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BIOHAZARD 2 - (2013/04/25 (木) 12:42:29) の編集履歴(バックアップ)


BIOHAZARD 2

【ばいおはざーど つー】

ジャンル サバイバルホラー
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 カプコン
発売日 1998年1月21日
定価 7,140円
配信 ゲームアーカイブス:2007年12月26日/600円
備考 デュアルショック版、他機種版は後述
バイオハザードシリーズリンク


概要

『バイオハザード』シリーズのセカンドタイトル。基本的なゲームシステムは前作を踏襲しつつ、多数の敵に襲われるという「数の恐怖」を追求する方向にシフト。
2人の主人公によるザッピングシステムや、クリア後のエクストラゲームなど、続編らしい新要素も多数追加されている。


プロローグ

アメリカ中西部、広大な森林地帯に囲まれた小さな街「ラクーンシティー」。
大手一社の薬品産業に支えられ、普段はほとんど人の訪れることのない、静かなこの街が奇妙な猟奇事件で取り沙汰されて2ヶ月…
街は今、新たな惨劇の舞台へと変わろうとしていた。

ラクーンシティーに向けて夕日に染まったハイウェイを走る一台の車があった。
レオン・S・ケネディー。 ラクーン市警に新しく配属が決まった新米警官だ。
配属初日を派手な遅刻で飾ることになりそうだが、市警察からは何の音沙汰も無い。
というより、何度となく交信を試みているのだが、まったくつながらないのだ。
「まあいい」レオンは呑気に構え、愛車を走らせる。

同じ頃、クレア・レッドフィールドは、音信の途絶えた兄の消息を追っていた。
ラクーン市警に身を置く兄からの連絡がなくなって2ヶ月…。
兄の身に何が起こったのか? 未だ解明されないあの猟奇事件と何か関係があるのか?
異様な胸騒ぎを感じながら彼女はラクーンシティーを目指してバイクを飛ばす。

圧倒的な恐怖と絶望の支配する世界が待つことを二人はまだ知らない…。


評価点

ザッピングシステム

  • 本作には「表シナリオ」と「裏シナリオ」が存在し、『レオン表』『レオン裏』『クレア表』『クレア裏』の4種類のシナリオが用意されている。
    • カプコンが発売前から売りにしていた新要素であり、この手のゲームとしては破格のボリュームを誇る。
    • 『レオン表』と『クレア裏』で1つ、『クレア表』と『レオン裏』で1つの、2つのストーリーが存在する*1
      • 最初は表シナリオしか選べず、クリアすると対応する裏シナリオがプレイ可能となる。「レオン(クレア)が行動していたとき、クレア(レオン)は何をしていたのか」という視点を味わうことができる。
    • 表シナリオと裏シナリオではストーリーの他にも、登場する敵の種類やアイテムの配置などが大幅に異なるため、新鮮な気持ちで楽しめる。
    • 表シナリオで取った行動が対応する裏シナリオに影響を及ぼすことがあり、これらをザッピングと呼ぶ。これにより裏シナリオへの影響を考慮した戦略が必要となる。
      • ザッピングポイントの例としては、表シナリオで武器庫のアイテムを回収してしまうと裏シナリオではそのアイテムが無かったり、表シナリオでゲスト登録をしておかないと裏シナリオでゲスト登録をしても入れない部屋があったりする。

主人公能力の平均化

  • 前作では主人公によって体力などの性能が異なっていたが、本作では差異が全く無く、専用武器・アイテムやストーリーなどで差別化されている。
    • これにより、初心者でも自分の好みで主人公を選択でき、ストーリー展開の違いが際立つようになった。

敵の増加

  • 技術的な面の改善により同時に多数の敵を表示できるようになったため、多くの敵に襲われるシチュエーションが増えた。
    • 前作では使い辛かったショットガンが使い易くなり、同時に多数の敵をなぎ倒す爽快感も生まれた。
      • ただ、レオンの場合「ショットガンの扱いに慣れていない」という理由で、ショットガンの反動が前作に比べかなり大きい為、連射は利かない。ちなみに腰だめで発砲するのだが、これはショットガンではあまり奨められない構えである。
    • 入手できる弾薬数も増加したため、前作ほどシビアに弾薬を節約する必要はなくなった。

演出の強化

  • HPによって主人公の移動モーションが変化し、腹部を抑えたり足を引きずったりする。移動速度も低下し、瀕死状態では通常時の50%になる。
    • ステータス画面を開かなくてもHPの減り具合が解るようになり、同時にHPの減少による危機感や緊張感を味わえるようになった。
  • 敵の登場やビックリ系演出が凝っており、多くのプレイヤーに恐怖を与えることに成功している。
    • ゾンビの腕、目の前でゾンビ化する警官、Gの各形態の登場シーン、タイラントの壁破り、天井から落ちてくるリッカーなど。

