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レイフォース - (2012/01/20 (金) 19:23:57) の編集履歴(バックアップ)


RAY FORCE

【れいふぉーす】

ジャンル 縦スクロールシューティング
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 アーケード(F3システム)
販売・開発元 タイトー
稼動開始日 1994年
移植版 SS版、Windows95版(発売:ゲームバンク)のタイトルは「レイヤーセクション」
PS2版は「タイトーメモリーズII上巻」収録ゲームの一つ
iOS版がAppStoreで配信中

  • wiki内レイシリーズリンク
    RAY FORCE 我々は排除されるべき存在なのか?運命にあらがう人類は、その答えを一つの作戦に託す。
    RAY STORM 地球の命運は、13機の「RAY」に預けられた。
    RAY CRISIS 運命を変える事など不可能なのかもしれない…しかし、そこに生きた証だけは違うと信じたい。

概要

  • タイトーが業務用に出した縦STGの一つであり、俗に言うに「レイシリーズ」の第一作目にあたる。
  • 自機手前に配置されているサイトに捉えた低高度の敵機を追尾・破壊する「ロックオンレーザー」のシステムが導入されている。この点はゼビウス、ツインビーなどの系統を継いでいるとされる。
  • シューティングでは伝統となっている一撃死ルール。

ゲームシステム

  • ロックオンレーザーは一度サイト内に収めれば約4秒間敵を捕捉し続ける。またパワーアップによって5~8までの敵機を同時にロックオンすることができ、一度撃った後も弾切れを起こさない限りはすぐさま次のレーザーを撃てる。
    • 例えば、敵Aをロックオンして撃った後、Aに当たる前にすぐに別の敵Bをロックして撃つ事が出来る。
    • ゼビウスの対地ブラスター、ツインビーの対地ボムなどが単発である事、及び定位置にしか投下できない事を考えると、縦STGとしては革命的な進化と言える。
    • レーザー一発分の耐久力を持つ敵に限り、何発めのレーザーで撃破したかによって獲得点が変わり、最大で128倍にもなる。
  • これらの特徴から、初心者には地上敵や厄介な敵の即破壊に、上級者にはフルロックオンによる得点稼ぎに、とかなり使い勝手のよいシステムになっている。
    • もっとも、サイトの位置が自機にやや近いので、狙った地上敵にある程度接近するリスクを伴うが。

BGM

  • BGMは当時タイトーに属していたTAMAYOこと河本圭代(現在はフリー)が担当しており、機械的でありながら要所に泣きを入れてくる曲調が大好評。
    • 特に「PENETRATION」、「G」、「INTO DARKNESS」、「Q.E.P.D.」などは非常に評価が高い。
    • また、ゲームが進行していくにつれてBGMの曲調が“冷えて”いくという、演出との相乗効果も秀逸であった。

演出

  • ステージ1からエンディング直前までフェードアウトや暗転が存在せず、ほぼノンストップでゲームが進行する(つまりシームレス)。
  • 演出系STGとまで呼ばれるほど演出が見事で、「文字を一切使わずゲーム内の演出のみでバックストーリーを表現する」手法は誰もが驚愕した。
    • 自機の眼下で繰り広げられるステージ2終盤の艦隊戦、墜落しクレーターとなったステージ2ボスの残骸、大地を割って出現するステージ4ボス、ステージ5で繰り広げられる戦車や敵戦闘機とのチェイスなど、見所は非常に多い。
    • 特に最終ステージの一枚絵で描かれたマシンシティの演出は、当時のシューターを絶句させるほどであった。
  • 何が凄いかって、これらの演出が全てポリゴンを一切使わず全てドットで表現されているのである。
    • ステージ2ボスのワイヤーフレームも、ステージ3の上空を飛ぶ疾走感も、ステージ5の高層ビルも、上記のマシンシティも、全てドットで表現されている。
    • 当時のドット絵の職人技を窺い知る事ができる作品でもあった。
      + 素晴らしい演出をご覧あれ

難易度

  • 大抵の2DSTGに実装されている緊急回避(つまりボム)が存在しないため、5面道中にいる中型機のバラ撒きや5ボスの放電+アーモンド状弾乱射など見切りづらい攻撃に引っかかりやすい。
    • また3ボスの機雷ばら撒きやステージ6終盤の障害物エリアなど、初期設定のオート連射及び手動連射では辛い場面もそこかしこに存在する。
    • 特攻して至近距離で撃ってきたり後方に回り込んでミサイルを撃ったりと空中ザコの芸が細かい。
    • これらのザコの何割かは、登場直後は地上物扱いのため、早めにレーザーで打ち落として封殺できると安全を確保できる。
  • 全体的に難易度が高く初見殺しも結構多いが、それらは同時にゲーム展開のマンネリ化を防ぐのに一役買っている訳でもある。
    • 難易度は高いが決して理不尽ではなく、難しいなりにしっかりとバランス調整されており、難易度が高い事を不満に思うユーザーはあまりいなかった。

ストーリー

  • 本作のストーリーはかなり暗く、切ないものとなっている。
+ ...

