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スーパードンキーコング - (2011/11/04 (金) 17:12:22) の編集履歴(バックアップ)


スーパードンキーコング

【すーぱーどんきーこんぐ】

ジャンル アクション
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対応機種 スーパーファミコン
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 1994年11月26日
定価 9,800円 (税別)
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク

概要

  • イギリスのゲームメーカー「レア社」の技術力に目をつけた任天堂がタッグを組み、当時として本格的なCGを使い、3Dでモデリングされたキャラクターを撮り込んで緻密でリアルなグラフィックと動きを実現した「次世代ACT」として大々的な宣伝を行った作品。
  • タイトルに『ドンキーコング』を使っているが、実際はあまり関連性のない全くの別物である。とはいえ、マリオの台頭以降ドンキーコングには出番が無かったことから、本作の登場により魅力的なキャラにリメイクされたものと考えていいだろう。

ストーリー

  • 個性的な生物と自然の宝庫、コング島。その中でひときわ大きな群れ「コング」達は平穏な暮らしを送っていたが、ある日ワニ族である「クレムリン軍団」が島に来襲。島を占拠しコング達の食料:バナナを強奪していったのであった。
  • 群れのリーダー格「ドンキーコング」は弟的存在の「ディディーコング」(因みに彼はゴリラではなくチンパンジーである)と共に、バナナの奪還とクレムリン軍団の打倒を目指す。

特徴

  • 横スクロール型アクションゲームで、「動きはやや遅いが固い敵も倒せるドンキー」と、「身軽で速いが非力なディディー」…と、分かりやすい一長一短を駆使してクリアを目指す。
    • 移動はダッシュとジャンプ。また、移動中にダッシュボタンを押すことで移動しつつ攻撃可能な「ローリングアタック」が出せる。
    • 基本的な攻撃は踏みつけとローリングアタックによる体当たりの二種類。どちらか片方でしか倒せない敵もいるため使い分けを要求される。
      • ローリングアタック中は空中でもジャンプ可能。これを利用し、ダッシュ+ジャンプだけでは届かない足場に移ったり、穴の上に配置されたアイテムを取った後足場に復帰したりというテクニックも。スーパードンキーコングシリーズの特長的なアクションでもある。
      • ドンキーのみ下+ダッシュボタンで両手を地面に叩きつける「ハンドスラップ」というアクションが行える。地面に隠れているアイテムを手に入れたりこのアクションでしか倒せない敵を倒したりと使い方は様々。
    • 投げて攻撃したり、中に入って大砲のように発射されたりする「タル」。これをうまく利用していく。
  • ステージによっては、「アニマルフレンド」という箱に入った動物達が存在し、箱を踏むと中から出てきて冒険の手助けをしてくれる。
    • ランビ
      • 突進して鋭い角で攻撃するサイ。目の前の敵を勝手に攻撃してくれ、壁に隠されたボーナスステージの入口も開くこともできる。
    • エクスプレッソ
      • 素早く移動でき、ジャンプするとゆっくりと下降できるダチョウ。足元には当たり判定がないため、小さい敵は無視できるが、敵を踏めない。
    • ウィンキー
      • 高くジャンプできるカエル。ジンガーも踏んで倒すことが出来る。
    • エンガード
      • 長い鼻で敵を突っついて攻撃出来るカジキ。唯一の水中攻撃方法のため非常に重宝する。
      • 1~3まで用途が変わらずに登場した唯一のアニマルフレンド。
    • スコークス
      • 攻撃は出来ず、乗ることも出来ないが、暗い場所を照らしてくれるオウム。
      • 「2」と「3」にも登場しているが、用途が異なる。
      • この時はまだ地味な扱いであるが、驚いたことに現状のシリーズで皆勤になっているのは彼だけである。

評価点

  • SFCでは屈指・現在でも下手な3Dゲームに負けない美麗なCG。
    • 当時、任天堂が積極的にアピールしただけある美しさ。プレイ中どころかOPの「レア社と任天堂のタイトルロゴ」の美しさに当時しびれた人も多いのではないだろうか?
    • スーパーファミコンでは表示出来ない「色」を表現するため、複数の色を肉眼では確認できない速度で点滅させている。
    • そしてそのCGでジャングルや海内・果ては雪山や工場まで展開するのだから探索欲も沸くものである。
  • シンプルかつコングの特徴を活かしたアクション。
    • 覚えるべき操作は少ないものの、コングの特徴を活かしつつ簡単な操作で行えるので、慣れるのも早い。
  • 個性的なキャラ達
    • 敵キャラにもワニだけでなく、蛇や蜂・タコ。しかもキャラの動作に細かいSEまである。
    • 味方キャラにも体当たりが得意なサイやら泳ぎの上手いカジキ・ジャンプ力のあるカエルと様々。統一感が全然ないが、それゆえにごった煮感があってとてもにぎやか。
  • 非常によく練られたゲームバランスとマップデザイン。
    • 全編通して難易度は高めながら、上達が実感できる絶妙なバランスになっている。
      • シリーズを通して一番最初のステージは残機が貯めやすい構成になっている、と細かい配慮も良く出来ている。
  • 良質かつ豪華な音楽。
    • David Wise氏による音楽は単品で聞くにしても完成度の面で見ても非常に高いクオリティを誇っている。特に際立つのが音の使い方で、タンバリンの音を高音にすることによって全く別の楽器の音のようにしているなど、それまでのゲームとは全く違う音の使い方でSFCの音源の限界を感じさせない豪快なつくりになっている。
      • 中でもジャングルという雰囲気にぴったりな最初のステージの音楽や透明感溢れる海ステージの音楽は特に評価が高い。更にはボイスつきの曲まである。
  • その他
    • やりこみとして各ステージのボーナスステージを探すことも出来る。場所を見つけて入ればセーブデータの%がどんどん上がる。最高は100%に見せかけて・・・

