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グラディウスV - (2012/08/18 (土) 10:11:10) の編集履歴(バックアップ)


グラディウスV

【ぐらでぃうすふぁいぶ】

ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 プレイステーション2
発売元 コナミ
開発元 トレジャー、コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 2004年7月22日
定価 6,980円
グラディウスシリーズ関連作品リンク


概要

  • 横スクロールSTGの金字塔である「グラディウスシリーズ」の一つ。ナンバリングタイトルだがアーケードからの移植ではなく、家庭用オリジナルとなっている。
  • キャッチコピーは「未知なる領域へ」。新システムと従来のテイストを上手く融合させ、「グラディウス」の新たなスタイルを構築した。
  • 米国の大手ゲームサイトGameSpyで「PS2ベストシューティング賞」及び GameOfTheYear第6位 を受賞している。

従来からの主な変更点

  • 【敵の攻撃の激化、雑魚敵の増大】
    • 弾幕系シューティングの要素がある程度取り入れられており、従来のシリーズとは比較にならないほど敵が弾を撃ってくるようになっている。雑魚敵の数そのものも多く、時にはテレビ画面を埋め尽くすほど大量の雑魚が出現する。
    • ボスの攻撃が激しく、攻撃パターンも従来に比べてかなり増えている。
  • 【敵の攻撃の激化によるバランス調整】
    • 従来よりも、自機の当たり判定が大幅に縮小(約1ドット)している他、敵弾の弾速がやや遅めに設定されており、敵の攻撃を回避しやすくなっている。また、敵弾の低速化に伴い、高速ステージの速度と自機の移動速度も見直された。
    • 雑魚敵の増加に伴い、自機の攻撃力も見直されている。以前はノーマルショットが2連射しかできなかったが、本作では4連射できるようになった。これにより大量の敵に押しつぶされるという事が少なくなった。自機の攻撃力の上昇に伴い、ボスの体力も調整されている。
    • ミスした際にはその場で自機が復活する(所謂「曼蛇復活」)ようになった。なお、少し前まで戻される「グラディウスタイプ」にも変更可能。
    • ミスした際に「沙羅曼蛇」同様オプションが周辺に散らばり、それに触れる事でオプションを回収できるようになり、更に「沙羅曼蛇」に比べてオプションが画面外に出るスピードも落ちた。これにより、ミスした後の復活が困難で詰む、といった事が少なくなった。
  • 【その他】
    • ナンバリングタイトルでは初の2人同時プレイが可能となった。
    • 2面、7面、8面にて、シリーズ初となる「ステージ中のデモムービー」が挿入される。このムービーは非常に評価が高く、本作を名作たらしめている理由の一つでもある。ちなみに、ゲーム中にストーリーを組み込んだ試みを最初に行ったのは『グラディウス2』が初。
    • 従来のものとは打って変わって、BGMがオーケストラとトランスやテクノが融合したものとなった。作曲は崎元仁氏が担当しており、どの曲も概ね評価が高い。
    • 時間経過によるボスの退場が、「自爆」から「コアを閉じて戦線離脱」に変更された。特にサークルコアの戦線離脱は必見。
    • 条件付きだが、ウェポンエディットが復活した。
    • ビッグコアが硬めの大型雑魚に格下げとなった。
    • 「沙羅曼蛇」のラスボスであった「ゼロスフォース」が1面で大量に出て来る。しかも周回を重ねると異様に増える。おかげであっちこっちで「ヴァー」の断末魔が鳴り響くことに。
      • ちなみにオトメディウスでも量産されていた。

【オプションコントロールシステム】

  • 本作の最も魅力的かつ特徴的なシステム。オプション操作ボタン(デフォルトではR1)を押す事により、各オプションタイプに応じて特殊な操作を行う事ができる。これにより地形の向こうの敵を攻撃するなど、オプションを使った戦略が大きく拡大した。また、ステージギミックもオプションコントロールを活かした本作ならではのものが多い。
  • FC版『グラディウスII』やSFC版『グラディウスIII』では、一定条件により特定のオプションの特殊操作が可能だったが、本作のオプションコントロールシステムはこの要素を発展させたものと思われる。
+ 各オプションタイプとその特殊操作