【M.C.-0025】
全世界のコンピューターネットワークを結ぶシステムが完成する。あらゆる研究、施設、知識が一つになる事で、科学は飛躍的な進歩を遂げる。

【M.C.-0016】
「原子配列操作による物質操作システム」の理論が完成し、それを応用した巨大物質生成システムプラントの建造が開始される。

【M.C.0000】
A.T.B.S.(原子配列操作による物質生成システム)が完成。これにより人類は不用物等から、より有用な物質を生成する術を得た。人類有史以来、常に混沌と争いの種子となっていた資源問題はここに解決を見た。
A.T.B.S.とシステム管理用ニューロネットワーク"Con-Human"は多くの問題を解決し、さらなる飛躍を人類に約束する。
人類はこのシステムの完成により、創造の頂点に登りつめたと信じて疑わず、彼等は機械文明の恩恵を称え、年号を機械世紀(Machinery Century)と改名した。

【M.C.0013】
外惑星への移民計画が始まる。同時に外惑星連合宇宙軍の設立。

【M.C.0054】
周辺の恒星系への探査計画が開始される。

【M.C.0098】
探査船団が次々と帰還。計画に適合する惑星は発見されず、計画は事実上凍結せざるを得えなかった。同時に並行して進んでいた、衛星セシリアへの移民計画に方針は一本化された。この結果は"Con-Human"に新たな人類存続の方法を模索させる事となり、永続的な人類存続とその方法の欠落、というパラドックスは、やがて"Con-Human"の異常動作の引き金となっていく
また、この年から"Con-Human"の原因不明のシステムダウンが続く。管制下にある、気象制御システムが次々に異常動作。気象災害による被害が続出した。
完全独立思考型(Stand Alone)コンピューターだけにその基本ソフトウェア設計を疑問視する声もあったが、"Con-Human"に対して、盲目的な信頼を寄せていた世論により、その声は次第に消滅していった。

【M.C.0105】
異常はついに大気制御システムにまで至った。大気成分そのものが少しずつではあったが変化していったのである。

【M.C.0108】
機械神経学者のレスリー・マクガイアは、クローンを"Con-Human"と接続し、有機体と無機体の整合性理論の実験を行っていた。しかし、実験途中で突然"Con-Human"は接続を拒否し、クローンの意識体はネットワーク内に取り込まれてしまう。この実験の過程で"Con-Human"は人類存続の方法として、人類と機械との「融合」に新たな可能性を見出し、意識と機械との「融合」から発生した擬似生命を守るべき種と判断し、人類排除(人体と意識の分離)を選択したのである。
レスリー・マクガイアは自ら"Con-Human"に、ニューロネットワークとの接続媒体"Wave Rider"を使用し、暴走を食い止めるためにネットワークに侵入した。疑似画像化されたネットワークの世界では、クローンの意識体を発見する。しかし、その意識体は新しい生命種として、自己保存のために最後の砦たる"Con-Human"の非常用プログラムをも浸食し始めていた。
運命の分岐は、すぐそこまで来ている・・・

【M.C.0108】
遂に"Con-Human"は暴走した。一切の操作、命令を拒否し、何等メッセージを発する事も無く"Con-Human"の大量虐殺は開始された。軍は必死で抵抗を試みたが、すでに軍事力の大半をシステムに依存し、その存在は形骸化していたため、その抵抗活動はほとんど意味を成さなかった。
130億人もの人口は0.2%の2600万人まで減少する。かろうじて非常コードの発動により、"Con-Human"のネットワーク完全支配だけは免れた人類は、破壊された地上を捨て、地下都市に身を潜めるしかなかった。
生き残った人類は、外惑星連合宇宙軍による人類移住計画を発案選択。"Con-Human" から制空権の掌握をおこない、母星を放棄。全人類が脱出することを決定した。

【M.C.0120】
システムは環境を自らに適応させていた。酸素含有率0.0001以下、平均気温-10℃。この人類にはあまりにも過酷な環境の中で、システムの虐殺は容赦なく続いた。

【M.C.0123】
人類はこの惑星が以前のそれとは全く異なる物体へと変革した事を認識した。外見はあくまでもかつてのそれではあったが、その偽りの地表の皮膚の内部には、地殻もマグマも存在しなかった。金属フレームと動力炉の稼動音、それがその全てだった。

