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ファンタシースターポータブル2 - (2013/01/14 (月) 15:29:26) の編集履歴(バックアップ)


ファンタシースターポータブル2

【ふぁんたしーすたーぽーたぶるつー】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 セガ
開発元 アルファ・システム
発売日 2009年12月3日
定価 5040円(税込)
ファンタシースターシリーズ


概要

前作及びPS2版の不満点・要望点を見直し、発展・改良させたPSUシリーズの完成系。 開発チームが謳う『5つの超進化』、非常に豊かなキャラクタークリエイト機能、PSPでは異例のインフラストラクチャーモードの搭載、などが話題となった。


世界観・ストーリー

地球から遥か遠い銀河系、非常に文明が発達し宇宙へ進出したヒト達の住む「グラール太陽系」が舞台。3つの惑星と1つのコロニー、そしてそこに住むヒューマン(人間)・ニューマン(優性種)・キャスト(アンドロイド)・ビースト(獣人)の4種族が共存し、繁栄している。そんな中、プレイヤーは1人の傭兵としてある遺跡へ調査に訪れていた。


特徴

充実したキャラクタークリエイション

 このゲームの大きな特徴の1つとして、その豊富な「キャラクタークリエイト」にある。個性的な4つの種族と豊富な衣装、多種多様な装備、そして今作から新たに追加された新要素「オートワード」により、「自分好みのキャラクターを作り、演じる」ことが可能となっている。このゲームが「キャラクリゲー」と呼ばれる所以は、携帯機のみならずオンラインRPGの中でも優れたキャラクタークリエイションにある。

  • キャラクタークリエイトでは、種族、性別、髪型・髪色のみならず、豪華な声優陣によるボイスの設定、さらに体型・身長までも変更できる。特に、体型・身長を自由にクリエイトできるのは珍しく、「小柄のキャラに身長にそぐわない巨大な武器を装備させる」など、自由にキャラを設定できるのが大きな魅力である。
  • 「オートワード」は、様々な状況に応じて自動的にセリフを発するシステムで、今作から導入された新要素のひとつ。回復時や攻撃時のみならず被弾時に受けたダメージ量に応じて設定でき、死亡時、蘇生時、ミッション開始時、果ては一定時間無操作時・メニューウィンドウ回覧時に至るまで設定できる。これにより自キャラクターに更なる個性を色づける事が出来る。

PSPとしては異例の「インフラストラクチャーモード」の搭載

 「インフラストラクチャーモード」は、無線LAN環境があれば、インターネットを通して全国のプレイヤーと冒険することができるシステムである。これは所謂「オンラインマルチモード」であり、携帯機でありながらもオンラインゲームとして本格的なシステムを搭載する事に成功している。(例を挙げると部屋の作成及び検索・乱入、フレンドのログイン状況の確認、メールの送受信などが可能である。)PSP故に使い辛いが、ショートカットメッセージ、及びチャット機能も搭載しており、プレイヤー同士が意思疎通をできるようになっている。 ここまで本格的にオンラインゲームの要素を取り入れた携帯機ゲームの例はなく、「超進化」の名に恥じぬと言えよう。 「インフラストラクチャーモード」は無料で利用でき、無線環境さえあれば比較的簡単に利用することができる、そのハードルの低さ・手軽さも相まって、好評を博すこととなる。

  • 武器は打撃武器(剣・大斧・槍など)・射撃武器(ライフル・グレネード・レーザーカノンなど)・法撃武器(テクニック:いわゆる魔法)の3種からなり、多種多様な武器がある。それぞれに違った技や用途、加えて武器開発企業ごとの性能差があり、プレイヤーの好みに応じて使い分けることができる。
  • 入手確率がとんでもなく低い所謂「レア物」のアイテムは存在しているが、それがなければ厳しい、と言う状況にはならないため、ライトユーザーでも気兼ねなくヘビーユーザーと混合してプレイできる。
    • ただし、言うまでも無く「レア物」のアイテムは見た目・性能共に優れたものが多く、それを求めて徘徊するユーザーも多い。

前作及び本家PS2/PC版との比較

 ここでは、主に前作及び本家にあった問題点・要望に対して変更された点について取りあげていく。この項を見る前に、本家の問題点及び前作の問題点を見て頂くとよりその変化(特に戦闘関連について)が分かりやすいかと思われる。

