「スーパードンキーコング」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

スーパードンキーコング - (2012/11/24 (土) 16:58:27) の編集履歴(バックアップ)


スーパードンキーコング

【すーぱーどんきーこんぐ】

ジャンル アクション
高解像度で見る
裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 1994年11月26日
定価 9,800円 (税別)
配信 バーチャルコンソール
2006年12月12日/800Wiiポイント

2012年12月7日で配信終了



概要

  • イギリスのゲームメーカー「レア社」の技術力に目をつけた任天堂がタッグを組んだ横スクロール型アクションゲーム。
  • 当時としては本格的なCGを使い、3Dでモデリングされたキャラクターを撮り込んで緻密でリアルなグラフィックと動きを実現した「次世代ACT」として大々的な宣伝を行った作品。
  • タイトルに『ドンキーコング』を使っているが、実際はあまり関連性のない全くの別物である。とはいえ、マリオの台頭以降ドンキーコングには出番が無かったことから、本作の登場により魅力的なキャラにリメイクされたものと考えていいだろう。
    • 「ドンキーコング」と銘打っているものの、今作のドンキーコングは2代目で、『ドンキーコングJr.』と同一ではないというややこしい設定。初代『ドンキーコング』は「クランキーコング」として登場。

ストーリー

  • 個性的な生物と自然の宝庫、コング島。その中でひときわ大きな群れ「コング」達は平穏な暮らしを送っていたが、ある日ワニ族である「クレムリン軍団」が島に来襲。島を占拠しコング達の食料:バナナを強奪していったのであった。
  • 群れのリーダー格「ドンキーコング」は弟的存在の「ディディーコング」(因みに彼はゴリラではなくチンパンジーである)と共に、バナナの奪還とクレムリン軍団の打倒を目指す。

特徴

  • 「動きはやや遅いが固い敵も倒せるドンキー」と「身軽で速いが非力なディディー」…という性能の異なるコンビでクリアを目指す。
    • 二人一緒にいる時はワンボタンでいつでも操作するキャラを切り替えられる。それぞれの性能は分かりやすい一長一短であり、それぞれに得意な場面と苦手な場面が存在する。
    • 現在操作中のキャラが敵に触れるなどしてダメージを受けると離脱してしまい、控えのキャラを操作することになる。離脱したキャラは、ステージ内に設置されているDKバレルというタルを壊せば復帰する。
      • 二人一緒にいればダメージにも一回は耐えられるということであり、それだけでも安心感がある。
  • ゴリラ(猿)ならではのアクション
    • Yボタンでダッシュ、Bボタンでジャンプ(敵を踏んで倒せる)など、基本的な動かし方はマリオシリーズと同様。
    • 最大の特徴は、Yボタンでダッシュしつつ体当たり攻撃する「ローリングアタック」。
      • ジャンプする必要もなく地上の敵を倒すことができる。また、ローリングで敵を倒した直後は移動速度が更に高速化する。野性的で爽快感のあるアクション。
      • ローリングでは倒せないが踏みつけなら倒せる敵もいるなど、敵によっては踏みつけとの使い分けも要求される。
      • ローリングアタック中に落下した場合は空中でジャンプが可能。これを利用し、ただのダッシュジャンプだけでは届かない足場に移ったり、穴の上に配置されたアイテムを取った後足場に復帰したりというテクニックも。
    • ドンキーのみ下+Yで両手を地面に叩きつける「ハンドスラップ」というアクションが行える。
      • 地面に隠れているアイテムを手に入れたり、敵を倒してバナナを出現させたり、このアクションでしか倒せない敵を倒したりと使い方は様々。
    • 投げて攻撃したり、中に入って大砲のように発射されたりする「タル」。これをうまく利用して攻略していく。
  • ステージ中には様々な1UPアイテムが配置されている。
    • バルーン(風船):取得することで、色に対応して1、2、3UPする。
    • バナナ:クレムリンたちが落としていったバナナ。100本取得することで1UPと、マリオのコインと同じようなアイテム。
      • マリオシリーズと異なり、バナナ10本分が束になっている場合もある。
    • K・O・N・Gパネル:各ステージ毎に「K」「O」「N」「G」が各一枚配置され、集めると1UP。
      • 上記二つに比べると集めにくく、回収のリスクが高いポイントもあるので基本的には「取りたい人が取る」ための自己満足アイテム。後のシリーズでは回収によって完全クリアが可能になるなど、回収の意欲が湧くように調整された(回収しないと完全クリアできないようになってしまった、とも言えるが…)。
  • ステージによっては、「アニマルフレンド」という箱に入った動物達が存在し、箱を踏むと中から出てきて冒険の手助けをしてくれる。
    • ランビ:突進して鋭い角で攻撃するサイ。目の前の敵を勝手に攻撃してくれ、壁に隠されたボーナスステージの入口も開くこともできる。
    • エクスプレッソ:素早く移動でき、ジャンプするとゆっくりと下降できるダチョウ。足元には当たり判定がないため、小さい敵は無視できるが、敵を踏めない。
    • ウィンキー:高くジャンプできるカエル。コングでは踏めない敵・ジンガーも踏んで倒すことが出来る。
    • エンガード長い鼻で敵を突っついて攻撃出来るカジキ。唯一の水中攻撃方法のため非常に重宝する。『1』~『3』まで登場したアニマルフレンド。
    • スコークス:攻撃は出来ず、乗ることも出来ないが、暗い場所を照らしてくれるオウム。
      • 『2』と『3』にも登場しているが、用途が異なる。この時はまだ地味な扱いであるが、驚いたことに現状のシリーズで皆勤になっているのは彼だけである。

