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アンダーディフィート - (2013/07/18 (木) 18:27:24) の編集履歴(バックアップ)


アンダーディフィート

【あんだーでぃふぃーと】

ジャンル (非弾幕)縦シューティング
対応機種 アーケード(NAOMI)
発売・開発元 グレフ
稼働開始日 2005年
分類 良作

概要

  • 「古典的2D縦シューの世界を本格的に3Dで表現する」というあまりありそうでないユニークな手法をとっている、半3Dの2D縦シューティング。舞台は架空の第二次大戦といった雰囲気。
  • 自機ヘリの名前はデモで示されている「試作空中戦車 VKL5.03(P)」。この名称から既に本作全体の雰囲気がにじみ出ている。

特徴・評価点

  • シューティングゲームの範疇を明らかに越えている度の過ぎた凝り様の爆風・煙・破片などの表現が目立つ。本作最高の魅力である。
    • 自機から落ちるメインショットの薬莢はまだしも、真下が水面であれば水没する薬莢の飛沫まで書き込まれている。水面の映り込みも抜かりない。
    • ラスボス「ブローン自走要塞」最終形態における驚愕の攻撃手段とリアルすぎる絶望的防御能力、そして重々しく邪悪な威圧感を放つ専用BGM「Huge Deadend」。その見た目は単なる巨大戦車で一見地味めではあるが、ケイブ作品などの弾幕シューティングの真ボス級とは全くの別ベクトルでシューティング史に残る迫力を放っていた。メジャーな作品とは言い難いが、隠れた名ボスといえるだろう。
  • 発売当時では極めて珍しい非弾幕シューティングで、ゲームバランスも良好。同時期にスマッシュヒットを飛ばした同社作品「旋光の輪舞」とは別のチームが作成したという月刊アルカディアで語られた逸話も重なり、グレフ全体の底力を匂わせる作品となった。
    • フランスの番組リンク先の25:40~での丸山社長へのインタビューでは「グラディウスVの開発で手のあいた2名が作った」旨などが語られている。
  • 細江慎治氏によるBGMも俊逸なものが揃っている。ポップすぎず重すぎず、絶妙な路線。
  • 2周目は難度の差以外に「全てが左右反転している」「背景の色やステージ天候が全く違う」という差があり、2周しても飽きない工夫がさらに本作の評価を上げている。
  • 自機パイロットであるふたりの女性軍人がステージクリア時のリザルト画面で表示される一枚絵において先の面ほど段々微妙にセクシーな格好やポーズになっていく。2周目でのイラストは1周目とは異なり、ふたりがプライベートでも親密であることを想像させる。
    • このふたりのパイロットの公私を描いたイラストは決して本作の世界観から浮いたおまけなどではなく、ラスボス勝利時・エンディングデモ・スタッフロールで三連続する絶望的演出により凄惨なまで後味の悪さを強調している。
      • そもそもアドバタイズデモ中で説明されるストーリーがあまりにも不毛であり、タイトーの系譜であるアーケードシューティングらしい非常にダークな一面も密かに話題となった。

欠点

  • 『レイストーム』や『ゼビウス3D/G』などの頃から続く3Dのクォータービューシューティングの宿命であるが、操作にも視点にも若干癖がある。敵の攻撃が見切りにくい、自機の当たり判定が直感的ではないといった指摘も多い。
  • ゲームバランスは良好とはいえ、オプション「バルカン」が少し弱すぎる感はある。後半のボス…特にラスボス最終形態はロケット以外でまとまったダメージを与える事が難しいためロケット一択に近い点も改善の余地があったのではないだろうか。
    • 詳細は後述するが、リメイク移植作『アンダーディフィートHD』および『アンダーディフィートHD+』ではオプション間の性能格差が是正され、自機の攻撃性能バランスが概ね改善された。
  • ボム補充は多量にあるが、エクステンドが一切存在しない。「ボム補充があるのだからエクステンドは不要と考えた」というスタッフインタビューでの言葉はあったが、一度凡ミスするとクリアまでのモチベーションが下がる点は少々勿体無い。
  • 残念なことに、直近作である「ボーダーダウン」の出来の影響で、導入店舗が極端に少なかった。どれぐらい少ないかというと、「大都市圏内でも皆無もしくは希少」「STGに力を入れてる店でもことごとくスルー」と言った具合。加えて、グレフと言うだけで評価対象としないという層まであり全般的に不当な評価を受けていると言わざるを得ない。

その後の展開

  • 2006年にドリームキャストへ移植された。
  • 2012年にはPS3/Xbox360に『アンダーディフィートHD』として移植され、追加機体がDLC配信されている。
    • グラフィックがHD用に描き直された事を除けば本編の純粋な移植である「アーケードモード」と、横画面をフル活用する為アレンジされた「ニューオーダーモード」がプレイできる。
  • 2013年に上記『HD』をベースに、更にモードと機体を追加した逆移植版『アンダーディフィートHD+』がALL.Net P-ras MULTIで配信開始された。
    • 追加された第三のモードは、ニューオーダーモードを更にアレンジした「ニューオーダーモード+」。詳細は公式サイトを参照。
      • いずれのモードもBGMが無印からほぼ総入れ替えとなっている点には賛否両論ある。

余談

  • マスコットキャラともいえる自機パイロットの女性軍人二人組は当初設定も名称も一切公開されておらず、2chシューティング板でいつの間にやら1P側の赤髪の女性が「アン子」、2P側の銀髪の女性が「デフ美」という非常になげやりな愛称がついていた。そして、「アン子」「デフ美」と公式側にまで呼ばれるという謎の事態が話題になった。
    • しかし、後にサントラ付属のドッグタグにてアン子こと1Pは「アデーレ=フリードリッヒ」、デフ美こと2Pは「ヴィルヘルミーネ=ミューラー」というドイツ系のありふれた名前である事が発表された。
      • 今まで名前を「非公開にしていた」のではなく「決めていなかった」可能性もあるが、真相は開発陣のみぞ知る。
  • ヘリコプターを自機とする3D描画のシューティングということで『ゼロガンナー2』を連想する人もいるかもしれないが、あちらは全方位STGなのでプレイ感覚は全く異なる。
    むしろ初代『ゼロガンナー』のグラフィックとシューティングとしての完成度が超絶進化したもの、と言った方が近いかもしれない(初代はマイナーなので知っている人は少ないと思われるが)。