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スーパーマリオブラザーズ - (2012/11/28 (水) 21:25:04) の編集履歴(バックアップ)


スーパーマリオブラザーズ

【すーぱーまりおぶらざーず】

ジャンル アクション
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 ファミリーコンピュータ
ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 任天堂、エスアールディー
発売日 【FC】1985年9月13日 / 【GBA】2005年9月13日
定価 【FC】4,900円 / 【GBA】2,000円
プレイ人数 【FC】1~2人 / 【GBA】1人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2006年12月2日/500Wiiポイント
【3DS】2012年1月5日/500円
備考 ディスクシステム版、アーケード版あり
マリオシリーズ・関連作品リンク

ものがたり

キノコ達の住む平和な王国に、ある日、強力な魔法を操る大ガメクッパの一族が侵略して来ました。
おとなしいキノコ一族は、皆その魔力によって岩やレンガ、つくしなどに姿を変えられてしまい、キノコ王国は滅びてしまったのです。

このキノコ達の魔法を解き、よみがえらせることができるのはキノコ王国のお姫様ピーチ姫だけ。
彼女は今、大魔王クッパの手中にあります。

マリオは、カメ一族を倒してピーチ姫を救出し、再び平和なキノコ王国を築くために立ち上がりました。
テレビの中のマリオはあなたです。このアドベンチャークエスト(遠征)を完結できるのは、あなただけなのです。


概要

日本が誇る最高の名作であり、世界で一番売れた(4024万本)ゲームとしてギネスブックにも登録されている伝説的ソフト。
最早説明不要の作品であり、ファミコン世代なら誰の家に遊びに行っても、薄いオレンジ色のカセットを目にした覚えがあるだろう。
もはやこのゲームはアクションゲームどころか、世の中に「ゲーム」というものを確立させたものとなった。

1985年――。
四国に初めて高速道路が開通し、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』第一作目が公開され、日本航空123便ジャンボ機墜落事故が発生し、前座席のシートベルト着用が義務化され、アニメ『タッチ』が放送開始し、名女優・夏目雅子が死去し、『8時だョ!全員集合』が最終回を迎え、南野陽子主演『スケバン刑事II』が放送開始し、阪神タイガースが日本一になった年に生まれたこのゲームは、またたく間に社会現象を巻き起こし、空前絶後の大ヒットを記録するに至った。

ルールは単純明快、右に進んでゴールの象徴である「ゴールポール」を目指すだけである。
マリオはAボタンのジャンプでブロックを下から叩いたり、上から敵を踏みつけて倒したり、ステージに配置されたコインを手に入れる事が出来る。
Bボタンを押しながら移動すればダッシュする事ができ、その勢いでジャンプすれば飛距離も高さも増える。
一部のブロックを叩くと「スーパーキノコ」が現れ、触れればマリオが「スーパーマリオ」となり、普通のブロックなら壊せる様になる。
スーパーマリオの状態でキノコが出るブロックを叩くと「ファイアフラワー」が出現し、取れば「ファイアマリオ」に変身する。Bボタンでバウンドする火の玉を出し、遠くの敵を倒せるのだ。
さらに、ごく一部のブロックの中からは「スーパースター」が飛び出てくる。触るとマリオは無敵になり、敵を体当たりでなぎ倒せる。
ステージの至る所には土管が存在し、物によっては中に入る事が出来る。多くの場合コインが沢山配置されており、ステージのショートカットにも使える。
マリオは横や上から敵に当たるとダメージを受け、パワーアップしている時は普通のマリオに戻ってしまう。普通のマリオの時には…あえなく1ミスとなる。
敵も豊かであり、キノコ王国を裏切ってクッパ側に付いたザコの「クリボー」、踏むと手足を引っ込めるカメの「ノコノコ」、土管から顔を出す「パックンフラワー」などコミカルで親しみやすい。
残機を増やす条件はいくつかあり、コインを100枚集める、ブロックから出てくる「1UPキノコ」を取る、敵を地面に足を着かずに8回連続で踏む、などがある。
そして様々な障害を乗り越えてゴールポールに飛びつくと、ポールからクッパ一族の旗を降ろして無事ステージクリアとなる。この時ゴールポールに高い場所で飛びつくと高得点がもらえ、一番上なら1UP出来る。
各ワールドの4ステージ目はクッパに占拠された城であり、ステージの最後にはゴールポールの代わりに吊り橋の上でクッパが待ち構えている。隙をついて通り抜ければ斧で吊り橋を落としてクッパを倒し、見事ワールドクリアとなる。

