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GUILTY GEAR XX - (2013/08/19 (月) 19:46:11) の編集履歴(バックアップ)


GUILTY GEAR XX

【ぎるてぃぎあ いぐぜくす】

ジャンル 対戦格闘アクション



対応機種 アーケード(NAOMI)
販売元 サミー
開発元 アークシステムワークス
稼働開始日 2002年(XX)
2003年(#RELOAD)
2005年(SLASH)
2006年(ACCENT CORE)
2012年(AC PLUS R)
分類 良作
ギルティギアシリーズリンク

概要

2000年に発売された格闘ゲーム『GUILTY GEAR X』の続編。
前作の好評判で高まっていた期待に見事応える形の出来で、アーケード格闘ゲームにおける新たな大ヒット作として一時代を築いた作品。
本記事では2002年稼働の『GGXX』から、最終作の『GGXX AC+R』まで一通り解説する。

GGXXでの追加・変更点

  • 操作方法が1レバー4ボタンから5ボタンに。パンチ(P)・キック(K)・斬り(スラッシュ、S)・大斬り(ハイスラッシュ、HS)に加えて、ダスト(D)が追加。前作ではS+HSの同時押しだったダストアタック(相手を吹き飛ばす中段技)と足払い(相手をダウンさせる下段技)がDボタン一つで出せるようになり、空中版ダストアタックも追加されて空中戦の立ち回りの選択肢が増えた。
    • この他にもシステム面では数多くの変更点が追加されている。
      • 特定の技を受けると通常より遥かに長いのけぞりが発生する「よろけ状態」の追加。ただしよろけはレバガチャでのけぞり時間を短縮可能。
      • 空中投げの追加。前作では空中フォルトレスディフェンスを崩せる技が無かったため空中FDは防御時での安定行動であったが、これで対抗することができるようになった。
      • 「基底ダメージ補正」の追加。特定の技をコンボ始動にすると、その後につなげた全ての技のダメージが増減する。
      • ダウン状態の敵に追い討ちした時の挙動の変化。前作の起き攻めハメ対策の一環。
      • FCDの廃止。ガトリングコンビネーションで出した技は全て足払いフォルトレスディフェンスキャンセルが不可能になった。ただし単発技の出掛りをフォルトレスディフェンスでキャンセルすることは可能なまま。
      • ガードバランス(前作では「ガードレベル」)周りの仕様の変化。技の攻撃レベルが3段階→5段階に増加、ガードバランス上昇時のダメージ増加修正の廃止など。
  • サイクバースト
    • 全身から波動を出して相手を吹き飛ばす無敵技。体力ゲージの下にある「BURSTゲージ」が満タンのときに使える。
    • ニュートラル時に出した時と喰らい中に出した時とで性能が変わる。前者(金サイク)ではテンションゲージが100%溜り、後者(青サイク)は連続技を受けている最中に出すことで抵抗して逃れることが可能。
    • この追加により、「相手のバーストを読んでガードする」「投げ無敵はないので空中投げで潰す」「BURSTゲージはなかなか溜らないので使いどころを考える」といった新たな読み合いが発生。なかなか考えられた仕様となっている。
      また、GGシリーズはコンボゲーとしても有名なのだが、「長ったらしいコンボを食らってる間は何もできない」というゲーム性の問題に対する解答ともなった。
  • フォースロマンキャンセル
    • 通称FRC、青キャン。ロマンキャンセルの亜種。「特定の技の特定のタイミングでロマンキャンセルを入力」すると、青いエフェクトを発しつつテンションゲージの消費量が通常の半分(25%)でロマンキャンセルがかかる。
      これを使うことにより、飛び道具を盾に攻めたり、フェイントをかけたり、コンボに組み込んでさらにダメージ、ヒット数を伸ばすなどより多彩な動きが取れるようになった。
    • ただし、成功猶予が極端に短い(技にもよるが、基本的に秒間60フレームのうち2~3フレーム=0.03~0.05秒)ため、安定して成功させるためには練習が必須。そしてこれを覚えないと対戦では話にならないのも、本作のハードルが高くなっている原因のひとつ。
  • フォースブレイク
    • ACから追加された要素。発動にテンションゲージ25%を要する必殺技。性質は「通常の必殺技の強化版」だったり、独自の性能を持つ技であったりと様々。
  • スラッシュバック
    • ACから追加された要素。S&HSボタン同時押しでキャラの周りに金色のエフェクトが出現、その状態で相手の攻撃を受け止めると、ガード硬直が大幅に短縮されるといった恩恵が得られる。ただし、失敗すると少しの間ガード不能になる為、リスクは高い。
      受付時間が短いため感覚的にはスト3シリーズの「ブロッキング」に近い。