  • 要望の多かった『回避・任意防御』が導入された。これはもともとDSで発売されていた同社作品の『ファンタシースターZERO』のシステムだったが、好評だった為にこちらにも搭載される事になった。
    • これに伴い新装備カテゴリー「シールド(大盾)」が追加された。左手に装備し、ガード行動時は盾を構える。普通にガードすると90%ダメージカットだが、敵の攻撃に合わせてタイミング良くガードすると「ジャストガード」となり、自身のダメージを100%カットし、「シールドアーツ」と呼ばれる反撃ダメージを与える。ほぼ全ての攻撃と罠・敵の自爆でさえジャストガード可能であり、気持ちの良い効果音も相まってアクション制の向上に一役買っている。
      • なお、両手打撃武器・両手射撃武器でもガードは可能だが、その際にカットされるダメージ量は70%に低下する。
    • このシリーズでは元々回避・任意防御の概念は無く、情報が発表された当初はこれらを搭載することによるゲームバランスの悪化を懸念する声があったが、逆に搭載された事により従来よりアクション性が増し、結果的には好評を博すこととなる。
  • 射撃武器に一定時間ボタンを押し続けると強力な攻撃を放てる「チャージショット」が追加された。カテゴリー毎に異なる性能を持ち、ハンドガンなら爆発する弾丸、レーザーカノンなら大型の貫通ビームを発射するなど、単調になりがちだったレンジャーにもアクション性と武器ごとの個性が生まれた。
  • 通常攻撃を繰り返すことで稼げる「チェイン」要素が追加された。同一の敵に通常攻撃・□ボタンにセットしたテクニックで攻撃するとチェインが溜まっていき、2チェイン以上溜まった状態でスキル・チャージショット・△ボタンにセットしたテクニックで攻撃するとダメージが大幅に上がる(チェインフィニッシュ)というシステム。ダメージはチェイン数に応じて増加していく。溜まったチェイン数はチェインフィニッシュ時に0になるが、チェインフィニッシュを決めた後一定時間はダメージが増加する。
    • 従来作品で問題となっていた「フォトンアーツを連打するだけの単調な戦闘」に大幅な改善がなされたと言える。
    • ただし、武器カテゴリー間の調整が足りないのか、チェインを稼ぎやすい・稼ぎにくい武器で優劣が発生している。
  • 前作と比較して大幅にレベル上限が上がり(100→200)、装備、衣装、モンスター数が飛躍的に増加している。発売当初は本家PS2/PC版PSUを遥かに凌ぐボリュームであり(とはいっても本家と違いこちらはロビー・マイショップ等は無いが)、プロデューサーが謳う「超進化」の言葉に恥じない出来である。
    • 特に装備・衣装のボリュームは本家PSUに逆輸入されるほど多い。
  • 戦闘タイプ(職業)は、「ファイマスター」や「ガンテクター」などの上位職・複合職が廃止され、「ハンター」「レンジャー」「フォース」「ブレイバー」の4種類になった。また、職業毎に装備できる武器カテゴリ、グレードが決まっていたが、この制限は撤廃され、変わりに「タイプエクステンド」と呼ばれるシステムが導入された。これにより、職業の自由度が増した。
