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カルネージハート - (2010/03/01 (月) 01:15:32) の編集履歴(バックアップ)


カルネージハート

【かるねーじはーと】

ジャンル シミュレーション
対応機種 プレイステーション
開発元 アートディンク
販売元 アートディンク
発売日 1995年12月

概要

  • 「A列車で行こう」シリーズや「The ATLAS」シリーズでSLG製作に定評のあるアートディンクによるウォーSLG。前述のシリーズがパソコンからの移植であるのに対し、本作はプレイステーションオリジナルのタイトルである。
  • 木星の衛星を舞台にした無人戦闘機「オーバー・キル・エンジン(OKE)」による陣地戦。OKEを開発・設計・生産して敵OKEを排除しつつマップ上の基地を占領し、全ての基地を占領すればステージクリア。資金と兵器開発状況が繰り越しになるキャンペーン形式でステージを攻略していく。
  • このゲームの最大の特徴は、「OKEの機体設計のみならずプログラム設計もしなければならない」点にある。ユニットの種類や装備品のカスタマイズはSLGとしては珍しくもない要素であるが、本作のユニットとなるOKEはなんと戦闘時には手動で動かせず、OKEに搭載されたプログラムの通りにしか動かない。そしてプログラムの設計はプレイヤーの仕事である。
    • 機体設計・プログラム設計はコンピュータ任せにすることはできるが、強いプログラムや思い通りの動きが欲しかったら自分で頑張るしかない。
    • プログラムの設計は攻撃・移動・索敵などの行動要素となるチップを貼り付けることで行われる。分岐やカウンタもあり、ROMが許す限りではあるが複雑かつ柔軟な行動パターンの構築も可能である。
      • このプログラムの設計は機体設計以上に重要であり、うまく組めば驚異的に強くなる反面、組み方がまずいと障害物めがけて延々とレーザーを撃ったり、敵を目の前にしながらクルクル回るだけという事も起きる。
    • 登場するOKEは二足歩行型・多脚型・車両型・飛行型の4種類。タイプによっては一長一短どころか長所・短所のいずれが偏りすぎるということもある。タイプが変わればプログラムはほとんど流用できないため、タイプ別・目的別にプログラムを組むのもポイントである。
  • 兵器や新型OKEの開発は各国兵器企業に依頼するのだが、ここでもドラッケンとの開発競争があり、ドラッケンより多く研究投資を行うことで開発を早めたり敵側への新型兵器提供を遅れさせることができる。逆にドラッケンより少ない研究投資の場合は開発が遅れることもある。
    • 兵器やOKEの調達については、「各国兵器企業から開発完了した設計図を購入」→「設計図を元に基地で生産」という流れになる。一旦開発が完了した設計図を購入した後は自分の基地で資金が許す限り生産できるようになっている。
  • ゲームのメインはキャンペーン形式のシナリオモードであるが、シナリオモードで作成したOKEのデータを持ち寄って戦わせることのできる対戦モードもある。

ストーリー

  • 宇宙での鉱産資源採掘が進められていた2032年、月面での採掘権を巡ってフランス・ブラジル間での紛争が勃発。この紛争で無人戦闘機オーバー・キル・エンジン(OKE)が初めて導入され、各国間紛争が激化。事態を収拾すべく2035年に世界連合は”SMRPA”(Space Mining Resource Association)宇宙資源探査協会を設立。SMRPAの尽力により、かろうじて世界は秩序を取り戻せた。
  • そして28年後、木星の3つの衛星での鉱物資源がきっかけとなって再び各国間による採掘権争いが勃発。SMRPAはその監視を開始。だが、キャッチしたのは世界的な超巨大企業連合「ドラッケン」グループの怪しい動き。そして世界連合とドラッケンの対立は、木星の衛星を舞台とした世界的に例を見ない国家連合対企業連合という戦争へと発展するのであった・・・・

長所

  • 計り知れないOKE設計の奥の深さ。最初から使える二足歩行型の「月影」ですら、プログラム設計次第では最強クラスのOKEになれる可能性を秘めている。
  • 横山宏氏デザインのOKEが活躍し、ストイックな雰囲気を醸し出している。

短所

  • とにかく敷居が高い。プログラムは言語でコーディングするわけではないのだが、それでも慣れるまでは難しく、CPUの容量に悩まされがちである。
    • 効率よく組むことで容量を節約できるのだが、かなり難しい。
    • 組めたとしても、なかなか思い通りには動かないことが多かったりする。
  • ローディングが比較的長い。
  • マウス操作を前提としたような操作性・レイアウトになっているため、コントローラーでの操作性が今ひとつ。

総評

 ウォーSLGであるということに加え、プログラム設計が非常に難しいことから、プレイヤーを極端に選ぶゲームとなっている。だが当時のパソコン通信に本作のフォーラムがあったり数回対戦大会が開かれたりするほどコアなファンも付いており、ハマれば強力なOKE設計の虜になることうけあいである。

その他

  • 入手可能であれば、マイナーチェンジ版である「カルネージハート EZ-Zapping」からプレイした方がいい。内容はほぼ一緒だが、バランスが若干再調整されたことに加え、複数の命令を1まとめにしたマクロ機能の導入でプログラム作成がかなりしやすくなっており、シリーズ未経験者に対する敷居がかなり下がっているためである。