バージョンアップ

※キャラ性能、ゲームバランス関連については「おおよそこうだった」という感じで記載しています。
特に現行稼働中のAC+Rはパッチ配信によるバージョンアップで対戦バランスが修正されていくため、最終的な結論はまだ出せません。

GGXX

2002年稼働開始。後作と区別するために「無印XX」等のように呼ばれている。
基本的なシステム面は概ね完成しており、前評判の高さもあってか大盛況であった。
ただし、キャラクターのバランス調整に難があった点は否めない。

  • エディ、スレイヤーあたりが強キャラor壊れキャラとされる。前者は相手の起き上がりにガード不能連携を重ねる起き攻めが強烈無比、後者は火力の高さとコマンド投げ「血を吸う宇宙」を相手が気絶するまで連続で決め続ける「吸血ループ」なるコンボがあるなど、「攻め攻めのゲームだけど明らかにコレおかしいだろ…」と思うような部分もあった。
    他にも、ソルは「Dループ」という新テクニックの火力がおかしかったり、ジョニーが投げから3.5~4割を ノーゲージ で減らせるなど、強いキャラはとことん強かった。

#RELOAD(シャープリロード)

『GGXX』から約1年後の2003年稼働開始。ところがここで早くも問題が起こる。
というのも、初期バージョン(タイトル画面の「#RELOAD」の文字が赤かったことから、「赤リロ」と呼ばれた)の作り込みが非常に甘く、バグが多いわフリーズが多発するわ永久コンボがあるわ、と問題だらけで、客が一気に飛んでしまった。
プレイヤー達が署名活動を行った結果、無償バージョンアップされることが決定。この新バージョン(タイトル画面の「#RELOAD」の文字が青かったので、こちらは「青リロ」と呼ばれた)登場で再び活気を取り戻し、GGXXシリーズは全盛期を迎えた。

  • 『#RELOAD』と言えば基本的に「青リロ版」を指す。もっとも赤リロは当然ながら移植は全くされていないし、プレイヤー間では「青リロ」と言った方がすんなり通じる。
  • ただし、弱体化されたとはいえ相変わらず狂った強さを誇ったエディ*1やスレイヤーの暴虐、一方でいまいちな性能のカイやチップなど、キャラ差に関してはまだまだいかんともしがたい部分もあった。

SLASH

2005年稼働開始。タイトルにはスラッシュ(/)を「X」の半分に見立てた「2.5作目」という意味が込められている。
が、「青リロと変わらないプレイ感覚に飽きた」とする意見や、青リロで強かったキャラを弱くしつつ使いやすいキャラを露骨に強くした調整や、火力がマイルドになった事は賛否両論。

  • マイルド調整になったとはいえ、全体的なバランスはシリーズ最良とは言われることもある。特にぶっ飛んだ性能だったエディとスレイヤーの調整だけは 「シリーズ最良の調整」 といわれる事も多い。当然ながらエディ・スレイヤー使いからは不評ではあるが…。
    ただし、あからさまに強くしすぎたカイ、それとは対照的に大幅弱体を受けたロボカイといった、極端な調整も見られる。
  • また、従来のシリーズでは「昇竜*2>波動*3」だったコマンドの優先順位*4が、何故か「波動>昇竜」に変更されたためコマンド入力がしづらくなった点も不評。
  • 火力マイルド化とコマンド優先順位の変更さえなければ…と惜しむ声も多い。

ACCENT CORE

2006年稼働開始。新キャラの追加こそ無いが、ボイス新録や新システム導入、一部グラフィックが変更されている。
GGシリーズの攻めのゲーム性を強めており、システムは完成したと言ってよい。