    • 「エクステンドポイント」とよばれるポイントを消費して、装備できる武器カテゴリを増やしたり、グレードを上げる。職業、グレードによって消費するポイントが決まっており、扱うのが得意な武器は少なくて済むが、苦手な武器は大量のポイントを必要とする。逆に、使わない武器を使用できなくして、ポイントを回収することもできる。「エクステンドポイント」はタイプLvが上昇するに従って増加していく。
    • このシステムが無ければ、後述の職種間のバランス問題は深刻化していただろうに違いない。
  • 今まで種族ごとの「特殊能力(必殺技)」はビースト専用の「ナノブラスト」、キャスト専用の「SUVウェポン」しかなく、ヒューマン・ニューマンには存在しなかったが、今作から新たに彼ら専用の必殺技「ミラージュブラスト」が実装された。種類は6属性分あり、闇属性はヒューマン専用、光属性はニューマン専用となっている。
    • しかし、ミラージュブラスト間のバランスはあまり良いとは言い難い。強力ではあるのだが…
  • 新たに「アビリティカスタマイズ」が搭載された。本家PSUでいうところの「GAS」である。これにより、キャラクターに個性が生まれた。能力を伸ばすものから、経験値、メセタの取得量を増やしたり、レアアイテムの出る確率を上げることが可能。
  • 「アイテム倉庫」の容量が200個から1000個に増加、「共有倉庫」への仕様変更により、アイテム収集を行いやすくなった。
    • 前作では何故か倉庫がキャラクター別に用意されており、キャラクター間のアイテム移動が不可能だった。しかし「共有倉庫」が実装されたおかげで、強いキャラクターで手に入れた装備を、別のキャラクターに装備させることが可能となった。
      • ただ前作「PSPo」の改悪された倉庫の仕様が元に戻っただけであり、決してこのシステムが画期的というわけではない。前作ではこの仕様が無いことを致命的な欠点とされており、たくさんの改善(というか修正)の声が出ていた。
    • またミッション中に所持品(及び最大所持数)がいっぱいになった場合、アイテムを「共有倉庫に送る」事が可能となり、ドロップアイテムを無駄なく拾えるようになった。
  • その他、ドロップシステム・インターフェイスの改善や、ストーリーモードのシナリオ強化など、細かい改善点を挙げればキリがない。
    • 従来のストーリーモードは自分のキャラクターが非常に空気な存在であり、決して開発者の謳うような「プレイヤーと共に進むストーリー」ではなかった。しかし今作ではそれが改善され、幾ばくかは自分のキャラクターがストーリーに絡むように感じられるようになった。特にエンディングのスタッフロール後は必見
    • 従来ならドロップアイテムが共有(1つのアイテムを4人で分ける)だったが、今作ではドロップテーブルごと別々(プレイヤー間でそれぞ違う抽選でアイテムがドロップする)になり、不平不満が生まれにくくなった。

