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ファイアーエムブレム 封印の剣 - (2012/11/15 (木) 03:37:03) の編集履歴(バックアップ)
ファイアーエムブレム 封印の剣
【ふぁいあーえむぶれむ ふういんのつるぎ】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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※)ぼったくり業者に注意!
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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任天堂
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開発元
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インテリジェントシステムズ
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発売日
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2002年3月29日
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定価
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4,800円(税別)
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ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク
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概要
SRPGというジャンルの火付け役となった『ファイアーエムブレム』のシリーズ6作目。FEの産みの親である加賀昭三氏が任天堂から離れた後の作品であるということもあり、シリーズの転換点とも言える作品となった。今作は初代作のシステムをベースとしながらも、聖戦の「武器の三すくみ」や「支援システム」、トラキアの「担ぐ」をアレンジした「救出システム」、外伝ステージへの分岐など、過去作の集大成を目指した作りとなった。
評価点
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簡単すぎず難しすぎない難易度
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前作『トラキア776』に比べればずっと優しくなったため、古参ファンからはあまり良い印象は持たれなかった。しかしそれでも決してヌルゲーと言うわけではない、むしろ程よい高さである。
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ただし、発売当時はスマブラ人気のおかげで主にGC・GBA世代の小中学生のユーザーの多数が本作を購入しており、クリアできない人がいた事実も無視してはいけないであろう。そのためか続編である『烈火の剣』ではチュートリアルを強化している。
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クリア後も遊べる要素の充実
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クリア後に挑戦できる「トライアルマップ」の追加。これまで育てたキャラの活躍場所がクリア後にもできている。
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周回プレイを重ねると、トライアルマップ限定ではあるが、かつてのボスキャラ達やストーリー上での重要なキャラが味方ユニットとして使えるようになる。これにより初代からあった「あの敵将が使えたら…」という願いがかなった。
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GBAの仕様を最大限に活用した「通信闘技場」の追加。育てたキャラ同士を様々なルール上で対戦させるというものであり、シンプルなルールでありながら本編とは違った意味で中々戦略性がある。
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2周目からは難易度が上がった「ハードモード」が選べるようになっている。当然ながら敵の能力が凶悪になっており、ガチパワー勝負になっているのだが、一般プレイヤーからは好評であった。そのため本作以降も「2周目以降解禁されるハードモード」はずっと受け継がれている。
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「支援システム」の追加
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「特定のキャラ同士が近くにいると能力アップ」という仕様はシリーズ2作目の『外伝』にてすでに実装されており、その後シリーズを重ねていくにつれ発展していったのだが、本作にてその集大成と言えるシステムが確立された。
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ストーリー上仲の良い者同士を隣接させてターンを終えるとポイントが貯まり、それが一定値に達すると会話イベントと共に支援効果が発生するようになる。「トラキア」まではキャラの組合せが固定であったが、本作では1人のキャラに対し複数の支援発生枠が存在し、その中からプレイヤー側で支援効果を発生させる組合せを選べるようになった。一線級のユニットに集中してつけて大幅に強化するもよし、効率度外視でキャラ設定に準じて付けるもよしと、選択の幅がこれまでの作品よりも大幅に広がった。
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支援発生時の会話イベントはバリエーション豊かで見ていて楽しい。空気になりがちだった脇役キャラ達の個性が増し、見せ場ができたという点でも非常に好評であった。また、主人公含む一部のキャラは、支援キャラの組み合わせに応じてエンディング後の後日談も変化する。
