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ロマンシング サ・ガ2 - (2011/08/15 (月) 18:56:44) の編集履歴(バックアップ)


ロマンシング サ・ガ2

【ろまんしんぐさがつー】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 スクウェア
発売日 1993年12月10日
定価 9,900円
備考 バーチャルコンソール:2010年3月23日より配信/800Wiiポイント
サガシリーズリンク


概要

数々の斬新なシステムを売りにするも、その酷いバグ振りで良くも悪くも話題となった『ロマンシング サ・ガ』に続くシリーズ第2弾。 しかしシステム的には、フリーシナリオ以外は殆ど受け継がれておらず、更に斬新なシステムが多数盛り込まれている。

  • 「ひらめき」システムの導入により、今までに無いRPG体系を実現させている。
    • 従来のRPGでは、大抵は敵を倒し経験を積み、その報酬として新しい特殊技能を修得できるシステムであった。だが今作では戦闘中に突然キャラの頭上に電球が出て「ひらめき」、その特殊技能をいきなり使えるようになるという画期的なシステムが導入された。
      • 一応、術レベルを上げることで上位の術を習得できるようになったり、武器レベルを上げれば必殺技の威力も概ね上がるようになったり、といった「経験を積んだ事への報酬」はある。使った技能が伸びるシステムなので育て方を工夫できる。
    • 特定の技を使用していないと「ひらめけない」技;「派生技」の存在により、やりこみ要素を生み出している。序盤でしか利用価値がないと思われていた技が、実は最強クラスの技の派生技としての唯一の「元ネタ」となっているものもあり、その探求に莫大な時間を費やしたプレイヤーも多いだろう。
    • 「ひらめき」は『使える技』のほかに、「相手の技を完全に回避できる技能『見切り』」というものも生み出す。これも新要素であり、攻略に欠かせない。
      • あるとないとでは大違い。イベントでも使用され、後に発売された3作目にも大きな影響力を及ぼすことになる。
      • ゲーム進行に欠かせない、または無いと攻略が極めて難しくなる『見切り』(特に※テンプテーション)はもちろん、実はすべての『使える技』には『見切り』が存在する。極端な例では味方しか使えない技の『見切り』も存在する(誘惑などのステータス異常で同士討ちされない限りはひらめけない)ため、そこもプレイヤーのやりこみ魂をくすぐるエッセンスになっている。
  • HPとは別に「生命力」を示すLP(ライフポイント)の導入。戦闘不能になったり、LP直接攻撃系の技を食らうたびに1ずつ減っていく。
    • HPゼロ≠死となっており、戦闘不能にはなるが一般的な回復手段で復帰させられるようになった。その代わりLPゼロ=死から復活する手段はない。
    • その一方で常にHP全回復の状態で戦闘が始まるしくみであるため、LPさえ減らなければダメージを全く気にせず戦うことができる。
    • また、ロマサガ2時点ではLPを回復させる手段が特定のアイテムのみと限られており、希少価値も高く回復量も1と少ない。お陰で戦闘不能になるたびに迫ってくる死に怯えるハメに。
    • キャラごとに最大LP(それ以上の数値には上げられない固有値)が設定されており、そこからもキャラの背景や役回りなどが見えてくる。最強クラスの能力なのに最大LPが1という、なんともはかない命のキャラも存在する。
  • “陣形”(戦闘時のキャラの立ち位置)が進化。 前作を含む歴代のスクウェアRPG作品の「前・中・後列」だけのシステムから大幅に戦略要素が追加されており、戦闘の局面に応じた陣形を選ぶことにより、低レベルでも有利に戦闘を進めることが可能。
    • 攻撃力・防御力・素早さ・魔法攻撃力の上昇するものから、必ず先手・後手を取れる陣形やパーティーメンバーの行動順序が固定できる陣形まで、様々なバリエーションに富む。各陣形のキャラの立ち位置は決まっており、皇帝以外のメンバーの配置換えができる。
    • ただし、効果が極端な陣形もある反面、誰が得するのか分からない陣形もある。
  • 戦闘とフィールドのキャラグラフィックが統一されている。実は新機軸であり、戦闘シーン時の多彩なモーションが、マップ画面でのイベントのキャラのリアクションやステータス表示画面のモーションとしてよく使われる。この仕様が、以後のドット絵のスクウェアRPG作品に多大な影響を及ぼしているのは言うまでも無い。
  • 今作は(長くて)何千年にも渡り皇帝が代替わりしていくのだが、序盤と終盤を除いては「伝承法」による能力の継承により、先代の技と術、そして高レベルの技能が受け継がれるようになっており、皇帝となるキャラクターがどんどん変わっていっても(基本能力はキャラクターごとに固有ではあるが)育成を続けることが可能となっている。もっとも、このシステムは今作限りのシステムではあるが。

