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さんまの名探偵 - (2011/11/11 (金) 21:20:56) の編集履歴(バックアップ)


さんまの名探偵

【さんまのめいたんてい】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 ナムコ
発売日 1987年04月02日
価格 4,900円

概要

プレイヤーは桂文珍殺人事件の真相を解くため、自称「関西一の名探偵」明石家さんまと一緒に事件を解決していく。

特徴

  • 同ジャンル先駆者の「ポートピア連続殺人事件」が文字主体だったのに対し、本作では「ドラゴンバスター」を思わせる全体マップの採用、捜査コマンドのアイコン表示、アイテムや人名のシンボル表示など視覚的にわかりやすい作りになっている。
    • キャラクターが全体マップを直接移動するスタイルなので、各調査場所や事件現場周辺の位置関係を把握しやすい。
  • 吉本興業の当時の主要人物(主に当時の人気番組「オレたちひょうきん族」の出演者多数)が実名で登場している。
    • さすがに吉本興業の社長までは実名で出せなかったが。
    • 人物の立ち絵の出来が良い。本人の特徴をよく捉えている。
    • 人物がしゃべるときにアニメーションで口が動いてSEが流れる(しかも人物によって音が変わる)という当時のゲームとしては画期的な演出がある。
  • また明石家さんまが探偵というだけあり、そこかしこにちりばめられたギャグやさんちゃんらしさが、重くなりがちな話をコミカルにしてくれる。
    • わざわざBGM付でプレイヤー自身をからかったり、コマンドの中に「飲む 食べる」があったり、レオタードをかけてエアロビクス勝負したり、ある人物をゴシップネタで脅したりなど芸が細かい。
  • 要所要所でミニゲームが挿入される。内容はまさしくミニゲームといった小粒なものばかりだが、場の雰囲気を崩さずに違和感なく溶け込んでいる(もともと妙なノリのゲームだからという事もあるが)。
  • 「ポートピア連続殺人事件」と比べると難解な場面が比較的少ない反面、地雷選択肢やミニゲームの失敗でバッドエンドというシビアな局面も僅かながら存在している。
    • そのバッドエンドも重要人物が殺害されたり、捜査を投げ捨て南の島に宝探し(しかも宝はどこぞのさらりーまんに盗られていた後)など妙に種類が多い。
  • 二転三転するシナリオ展開、複雑な人間関係、事件の裏に隠された真相など、推理物の王道を踏まえた質のよいストーリーは評価されている。

総評

無機質になりがちなコマンド選択型アドベンチャーのシステム周りに視覚的なわかりやすさを加え、更にキャラクター性を生かしたユーモアやギャグを織り交ぜ、手詰まりを起こしにくいほどほどの難易度に抑える...というまとまりの良い仕上がりとなっている。
アドベンチャーとしてもキャラゲーとしても丁寧な仕事ぶりの光る、ファミコンにおける芸能人タイアップ物としては唯一といっていい良作である。

備考

  • 後年、同じ吉本芸人であるナインティナインをメインにすえた『ナイナイの迷探偵』が発売された。推理アドベンチャーとしての要素はほとんど無くなっており、「クソゲー」扱いを受けている。この『ナイナイ』には本作のBGM・ネタ(パッケージの取り込み画像まで登場する)が随所にさりげなく入っている。
    • 明石家さんまは登場しないが、西川のりお・太平サブローが引き続き出演。しかものりおはこっちでも「事件の鍵を握ってそうな怪しい人物」になっている
  • 余談だが、ゲームに登場した吉本芸人たちに出演料は支払われなかった。しかし、桂文珍はゲーム内で殺されていることを知り、会社に出向き「わし、死んでるみたいやねんけど、御香典もらえまへんか?」と言い、出演料をもらったとのこと。さらに当時司会をしていた「はなきんデータランド」で自分が殺されることをプレスリリース前にネタばらししている。
  • 作中、さんまが島田紳助に対し「紳助言うたらやくざや」と言うシーンがあるが、発売から24年経った2011年、紳助は暴力団がらみのごたごたで本当に芸能界を去ることになってしまった。
  • 電源ON後に表示されるオープニングは桂文珍が何者かに殺害されるシーンなのだが、主観視点での文珍のドアップの表情と「ギャー!」という叫び声の書き文字はかなり強いインパクトがあり、トラウマシーンとして上げるプレイヤーも多い。