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マーヴェラス ~もうひとつの宝島~ - (2013/05/05 (日) 17:08:30) の編集履歴(バックアップ)
マーヴェラス ~もうひとつの宝島~
【まーう゛ぇらす もうひとつのたからじま】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂 エスアールディー
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発売日
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1996年10月26日
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定価
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6,800円
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分類
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良作
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プロローグ
かつて恐れを知らぬ荒くれ者の海賊達が暗躍した大航海時代。
その海賊達の中でも、広い知識と優れた才能で名を残した伝説の海賊「キャプテン・マーヴェリック」がいた。
新しい文明や法治国家の軍力に圧され、海賊達の時代が終わろうとしていた時に彼はある声明を発表し、いずこかへ消えた。
「私の財宝を手に入れたい者は、私の仕掛けた謎解きに挑戦してみよ。」
以来数多くの冒険者や賞金稼ぎが彼の財宝を求めたが手に入れた者は誰もいないという。
彼の残した見たこともない宝―「マーヴェラス」は、今もどこかで冒険者が来るのを待っているのだ。
概要
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任天堂を代表するアクションアドベンチャーとして名高い「ゼルダの伝説」の開発スタッフが制作に関わっている。
ゼルダの雰囲気を残しつつ、それでいて全く異なるアドベンチャーゲームとして完成されたゲーム。
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プレイヤーは伝説の宝「マーヴェラス」が隠されているという宝島に偶然キャンプにやってきた3人の少年を操作し、マーヴェリックの残した壮大な謎解きに挑む事になる。
特徴
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3人一組のチームとして行動することになる。
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プレイヤーはリーダーハット(帽子)を被るリーダーのみ操作でき、誰をリーダーにするかは、帽子を渡す事で自由に切り替えることが出来る。
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基本的には集合をかける事によって、ほかの2人がリーダーの後をついていくという形で移動する。
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ときにバラバラに行動する事も可能。仕掛けを役割分担で作業したり、バトルにおいては一人が敵を引き付けてリーダーチェンジした直後に敵のバックを突くという攻撃も行える。
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特定の場所で3人行動している時は「チームワーク」を使える。
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団体行動だけでなく、その仲間でしか進めない場所を進んだり、時間短縮のために単独行動を取るといった行動も可能。一人で別マップへ進む事も可能で、無線機のアイテムで別マップの仲間ともリーダーチェンジが可能。
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3人の少年達はそれぞれ特徴を持っている。
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ディオン:チビですばしっこく、彼をリーダーにすれば3人一緒の時でも素早く動ける。ダッシュシューズでダッシュ&体当たりが可能。また野球ボールを投げて遠くの敵を攻撃したり、ハンマーで杭を打つ事もできる。
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マックス:太っていて力持ち。他の2人には持てない重いアイテムも持つことが可能。また見た目に合わずスポーツ万能で、キックシューズで物を蹴ったり、水中眼鏡で潜ったり、パンチグローブで強力なパンチ攻撃ができる。
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ジャック:長身。機械の操作や組み立てが得意。ジャンプブーツで裂け目を飛び越えたり、釣り竿で様々な物を釣ったりと色々器用。3人の中では唯一攻撃手段を持たない。
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アイテムも個別に所持するようになっており、3人の役割・得意分野を明確にしている。
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これらはゲームの謎解きにおいて、非常に重要なポイントとなってくる。
サーチシステム
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スーパーファミコン初と銘打たれたシステム。謎解きに重要な2つ目の要素。
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画面内の物や人物にカーソルを合わせることで、そのオブジェクトを調べることが出来る。
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サーチシステムで調べることによって表示される「コマンドウィンドウ」で、人物に話しかける・アイテムを使用する(人物に渡す)といった様々な行動が可能。
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特定のものは、コマンドウィンドウ内でより詳しく調べることが出来る。
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例:電話をサーチシステムで調べる→コマンドウィンドウで拡大→ダイヤルを回す