4000万本以上の売り上げの要因として、それまでのゲームとは操作性、グラフィック、音楽、ステージ構成などあらゆる点で斬新だったことが挙げられる。

例えばAボタンはジャンプ、Bボタンはウェポンという暗黙の了解を産み出したのはこの作品だ。
今でこそ当たり前の話だが、当時は各メーカーでバラバラだったり、あるいはゲームの単純さゆえどちらも同じ役割のゲームが多かった。コントローラーの配置上どうすれば操作しやすいか、というものがそれほど重要視されていなかったのである。
「移動時は右親指の先でBボタンを押し、ジャンプ時は親指の腹を動かす」、加速の動作とジャンプの動作を両立し易いこのスタイルは、一躍テレビゲームのスタンダードになった。
ちなみにこれが原因で、本作の2ヶ月後に発売された『チャレンジャー』が、両ボタンの役割が逆という理由で非難を浴びている。

グラフィックについては今でこそ普遍的なドット絵と言う印象でしかないが、これも当時のテレビゲーム事情が関係している。
実は「背景の空が水色」であることすら、1985年以前のゲームには珍しかったのだ。
『ドンキーコング』も『ポパイ』も『ナッツ&ミルク』も『パックマン』も背景と言えば黒。青空の見える『ゴルフ』だってコースの周りは黒だし、画面全体に黒色の殆どないことが「ポップな世界観」として受け入れられた。

技術的な点では、「マリオの帽子は帽子のつばの向きにより、またヒゲはついている方向により、少ない情報量でキャラの向いている方向を表現するための手段」だという話がよく知られている。
また、「服装がオーバーオールなのは色分けされて腕の動きが鮮明に分かるから」「鼻を大きくしたのはどんな顔が分かりづらいから」といった理由があるらしい。
スーパーマリオブラザーズの容量がたった320キロビット(40キロバイト)であることは最近再注目されたが、必要最低限の情報で伝えきる工夫が随所に登場している。
他にも、雲の色を緑に変えて地面に置くことで草として表現し、新しく描く分の容量を節約するなど、当時ならではの創意工夫が見られる。

マリオが慣性の法則に従って加減速し「プイーン」という音を出しながら自然な放物線を描いてジャンプし崩したブロックがこれまた自然な放物線を描いて飛び散る。こういった表現も当時としてはハイテクであったし徹底した快感の追求の賜物であった。

さて当時当時と、まるで現在に於いては大したことのない作品のように書いてきたが、やはり20年以上も語り継がれる作品だけあって、今見ても刺激的な要素を当然含んでいる。

まず音楽。ゲーム開発に携わる前からジャズを聞き込んでいたという近藤浩治のBGMは、実は前面に出ない程度に手が込んでいる。
マリオのメインBGMは「D 9th」という和音から始まる。日本の歌謡曲には今でも馴染みが薄く、更に本来5音用いるため3音源と言う制限の中では考え付きづらい構成だ。
またベース音に対してわざと不協和音をぶつけたメロディも、今なら「ジャジー」という評価が可能だろう。
それから水中BGMについて近藤氏は「水中ならワルツだろう」というコメントを後にしているが、ファミコンでは初めての表現法である。

これまで述べてきたような、操作性、グラフィック、音楽だけが優れていたのでは、さすがにギネスに載るほどの世界的ヒットは為し得なかったかもしれない。
この作品の最も優れているのは、アクションゲームとして完成されたステージ構成の妙にある。

例えば最初のステージ1-1について、このような研究がある。
無論、独自研究の域は出ないが、操作の失敗が即ミスにつながらないよう段階的な練習ができるようになっている点と、最初のステージなのに全てのアイテムを揃えた大胆さのくだりには、説得力を感じさせる。

