【M.C.-0025】
全世界のコンピューターネットワークを結ぶシステムが完成する。あらゆる研究、施設、知識が一つになる事で、科学は飛躍的な進歩を遂げる。
【M.C.-0016】
「原子配列操作による物質操作システム」の理論が完成し、それを応用した巨大物質生成システムプラントの建造が開始される。
【M.C.0000】
A.T.B.S.(原子配列操作による物質生成システム)が完成。これにより人類は不用物等から、より有用な物質を生成する術を得た。人類有史以来、常に混沌と争いの種子となっていた資源問題はここに解決を見た。
A.T.B.S.とシステム管理用ニューロネットワーク"Con-Human"は多くの問題を解決し、さらなる飛躍を人類に約束する。
人類はこのシステムの完成により、創造の頂点に登りつめたと信じて疑わず、彼等は機械文明の恩恵を称え、年号を機械世紀(Machinery Century)と改名した。
【M.C.0013】
外惑星への移民計画が始まる。同時に外惑星連合宇宙軍の設立。
【M.C.0054】
周辺の恒星系への探査計画が開始される。
【M.C.0098】
探査船団が次々と帰還。計画に適合する惑星は発見されず、計画は事実上凍結せざるを得えなかった。同時に並行して進んでいた、衛星セシリアへの移民計画に方針は一本化された。この結果は"Con-Human"に新たな人類存続の方法を模索させる事となり、永続的な人類存続とその方法の欠落、というパラドックスは、やがて"Con-Human"の異常動作の引き金となっていく。
また、この年から"Con-Human"の原因不明のシステムダウンが続く。管制下にある、気象制御システムが次々に異常動作。気象災害による被害が続出した。
完全独立思考型(Stand Alone)コンピューターだけにその基本ソフトウェア設計を疑問視する声もあったが、"Con-Human"に対して、盲目的な信頼を寄せていた世論により、その声は次第に消滅していった。
【M.C.0105】
異常はついに大気制御システムにまで至った。大気成分そのものが少しずつではあったが変化していったのである。
【M.C.0108】
機械神経学者のレスリー・マクガイアは、クローンを"Con-Human"と接続し、有機体と無機体の整合性理論の実験を行っていた。しかし、実験途中で突然"Con-Human"は接続を拒否し、クローンの意識体はネットワーク内に取り込まれてしまう。この実験の過程で"Con-Human"は人類存続の方法として、人類と機械との「融合」に新たな可能性を見出し、意識と機械との「融合」から発生した擬似生命を守るべき種と判断し、人類排除(人体と意識の分離)を選択したのである。
レスリー・マクガイアは自ら"Con-Human"に、ニューロネットワークとの接続媒体"Wave Rider"を使用し、暴走を食い止めるためにネットワークに侵入した。疑似画像化されたネットワークの世界では、クローンの意識体を発見する。しかし、その意識体は新しい生命種として、自己保存のために最後の砦たる"Con-Human"の非常用プログラムをも浸食し始めていた。
運命の分岐は、すぐそこまで来ている・・・
【M.C.0108】
クローンとの融合を断ち切ったものの、既に"Con-Human"の暴走は止まる事がなかった。一切の操作、命令を拒否し、何等メッセージを発する事も無く"Con-Human"の大量虐殺は開始された。軍は必死で抵抗を試みたが、すでに軍事力の大半をシステムに依存し、その存在は形骸化していたため、その抵抗活動はほとんど意味を成さなかった。
130億人もの人口は0.2%の2600万人まで減少する。かろうじて非常コードの発動により、"Con-Human"のネットワーク完全支配だけは免れた人類は、破壊された地上を捨て、地下都市に身を潜めるしかなかった。
生き残った人類は、Con-Human" から制空権の掌握をおこない、母星を放棄するという外惑星連合宇宙軍による人類移住計画を発案選択。"全人類が脱出することを決定した。
【M.C.0120】
システムは環境を自らに適応させていた。酸素含有率0.0001以下、平均気温-10℃。この人類にはあまりにも過酷な環境の中で、システムの虐殺は容赦なく続いた。
【M.C.0123】
人類はこの惑星が以前のそれとは全く異なる物体へと変革した事を認識した。外見はあくまでもかつてのそれではあったが、その偽りの地表の皮膚の内部には、地殻もマグマも存在しなかった。金属フレームと動力炉の稼動音、それがその全てだった。
【M.C.0130】
20年間にわたる抵抗の末、ようやく制空権を手に入れた人類は、以前から建造していた 500隻の移住艦と“Con-Human”の制御下から逃れた軌道艦260隻を加え母星を脱出した。
ある者は大気も存在せぬ近隣の惑星へと移住し、またある者はそのまま宇宙の放浪民となった。
【M.C.0165】
「有機体と無機体の整合性理論」が発表される。密かに、軍内部でそれを応用した機動兵器の開発が開始される。
【M.C.0180】
人類が死と隣り合わせの冷たい大地と、暗黒の空間をその住処として半世紀が経過した。しかし、彼等はかつての故郷であった惑星から大きく離れる事は出来なかった。望郷、後悔、絶望、そういった数々の思いが彼らをその恒星系に縛り付けていたのである。
その間にも惑星は依然としてその進化を続けていた。しかもその進化のベクトルは、かつての主がそうであったように、破壊へと向けられていた。人類に対する"Con-Human"の殲滅戦は熾烈を極め、人類は存亡の危機に立たされていた。
【M.C.0183】
人類は"Con-Human"の存在を全生命体にとっての脅威と判断、その完全破壊を決断する。第一次惑星攻略戦"OPERATION METEOR"が行われるが、作戦は失敗し、艦隊の70%を失うという大敗北を喫する。
【M.C.0185】
人と機械の融合した"Con-Human"は新たな生命と呼べるのか?
我々は排除されるべき存在なのか?
運命に抗う人類は、その答えを残存兵力全てを投入した第二次的惑星攻略戦"OPERATION RAYFORCE"に託す。
しかし、人類にとっての「希望の力(RAYFORCE)」であるはずの兵力はあまりにも少なかった。
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