バランスの改善

  • ゾンビの弱体化や弾薬数の増加により、前作に比べ難易度を抑えつつ、やり応えを損なわないバランスに仕上がっている。
  • 前作のDC版と同様にイージーモードを搭載。アクションゲームが苦手な人への配慮も万全となった。

エクストラゲームの追加

  • 特定の条件を満たす事により、2種類の隠しシナリオをプレイできる。
    • 「The 4th Survivor」は、Gウィルス奪取のためにアンブレラに雇われた傭兵の一人「ハンク」を操作してゴールを目指す。
      • ハンクが「4人目の生存者」であることは公式設定であり、後の作品でもゲストキャラクターとして操作できたり、作中の文書に登場したりする。
      • マスクを着けており、クリア後のランク画面でも素顔は見えない。ただし『3』のエピローグファイルにて素顔を確認できる。
    • 「The 豆腐 Survivor」は、豆腐を操作してゴールを目指す。冗談や比喩ではなく、本当に豆腐
      • 「フォース」と「とーふ」を掛けたダジャレが由来。シリーズを通しても珍しいお笑いシナリオだが、その分出現させるのは少々面倒。
      • ルートや敵の配置はハンクと同様だが、武器がナイフのみのため難易度は非常に高い。
      • 移動中の効果音、ダメージボイス、断末魔などは非常に特徴的。HPの減少に応じて体色は赤くなってゆく。
      • 凶暴な敵が跋扈する警察署内を豆腐が駆け抜ける姿は、非常にシュール。クリア後のランク画面も必見。
      • 後の作品で「トーフサバイバー」としてまさかの復活。火の中から焼き豆腐となって登場したりと、やけに凝った演出もある。
      • この「豆腐」、元々はデバッグ用のオブジェクトを流用したものである。収録の際に開発スタッフによるボイスが登録された。

多彩な隠し要素

  • 前述のエクストラゲーム以外にも、多くの隠し要素や小ネタが存在する。
    • シリーズ定番の隠し武器は3種類。その内の1つはシリーズでは珍しいガトリングガンである。
    • 隠しコスチュームも健在。さらにそれを手に入れる経緯や場所は前作や『3』のストーリーとも結びつけられている。
    • 警察署内に前作の登場人物達が使用していた部屋があるのだが、ある人物の机を50回調べると隠しアイテムが手に入る。その人物の意外な好み?が分かる。
    • 主人公を画面側に向けて発砲させると、まれに画面に穴が開く演出がされることがある。
      • 爆発系武器などでは見られないほか、固定カメラ視点の位置関係の問題もあるため、狙って見ることは意外と難しい。見ることができたらラッキー?

問題点・賛否両論点

ザッピングシステムの甘さ

  • 一方が他方のシナリオに絡むことが少なく、途中で再会しても少々会話するだけ。『0』のように「協力して脱出を目指す」というコンセプトで作られた作品ではないためとも言えるが、それにしても若干不自然。
  • 表シナリオと裏シナリオで、ストーリーに細かな矛盾が散在している。
  • アイテムのザッピングポイントが非常に少なく、その場所以外では片方が入手したはずの弾薬をもう一方が同じ場所で入手できるため、違和感がある。

ホラー性の減少

  • ハリウッドホラー映画に見られるビックリ系の演出にやや偏っており、前作にあった"雰囲気重視の恐怖感"が感じられる場面は少ない。
    • ただ、『1』と同様の演出に執着してしまうと「進歩がない」とも受け取られるので、こういった変更は妥当だったとも言える。
  • ゾンビの数が大幅に増加したことを、数の恐怖というよりも、恐怖の安売りと受け止めたユーザーも少なくない。
    • ただ、ホラー作品はジャンル問わず、大概慣れとの戦いになるものであり、特に本シリーズに限ったことではないだろう。方向性はともかく、演出の質自体ははハード性能に伴ってこの後も向上してゆく。
    • 実際、完全に開き直って(?)アクションに重きを置いた作品が『4』であり、それまでの殻を破った名作として評価されている。

総評

前作から正当進化を遂げた続編。ゲームシステムを発展させつつ不評だったゲームバランスに調整を施し、多彩なシナリオやおまけ要素といった新要素も追加されている。
数の恐怖を追求したことでホラーテイストが幾らか薄れた部分はあるが、演出面でカバーしており、前評判に違わぬ完成度の高い作品と言える。
売り上げも『5』に次ぐシリーズ歴代2位を記録している。