評価点

上記で挙げられた様々な斬新なシステムにより、今までのRPGとは一味もふた味も違う「戦略的」「長期的」なSLG的な魅力を持ったRPGとなった。これによりやり込みゲーマーからは非常に熱い視線をもって迎えられ、凄まじいやり込み記録が誕生することになった。

また奥深いストーリーも人気が高い。このゲームの敵ボスである七英雄に関しては様々なイベントの中にばらばらにその謎に迫るパーツが配置されており、1回クリアしただけでは七英雄に関しては全く意味が解らない。しかし何度もクリアしているうちに「七英雄と古代人との関係」や「七英雄同士の関係」などが徐々に解ってくる仕様になっており、そのうちに七英雄は「単純な悪役」ではなく「悪にならざるを得なかった悲しい悪役」ということが解ってくるのである。

敷居の高い新システムも含めて1回やっただけでは「難しいだけで良く判らなかったRPG」となるが、やり込めばやり込むほどに味わいが深くなるゲームといえる。

批判的意見

過去には無かったタイプのRPGであり、その戦闘システムや音楽・シナリオの展開などで高評価を得ている本作だが、批判的意見も少なからず聞かれる。

  • 一歩間違えばトラウマゲー。代表的なものは「アリだー!」。他にも幽霊船の壮大なトラップや陰気なBGMが多いなど、トラウマ要素は満載である。
  • ゲームバランスが極端。最終盤では無いと攻略が相当困難な技能が、序盤の2択選択肢やシナリオの進め方によっては習得不可能になってしまう。最低限、術法研究所の建設と(NEW GAMEで最初に入力するキャラクタの性別が男なら)テンプテーションの見切りの習得はしておこう。
  • 登場キャラが多く、前作よりは個々の個性が薄い。 前作と違い、主人公は「皇帝」のみ。キャラによるイベント変化は、序盤以外ではほとんどが性別の違い・口調(ワイルドか丁寧か)によって分岐するくらい。もちろん特定のキャラを皇帝にしないとできない選択もあるが、稀有である。
    • 各種イベントクリアにより代々皇帝の名を歴史に刻むことができる点が救いか。
  • イベントの途中離脱。時間経過の都合もあるが、イベント発生後に途中で抜けたり無視したりすると悲劇的な結果を招くことが多く、イベントの難易度が高い場合はこれではまりかねない。イベントにどの段階から入ってどの段階で抜けようが全く問題がなかった前作と比較して自由度が下がったといわれる点である。 詳細は、クソゲーまとめ@ウィキの『ロマンシング サ・ガ2』の項目を参照のこと。

その他

  • 本作はロマサガ3部作の中で、唯一ムック本が発売されていない。
    ゲーム中で語られない「裏設定」があまり存在しないという事でもあるが、1や3と違って風呂敷を広げ過ぎず、そのソフト内だけで完結させたのだとも言える。
  • 一度パーティーに加えたキャラは文字通り死ぬまで一緒に戦ってくれるのだが、自由に入れ替えも出来ない。メンバーを変えたくなったら、どこかで仲間を敵に殺してもらうしかない。
    この仕様により、「陣形を提案」する役目を終えた皇帝や気に入らないキャラを「殺す」ために、ストーリーの進行の関係やいつでも訪問できる「ルドン高原」というフィールドがよく使われていた。
    このことから、皇帝や仲間の謀殺行為、用済み・不要キャラを意図的に死なせる行為を指す「ルドン送り」というスラングが生まれた経緯がある。