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無双OROCHI Z - (2013/11/16 (土) 22:42:22) の編集履歴(バックアップ)


無双OROCHI Z

【むそうおろち ぜっと】

ジャンル タクティカルアクション
※PS3版

※Windows版
対応機種 プレイステーション3
Windows XP/Vista/7
メディア 【PS3】BD-ROM 1枚
【Win】DVD-ROM 2枚組
発売元 コーエー
開発元 コーエー(オメガフォース)
発売日 【PS3】2009年3月12日
【Win】2009年11月27日
定価 【PS3】7,560円
【Win】7,140円
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 【PS3】インストール:4500MB以上/セーブデータ:300KB以上/トロフィー機能:50MB以上のそれぞれ空きが必要
【Win】不明
周辺機器 【PS3】デュアルショック3対応
【Win】DirectX 9.0cに対応した12ボタンのゲームパッド推奨
ディスクレス起動
【Winのみ】
不可(起動時にゲームディスクが必要)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
コンテンツアイコン セクシャル・暴力
廉価版 【PS3】PlayStation3 the Best:2011年11月2日/3,990円
備考 【Win】動作環境はこちらを参照のこと
※表内の表示価格は全て税込
分類 良作
無双シリーズリンク


概要

真・三國無双の武将と、戦国無双の武将が入り乱れる『無双OROCHI』(以下無印)、及び続編の『無双OROCHI 魔王再臨』(以下再臨)の2つを収録、新要素を加えたもの。
「魔王・遠呂智(おろち)によってごちゃごちゃになった世界で、三国・戦国の武将たちが力を合わせて遠呂智を倒す」という、オメガフォースのオールスターお祭りゲー。
リストラされていた武将も復活、過去作のコスチュームでプレイ可能など、ファンには嬉しい要素がたくさんある。

  • 無双OROCHI(PS2/360/PSP/Win)
    • OROCHIシリーズ一作目。バランス調整が微妙で、「防御力が紙同然」「プレイヤー側の弓矢系の攻撃力がほとんど無い」「特定のキャラの使用可能条件が妙に難しい」「異様なレベルの強キャラがいる」などの問題点があった。
    • さらにシナリオ面では、肝心の三国志の君主たち(劉備、曹操、孫権、孫堅)がシナリオ終盤にならないと使用できないなどの不満点も。劉備にいたっては蜀シナリオをクリアしないと操作可にならない。
    • バグも多いが、PS2以降の移植作品では修正されている。
  • 無双OROCHI 魔王再臨(PS2/360/PSP)
    • 前作の続編。『戦国無双2 猛将伝』より柴田勝家・前田利家・ガラシャ・長宗我部元親・佐々木小次郎、『真・三國無双2』より伏犠・女媧(外見や声は変わっている)、新規キャラとして太公望・源義経・平清盛・卑弥呼・孫悟空・真遠呂智が参戦。
      • ある条件を満たすことで本作で追加された敵汎用武将である牛鬼・百々目鬼もサバイバルモードとバーサスモードのみ使用可能に。
    • 前作の不満点を消す形で作られており、使用可能条件も多少緩和され、バグも減っている。武将たちの強さもバランス調整がなされている。
      • ただし無双シリーズ最強のバランスブレイカーと言われる「天舞」というスキルが登場(詳細は後述)。それを封印してもなおゲームとしての難易度はシリーズ最弱と言われており、縛りプレイでもしない限りやり込み要素は少ない。飽きが早い部分があるのは事実である。
    • 「援護攻撃」「合体技」「練成能力追加」が加わっている。武将たちの夢の競演が楽しめるドラマティックモード、格闘ゲームが楽しめるバーサスモード・サバイバルモードも追加された。
    • 一部のステージで処理落ちがかなりひどい。またPS2版ではボタンを強めに押さなければ反応しないという欠点も。
    • 『戦国無双2 猛将伝』で全キャラに追加されていた新チャージは追加されていない。技が違うなどの弊害があるのだろう。
    • 一部シナリオの出現条件が異常に厳しい。全武将熟練度の合計をかなり高い数字に上げなければいけないのだが、、ひたすら単純作業を繰り替えす必要があるので(全ステージを全難易度でクリアして全員のレベルが99になってもまだ稼ぎ作業が必要なほど手間である)、そのために効率のいい場所の名称から「厳島マラソン」と揶揄された。