余談

グレネード弾の仕様

  • 本作のグレネード弾は『1』とは違い、発射された弾が5つに拡散した後、それぞれ爆発するという性質を持つ。
    • 硫酸弾や火炎弾に比べると射程が短いが、大型の敵や密集した敵に対しては有効な攻撃手段となる。
    • グレネード弾にこのような仕様があるのは本作と『GUN SURVIVOR』『CODE:Veronica』のみで、他作品ではほとんど単発仕様となっている。
    • グレネード弾に相当する弾の名称も、「榴弾」「炸裂弾」など作品によって異なる。
    • ちなみに「硫酸弾」なる弾種は実際には存在しないが、「榴散弾」は存在し、本作のグレネード弾に似た性質を持つ。「硫酸弾」の着想は「榴散弾」の変換ミスから得たという説がある。

没になったBIO HAZARD1.5

  • 一度メディア露出まで行ったバージョンがキャンセルされている。『2』になりきれなかった作品として、『1.5』と呼ばれている。本作との主な違いは以下の通り。
    • 女性主人公は金髪で女子大生レーサーのエルザ・ウォーカー。男性主人公は『1』の主人公クリスのような短髪で、パートナーとして『2』にも登場するマービンが最後まで付き添う。
    • 警察署は近代的なビル。ゲームシステム的にシャッターを降ろせるようになっていたなど、後の『OUTBREAK』に受け継がれる要素もあった。
  • 結局『1.5』は陽の目を見ることはなかったが、このシステムを手直しして『鬼武者』が世に出ることとなる。
    • 『4』も途中で一旦作りなおされ、そこから『デビルメイクライ』が生まれた。作り直されると名作が生まれるのは、ちょっとしたジンクス?

その後の展開

  • レオンは『4』、クレアは『CODE:Veronica』で再び主人公として抜擢される。
    • 他にも『THE DARKSIDE CHRONICLES』では本作の熾烈な戦いをクロニクルズシリーズのシステムで追体験出来るほか、『4』以前のエージェント時代のレオンを見ることができる。 
      • ちなみに『DARKSIDE CHRONICLES』では、クレアがゾンビをナイフ投げで仕留めるシーンや、本作に沿うなら本来開かないはずの扉を蹴り破って進むシーンがあり、シリーズファンの誰しもが一度は心の中で思ったであろう行動を実現してくれた。あの兄(クリス)あってのこの妹か。

初版以降の作品について

BIOHAZARD 2 DUAL SHOCK Ver.

対応機種 プレイステーション
ニンテンドーゲームキューブ
高解像度で見る 裏を見る
発売日 【PS】1998年8月6日
【GC】2003年1月23日
定価 5,040円

『ディレクターズカット』と同様のアッパーバージョンである。以後「DSVer.」と表記する。
タイトルのとおりデュアルショックに対応した以外にも、以下のような変更点・追加要素がある。

  • ミニゲーム「EXTREME BATTLE」の追加
    • 研究所から警察署に向かい散逸した対ウイルス用の爆弾を回収するという内容。本編に登場するレオン、クレア、エイダ以外にも、クリスが使用可能。
  • 難易度の追加
    • 北米版の難易度(自動照準無し、敵の配置変更、敵の攻撃力・耐久力上昇)でプレイできる「U.S.A.モード」が追加。
    • 初期装備が無限サブマシンガンに変更され、ボックスに強力な各種武装が用意された「ROOKIEモード」が追加。
    • さらに、すべての武器の弾数が無限になる隠しコマンドが用意されている。このコマンド入力はやり方さえ分かっていればいつでも出来るし、再度コマンドを入力すると解除することも可能。コマンド使用による制約も一切無いため、初心者でも簡単に短時間クリアが出来るようになる。
      • ちなみに後にも先にも隠しコマンドによる弾数無限はこの作品だけである。また、このコマンドを使用した時のみ、ナイフにも∞マークが付く。
  • ゲームキューブでも発売されたが完全ベタ移植である。そのことを一切告知せずフルプライスで売り逃げたカプコンの姿勢は批判された。

Windows版

対応機種 Windows 95/98
画像は 2000/XP 対応版
発売日 1999年2月19日
定価 6,090円

DSVer.をベースに、キャラクターやオブジェクトがより鮮明になったほか、開発資料などを見ることのできる「ギャラリー」モードの追加、移動中の演出スキップが可能となっている。

ドリームキャスト版

対応機種 ドリームキャスト
発売日 1999年12月22日
定価 5,040円

上記Win版がベースで、最凶最悪の難易度「Nightmare」を追加している。

ニンテンドウ64版

対応機種 ニンテンドウ64
発売日 2000年1月28日
定価 8,190円

DSVer.ともまた違う内容であり、DSVer.にない追加要素がある。

  • EXファイルの追加
    • 『2』以降の作品に登場した一部のファイルが、作品内のある場所で閲覧できるというもの。中には、当時開発中だった『0』の内容を匂わせるものも…。
  • 操作法の変更
    • オプションで、ラジコン式の操作を『MGS』のような直感的な方式に切り替えることができる。
  • 隠しコスチュームの変更
  • 他にも、ボウガンの仕様変更など細かい変更点あり。