そしてストーリー。ゲームに、「物語」、「登場人物」、「名前」などを入れたのは実質上これが初めてであり、これから名作が生まれてきたのは言うまでもない。 ステージが進めば、いつしか風景が変わり、草原から山脈、雪が降って辺りは雪景色… こうした「冒険をしている」という気分は、これが事実上ゲーム史上初の風景描写である。

また、ステージには土管や豆の木で行けるボーナスステージ、途中のワールドをショートカットできるワープゾーン、隠しブロックからのアイテム入手といった隠し要素が散りばめられており、プレイヤーの探索欲を刺激する要素が満載だったことも特徴の一つと言えるだろう。さらに後の作品でも定番となる無限1UPなどのいわゆる「裏技」の存在がプレイヤー間での攻略情報のやりとりを活発にし、プレイヤーも争うように隠し要素や裏技の探求を行うためにより深く本作を遊ぶようになった。余談だが、本作の無限1UPはスタッフが意図したものではなくあるプレイヤーが偶然発見したものであることが知られている。

後の任天堂×HAL研究所の名作『星のカービィ』の舞台裏には、このような逸話がある。
カービィの生みの親である桜井政博は、「ステージ内で自然にテクニックを身につけられるステージ構成」に重点を置き、ゲームを構築した。
その意図に気づいたテストプレイヤーはまずいなかったが、ただ一人、マリオの生みの親である宮本茂だけが気づき、指摘したという。

レトロゲームとひと括りにしてはこの作品もひとつの過去作でしかないが、中身をよく覗いてみれば、世界一売れた理由を十二分に含む「まさに名作」なのである。
ファミコンだからと高を括る前に、一度プレイして欲しい。きっと、アクションゲーム、そして「ゲーム」というものの根源の楽しさに触れられることだろう。

その後

このゲームは、「インベーダー」や「パックマン」で芽生えつつあった『ゲーム』という文化を完全に花開かせた存在となり、「インベーダー達がゲーム界の道へプレイヤーを誘い、『マリオ』が『ゲーム界』の扉を開けはなった」という形となる。

この2Dアクションゲームは、のちの誰もが見習い、彼の後を追いかけた。 今でも新作は出続けており、出ればほぼ確実にミリオンヒットを叩き出している。

余談

実は後にアーケードに移植されており、その際『VSスーパーマリオブラザーズ』と改名している。
ステージ内容は1と2を混ぜたようなものになっており、コインエクステンドも100枚以上に設定できるなどいろいろ手が加えられている良作である。
「VS」とは名が付いているものの、競えるのはスコアランキングくらいである。
その後、PC版用で「スーパーマリオブラザーズスペシャル」と移植をされたのだが、その出来は・・・


移植・リメイク

スーパーマリオコレクション

【すーぱーまりおこれくしょん】

対応機種 スーパーファミコン、Wii

発売元 任天堂
開発元 任天堂、エスアールディー
発売日 【SFC】1993年7月14日/【Wii】2010年10月21日
定価 【SFC】9,975円/【Wii】2,500円(共に税込)

マリオ1~3とUSAの4本が詰め込まれている(海外版は4にあたるワールドを収録したバージョンもある)。
グラフィックやBGMの強化やバグの修正、セーブ機能の追加などで遊びやすくなっているが、挙動の変化している部分があるため、やりこんだプレイヤーほど違和感を覚えることになる。 ちなみにFC版では裏技などでマリオの残り人数を128人以上に増やすと、乱数の関係で増えた分がゼロになってしまった(ミスすると即ゲームオーバーになる)が、本作では128人でカンストするように変更された。 クッパとボーナスステージのBGMが追加された。クッパの出だしがまんま火曜サスペンスである またキノピオ救出した時にそのワールドの数だけ登場するようになった

スーパーマリオブラザーズデラックス

【すーぱーまりおぶらざーずでらっくす】

対応機種 ゲームボーイカラー(専用/国内では書き換え専売) ASINが有効ではありません。
発売元 任天堂
開発元 任天堂、エスアールディー
発売日 2000年3月1日
定価 1,050円(税込)

画面比率の都合で見難くなっていたり、ステージの構成が若干変わっていたりしている。
条件を満たすことで2もプレイできるが、グラフィックと挙動が1ベースだったり風が吹かないなど、難易度が大きく変化している。
また、海外版ではチャレンジモードの目標スコアが高めになっている。