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ポポロクロイス物語 - (2011/12/25 (日) 15:44:37) の編集履歴(バックアップ)


ポポロクロイス物語

【ぽぽろくろいすものがたり】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 ジーアーティスツ、シュガーアンドロケッツ
発売日 1996年7月12日
定価 6,090円

あらすじ

ポポロクロイス王国の王子ピエトロは10歳の誕生日を迎えましたが、気分は憂鬱でした。
なぜなら、一番自分を祝ってほしいお母さんがいなかったからです。
その夜、国王である父親が城の近くの塔に隠れて入っていくところを目撃します。
こっそりついていくと、塔の中には眠ったままの女性がいました。父親はその人に会いに来たようです。

しかしそのとき、城のほうから慌しい音が聞こえてきました。
「ガミガミ魔王」と名乗る盗賊が城に攻め込んできて、王家の宝「知恵の王冠」を盗んでいったのです。
ピエトロはガミガミ魔王から知恵の王冠を取り返すために、生まれて初めての冒険の旅に出かけることにしました。

その冒険は、ポポロクロイス王国の命運を左右する大冒険のまだほんの始まりにすぎませんでした。

概要

  • PS黎明期のRPG。
  • 朝日小学生新聞に連載されていた同名の名作マンガに独自のアレンジを施してゲーム化されたものである。
  • 原作とは絵柄や設定が違っているがそのアレンジは好評。
    • 王道的な剣と魔法のファンタジーであるが、どことなくゆるく優しげな世界観、そして主人公の成長を実感していくストーリーは高く評価されている。
      • ゲームフリークで知られる小説家、宮部みゆき氏が絶賛するほどである。
    • 作中テーマの家族愛に関する描写は感情移入度が非常に高く、ピエトロの「お母さんを返せ!」はこの作品を代表するセリフとなった。
  • キャラクターはよくあるものだが個性や作中の役割がしっかりしていて大変人気が高い。
    • 最初は臆病で冴えないが、冒険を経てどんどん頼もしくなっていく主人公ピエトロ、内向的ながら芯が強くピエトロに尽くすヒロイン・ナルシア、真面目な正義漢だがどこか間抜けていて愛嬌のある白騎士、お馬鹿な悪者であるが義理人情に篤くどこか憎めないガミガミ魔王など。
    • メインキャラどころかサブキャラ、町の人にまでどこか印象を残すセリフや動きが設定されており世界の作り込みは深い。
  • キャラクターデザインに乖離しないキャラグラフィック、そしてシーンに合わせて小気味よく表情・アクションを変えるドット絵がキャラの感情を豊かに表現している。
  • 音楽は世界観に合わせた明るく軽快なもので、曲数はそれほどないものの評価は高い。
    • 中でもテーマ曲「ピエトロの旅立ち」の人気は高く、カラオケでも歌えるほど。
      • このテーマ曲の曲部分はもともとは1992年に発売された槇原敬之のシングルCD「もう恋なんてしない」のカップリング曲「夏のスピード」につかわれていたものが流用されている。同じ作曲家が関わっていることが理由であり正規に槇原敬之の許可が取られている模様。その影響か「夏のスピード」はアルバムCDなどに収録されていない。
  • ほぼ皆無なロード時間、そしてマップに合わせてシームレスに突入する戦闘などテンポがよくストレスが溜まらない。
  • 戦闘システムはSRPGのようにキャラの位置を調整しながら攻撃や防御を展開していくもの。
    • 打たれ弱いナルシアの前に前衛を移動させたり、範囲攻撃を食らわないために分散させたりとそれなりに戦術が必要。操作は直感的であるため複雑さは感じない。
    • 割と硬派なゲームバランスであまり考えないとけっこう全滅するが、難しすぎるわけではなくきちんと考えてキャラを動かしていれば勝てるバランス。
      • そのバランスゆえに仲間キャラ全員を協力させるような戦い方をする必要があり、仲間たちのキャラクター性を高めることに繋がった。
  • シナリオは一本道だが、それゆえにさくさく物語が進んでいく。
    • 普通のRPGなら自由度がないと批判の対象になるがシナリオ自体がしっかりしており、どんどん先に進みたくなってくるのであまり批判はされない。

問題点

致命的なバグなどは見当たらない。しかしとっつきにくい部分も多少ある。

  • やり込もうとすると一部取り返しのつかない部分や、分かりにくい部分が存在する。
    • 有名なものとしては竜の球集め、おみやげなど。
  • ゲームバランスに問題点が多い。
    • 味方のHPに対して敵の攻撃力が高めで、集中攻撃をされるとHPが全快の状態からでも死亡する事が多い。
      • 特に、終盤では雑魚から2回攻撃を受けただけで死亡する事もある。また終盤のボス戦ではHPの低いナルシアはレベル次第では一撃受けただけで死亡する事もある。
    • 第2章の途中で一時的にパーティメンバーが減るのだが、その間も敵が弱くならないためその期間中は難易度が跳ね上がる。
  • 戦闘システムの都合上、通路で敵とエンカウントした場合、先頭のキャラクター以外は遠距離攻撃を除き攻撃できなくなってしまう。
  • 敵から逃げるのがつらすぎる。
    • 本作は『ファイナルファンタジーVI』の様に、パーティメンバー1人1人に逃げるの成功判定があり、成功した者だけが逃げるのだが、逃げ遅れたメンバーが全員死亡すると、前述した『FFVI』と違い全滅扱いになってしまうためである。
    • もし、1人だけ逃げ遅れた場合、全滅する危険が非常に高いので、うかつに逃げるを使えなくなってしまっている。
  • エンカウント率が高い。
    • 上記の逃げるの使い難さと相俟ってストレスとなる事が多い。

その他

  • 意外とあっさりしているように見えるが、やりこみ要素もいくつかある。
    • ピエトロ王子の趣味のコレクション「おみやげ」「モンスターずかん」
    • ほとんどの敵がまれに落とす「変なモノ」収集
    • スクラップを集めてガミガミ魔王の武装を開発する、など

総評

  • シナリオ、戦闘、キャラクターなどRPGに必要な最低限のものしか備わっていない。中毒性のある目玉システムや膨大なやりこみ要素といったものは多くない。
  • しかしその最低限必要な要素の完成度が高く、ゲームバランスの悪さを除いて目につく欠点も存在しないためPS初期を代表する名作となりえた。
  • 優しい世界観・シナリオによって多くのライトゲーマーを惹きつけ、第一作は約50万本を売り上げる。
  • アニメ化を果たしてそちらも高い人気を得るなど、多くのファンがついた。
  • その後シリーズ化されていくが、PS2以降の後続作品はロードが長かったり難易度の急上昇等作りが荒く、PS時代ほどの評価は得られていない。
    • そしてPSPで登場したリメイクがバグゲーでまともな告知や対応をしなかったため、実質パッケージ販売に置いてはトドメを刺した状態である。