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サーチシステムで調べる→アイテムを使用するといった流れで謎を解く場面は多いため、頻繁に使用することになる。
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調べることが出来るオブジェクトにカーソルが当たると、大きなハテナマークが表示されるのでわかりやすい。しらみつぶしにカーソルを動かしてとにかくボタンを連打!…というような面倒な作業にはならない。
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謎解きには特に関係ない物も調べることができ、ゲームを楽しめる要素でもある。
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釣り上げた魚の「そのうち戻りますので…」はシュール。
チームワーク
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コマンドウィンドウから使用できるコマンドの一つ。
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その名のとおり、3人協力して謎解きを行う。
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大きな岩などの障害物を取り除いたり、高いところにあるスイッチを押すために肩車をしたり出来る。
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先述したとおりそれぞれ役割が違うため、どのキャラをどのように配置して動かすかを考えなければならない場面も。
その他
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謎解きに詰まったら、とあるキャラにヒントをもらえる。どこにいても呼び出しが可能なので、払うコストさえあればヒントはすぐに聞ける。
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シナリオも秀逸。過去へのタイムトリップやバイオハザードめいた怪植物の謎など、冒険の舞台は様々。
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ラストダンジョンはまさに謎解きの集大成。ヒントをもらえないことも相まって難易度が高い。
短所
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ラストは割とあっさりめ。
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3人の目的はあくまでダンジョンに閉じ込められたジーナ先生の救出であり、タイトルにもある宝「マーヴェラス」は影が薄い。
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一応、最後の最後に書き記されているマーヴェリックのメッセージを読めば、結構感慨深いものがあったりするのだが、制限時間に気を取られて見逃しやすい。
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仕方ないかもしれないが、3人とも台詞はほとんど同じ。性能やアイテムではともかく、性格面では区別できない。
総評
SFC末期に発売された為か、任天堂製SFCソフトにもかかわらずイマイチ知名度が低い本作。
「ゼルダ」のシステムを踏襲しつつ、「サーチシステム」「チームワーク」等全く異なる感覚で楽しめる。
また「サーチシステム」や「島間の船旅」等後の「時のオカリナ」「風のタクト」のプロトタイプとも言える点も見受けらられる。
少年達の大冒険を楽しめる、まさに隠れた名作と言える一本であろう。
開発裏話
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元々はスーパーファミコンCD-ROMアダプタ用のゲームとして、1991~1992年に企画が立ち上げられた。スタッフはスーパーファミコン版と同じメンバーであった。
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スーパーファミコンCD-ROMアダプタとはプレイステーションの原型となったハード。
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CD-ROM用にアニメーションムービーも作成された。そのムービーでは、スーパーファミコン版では登場しないキャプテン・マーベリックがメインキャラクターとして登場していた。
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更にマーベリックと対峙するライバルの海賊キャラクター(※名称不明)も登場していた。
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マーベリックのデザイン画、海賊のデザイン画は『任天堂公式ガイドブック:マーヴェラス もうひとつの宝島(小学館)』の109ページに掲載されている。
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マーベリックは若き日のインディー・ジョーンズのようなキャラクターで、ディオン達と同じデザインの帽子を被っている。ライバルの海賊は海賊キッド風の如何にもな悪役である。
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ちなみにアニメーションムービーの製作を手掛けたのは、後に「涼宮ハルヒの憂鬱」等々を制作し有名になった京都アニメーションであった。
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しかし、スーパーファミコンCD-ROMアダプタが後にお蔵入り。その巻き添えで今作も潰され、スーパーファミコン用ソフトとして一から作り直されるに至った。
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サーチシステムはCD-ROM版には無かったシステムである。
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ディレクターの小野塚英二(現:青沼英二)氏曰く、「アニメーションが不可能となったので、何か違う方法で画面を切り替えられないか、という発想の元から生み出された」とのこと。
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今作の発売前からサテラビューにて特別版が放送されていた。ゲームが発売前に楽しめる、メディアミックス的な展開ができないかという企画の元で実現されたとの事。
※参考資料:『任天堂公式ガイドブック:マーヴェラス もうひとつの宝島(小学館)』スタッフインタビューより。