「ブレスオブファイアII 使命の子」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ブレスオブファイアII 使命の子 - (2012/12/25 (火) 22:59:21) の編集履歴(バックアップ)


ブレスオブファイアII 使命の子

【ぶれすおぶふぁいあ つー さだめのこ】

ジャンル RPG
高解像度で見る
裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 カプコン
発売日 1994年12月2日
定価 9,980円
配信 バーチャルコンソール
2007年6月26日/800Wiiポイント
ブレスオブファイアシリーズ作品リンク

概要

ブレスオブファイアシリーズ2作目。
前作の500年後を舞台としており、ウインディア、音楽の国など前作にあった町なども再登場する。
主人公はリュウ、ヒロインはニーナと前作と同じ名前だが全くの別人(ブレスシリーズの主人公、ヒロインは代々リュウとニーナという名前)。
前作であった合体システム、仲間ごとの固有スキルなどのシステムは洗練され、後の街システムに繋がる共同体といった要素が追加された。


ストーリー

白竜族の戦士リュウ(前作の主人公)が仲間たちとともに邪神ミリアを倒し、世界に平和を取り戻してから500年の月日がたった。
主人公リュウ(前作の主人公とは別人)は父と妹の3人でゲイト村で暮らしていた。ある日リュウは妹のユアを探しに裏山へでかけた。
ようやくユアを見つけたリュウは「ここで眠れば死んだお母さんの夢が見られる」とユアに言われ、目を閉じてみる。
しかし見えたのは母の姿ではなく、おぞましい魔物の眼であった。
異変を感じたリュウは村へ戻ったが、なぜかそこにいるはずの父と妹の姿はなく村の人々はリュウたち一家のことを全く覚えていなかった。
孤児として村の教会に泊まったリュウはその夜、同じく孤児として教会に泊まっていたボッシュと共に村を出ることにした。

村を出た後に向かった洞窟には長い尾を持つおぞましい姿のモンスター「バルバロイ」がいた。
バルバロイは強く、子供のリュウとボッシュはすぐにやられてしまった。
バルバロイはリュウが「使命の子」であることを告げると姿を消す。リュウにはそれが何のことかわからなかった。

それから10年後。リュウとボッシュはレンジャーの仕事をしながら生活していた。
しかしボッシュはとある事件に巻き込まれて泥棒の嫌疑をかけられてしまう。
ボッシュを連れて脱走した2人は、真犯人を見つけるために旅に出ることにした。
そのために世界のあちこちを見回るリュウ、しかし今この世界には平和を脅かす異変が起こっていた。