OROCHIシリーズの特徴

  • 3人一組のチームバトル制。一人を操作し、残りの二人といつでも交代可。
    • 控えに回っている間は体力・無双ゲージが徐々に自動回復する。
      • また味方武将の近くにいると操作キャラも体力が徐々に回復していくが、無双ゲージは武器を強化しない限り増加しない。
    • 「無双バースト」「合体技」「援護攻撃」「チームコンボ」などのチームアクションが楽しめるようになった。
  • 全武将を「パワー」「スピード」「テクニック」の3つのアクションタイプに分け、それらに応じた特殊技・特殊能力を付与した。
  • 武器同士の融合による属性強化が可能。「練成」によって弱キャラを強キャラに押し上げる事も可能。
    • 無印では合体技・援護・練成は出来ないが、本作では全編にて使用可能となった。ただ無印の「キャラアイテム(各武将固有のアイテム)」は削除された。
  • シナリオは魏・蜀・呉・戦国・遠呂智(再臨のみ)と勢力ごとに分かれている。
  • アクション面に関しては、従来の無双シリーズとは一味違ったアクションが楽しめるようになり「無双シリーズで最も洗練されている」と言う意見も。
    • 特にチーム制になったことでキャラチェンジを交えたコンボはこのゲーム最大の魅力である。

移植における変更点・追加要素

  • 三蔵法師・弁慶が新たに参戦。前述の牛鬼と百々目鬼はモーションが追加・変更され全てのモードで使用可能に。操作可能な武将数は96名になった。
  • 全キャラ*1に4つ目のコスチューム、壁紙が追加された。三国勢の武将たちには『真・三國無双5』の衣装が追加されている*2
    • ただし、顔などのグラフィックベースが『真・三國無双4』のものとなっているために、劉備や孫権、董卓と言った一部武将の違和感がかなり強烈になっている。勿論、あくまでコスチュームが『真・三國無双5』になるだけなので、武器は従来通りのものとなる。
  • 戦国勢の武将は1で登場したキャラはその裏コスチューム(義元は表コスチューム、くのいちと五右衛門は新規)、2で新規参戦した武将は猛将伝でのカラーチェンジコスチュームになっている(2で容姿が変わったお市、伊達政宗もカラーチェンジとなっている)。
  • ドラマティックモードに12のステージが追加。全部で40ステージとなった。
    • また再臨ではドラマティックモードは指定された武将でしかプレイできなかったが、Zでは一度クリアすれば自由に選べるようになった。
      • イベントを行う武将が変わったり、武将変更をしなければ聞けない掛け合いも隠されている。
  • 無双シリーズにおける、敵の表示数最大値を大幅に塗り替えた (それまでは雑魚は5人一組だったが今作から10人一組となった)。驚くほどワラワラした敵の中で放つアクションはかなり爽快で、千人斬りも達成しやすくなった。
    • その影響で難易度が上昇した。これによって簡単すぎると批判された再臨とは異なり、技能や錬成能力を強化した分だけ武将の強さを堪能できる難易度になった。
    • ただしこの点は思わぬ弊害を与えており、本作より後発の無双作品では「オロチよりワラワラ感が少ないから駄作」というような意見が出るようになった。
  • PS2版・Xbox360版でプレイヤーを悩ませた処理落ちが大分改善されている。
    • PS2版再臨で問題点として続出したコントローラーの反応の問題も解消されている。
  • 新規BGMの追加、無印含めた既存の一部シナリオのBGMも『真・三國無双4』及び、『戦国無双2』以外の過去作からのものに差替え。
    • ゲームタイトルにもなっている遠呂智にもようやく専用テーマ曲、「THEME OF OROCHI -REBIRTH MIX-」が用意された。
      • 再臨の一部ステージ(邪馬台や最終章など)でのBGM変更は不評だったのか、ほぼなくなっている。