賛否両論点

  • 技を使用する際に消費するPP(フォトンポイント)が、武器ごとの消費から全て1つのゲージから消費されるように変更された。
    • これにより従来では大量に持ち込んでいた武器を持ち運ぶ必要がなくなった。
    • これに関しては若干賛否両論で、この恩恵を受けた武器と地位を落とした武器が存在する。特に射撃武器は扱いが難しくなった。
    • 序盤ではテクニック重視のフォースの立ち回りが若干難しくなってしまった。
  • 「スケープドール」と呼ばれる、戦闘不能時にプレイヤーを蘇生してくれる救済アイテムが存在する。ミッション途中でこれを所持せずに戦闘不能になると「ミッション失敗」となり、ミッションを初めからやり直さなければならない。そのため重要なアイテムであるが、今作では一度に所持できる最大の数が1個に変更された。
    • 前作『ファンタシースターポータブル』、本家『ファンタシーユニバース』では10個まで所持できた。
    • たった1個しか持てないようになり、過去の「ごり押しゲー」から脱出し、より慎重な操作が求められ、アクション性が増した。しかし、ミッションの高難易度化、モンスターの強化が相まって、ライトユーザーからは非難の声も出ている。
      なにしろ敵の攻撃力と機動力が半端ではなく、レベルが3ケタをこえ、HPが4ケタになっても敵から攻撃されると即死か瀕死というゲームバランスで1個なのである。
    • ちなみに『ファンタシースターZERO』においては3個まで所持できていた。これぐらいが丁度よかったのではないだろうか?
  • ビーストの特殊能力「ナノブラスト」である条件を満たすと「暴走状態」となり、凄まじい攻撃力を得るのだが…。
    • なんと「暴走状態」では敵・味方無く攻撃する事が出来る。PK(プレイヤーキル)を行うことが出来る恐ろしい仕様。
    • そのためオンラインでは、元の状態に戻るまでフィールドの端で待機するビーストが続出。強い必殺技に限って暴走状態になり得るため、ビーストにとっては困り者。
  • マルチモードの敵のHPが、ストーリーモードに比べて非常に高い。通常の武器よりも、低確率で相手を一撃で倒す特殊効果:戦闘不能を持つ「即死武器」の方が早く、ラクに攻略できるため、「即死武器」が非常に流行したが…
    • 高難易度のエクストラミッションでは、相手のHPが高すぎるために、ハンターであっても事実上「即死武器」の使用を強制される。その戦闘スタイルは「チェインシステムを無視し、広範囲を攻撃できるPAを連打することで敵を倒す」であり、本家の戦闘スタイルを彷彿とさせ、単調でつまらない戦闘となってしまっている。これでは折角のチェインシステムも意味が無い。
    • なお、この即死武器は強力な武器を持っていないプレイヤー、またフォースが用いても簡単に敵を倒すことができるため、ある種の救済処置になっている。
    • 発売後配信されたミッションは、敵のHPが低く設定されていたり、即死武器が通用しない大型モンスターばかり登場するようになった。即死武器を使っても、使わずとも攻略できるようになっており、一種の棲み分けができている。
  • プレイヤーの回避力を十分に上げると正面からの物理攻撃に対して「自動回避」が発生、敵の攻撃が殆ど当たらなくなる
    • アクションが苦手な人にとっては、これもまた一種の救済処置になっているが、テクニックや一部の敵の攻撃はガッツリ当たる。
    • 回避する必要がなくなるため、せっかく追加されたガード・緊急回避をする必要が無い。アクション性の低下に繋がっているという指摘もある。
    • とはいえ、本作では飛び道具を持った敵が多く、高難易度になるにつれて敵の攻撃が全体的に激しくなる上に攻撃力も大きく上昇し、一度に多くの敵が一斉に攻撃してくるため、自動回避がないと辛いのもまた事実。
    • 特にストーリーモード(ソロプレイ用)では敵キャラの殆どがプレイヤーキャラを一直線に狙ってくる(パートナーキャラがいてもほぼガン無視して狙ってくる)仕様になっているため(一部例外はあるものの)集団で敵が出てくる場面では四方八方から敵の攻撃が飛んでくるため、緊急回避やガードだけではとてもさばききれない。緊急回避はPPを消費するため連発出来るほど多用は出来ず、ガードは正面以外(側面や背後)からの攻撃には無力。
    • 発売後配信された一部のミッションでは、敵の命中力が非常に強化されたため、敵の攻撃を自動回避することは困難になっている。ユーザーからは非難の声が出たため、再度難易度を下げて配信し直したということも。
  • 本来称号でしか手に入らないレアアイテムの一部が、後から配信されたDLミッションの景品となったが…。
    • たとえば、バトル称号の報酬の1つである両剣「クレアダブルス」。本来バトルを極めたプレイヤーにしか手に入らない、勲章とも呼べる貴重な武器であったが、後から配信されたDLミッションの景品となってしまった。さらに、称号報酬は無属性固定であるのに対して、DLミッションの景品は属性付きの上吟味まで行える*1
    • 強力な両剣「テンイムソウ」を手に入れるには、全ての称号を手に入れる必要があった。即ち、バトルを極めて、バトル関連の称号を全て得る必要があった。その「テンイムソウ」さえもDLミッションの景品に成り下がってしまった。
      • そもそも、バトル自体があまり好評ではない。職種間のバランスが非常に悪く、ラグの問題もある。それにも関わらずバトル称号には、勝利数に関連したものだけでなく、ある職を極めた場合に与えられるものも存在する。称号をコンプリートするにはそれぞれ4つの職種でプレイし極めなくてはならず、苦行を強いられる。*2
    • バトルをしなくても、貴重なアイテムが手に入る反面、アイテムのためにこつこつバトルを頑張った人は全く報われない状況となっている。
    • 以上のことから、オンラインでは八百長部屋が立つ始末。もはや「バトル=ただの作業」と認識されてしまった。八百長部屋を利用しても苦行なのは変わりは無いが。