評価点

  • 前作以上に多彩でアクの強い仲間・キャラクターたち。
    • 仲間数は前作と同じ8人だが共同体での待機時のセリフの変化の多さ、合体システムの進歩による性能変化、演出の強化による各キャラの見せ場の増大など様々な面でパワーアップしており、ただでさえ個性的なキャラクター性がますます強まった。
    • ブレスシリーズのキャラクターデザインは毎回吉川達哉氏が担当しているが、新作が出るたびに絵柄が変化することでも知られる。その中でも2のキャラクターデザインはおそらくシリーズで最もファン人気が高い。
      • というより、2の絵柄が最もエr(げふんげふん)
      • この作品のニーナとリンプーという二人のヒロインの人気はシリーズ屈指。
    • 各キャラに必ず一つ以上はメインの見せ場となるイベントが起きる期間があり、更にいずれも好感が持てるキャラクターづけがされているため感情移入度が高い。
    • また前述のバルバロイはその正々堂々とした性格やいかにも強敵らしいデザインなどからシリーズでも人気の高い敵役。
      • ラストダンジョンで一騎打ちになる熱い展開、セリフなどもあって登場シーンは少ないにも関わらずインパクトは強い。そのせいでラスボスはあまり存在感がないが。
  • 強化された合体システム
    • 前作の仲間同士が合体する仕様ではなく、本作は世界中のどこかにいる6人のシャーマンのうち1~2人と仲間が合体する仕様に。ただしリュウと隠しキャラのディースのみは不可能。
    • シャーマンごとに属性や強化される能力が違い、キャラクターの欠点を補ったり長所を伸ばしたりすることができる。
    • 更に究極合体という、キャラクターごとに特定のシャーマンを組み合わせた状態になるとグラフィックや性能が大幅に変化する。
      • キャラクター性とかっこよさを両立させたキャラデザインは秀逸。また性能の変化によって多彩なパーティー編成ができるのも魅力。
      • 特に仲間の一人のタペタは素では弱くて能天気だが、究極合体するとデザインが精悍なものに変わり、ステータスも非常に強くなるというギャップが魅力のキャラである。
      • ただし一人のシャーマンにつき一人しか合体できないため全員を究極合体させようとするとメンバーがほとんど固定になってしまう(必要なシャーマンが被ってしまっているキャラもいるため)のが残念か。
  • 共同体システムの導入
    • 世界各地にいる移住者に話しかけて自分たちの共同体に勧誘し、住民になってもらうというシステム。
    • 住民になった人間に応じて町にお店や鍛冶屋、ウインドウ変更やサウンドテストが追加される。
    • 更に最初の共同体のレイアウトの選択によっても施設のデザイン、追加施設が変わる。ここでしか入手できないアイテムや利用できない施設も多い。
    • 建物の数が決まっているため全ての移住者を移住させることはできないものの、当時としては自由度が高く、プレイヤーに応じた好みの共同体を作ることができる。
    • 更に隠しイベントを進めると共同体が浮遊し、空飛ぶ乗り物として使うことができる。
  • 豊富な隠し要素
    • 隠し技「千切り」、隠し仲間として前作に登場したディースが登場する、特定の条件を満たして真エンディングが見られる、非常に貴重なアイテムを持つモンスターグミオウとエンカウントできる島など、様々な種類がある。
      • ちなみにグミオウが出現する小島では、他にもゲーム序盤に登場したモンスターが超巨大化した強化モンスターも出現する。発売当時双葉社から刊行された攻略本ではこの島のことに一切触れておらず、巨大モンスターのデータも載っていなかったため、初見で度肝を抜かれたプレイヤーは数多い(GBA版の攻略本には載っている)。
    • またシャーマンを見つける合体システムや移住者を見つける共同体も、一部見つけにくい移住者やシャーマンがいるため一種の隠し要素といえる。
  • 個性は抑え目だが、正統派で盛り上がりのある音楽。
  • 前作に続いてファンタジーの基本を押さえてはいるものの、終盤になるにつれて暗くシリアスになっていくシナリオ。
    • 冒頭、なぜ村人はリュウたちのことを忘れてしまったのか、父や妹はどこへいってしまったのか、使命の子とはなんのことか それらの謎が解き明かされる終盤のシナリオはまさしく怒涛。
    • 特に敵の本拠地「大教会」へ突入するイベントはNPCの死亡の連続で、クライマックスへの勢いと同時に陰鬱な気分になってくること請け合い。
      • 彼らの死の一つ一つに意味があり、展開によっては救えるキャラもいるので話題に上ってもあまり批判はされない。
    • 陰鬱なイベントだけでなく、シリーズ伝統のセクハライベントやカエルの国でゴキブリやミミズ、ハエを使った料理を作るといったシュールでコミカルなイベントも多い。
    • そのギャップのせいで余計に暗いシーンがますます暗く見えるのだが。
    • エンディングも普通にプレイしていると死者こそ出ないもののおおよそハッピーとはいいがたい結末になる。
      • 前述の隠しイベントでようやくハッピーエンドになる。しかし通常のエンディングのほうがこの物語にふさわしいとして支持するファンも多い。
  • 当時とは思えない秀逸なドット絵。動きもすばらしく敵も味方もグネグネ動く。
  • 会話時、「ドラゴンズ・ティア」という宝石がウインドウに表示され、この色でその人物がリュウに対しどんな感情を持っているのかがわかる。想像を膨らませ補完するのにも、相手の善意や悪意を感じるのにも一役買っている。