  • キャラクターバランスについても再び最強ランクに返り咲いたエディ、スレイヤー等が幅を利かせてはいたが、攻め強化により下位キャラでも上位キャラを喰えるため、以前のような詰んだ組み合わせはほぼ無くなった。ただし、少しのミスですぐに逆転されたり即死級のダメージを受けることが増えたため、「バランスが大味」「これじゃアクセントコアならぬ『アクシデント(事故)コア』だ」と揶揄するプレイヤーも多く見られた。逆に言えば「腕があっても一瞬の油断が命取りなゲームだ」ということでもあり、追い詰められていてもチャンスさえつかめば逆転を狙える為、一概に悪いとはいえない。

ACCENT CORE +R

『AC』稼働から実に6年後の2012年に稼働開始。セガの新型基板のロンチタイトルであり、恐らく最終版となるであろうタイトル。
新作というには物足りず、あくまで今まで本シリーズを遊んできたマニア向けのタイトルと言える作品だが、調整内容も概ねマニア受けするものとなっており、ネット接続機能を活かした機能(バランス調整パッチ配信やカードへの戦績記録など)が搭載されている。

  • 「アクシデントコア」と呼ばれたACの問題点は強力な技の弱体化、体力の全体的な増加といった変更により解消。キャラクターの調整もACの「全キャラ尖っていて強い」という方向性を曲げず、各キャラクターの作り込みもより増した。キャラクターバランスもおおむね良くなっている。ただし、ザッパやディズィーなどの一部キャラは未だに強すぎると言われており、今後の調整に期待したいところ。

シリーズ全般に渡る評価点

爽快感バツグンのアクション

操作面での自由度が非常に高く、素人でも適当に動かすだけでそれなりに戦えるし、CPU戦の難易度も低めのため馴れるのも早く、
操作する楽しさをすぐに実感できる。もちろん、後述するように対戦で勝つには相当の修練が必要になる。

  • その自由度の高さから立ち回りでの読み合いも非常に選択肢の幅が広い。同じキャラを使っていても、人によって目に見えて動きが違ったりする。見ていても楽しい。
  • コンボで大ダメージを与えることを軸とし、ゲームバランスはきちんとした構造となっている。
    • よく「コンボゲー」と言われやすい本作だが、触りさえすれば長いコンボ+大ダメージといった類ではなく、それまでの立ち回りがコンボの精度以上に重要となるし、サイクバーストで抜けられたりもするので読み合いが非常に重要。

個性豊かなキャラクター達

何より、本シリーズの魅力はこれらのシステムを存分に生かした、他に無い個性豊かなキャラクター群にある。
本作では『ゼクス』までの16人+新しいキャラが4人追加、さらにバージョンアップによりキャラが参戦、最終的に計25人のキャラクターが登場している。また、家庭用では隠しキャラであるジャスティスとクリフ、旧ロボカイ以外の全員に性能が異なる「EXキャラ」が実装。家庭用限定という事もあってか、かなり弾けた性能のキャラもいる。

  • 各キャラには「魔法が体系化された未来世界」という設定の下、様々な背景設定がなされている。それらは(AC版では)ゲーム中に特に語られることは無いが、奇抜なキャラデザと相まってそれらがキャラの魅力を引き立てている。
  • 各キャラや技などのネーミングは、ゲーム中のBGMと同じくメタルやロックのバンド・曲名などの元ネタの存在が示唆されている。興味があったらそれを探ってみるのも面白い。
+ XX以降の追加キャラクター一覧