問題点

  • インフラストラクチャーモードのラグが酷い。
    • そのためオフラインと同じタイミングでガードや回避を行ってもダメージを受けてしまう事も。
    • これは流石に携帯機かつ未開のシステムで、仕方が無いといえば仕方が無いとも言える。
    • その割にはマルチモード限定のミッションは、「誰かが回線落ち=離脱した時点でミッション失敗」となる事が多い。回線落ちしやすいプレイヤーにとっては、周りに迷惑をかけてしまうため恐ろしい仕様である。たとえ進行不能になったとしてもミッションを放棄すればいいだけである。
    • 発売後配信されたマルチモード限定のミッションには、この仕様は無い。流石にメーカーも気付いたのであろう。
  • 打撃武器・射撃武器・法撃武器のバランスが悪い。これによって、職業・種族間に明らかな優劣が発生している。
    • 「チェインシステム」の導入、PPがキャラクター依存になったことにより、PPを消費しつつチェインを溜める射撃武器、法撃武器は不利。
    • 敵には「耐性」と呼ばれるパラメータが存在し、「射撃耐性」ならば射撃武器のダメージを半減させる。問題なのは大型の敵の殆どが「射撃耐性」を持っていること。射撃武器では明らかに不利である。その割には、「打撃耐性」を持つ敵があまり居ないため、打撃武器は断然有利。
    • チェイン、耐性云々の問題ではなく、単純に打撃武器が強い。他の武器も戦えないわけではないが、打撃武器で戦った方が早い上、操作も難しくない。
  • その上武器のカテゴリー間に激しい優劣が生じている。例に挙げれば長槍(スピア)と双手剣(ツインセイバー)。技の威力・命中補正・モーションと全体的に優れており、前衛であれば最低1本は携帯するほどの万能っぷり。逆に不遇なのは長弓(ロングボウ)。もともと他の射撃武器とのバランスが取れていたはずであったが、何故か今作では敵防御力無視能力の撤廃・威力・命中力の低下など、今作でもっとも弱体化されてしまった武器のひとつである。
    • 更に付け加えれば従来作品から存在する技が、全体的に今作から追加された技と比較して一回り性能が劣っている。一部の技は今作でも通用する性能なのだが、大半が新技の劣化でしかなく、新技以外を使うメリットは薄い。
      • ナックル(鋼拳)の「イック・ヒック」などがいい例である。
    • 射撃武器カテゴリーそのものも前述したPPシステムの変更に伴い扱いが難しくなってしまった。
    • ロッド(長杖)にいたってはガード機能が無いのでただでさえHPや防御力の低いフォースにはきつい仕様。
  • 結果、打撃武器が得意なハンターが有利であり、射撃武器・法撃武器の得意なレンジャー・フォースは不利。その影響は種族にも及び、ハンターにあまり向かずHPも低いニューマンは上級者向けとなっている。
    • 「タイプエクステンド」のシステムが無ければ、レンジャー、フォースは強力な打撃武器を装備する事ができないため、この問題はもっと深刻化していただろう。
    • 無論HP・攻撃力の高くハンターに向くキャスト・ビーストが有利となっている。
    • ブレイバーは強力な「EXトラップ」と呼ばれるアイテムが使用できる。どれほど強力かと言うと、1つ使うだけで雑魚敵の集団を壊滅させることができ、またボスに関してはEXトラップを使うだけで倒せることがあるほど強力である。
  • 以上のことから職業のバランスが悪く、オンラインでは、ハンターとブレイバー使いが大多数にこのグラフから見て取れるように,ハンター・ブレイバーだけで全体の75%を占めており,特にフォースの使用率が8%であることは特筆に値する。
    • ただ高レベル帯になるとレンジャー、フォースの能力も十分高くなる。レンジャーは高い命中力を誇り、高レベルの敵のHPをしっかり削っていけるし、フォースはPPこそ多く使うもののチェインを稼がずとも大ダメージを与えられる。
    • 上記の要因により、レンジャーやフォースは多人数プレイでのチェイン数稼ぎや補助テクニックなどでハンター・ブレイバーの補助的役割を担うことのほうが多い。
  • 4段階あるミッションの難易度の内、A以降からの難易度の上がり方が極端に厳しい。難易度Aが解禁された直後に挑戦しようとすると間違いなく戸惑うほどの強さ。モーションがより素早くなり、敵の回避力が高く、ようやく攻撃を当てても滅多に仰け反らない等、従来の難易度の装備では思うように戦えない。
    • ミッション選択時に敵のレベルが表示される為、それである程度は敵の強さを判別することが出来る。しかし敵の強さの割に解禁レベルが早く、少し慣れたプレイヤーであれば必然的に選んでしまいがち。
