム集『ふるふるパーク』で紙守小夜というキャラが登場。でも何故か眼鏡っ子。
      • 当作品では奇々怪界のアレンジミニゲームが遊べる。
  • ビデオゲームクロニクル (1) 奇々怪界
    • 2009年に突如出版された同人誌。非公式本ながらスタッフインタビューや座談会を行うなど商業誌顔負けの内容となっている。
    • このページのアーケード版に関する記述の多くはこの同人誌の情報に準拠している。
  • ゲーム以外にも2010年に突如ハーヴェスト出版から『奇々怪界 ~狐の里入り~』という小説本が登場。
    • 小夜ちゃんの性格が東方の霊夢っぽいと一部で言われたり美記ちゃんが巨乳だったり化け狐のリンちゃん(オリキャラ)の成長物語だったりする。
    • リンの成長物語の出来は悪くない。ちなみに彼女は初代6面ボスの「魔尾狐(まびこん)」の娘である事が最後に明かされる。
    • 時系列も序盤の魔奴化から黒マント・月夜草子・あどばんすの後という。
      • 何より知名度が低かったが奇々怪界のメディア展開として一部ファンに驚きを与えた。
  • こういった流れがこっそりあったりする辺り、小夜ちゃんも奇々怪界もファンから愛されてると言える。

某同人作品との関わり

  • また同人の『東方Project』にも影響を及ぼしているのでないかと言われる事があるが影響の程は定かではない。
  • しかしPC-98版の第一作『東方靈異伝(ブロック崩し)』で巫女の博麗霊夢はお札やお祓い棒など本作に通じる動作でボールを弾き返したりしている辺り、小夜ちゃんを彷彿させると言えなくもない?
    • スライディング動作もあるが、「謎の黒マント」の動作でもある。
    • 何より当時は腋も出してなかったし。
      • 当作品に収録されている「東方怪綺談」という楽曲は小夜ちゃんのテーマ(勿論、タイトー非公式)として作った曲との事。
  • 何よりも東方にPC-98版の雑魚キャラとして「バケバケ」なる敵キャラが出てくるが、これは奇々怪界に出てくる「ぷかぷか」と瓜二つである。
    • 今は流石に自重したのかバケバケは黒歴史となった。もう許してやれ。
  • 当たり前の話だが東方(一作目97年)より奇々怪界(86年)の方が先にリリースされている事は留意しておきたい。
  • さらに述べると、後にタイトーから発売されるラクガキ王国2にはハクレイノミコという名のラクガキがいる。
    • 東方Projectの作者が発売当時タイトーに在籍していた事も関係あるものと思われる。

オカルト

  • このゲームの開発中にさまざまな怪奇現象が起きた為、後日スタッフが本物の神社に御祓いしてもらったという。
    • だが神社に取材を兼ねて七福神めぐりを行ったという事でもあるらしい。当時はネットで検索すれば情報が何でも手に入る時代ではなかったのである。