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戦闘アニメーションのクオリティの高さ
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中割カット数こそ少ないがメリハリが効いており、スピーディかつダイナミックに動くため今なおファンが多い。
問題点
今作はGBA作品の1作目であり、そのためであろうか、いろいろと荒削りな部分も存在する。
ゲームバランスの練り込みが甘い
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『聖戦の系譜』以降続く回避ゲー
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実は本作では乱数の変化と命中の値が全然かみ合っていない。というのも、本作には「実効命中率」という隠し仕様が存在し、ゲーム中表示されている命中率が50%以上なら表示されている命中率よりも当たりやすくなり、逆に50%以下は当たりにくくなる様になっている。これはどちらかといえばプレイヤー側に有利な補正である。
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問題なのは武器全体の命中率がシリーズ全体を見ても最低クラスに入ること。特に、敵の方は「はがねシリーズ」「てやり・ておの」といった更に低命中な武器を好んで使う傾向にあるため、プレイヤーが三すくみ、支援効果、地形効果を活用すると、敵の命中率を50%以下に持ち込みやすいため、攻撃を回避して敵を倒す「地雷キャラ」が誕生しやすくなり、その結果、回避率に高い影響を与える速さなどの能力値が高い剣士系とかのユニットが優遇、その逆のアーマー系とかのユニットが冷遇と言う回避率高い者勝ちのバランスが批判されやすい。
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昔からの「初見殺し」の要素がある
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初代から本作まで敵軍の増援ユニットが出現と同時に行動する。そのため「増援で寝返りキャラが出現し、そのユニットをうっかり反撃で殺してしまう」「友軍NPCが同時に出現した敵増援に1ターンで殺される(=そのNPCを守る時間すら与えられない)」という事態が発生する。
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自軍の近くに出現した場合初見では対策がほとんど取れないと言う問題もあってか、『烈火の剣』以降では増援が出現と同時に行動することは基本的に無くなった。
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本作で真のエンディングを見るためには、「神将器」を全て集める必要がある。神将器を全て集められなかった場合、また持っていたキャラが途中で死亡or使いすぎてロストしていた場合(壊れた武器を直せるアイテムはあるが)は話が途中で終わってしまう。
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外伝マップへ行くためには条件を満たす必要があるのだが、それ自体が難しい章もあるし、外伝マップ自体の難易度も高いことが多い。
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途中エンドの場合もエンディングは用意されているのだが、「条件を満たさないと真のエンディングは見られない」という仕様は新規ユーザーには辛いものがあった。さすがにこれはマズイと思ったのだろうか、『烈火の剣』以降の作品では一応普通にプレイして終章までいけるようになっている。
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一部の寝返りキャラに「誰で説得していいかわかりにくい」というキャラが存在する。ただし、各章の会話イベントやそのキャラの出自(ステータス画面で確認できる)などのヒントも用意されており、大半のキャラはほとんどわかるようになってはいる。これは今までのFEでも同じことが言えるのだが。
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ハードブースト
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難易度ハードでは「増援で登場する寝返りキャラ」に対し能力上昇補正がかかり、章が進むほど普通に仲間になるキャラよりも頭一つ抜けた強さになる。これがいわゆる「ハードブースト」と呼ばれる現象である。これにより難易度ハードではキャラの格差が更に広がってしまい、「お気に入りのキャラを育てて攻略する」という本作の王道的な楽しみ方を否定してしまっている。
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ただしそれらがあってもハードモードの敵キャラの能力値が「ハードブースト」対象者と匹敵する程の高さなので、一種の救済措置であるとの見方もある。
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なお開発スタッフはこのことを「設定ミス」と言っているため仕様ではない。「最初から出現している寝返りキャラ」にハードブーストが適用されないのもこれを裏付けている。
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しかし、救済処置としては優秀だったのか、『烈火の剣』でも引き続き採用されている。あくまで設定ミスであった今作のように「最初から出現している寝返りキャラ」に補正がかからないということも無い(そのかわり補正値は控えめ)。
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クラスのバランス
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ソードマスターと遊牧騎兵が異様に強い。
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ソードマスターは「必殺発生率に常に+30%のボーナスがかかる」という鬼仕様。しかも仲間になる3名のうち2名は難易度ハードではハードブーストがかかり、普通にやっても強いのにさらに強くなるバランスブレイカー。なお最終盤で救済役として加わる最後の1人にハードブーストはないが、元々最後の切り札として一軍に起用できる強力な初期値と異常な成長率を持っている。バーサーカーにも前述の必殺率補正とハードブースト(2名)がかかり、「高い山」という強力な地形効果が生かせるため強力な性能を持っていた