  • 相も変わらず武器グラフィックのほとんどは、色だけを変えた使い回しが多数。個々のデザインが少ない。
    • ただ、過去作と比べると、今作はデザインが豊富な部類に入る。
  • バグは少ないが、フリーズするなどの強烈なバグがごく僅かに存在する。
    • 有名なのが"ロレイバグ"。マルチモードで「ディー・ロレイ」というボスと戦う前のローディングでフリーズすることがある。そのため、「ディー・ロレイ」と戦うミッションは不人気となっている。
  • システムの裏を突いて、アイテムの増殖(所謂DUPE)や不正にアイテムを入手できてしまう。さらに、異常な数値を持つ改造武器(通称、悪魔武器)が入ったデータがインターネット上に配布され、それを用いてオンラインモードをプレイする悪質なプレイヤーが出現した。
    • 幸いこのゲームはプレイヤー間のアイテム交換に制限がかかっていたから良かったものの、オンラインゲームかつアイテム掘りゲーではこのことは致命的である。
    • プレイヤーの年齢層が年齢層だけに、彼らはこれを「ウラワザ」程度にしか捉えていないのか、オンラインでは罪悪感も無く「悪魔武器(改造武器)持ってる人来て!」というような部屋が乱立することに。SEGAはその都度アカウント永久停止措置(BAN)を行ってはいると公言しているが、悪質なプレイヤーが長い間BANされなかったという事実もある。
  • 真のエンディング条件の1つに時間制限が必須なので、種族&職業によっては達成が困難。
    • 元々、『ファンタシースターオンライン』の「PSOファン感謝祭ファミ通カップ*3」のタイムアタックでハンター優位、レンジャー、フォースが不遇と言う結果を出しているのに、これを一部のクライアントオーダー込みでやらなくてはいけないのでキツイ。
    • サイドストーリーでは、時間制限クリア以外に、特定のキャラクター生存クリア、設備を防衛しつつ敵を倒す、手の込んだ罠回避クリアもある上に、その間にフルボイスのストーリーと分岐本編ストーリークリアーに関わる会話選択がステージ毎にある為、ゲームのテンポを崩す*4。しかもこれらの条件をクリアしないと真のサイドストーリーの続きが見られない。
    • ある条件付けのクライアントオーダーの中には、フルボイスのストーリーがスタート時に追加されている*5が、クリア後にはストーリーの追加が無く内容によっては戸惑うものがある。
  • ストーリーが明らかに“若い生身の男性主人公主観”になっていて、今作のヒロインの交流で女性主人公と中年以上の男性主人公が、身体を癒す表現で機械の身体を持つキャストに矛盾が起こっている。
    • 特に女性主人公を扱うプレイヤーからのクレームが目立った。『インフィニティ 体験版』では新ストーリー限定で女性主人公でも矛盾していない内容に戻されている。
  • 一部のサイドストーリーは前作や『ユニバース』2作品をやらないと全く判らない内容になっている。ビジフォン*6があっても判らないまま。
  • ビジフォンの十分の九以上が前作の流用。今作品限定のキャラクターの紹介についてはノーマルモードの中盤以降になっていきなりフラグ無しで内容が更新される。
    • 更新内容の中には「こんなストーリーあったの?」と言うものやクリアー後に出現するサイドストーリーのネタバレまで見られる。
  • 2012年2月22日をもって本作のインターネットマルチモードのサービスが終了されたため、インフィニティへの引き継ぎを行わないとオンラインモードがプレイできなくなった。

総評

  • 結果的に従来のイメージを覆し大幅な進化を遂げた一作。これにより無印PS2/PC版PSU以降低迷していたファンタシースターシリーズの地位を一気に復権させることに成功した。
    • 昔は数少ない純国産オンラインアクションRPGであり、かの「モンスターハンター」を凌ぐ地位を持っていた*7が、無印版PSUの販売時期の度重なる延期に始まり初期のバグや対応の悪さ、当初の作りこみの粗さが今の今まで大きく響くことになり、本作発売までその地位を底まで落としていた。
    • しかし、シリーズのファンの願いが届いたのか開発チームがシリーズ復権へと動き出し、開発陣とディレクターを一新。「超進化」と銘打って発売された本作は従来プレイヤーのみならず新規プレイヤーの心も掴み、シリーズ復権へ大きく前進する事に成功した。
  • 本作の成功によって、PS2/PC版PSUの更なる追加アップデートが決定された。これにより、一時は存続が危ぶまれたPSUシリーズはひとまず一定のレベルまで回復してきたと言えるだろう。