『XX』で追加されたキャラクター

  • エディ
    • 性能・特徴的にはザトー=ONEを引き継いでいるので厳密な意味での新規キャラではないが、ストーリー上でザトーが死亡したため、彼の肉体を乗っ取っていた禁獣「エディ」に名称が変更され、CVもそれに合わせて子安武人氏に変更。
    • バランス調整がおかしかったせいもあり、長らく最強キャラ筆頭として君臨し続けることになる。
    • ちなみに本体であるザトーが死んだのは、『ゼクス』開発中にザトーの声を担当していた塩沢兼人氏が亡くなったためでもある。
  • スレイヤー
    • アサシン組織の創始者である吸血鬼。混乱しつつあるアサシン組織に決着をつけるべく表舞台に再び現れた。年齢のせいか非常に達観的。
    • 紗夢と同じく素手だが、動きが遅い代わりにリーチが長く火力が高い。性能面で色々優遇されているキャラで、エディに次ぐ強キャラのポジションを確保している。
    • パロディネタの多いGGシリーズの中でも、外見をそのままパロディにしているという珍しいキャラ。元ネタはOVA「ジャイアントロボ THE ANIMATION」の衝撃のアルベルト。ちなみに担当声優の家弓家正氏もジャイアントロボに出演している。
  • ザッパ
    • 普通の青年だが、霊に憑依される異常体質の持ち主で、中でも「S子」なる女性の幽霊に振り回されている。
    • ランダムで3種類の幽霊に憑依され(さらに条件を満たすと、「ラオウ」という強力な幽霊を憑依させられる)、それに応じて技が変わるというキャラクター。しかも、どの霊が憑依するかはラオウを除いてランダムかつ切り替わりが激しいため、荒らし要素が高い反面、使い手に負担を掛けるキャラ。
    • 動きがギルティ一奇抜であったり、ニュートラルポーズ中はシュールなうわごとを発するなど、スタッフの遊び心が満載のキャラ。見ても使っても楽しい。対戦で勝つには相当な修練が必要だが。
  • イノ
    • 魅惑的な言動と衣装の謎の女性。正体は「あの男」(全ての黒幕)の部下で、武器はギター。元ネタは椎名林檎。
    • 空中での機動力に長けており、また地上ダッシュが俗に「モリガンダッシュ」と呼ばれるホバータイプ。崩しも火力も他のキャラに引けを取らないが、動きが全体的に癖まみれで全キャラでも1、2を争うほど扱いが難しいキャラ。
    • 紗夢のようにパンチラあり、それに留まらず乳首まで確認できるドットまである(先端の1ドットだけピンク色)。言動以上に色々と危ない。
    • ラスボスとしてしばしば出るが、その時の言動が非常に凶悪。声担当の井上喜久子女史も「私が演じた中で最も怖いキャラ」と話していたくらい。
  • ブリジット
    • ヨーヨーを武器に戦う男の子。どう見ても女の子に見えるが男の子。大事なことなので二度言いました。
    • HSボタンでヨーヨーを設置し、それを飛び道具に変えたりその地点まで高速で飛んでいくといったトリッキーなキャラクター。動きの自由度はかなり高めだが、操作も特殊であるためため初心者には向かないキャラクター。
    • その設定は良くも悪くもサブカル方面にインパクトを与えた。『男の娘』なるジャンルを生み出した元凶と言えるかもしれない。なお、開発段階は女の子の設定だったが、ギリギリで性別変更した経緯がある。
    • 曰く付きの声優である小西寛子女史がキャリアの最後に演じたキャラとされている。ボイスが一新されたACでは声優は加藤由希子女史に交代された。

『#RELOAD』で追加されたキャラクター

  • ロボカイ
    • 「終戦管理局」という組織が作った、カイ・キスクを模倣した外見・能力のアンドロイド。ただし性格はオリジナルとはまるで正反対で、身体などに内蔵された武器や機能類で戦う。
    • 「電力ゲージ」「熱量ゲージ」の2つのゲージを持っており、それに応じて技性能が変化する。機動力が低く、電力ゲージを溜めないことにはコンボや立ち回りもままならないが、上手く2つのゲージを管理して戦えば他のキャラに引けを取らない。
    • ちなみに初出は家庭用『ゼクス』。家庭用では通常技、必殺技ともにカイそっくりな別Ver.のロボカイもいれば、他のキャラから必殺技をパクって様々な組み合わせを試せるロボカイもいる。