問題点

  • K・O・N・G パネルの存在価値が疑問。
    • 4枚回収で残機が1UPするアイテムなのだが、広いステージの中で4枚集めるのが容易ではなく、入手する際に残機を減らすリスクがあるパネルがあると、努力対効果が割りに合わない(残機を1増やすために、残機を1以上減らしていては意味がない)。集めても残機+1以外の特典もなく、残機を増やす方法ならバナナを100本集める、1UP等バルーンを取るなどの方法で十分可能なため、基本的に無視される存在だった。この仕様は3まで継続している。
      • ただし、「あったら困る」という種のものでもないためあまり問題視されていなかった。上記の通り3まで同じ仕様であったのもこのためであろう。
    • このことはスタッフも感じていたのか、GB版やwii版では完全クリア条件の一つに組み込まれ、プレイヤーが回収意欲を燃やせるよう配慮されている。
  • 不自由なセーブ。
    • 各エリアのセーブポイントとエリア移動ポイントは、エリア内のステージを幾つか(最低でも3つ)クリアして利用可能となる。つまり、 ゲーム開始直後と、新たなエリアに入ってからしばらくの間は、セーブもエリア移動も出来ない 。ゲームを止めなければならなくなった場合やゲームオーバーになった場合、前エリアのボスステージからやり直さなくてはならない。
    • 加えて、セーブしても残機も保存されない。ちなみにこの仕様についてはゲーム内で「ゲームの都合だかんべんしてね~」(原文ママ)とメタっぽく説明されている。
  • スコークスのライト
    • スコークスは「ドンキーの前」を照らしてくれるため、ドンキーが後ろを向いたらスコークスも後ろを向く。この向きを変えるアクションが問題で、いや向きを変えること自体は問題ではないのだが、ドンキーたちと同じようにこちらに正面を向けるような回転をしてしまうために持っているライトも必然的に一瞬だけ正面を向いてしまい、結果、画面がフラッシュしてしまう。
    • リアルと言えばリアルではあるが、ハッキリ言って目に悪い
    • 2のグリマーも全く同じ問題点を抱えてしまっている。3でも暗闇を照らすステージはあるが、照らす方法が変わったのでフラッシュは無くなった。
  • 前述したとおり難易度は高めだが、やっている内に上達が実感できるバランス取りのおかげもありそこまで気にはならない。しかし少々場違いなステージも。
    • エリア4は全体的に難易度が高く、前述の仕様により4-5をクリアするまでセーブができない。それなのに「4-1:ふぶきのたに」はエリア一番手のステージの癖に本作でも三本の指に入る高難度ステージと評されるほど。その後も4-2で精密なロープアクションを要求されたり、4-4で後ろから迫る無敵の敵から逃げ切れなかったりと、多くのプレイヤーが辛酸を舐めた。
      • 「4-1:ふぶきのたに」は回転する樽渡りをひたすら繰り返していくというもの。しかも終盤になると樽が回転しながら動くようになるため、タイミングを計るのが非常に難しい。吹雪による視界不良と、後半から全く異なる音楽がプレイヤーに絶望感を与えてくれる。ただし、ある地点で失敗すると自動的にゴール直前まで運んでくれる救済処置がある。
    • 残機に関しては、エリア1に戻るなりして残機を増やせば一応問題は無い。1-1であれば慣れた人であれば一度に5~10機増やせるし、初心者でも確実に1機は増やせる。後は慣れるまでが勝負だろう。それでも残機が保存できないのは欠点は否めないし、そもそもゲームを遊べる時間が限られている場合はどうしようもない。
      • 因みに「2-5:ノーティの遺跡」のスタート地点で、ディディーを利用して残機をほぼ無限に増やせる裏技の存在も有名。

総評

  • 本作は国内だけでも300万本・全世界規模では800万本の売上と好セールスを達成し、レア社とCGの底力を世間に知らしめるには十分な作品となった。
  • その後『スーパードンキーコング』シリーズのキャラクターはマリオシリーズにも参戦し、任天堂の看板キャラとしてあちこちの外部作品にも参戦している。
    • 本作で初登場したディディーコングはドンキーと違い任天堂ではなくレア社が版権をもっているキャラだったため、任天堂開発のゲームには出演することは難しかった。しかし、2002年にレア社がマイクロソフトに買収された際、ドンキーコングシリーズの版権が任天堂側に移ったため、「マリオゴルフ ファミリーツアー」「マリオカート ダブルダッシュ!!」「大乱闘スマッシュブラザーズX」などの作品に出演することがかなった。

その後の展開

  • 後にSFCで2・3が発売。美麗なCGは勿論、ゲーム自体もかなりの評判である。
  • 本作はGBC、GBAに移植されている。
    • GBC版はタイトルを『ドンキーコング2001』に変更されての発売。本作では新ステージやミニゲームの追加の他、オートセーブの採用により不自由だったセーブが改善されている。ただしスペックの劣るハードでの発売の為、グラフィックが原作に及ばず、BGMも『スーパードンキーコングGB』のBGMの流用が大半となっている。
  • また現在ではWiiのVCでもプレイ可能。
  • Wiiでは『ドンキーコングリターンズ』が発売。開発は任天堂と『メトロイドプライム』を開発したレトロスタジオ。こちらもWii最高画質を宣伝している。