評価点

  • SFCでは屈指・現在でも下手な3Dゲームに負けない美麗なCG。
    • 当時、任天堂が積極的にアピールしただけある美しさ。プレイ中どころかOPの「レア社と任天堂のタイトルロゴ」の美しさに当時しびれた人も多いのではないだろうか?
    • スーパーファミコンでは表示出来ない「色」を表現するため、複数の色を肉眼では確認できない速度で点滅させている。
    • そしてそのCGでジャングルや海内・果ては雪山や工場まで展開するのだから探索欲も沸くものである。
  • シンプルかつコングの特徴を活かしたアクション。
    • 覚えるべき操作は少ないものの、コングの特徴を活かしつつ簡単な操作で行えるので、慣れるのも早い。
    • 二人のキャラのコンビというシステムは新鮮で、適度に思考性がある。
  • 個性的なキャラ達
    • 敵キャラにもワニだけでなく、蛇や蜂・タコ。しかもキャラの動作に細かいSEまである。
    • 味方キャラにも体当たりが得意なサイ、泳ぎの上手いカジキ、ジャンプ力のあるカエルと様々。チョイスがバリエーション豊かで、ごった煮感があってとてもにぎやか。
  • 非常によく練られたゲームバランスとマップデザイン。
    • 全編通して難易度は高めながら、上達が実感できる絶妙なバランスになっている。
      • シリーズを通して一番最初のステージは残機が貯めやすい構成になっている、と細かい配慮も良く出来ている。
  • 良質かつ豪華な音楽。
    • David Wise氏による音楽は単品で聞くにしても完成度の面で見ても非常に高いクオリティを誇っている。特に際立つのが音の使い方で、タンバリンの音を高音にすることによって全く別の楽器の音のようにしているなど、それまでのゲームとは全く違う音の使い方でSFCの音源の限界を感じさせない豪快なつくりになっている。
      • 中でもジャングルという雰囲気にぴったりな最初のステージの音楽や透明感溢れる海ステージの音楽は特に評価が高い。更にはボイスつきの曲まである。
  • その他
    • やりこみとして各ステージのボーナスステージを探すことも出来る。場所を見つけて入ればセーブデータの%がどんどん上がる。最高は100%に見せかけて・・・