『SLASH』で追加されたキャラクター

  • アバ
    • 青白い顔色に全身に巻いた包帯といった、病的な見た目のホムンクルス。鍵集めが趣味で、武器もアバが伴侶(と思い込んでいる)鍵。厳密には「斧」だけど。
    • 「通常モード」と「諸刃モード」という2つのモードを持つキャラ。通常モードは全キャラ中最弱だが、「諸刃モード」に移行すると最強クラスの攻め能力を獲得できる。
      しかし、諸刃モードは「時間経過または技を相手に当てると自身の体力が減る」「諸刃ゲージがゼロになる前に特定の行動を取らないと前述の体力減少分がキャッシュバックされない」といった制約があるため、まさに「諸刃の剣」。初心者にはおすすめできないピーキーすぎるキャラ。
    • 厳密には初登場は『ギルティギア イスカ』の家庭用。その後性能が調整されて『SLASH』にてACデビューを果たした。
  • 聖騎士団ソル
    • 「ソルはかつて聖騎士団に所属していた」という設定を元に作られたキャラ。
    • ソルと比較すると、動きが重く技のリーチが短い代わりに接近戦が強い。また、軌道の低いジャンプから繰り出される判定の強い空中技の飛び込み、押し付けが強力。ただしインファイトに特化した性能のため、相性の悪い相手にはとことん相性が悪い。
    • 初代を思わせる「チャージゲージ」を持ち、龍虎の拳のように気合を入れて溜めることで各種必殺技が強化される。
    • 『SLASH』でのラスボス仕様は未だに語り草になっている。アクセントコア版はその比ではない程強い。

『AC+R』で追加されたキャラクター

  • クリフ・アンダーソン
    • 家庭用限定キャラから久々に復活。特徴面は初代のそれを引き継いでいる。
    • 稼働初期は1チャンスで体力半分ゲットを狙える高火力のおかげで、ダイヤグラム最強に近い位置にいた。しかしアップデートで火力が抑えられたことで鳴りは潜んでいる。
  • ジャスティス
    • 初代のラスボス再び。最強最悪の「GEAR」が帰ってきた!
    • のだが、通常時は地上、空中ともにダッシュが行えなくなってしまった。そのため機動力とコンボ火力が激減し大幅弱体。ダッシュを解禁する技もあるが、デメリットが多すぎるため死に技。家庭用版と比較しても他にも弱体を受けてはいるが、それでも強めの技が多いので、「いかに接近するか」が他のキャラ以上に重要となる。
    • 稼働初期時は「最強最悪のGEAR(笑)」と揶揄される最弱キャラであった。現在ではアップデートで性能が上方修正されているが、まだまだ厳しい戦いを強いられている。

BGM

  • 新曲も追加され、音源も貧弱だったNAOMI音源からバンドによる生演奏に強化。相変わらずBGMは非常に格好いい。ただし、一部の曲に関しては『ゼクス』の方がよかったとする声も多い。

シリーズ全般に渡る問題点、賛否両論点

ゲーム性に批判が集まりやすい

  • コンボで拘束される時間が長めで、対戦で勝つには高威力のコンボを覚えないと話にならないので「コンボゲー」、
    起き攻めが非常に強く、これを覚えないとこれまた話にならないので「起き攻めゲー」、
    ペースに乗れれば一方的に相手を封殺できるから「ハメゲー」、
    動きがスピーディーで待ち戦法が弱く、中距離で技の差し合いを楽しめないので「ガン攻めゲー」
    などなど。
    • このうち、「コンボゲー」「ガン攻めゲー」なのは好みの問題であろう。コンボ重視はこのゲームに限った話ではなく当時の格闘ゲーム全体の流れでもあるし、待ち戦法が強すぎるゲームはプレイヤー同士のトラブルを招きやすく、オペレーター側も「攻め重視で試合が早く終わる→回転率が上がってインカムを稼げる」という事情もあるため、攻め重視なのは問題ではない。
    • しかし、「起き攻めゲー」「ハメゲー」については批判が多い。このゲームには移動起き上がりが無いため、地上でダウンしたら「その場で起き上がった後に各種行動をリバーサルで行う」以外の選択肢が無い。そのため択一攻撃をかけ放題で、さらに特定キャラのそれはあまりに熾烈すぎ、相当やりこんでいる上級者のプレイヤーですら何も出来ずにハメ殺されてしまうこともしばしば。もちろんそういう状況に追い込まれないように立ち回るのも駆け引きのテクニックではあるが。
  • 1キャラを動かすだけでも覚えるべき知識が非常に多いのに、対戦で勝つにはさらに相手のキャラに関する知識も要求される。そして前述の通り、本作はキャラ毎の性能が顕著に異なっているため(もちろんこれは良点に挙げるべき事項ではあるが)、覚えるのに一苦労する。
    • 操作の全体的な難しさに加え、ゲームスピードが速く展開が早いのもその難易度を高めている要因。攻める動きだけでなく、防御操作も非常に難しく、このゲームスピードと全キャラ共通の苛烈な攻めの中で、シビアな入力を決めなければ抜けるのが容易ならざる状況というのも多々。
    • 画面上の情報があまりに多い。体力、テンションゲージ、バースト、ガードバランスとゲージだけでも最低4つもある。これに、使用キャラによってはさらに独自のゲージ仕様が追加される。相手のゲージにも注意して立ち回らないといけない場面も多いため、少なくても合計8つのゲージを確認しながら立ち回らなければならない。
    • 要するにやりこみ必須のハードルの高い格ゲーである。同程度の腕前の知り合いが近くに2、3人以上いないと本シリーズを楽しむのは難しいだろう。始めたての初心者がゲーセンでプレイすると、乱入された挙句に全く何も出来ずに負けてしまうことが頻発する。前作の時点でそうだったのに、本作ではその傾向がさらに強まってしまった。
  • キャラバランスに関しては全体的に見ても、正直あまり良いバランスだとは言えない。
    ただし、「全キャラ攻めが強烈で、自キャラの強みを押しつけられれば下位キャラでも上位キャラを喰える」傾向にあるため、やりこみあるのみ。
    また、「下位ランクのキャラでも上位のキャラには相性次第で五分以上に戦える」いった具合にキャラ相性が重要なゲームでもある。