【M.C.0130】
20年間にわたる抵抗の末、ようやく制空権を手に入れた人類は、以前から建造していた 500隻の移住艦と“Con-Human”の制御下から逃れた軌道艦260隻を加え母星を脱出した。
ある者は大気も存在せぬ近隣の惑星へと移住し、またある者はそのまま宇宙の放浪民となった。

【M.C.0165】
「有機体と無機体の整合性理論」が発表される。密かに、軍内部でそれを応用した機動兵器の開発が開始される。

【M.C.0180】
人類が死と隣り合わせの冷たい大地と、暗黒の空間をその住処として半世紀が経過した。しかし、彼等はかつての故郷であった惑星から大きく離れる事は出来なかった。望郷、後悔、絶望、そういった数々の思いが彼らをその恒星系に縛り付けていたのである。
その間にも惑星は依然としてその進化を続けていた。しかもその進化のベクトルは、かつての主がそうであったように、破壊へと向けられていた。人類に対する"Con-Human"の殲滅戦は熾烈を極め、人類は存亡の危機に立たされていた。

【M.C.0183】
人類は"Con-Human"の存在を全生命体にとっての脅威と判断、その完全破壊を決断する。第一次惑星攻略戦"OPERATION METEOR"が行われるが、作戦は失敗し、艦隊の70%を失うという大敗北を喫する。

【M.C.0185】
クローンとの融合を断ち切ったものの、既に"Con-Human"の暴走は止まる事がなかった。
人と機械の融合した"Con-Human"は新たな生命と呼べるのか?
我々は排除されるべき存在なのか?
運命に抗う人類は、その答えを残存兵力全てを投入した第二次的惑星攻略戦"OPERATION RAYFORCE"に託す。
しかし、人類にとっての「希望の力(RAYFORCE)」であるはずの兵力はあまりにも少なかった。

  • 世間では一般的に「鬱ゲー」と呼ばれているが、その結末は鬱というより、どこか物悲しいという表現の方が合っているかもしれない。
  • シナリオ執筆者が参考にしたかどうかは不明だが、機械に身を委ねた人類とその末路・望郷・後悔など、手塚治虫の「火の鳥」に共通する部分がある。
  • 爆散した惑星の破片と共に漂う、半壊した自機X-LAY。ぼろぼろになったコクピットディスプレイに“MISSION COMPLETE”と映し出されて終了するエンディングは、BGM「Q.E.P.D.」の相乗効果も相まって誰もが涙を流した(ゲームセンターで号泣した人もいるほどだった)。タイトーの業務用作品は非常に悲しい結末のものが多く、明らかに悲劇を好んで作られているのだが、本作のEDはそれらの中でも強い印象を残した。
  • 彼女の魂は無数の光になって、いつかどこかの星に降り注ぐのさ(サウンドトラックより抜粋)

総評

  • 同年にストII系の最終作『スーパーストリートファイターIIX』や、後にシリーズ化される『ザ・キングオブファイターズ'94』『バーチャファイター』が出るなど、当時は対戦格闘ゲームブームの真っ最中で本作自体の出回りはあまり良くなかったが、ユーザーからの評価は非常に高く、神格化されている。
    • 現在も傑作の一つとして挙げられており、移植作「レイヤーセクション」はセガサターン人気ソフトランキングでも必ず上位に食い込むほどである。
  • 本作の悲しいエンディングについては、別の結末もあるのではという噂も流れたが、これについては関係者がゲーム誌上で否定していたという。
  • 縦画面で起動すればほぼ完璧な移植となったセガサターン版の「レイヤーセクション」を除くとろくな移植に恵まれておらず、XBLAやPSストアなどでも配信のメドは立っていない、やや不遇な状態にある。
    • 人気作品でありながらプレミアがついていないので、押し入れにセガサターンを眠らしている人は、久々に起動させてみてはどうだろうか。
  • 2012年1月13日に、iOS版の移植が配信された。若干操作性に難はあるが、移植度はおおむね良好。タッチでも操作しやすいよう調整されたモードもある。
  • ちなみに、秋葉原の某ゲームセンターに本作のアーケード筐体が設置されている。興味があるなら是非行ってみるといいだろう。
  • なお、『太鼓の達人13』に本作のステージ1BGM「PENETRATION」が収録されている。

続編

  • その後出た2つの続編「レイストーム」「レイクライシス」では、空中物へのロックオン可・ハイパーレーザー・スペシャルアタックなど新要素が導入されており、こちらも名作と呼べるゲームとなっている。

余談

  • PS版・SS版レイストームでは、通常の2機に加え、本作の自機「X-LAY」に近い性能を持った「R-GRAY0」が使用できる。
    • 2010年5月にPS3・Xb360で配信された「レイストームHD」では、ショットの色、ショット・ロックオン・撃墜時・アイテム取得時のSEがレイフォース準拠、さらに機体デザインもX-LAYとほぼ同じものとなっており、ファンを歓喜させた。