難点

  • 不自由なセーブ。
    • 各エリアのセーブポイントとエリア移動ポイントは、エリア内のステージを幾つか(最低でも3つ)クリアして利用可能となる。つまり、 ゲーム開始直後と、新たなエリアに入ってからしばらくの間は、セーブもエリア移動も出来ない 。ゲームを止めなければならなくなった場合やゲームオーバーになった場合、前エリアのボスステージからやり直さなくてはならない。
    • 加えて、セーブしても残機も保存されない。ちなみにこの仕様についてはゲーム内で「ゲームの都合だかんべんしてね~」(原文ママ)とメタっぽく説明されている。
  • ドンキーとディディーの性能差
    • 基本的にディディーの方がメリットが大きく優遇されており、ドンキーは一部の敵への対策として限定的に活躍する程度。
    • 水中面やボス戦でドンキーならではの長所を活かせる場面はほとんど無い。
    • ドンキーの固有アクションであるハンドスラップは使いどころが少なすぎる。ごく一部のステージで活躍する程度。
      • 敵を攻撃してバナナ(残機)を稼ぎたい時には使えなくもないが、使用中は足を止めなければならないので多用するほどテンポが悪くなる。他の方法で残機を稼いだ方がマシになりやすい。
  • スコークスのライト
    • スコークスは「コング達の前」を照らすため、コング達が後ろを向いたらスコークスも後ろを向く。この方向転換の際、ライトが必然的に一瞬だけ正面を向き、視界がフラッシュ、ホワイトアウトする。リアルと言えばリアルではあるが、ハッキリ言って目に悪い
    • 『2』のグリマーも全く同じ問題点を抱えてしまっている。3でも暗闇を照らすステージはあるが、照らす方法が変わったのでフラッシュは無くなった。
  • レベル5「カントリーファクトリー」のフリーズバグ
    • 一度ボスを倒した後に再び入ると、脱出時に高確率でフリーズする。
  • 前述したとおり難易度は高めだが、やっている内に上達が実感できるバランス取りのおかげもありそこまで気にはならない。しかし少々場違いなステージも。
    • エリア4は全体的に難易度が高く、前述の仕様により4-5をクリアするまでセーブができない。それなのに「4-1:ふぶきのたに」はエリア一番手のステージの癖に本作でも三本の指に入る高難度ステージと評されるほど。その後も4-2で精密なロープアクションを要求されたり、4-4で後ろから迫る無敵の敵から逃げ切れなかったりと、多くのプレイヤーが辛酸を舐めた。
      • 「4-1:ふぶきのたに」は回転する樽渡りをひたすら繰り返していくというもの。しかも終盤になると樽が回転しながら動くようになるため、タイミングを計るのが非常に難しい。吹雪による視界不良と、後半から全く異なる音楽がプレイヤーに絶望感を与えてくれる。ただし、ある地点にゴール直前までショートカットできるタルがあり、クリアできない人への救済処置となっている。
    • 残機に関しては、エリア1に戻るなりして残機を増やせば一応問題は無い。1-1であれば慣れた人であれば一度に5~10機増やせるし、初心者でも確実に1機は増やせる。後は慣れるまでが勝負だろう。それでも残機が保存できないのは欠点は否めないし、そもそもゲームを遊べる時間が限られている場合はどうしようもない。
      • 因みに「2-5:ノーティの遺跡」のスタート地点で、ディディーを利用して残機をほぼ無限に増やせる裏技の存在も有名。
      • また、ゲーム開始時に隠しコマンドを入力することで、残機50でゲームを開始することが可能。

総評

  • 本作は国内だけでも300万本・全世界規模では800万本の売上と好セールスを達成し、レア社とCGの底力を世間に知らしめるには十分な作品となった。

その後の展開

  • その後シリーズ化し、SFCで『2』と『3』が発売。美麗なCGは勿論、ゲーム自体もかなりの評判である。
    • また今作のキャラクター達は『マリオカート64』に本作のドンキーコングが登場したのを皮切りに、マリオシリーズにも参戦し、その他の外部作品にも参戦している。ディディーコングはドンキーと違い任天堂ではなくレア社が版権をもっているキャラだったため、任天堂開発のゲームには出演することは難しかったが、2002年にレア社がマイクロソフトに買収されたことに伴いシリーズの版権がすべて任天堂側に移ったため、ドンキーと共に『マリオゴルフ ファミリーツアー』『マリオカート ダブルダッシュ!!』『大乱闘スマッシュブラザーズX』などの作品に出演することがかなった。
  • 現在ではバーチャルコンソールでもプレイ可能。
  • GBC、GBAに移植されている。
    • GBC版はタイトルを『ドンキーコング2001』に変更されての発売。本作では新ステージやミニゲームの追加の他、オートセーブの採用により不自由だったセーブが改善されている。ただしスペックの劣るハードでの発売の為、グラフィックは原作に及ばず、BGMも『スーパードンキーコングGB』のBGMの流用が大半となっている。
  • Wiiでは『ドンキーコングリターンズ』が発売。開発は任天堂と『メトロイドプライム』を開発したレトロスタジオ。こちらもWii最高画質を宣伝している。