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機動戦艦ナデシコ The blank of 3 years - (2010/07/14 (水) 22:56:58) の編集履歴(バックアップ)


機動戦艦ナデシコ The blank of 3 years

【きどうせんかんなでしこ ざ ぶらんく おぶ すりーいやーず】

ジャンル サウンドノベル
対応機種 セガサターン
発売元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1998年9月23日
定価 6800円

概要

  • 1996年10月1日から1997年3月25日までの半年間、テレビ東京系で放送されたアニメ「機動戦艦ナデシコ」。
    好評を博し、後に劇場化もされたこのアニメを題材としたノベルゲームが本作である。
  • キャラゲーと言えば原作再現に終始する物が多いが、本作はなんと「原作終了後のストーリー」を描いている。
    • 1998年8月1日に劇場版アニメ『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』が公開されたが、この作品ではTVシリーズの三年後を舞台としている。
      「TVシリーズ終了から劇場版までの三年間、一体何があったのか?」について当時は全く描かれておらず、その空白の三年間を埋めるのが本作なのである。(だからサブタイトルが「空白の三年間」)
  • これ以前にもナデシコのゲームはサターンで発売されていたが、そっちはお世辞にも良作とは言えないゲームであった。
    「本作も同じような駄目ゲーではないか?」と多くのユーザーが思ってしまったのも当然だろう。
    しかし蓋を開けてみれば、意外なほどの良作であった。

特徴

  • セリフは全てフルボイス。アニメ本編で演じていた声優が全てそのまま出演している。
    • 現在の人気声優がズラリと並んでおり、今ではとても実現できないような超豪華ラインナップである。
  • 通常画面は一般的なノベルゲーに準じ、テキスト+背景+キャラクターの立ち絵、となっているが、シナリオの要所要所で一枚絵CGが入る。
    これもまた、アニメ本編に何ら見劣りしないハイレベルなCGである。
  • ノベルゲーに要求されるシステムも完備。
    既読スキップ・過去ログ読み返しなど、繰り返しプレイを前提としたゲームとして不足の無いシステムである。
  • 本作はあくまでもゲームオリジナルの物語。
    原作での「空白の三年間」に非常に近いシナリオもあるものの、ナデシコ世界の正史として「TVアニメ」→本作→「劇場版アニメ」、という流れになっている訳ではない。それどころか、「絶対に劇場版に繋がらないシナリオ」も存在する。
    • ただし、シナリオ1のイツキエンドはそのまま正史としてあてはめてもまったく支障のない話ではある。

シナリオ

  • TVアニメ最終話にて、ナデシコは火星から地球へ向けて出発するところで終わるのだが、本作はその出発シーンから始まる。
    地球目指してワープしたナデシコ、ワープアウトした艦内に、木連(敵軍)の軍服を着ていて、記憶を失っている主人公が突如として現れる。
    その後、選択肢への答え方に応じて4つのシナリオに分岐し、各シナリオでそれぞれヒロインも異なる
    そう、 ナデシコ本編に登場していたほとんどの女性キャラクターが恋愛対象ヒロインなのである。
    • さすがに本編でアキトと結ばれたユリカを寝取ることは出来ないが、それでもユリカのシナリオも存在する。
    • 基本的にヒロインといっても明確に恋愛関係で描写されるヒロインは実際には多くなくやや好意の混ざった友好関係といったところ。
  • 各シナリオはパラレルワールドの関係にあり、それぞれが「ありえたかもしれないテレビシリーズの続編」を描いている。
    • シナリオ1:うずもれた「恋のあかし」
      • 「正史」にもっとも近いシナリオ1。
        ナデシコを降りてラーメン屋を始めたアキト、看板娘として手伝うユリカ、チャルメラを吹くルリの三人と主人公が一緒に暮らす物語。
        アキトとユリカの結婚式をナデシコクルーの面々と共に祝福する場面で終わる。
    • シナリオ2:虚空の「遺産」
      • テレビアニメの終盤で語られるはずだったが、結局削られてしまった「古代火星人文明」の正体が明かされる。シナリオを書いたのはテレビシリーズでSF考証を担当していた堺三保本人。
    • シナリオ3:「思いで」は刻のかなたに
    • シナリオ4:キミが目指す「遠い星」
    • 4つのシナリオを一通りクリアすると、おまけであるゲキガンシナリオに入れるようになる。
      • 物語開始時に主人公の所持品として「イツキ・カザマ」の写真があるのだが、それがゲキガンガーのヒロインの写真になる。

鬱要素

  • 一部のシナリオでは、かなり救われない展開となる。
    本作の目玉の一つに、原作アニメであっさり死んでしまった「イツキ・カザマ」が再登場する! というものがあったのだが、彼女も流れ次第では悲劇的な運命を辿ってしまう。
    • 念のために補足すると、明確に死亡が確認されたわけではなく、死亡したとされているだけである。(ボソンジャンプに巻き込まれロスト、ボソンジャンプは適性がない人間は耐えられないとされていることから死亡とされた。この作品では適正があったという扱いになる。)
  • シナリオ1はアキトとユリカの幸福な結婚式で幕を閉じ、そのまま二人はハネムーンに向かうわけだが、劇場版の確定正史として、この飛行機が火星の後継者によって墜落させられ、二人とも拉致された上、過酷な人体実験の材料とされてしまう。
    二人が幸せそうであればあるほど、この先に待つ悲劇が際立つ。

総評

  • アニメ本編の雰囲気を損なうことなく、様々な方向に話を広げた良作。
    女性キャラクター、特に「ホシノ・ルリ」が絶大な人気を集めたアニメだけに、それらのキャラクターを恋愛対象としつつ、シナリオ面でもしっかり楽しめる本作は高く評価された。
  • なお、全てのヒロインはどれか一つのシナリオでヒロインとして登場するが、ルリだけは例外的に二つのシナリオでヒロインになっている。
    もちろんシナリオも全く異なっており、ここからもルリの人気の高さが伺える。