『グラディウス』シリーズのオプションは自機に追従する(一歩遅れで後をついてくる)ものが基本である。特に記述が無い限り、本作でも通常時は追従型である。

  • フリーズ(FREEZE)
    • 操作ボタンを押している間だけ、自機とオプションの相対位置を固定させたまま移動できるようになる。必要な時だけフォーメーションを組むプレイスタイルになり、シリーズ経験者にとっては最も使いやすいタイプと言える。
  • ディレクション(DIRECTION)
    • 操作ボタンを押している間、移動キー(アナログスティックでも可)でオプションの攻撃方向を自由に変える事ができる。方向操作中は自機はその場にとどまってしまうので使いこなすのが難しいが、それでも任意の方向を自在に攻撃できるのは大きな利点である。
  • スペーシング(SPACING)
    • いままでのシリーズ作品で言う「フォーメーションオプション」であり『サンダークロス』のオプションに近い形である。
    • 普段から自機の上下にオプションが配置され、操作ボタンを押す事でオプションの間隔を変更できる。『グラディウス』オプション独特の追従挙動を起こさず、しかも広範囲攻撃と一点集中攻撃を簡単に使い分けられるため、シリーズ未経験者でも安定して使いこなせる。しかしオプションを前方に差し伸ばすことが不可能となり、壁の向こうの敵などを攻撃しにくいという欠点もある。
  • ローテート(ROTATE)
    • 操作ボタンを押している間だけオプションが自機周囲を旋回する。フリーズと比べて汎用性では及ばないものの、自機がオプションに守られるようなフォーメーションを瞬時かつ確実に組めるのが利点。またレーザー装備時の見た目が非常にカッコいい。FC版グラディウスⅡのようなプレイをしたい人向け。
  • このシステムは特に大好評であり、各オプションでのステージ攻略パターンを構築する楽しさは、多くのシューターを虜にした。

問題点

  • 1周クリアに要する時間は、なんと約70分。
    • それだけの時間、退屈させない仕掛けをステージ中にふんだんに盛り込んでいる点は流石と言えるのだが、それでも物には限度がある。多くのプレイヤーは集中力を維持できず、本作最大の欠点として批判された。
      • 確かにグラディウスシリーズの他作品も長丁場の傾向があるのだが……。
    • 一度クリアした周回・ステージはステージセレクトで自由に遊べるようになるのだが、難易度上昇が打ち止めとなる10周目をクリアするまでには10時間以上も通しでプレイし続けなければならない。中断機能などは無い。
  • シリーズ伝統のモアイステージ、火山ステージ、植物ステージが登場しない。ただし、昔からの物に拘り過ぎるより良いのではという意見もある。
    • これに加え要塞面が計5つもあるなど機械的・人工的なステージが多く、シリーズとしては各ステージの外観の変化に乏しい。ただし、どのステージもそれぞれに攻略上の特色やゲーム展開的な個性があり、その点では飽きにくい作りになっている。

評価点・まとめ

  • 開発がコナミではなく(元コナミのスタッフが立ち上げた会社ではあるが)トレジャーである事、久々のナンバリングタイトルがアーケードではなく家庭用との事で、出来を不安視する声もあった。しかし良質なBGMやグラフィック、巧妙に練られたゲームバランス、新機軸オプションコントロールシステムの楽しさなど、その心配は杞憂であった。
    • 但しステージやボスのギミックなどで開発元トレジャーのRSシリーズにかなり近い傾向も見られ、「グラディウスではない」と一部のファンの間で賛否が分かれるところもある。
    • BGMも、グラディウスらしさよりもトレジャー色を強く感じさせるものとなっている。ただし決して悪い曲ではない。
    • またナンバリングタイトルにもかかわらず、パラレルのはずのMSX版のストーリーラインを取り込んだと思われる演出や設定には賛否がある。 
  • 難易度は高いが、対処法をしっかりと学習し、積み重ね練習をすれば必ず突破できるという絶妙なバランスに仕上がっている。
    • ミスした際のオプションの回収や、一時間プレイする毎にクレジットが1増え、最終的には無限になるという初心者用の救済処置も万全であった。
  • ステージ演出やグラフィックも秀逸であり、ステージ進行とBGMが完全にシンクロしているステージ1や、ステージ中に入るデモムービーの演出は見事。
    • ポリゴンで再現された事により、これまでのシリーズには無いダイナミックな動きをする歴代ボスも見所。
  • ファイヤーブラスターなどMSX版に登場したウェポンや、SFC版IIIオリジナルボスの再登場など、コンシューマ版のファンにもうれしい配慮がある。