賛否両論点

  • グラフィックはPS2よりは多少綺麗かどうかと言う程度。ただしそれと引き換えに、本作が過去最大級の敵のワラワラ感を実現している点は見過ごせない。
    • 元々PS2版の『真・三國無双4』や『戦国無双2』などのグラフィック面で一定の評価を得ている作品をベースとしているので、次世代機のゲームとしてはどうかというのはあっても、極端に見苦しかったり見辛い点がある訳でもない。
  • 本作で新たに参戦した武将二人がストーリーに一切関わって来ないため、「追加しなくても良かったのでは」と言う声もある。
  • やりこみ要素として壁紙、別コスチューム、トロフィーなどがあるが、90人以上の武将の熟練度上げをしなければならないため、人によっては作業ゲー化してしまう。シナリオもお約束のものが多く、やや飽きやすい。
  • 属性が強すぎるため、技の格差が他のシリーズ作品以上に激しい。効率だけを考えると、どの武将を使っても最終的に決まった技を連打するだけになってしまう。
    • 属性がつかない技は基本的に死に技。無双奥義・乱舞も例外ではなく、使いどころはあるのだがダメージ効率は属性付きチャージ攻撃より劣る武将がほとんど。
    • 属性がつく技の中でも、武器の攻撃範囲が広がる「旋風」や分身の効果があるか否かという点で、衝撃波やビームよりも武器を用いた打撃技の方が優位になる傾向が強い。
  • 武将たちの技の性能は、例外もあるが基本的には再臨の仕様で収録されている。そのため、「無印では強キャラだったが、再臨で弱体化した」という武将たちは弱いままZに移植されることに。
    • アーツの無双ゲージ消費量が増えたことでアーツの連射がしにくくなった石田三成、C4の属性付加が最後の一回転だけになった関平など。
  • 逆に「無印では弱かったが、再臨で強キャラに」という武将たちも存在する。
    • 夏侯淵、黄忠、稲姫などがその例。無印では弓のダメージが雀の涙ほどしかなかったが、再臨では与えるダメージが増えた。…というよりは従来のダメージに戻った。
  • 新要素を加えての抱き合わせ移植には批判も寄せられた。いつものコーエーと言ってしまえばそれまでではあるが、無双シリーズを乱発しすぎと言う声も多い。
    • 一方で、再臨自体が発売されていないWin版はWin版で「いつになったら再臨が出るんだ」との声がたびたび挙がっていた。
      • 本作の登場でWin版プレイヤーも再臨をプレイ出来るようになったと言えるが、その前に単独で出ていた無印の立場がほとんど無くなってしまった。
  • 錬成能力「天舞」
    • 正確には再臨で追加された要素だが、そのワンパッケージタイトルである本作でも勿論採用されている。
    • その効果は無双ゲージが満タンの時に全ての攻撃に属性が乗る*3と言うものなのだが、これと武器に乗せることの出来る、本来はチャージ攻撃にのみ付与される属性「氷*4」・「斬*5」・「陽*6」・「分身*7」・「神速*8」・「旋風*9」等を組み合わせると、通常攻撃を連発しているだけでもはや余程のことがなければ負けることはない、とされる位の一方的な虐殺を演じることが出来る。
      • 高難易度(難易度「激難」など)がどうしてもクリア出来ないと言ったプレイヤーに対しての救済措置であるとも言えるのだが、普通に考えればゲームの面白さを損ねかねない。
        ゆえに「制作陣は何考えてるんだ」と言ったような批判意見も当然噴出した。
      • 気に入らなければ自制すれば良いし、能力を作るのも手間がかかるようになっているため(後述)、プレイスタイルの問題ともいえるのだが。
      • 余程弱いキャラクターでなければ使わない方がゲームとしての寿命は長持ちするというのが攻略Wiki等を含めてのもっぱらの見方となっている。
    • 錬成に必要な錬成素材4種類がどれも条件が面倒*10で、属性も8種類必要なので*11、公式チートなのは確かだが手軽に錬成できるわけではない。
      • 上記の通りであるにもかかわらず、否定的な意見が根強いのは結局の所、天舞の内容云々ではなく、ゲームバランスが崩壊することが容易に想像できるにもかかわらず、そういった要素を搭載してしまった制作側の姿勢を疑問視する見方が含まれているからであろう。

総評

抱き合わせ移植諸々に関しては批判も根強いが、「1本で2つのソフトのシナリオがプレイでき、(当時)最もワラワラした敵の中で三国・戦国の武将を全員使用して無双できる」というお得な仕様になっている。
歴史に関する予備知識が無くとも、そもそものストーリーが「「真・三國無双シリーズ」「戦国無双シリーズ」それぞれの世界の融合」と言う無茶苦茶なものになっていることもあり、
プレイする分にはほとんど問題ないので、歴史に興味のないプレイヤーにも一つのアクションゲームとしてお薦めできる。


その後の展開

それまでのシリーズの集大成とも言える内容となっており、それを受けてか無双シリーズそのものも転換期を迎えたとも言える。
そのため、以降は「連舞システム」「マルチレイド」「影技」など、試行錯誤を開始することになる。

2011年12月22日に続編となる『無双OROCHI2』が発売された。