代わり映えの無いゲーム性

  • 度重なるバージョンアップによりキャラクターも増え、バランスも良くなったが、いかんせんベースが同じであるため新鮮味が無い。これはバランスさえ良ければ他は大して問題視しないガチ勢よりも、どちらかと言うとゲームを楽しんでプレイしたいプレイヤーからの批判が非常に多い。
    • ただガチ勢でも『SLASH』辺りで飽きが来てしまった者も多く、「青リロが一番面白かった」というプレイヤーも。
  • また、ストーリーが全く進まない事もよく批判されていた。本作はストーリー上では「『ゼクス』の後日談」レベルでしかなく、ストーリー進行は『XX』から5年後の『GG2』まで待たなくてはならなかった。

総評

『ギルティギア』シリーズの特長である「攻めが強い、爽快感バツグン」はそのままに、さらに各所を洗練させてきたGGXXシリーズ。
無印時代から数えると実に10年以上の長きに渡って稼働を続けており、いまだにプレイヤー達から愛されている息の長いタイトルである。
対戦を楽しめるようになるまでには随分と労力を要するが、自キャラを手足のように自由に操り、息の詰まる駆け引きを制して相手に勝利する流れが非常に快感であることに偽りはない。
対戦ゲームが好きなら、是非長いスパンで遊んで欲しい一作である。

移植

  • 『AC』までのバージョンは様々なプラットフォームに移植されている。トレーニングモードはもちろん、フルボイスのストーリーモード、技性能が大幅に変わっている「EXキャラクター」など追加要素多数。
    • 『#RELOAD』のみPC(Win)に移植され、さらに有志によりネット対戦ツールが作成されたためネット対戦が可能に。ただしこのWin版は現在絶版となっており入手困難。
    • PS2版アクセントコア』はバグまみれであったため『バグセントコア』と呼ばれ、さらにメーカーの対応に対し署名運動が起こるほどの大騒ぎとなった。この騒動は後に『AC+』が発売されるまで続くことになる。
    • 『AC+』はPS3/Xbox360にもダウンロード専売タイトルで移植され、ネット対戦にも対応。ネット対戦自体の出来は悪くないものの、それ以外に問題がある(主にマッチング、プレイヤーマッチの仕様など)ため評価は低い。

その後の展開

  • 上記の作品以外にも、本作の世界観やキャラ・システムを利用したシリーズ作品はいくつか出ているのだが…問題作『GUILTY GEAR ISUKA』をはじめとして、良く言えば意欲作、悪く言えば当wikiに書くに値しないものばかり。
  • AC以降も続編を待ち望む声は多かったのだが、「正式な続編」として登場した『GUILTY GEAR 2 OVERTURE』(2007年11月、Xbox360)はキャラや世界観どころかジャンルさえも変える斜め上を披露。旧来のファンからは大ブーイングを浴びたが、こちらも筋金入りの対戦ツールとして仕上がっており、プレイした人からの評価は非常に高い。
  • そして2013年に入り、システムやグラフィックを一新した完全新作「ギルティギア イグザード -サイン-」の発表がなされた。