問題・賛否両論点

  • エンカウント率が高い。もっともこの頃のRPGはどれも高めだが。
  • 敵から入手できる経験値が少なく、レベルが全然上がらない。
    • GBA版で入手経験値が2倍に調節されていることからも、少ないのは明らか。
  • ドラクエでいうルーラにあたる移動魔法が一部のキャラしか使えない上に中盤以降にしか覚えないため、連れて行くメンバーが固定になったり移動が面倒というプレイヤーもいる。
    • とある町と序盤の町を何往復もしなければならないイベントがある。この時点で移動魔法はまず覚えていないため、徒歩で往復せざるを得ない。あるキャラの特技を使えばほぼエンカウントなしで移動できるが、それでも時間が掛かる。
  • ドラクエでいうリレミトみたいなダンジョン脱出魔法は用意されているが、使用不可のダンジョンも多い。
  • お使いイベントが非常に多い。
    • 最初から倒すべき巨悪、世界を脅かす大問題といったものが提示されておらず、「一見平和な世界だが実は徐々に見えない悪に侵食されている」ことに気づくことからシナリオが始まり、更にその正体をつかむまでの期間がゲーム内の大半を占めるため、終盤になるまで大きな目的が示されないのがその理由。
    • 主人公たちは世界を回って各地で起きている問題を解決し、それが終盤になってその原因が一つのところにつながっているということがはじめてわかるという展開である。
    • このためあっちに行ってはご当地の事件を解決し、こっちへ行っては同じように解決し、ということになるため終盤になるまで単調になりがち。その分終盤は勢いがあるのだが。
  • 仲間の合体が、HP4分の1で解けてしまう。一旦解けたら、共同体までいちいち戻らないといけない。
  • ラストダンジョンは長い、途中で回復できる場所は有るが、仲間の合体が解けたら共同体まで戻らなくてはならないうえにラストダンジョンの入り口から移動しなおしである。
    • ダンジョン内でセーブした後で脱出し、外の用事を済ませたところでわざと全滅すれば内部のセーブポイントから再開することが可能、という小技も一応ある。もちろん、誤って外でセーブしてしまったらご愁傷様だが。
  • セーブしたデータをロードすると、設定した陣形が初期化されている。
  • 前述の大教会で仲間達を惨殺した憎むべき中ボスが、何かのネタかというほどかっこ悪い上に弱い。運が悪いと全体魔法を連発してあっという間に全滅するようなこともあるが、逆にAP(アビリティ・ポイント)吸収魔法を連発するだけして結局何もしない内に倒してしまうようなこともあり、非常にムラが大きい。
    • 強さに関しては、倒した直後の選択肢によってはBADENDになるので間違って選んだことを考えてのことだろう。
  • 共同体の建築と、招ける住人は、1度決めると交代が効かないため、味方キャラによっては最強装備が購入できないなど問題が生じる。あげくには、盗賊などを入れると金を持っていかれる。
    • 建築様式は、条件次第で3パターンの中から1つを選択できるのだが、無条件で建築できる様式がドーピングアイテムを量産できるので1番お得である。
    • 条件次第で作れる様式の1つは、ミニゲームをプレイする事で装備品を入手できるのだが、最強装備でも何でもない上、そのミニゲームをプレイするのに必要なアイテムは個数限定という有様。
  • 主人公の妹が適当にほったらかされてそれっきり忘れ去られる。
    • 実は序盤から登場しており、図らずともこの人物の最初の行動によって主人公と仲間たちとの運命が交差した。のだが、主人公の妹という直接な描写がない(イベントで幼少の時の口癖が戻り実はという程度)上に終盤のイベント後に姿を消す。
  • 主人公の必殺技である竜変身はストーリーが進むごとに強力なものを会得していくのだが、消費APは全種類共通で残量全部。ダメージは「最大APに対しての現在値の割合」によって決まるため、AP回復手段が少ない関係上、成長すればする程使いにくくなってしまう。
  • CMがネタバレ
    • 戦闘メンバーのアニメとサブキャラの実写が組み合わさっているもので、初見では意味不明のCMだが…今作をクリアした後(重要)にもう一度見ると…とあるシーンを抜き出したものであることが判明する。
  • 敵のテキストにやたらと「殺す」という言葉が出る。何度も言われるので少しイラつくかも。
    • GBA移植版では修正されている。

総評

  • ブレスオブファイアの正当進化系で、細かい粗さはあるものの安定したゲームバランスと整えられたシステム、生き生きと描かれたキャラや印象に残るシナリオによってシリーズファンの中でも特に人気のある一作である。
  • 後にGBAに移植される。
    • なお、GBA版では取得経験値がSFC版から2倍に、獲得資金が3倍に増えた。またダッシュ、中断が追加された。
  • 更に他プレイヤーとの通信で武具などアイテムの交換が可能にもなり遊びやすくなっている。
  • 現在はWiiでVC配信もされている。SFC版の配信であるため、GBAの追加要素はない。