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遊牧騎兵も弓と剣が使える・一部ステータスの限界値はソードマスター並・進入可能地形と移動コストは優秀と、従来のクラスであるスナイパーが霞む性能となっている。
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下級職の光魔法使いがいないので光魔法が育て辛い。
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光魔法については次回作の『烈火の剣』で専門の下級職である「修道士」が登場、『聖魔の光石』では賢者とヴァルキュリアが光魔法を使用できるようになった。
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その他
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主人公のロイは能力値、成長率自体は平均的なのだが、クラスチェンジが遅すぎるため長いこと足を引っ張る。しかしクラスチェンジと同時に手に入る専用武器「封印の剣」が強すぎ、終章のラスボスをシリーズ最弱と評される程の強さである。
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終盤で能力強化アイテムが秘密の店で購入できるため、それ以降はバランスが崩壊してしまう。これ自体は最初期からあったのだが、問題は通信闘技場。カンストキャラのぶつかり合いになって面白みの欠ける試合になってしまう。ただ、裏を返せば廃人の様に能力値の伸びに拘る必要が無いというメリットはある。
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闇魔法のエフェクトが無駄に長い
ストーリー面での批判
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ストーリーの大筋が「『暗黒竜と光の剣』と『聖戦の系譜』をミックスしたもの」となっており、新鮮味に欠ける。また『暗黒竜』と『光の剣』にソックリなキャラクターも多い。
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そっくりさんが多いのは作り手としてはファンサービスのつもりだと思われるが、顔と名前を中途半端に入れ替えただけなど従来のオマージュキャラに比べても没個性で手抜き感が漂う。特に『暗黒竜』はリメイク回数自体が多いためその既視感も大きい。
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前作までの「美形や王族ばかり活躍する」という評判を気にしたのか、今作ではゲームではほとんど取り上げられない中央アジア系の民族や顔の良くないキャラクターも登場、しかしかえって差別的とも取れるような描写も多く見られ、批判を意識するあまりの迷走といっていいキャラクター設定となってしまっているキャラも。
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ただし育てれば十分一線で活躍できるし、支援会話などキャラ的には十分立っているためそういったキャラのファンも多い。続編の『烈火の剣』ではそういったキャラの設定(顔グラのタッチの変更や生い立ちなどの設定)が改められていることも。
総評
メインスタッフの加賀昭三が途中で抜けた事もあり、ゲームデザイン自体は過去作の範疇を抜け出さない保守的な作風となった。しかしシリーズ最高難易度といわれる前作『トラキア776』を踏まえ、本作は高めながらもライト層でも馴染めやすい難易度のバランスに仕上がっている。また、大好評を博した支援会話システムや難易度設定搭載など、既存の枠組みから脱却しようとする意欲的な面も見られる。三作に渡るGBAシリーズの土壌を作った点では、一つの岐路といえる作品となった。
SRPGというジャンルの火付け役でありながらハード末期にひっそりと商品展開されるなど、比較的機会に恵まれないFEシリーズであったが、GBAというハードの時流に乗って発売された事や主人公のロイがスマブラに出演した事、事前に漫画版とのコラボレーション展開が用意されるなど、シリーズの中でもとりわけ売り込みに力の入った作品であると言える。
余談
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旧タイトルは『ファイアーエムブレム 暗闇の巫女』であった。
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これが没作画像である。ちなみにこの少女の台詞は次回作で使われている。
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発売と同時期に漫画『ファイアーエムブレム 覇者の剣』が連載を開始した。ゲーム版をベースとしながらもオリキャラ登場や独自の展開を進めた。
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漫画とのコラボの一環として、「アルの剣」「ガントの槍」「ティーナの杖」がゲーム中に登場する。これらの人名は漫画の主役の3人組である。性能的には大したことは無く、序盤戦のお助けアイテムといったところ。
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この漫画自体はなかなか好評であったのだが、予想外にこれ以降FEシリーズの漫画化は無くなった。
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ちなみに作者の山田孝太郎氏は連載を経て凄まじく画力が向上しており、初期と終盤で「これ書いたの本当に同一人物か!?」と思えるほど絵のタッチが変わっている。
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タイトルにもなっているロイの専用武器の読みは「ふういんのつるぎ」である。よく間違えられるので注意。というかここでも間違ってたし。
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しかし、続編では「れっかのけん」である。紛らわしい。