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デジモンワールド - (2012/12/23 (日) 06:09:26) の編集履歴(バックアップ)


デジモンワールド

【でじもんわーるど】

ジャンル 育成型RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 バンダイ
開発元 ベック
(チーム不明)
発売日 1999年1月28日
価格 6,090円

概要

携帯型ゲーム機として誕生し、多数のメディアミックス作品が発売されている『デジタルモンスター』シリーズ。今作は デジモンシリーズのTVゲーム2作目。デジモンシリーズにおいてはPS初の作品であり、本格的なオリジナルストーリーが展開された作品である。

  • 『デジモンワールド』シリーズとしては、1・2・3・xの4作のナンバリングタイトルが作られることとなる。
    • そのほか、『デジモンワールド カードバトル』シリーズが2作作られる。タイトル通りデジモンカードをテーマとした作品。

ストーリー

デジモンの育成が得意な主人公は、ある日携帯型デジタルモンスターの本体からの光に飲み込まれ、デジモンワールドに召喚される。ゲームの中の世界では、デジモン達が心を失いつつあり、かつては「はじまりの街」で暮らしていたデジモン達も、街を去り街の言葉を忘れてしまっていた。デジモン達と心を通わせることのできる主人公は、「はじまりの街」に住むデジモン達から事情を聞いた主人公は、街の復興と異変の原因を調査するため、パートナーデジモンとともに数多くのデジモンが住まう「ファイル島」を旅することとなる。


特徴・評価点

本作最大の特徴としては、食事・排せつ・睡眠などの世話をしつつトレーニングを行う、といった携帯型ゲームの特徴を盛り込みつつ、RPGの探索・冒険要素を両立させた点にある。

  • 本作では時間の概念が存在している。1日24時間で朝・昼・夕・夜があるのは現実と同じだが、1年は30日。特定の日にちで発生するイベントのほか、成長や寿命など育成にも影響を与えている。
    • 食事は、ご機嫌を上げる効果がある。さまざまな影響を持つ食材があり、寿命を延ばすものから病気になってしまうものまでさまざまな効果がある。
      • ちなみに毎日街で支給される肉は畑から取れる。
    • 排せつは各地に設置されているトイレで行う。トイレで排せつしなかった場合しつけが下がり、「のろい」がたまってしまう。このため「けいたいトイレ」のアイテムを手に入れるまでは時間になるとトイレを目指して駆け回ることに。序盤は「糞ゲー(排せつ的な意味で)」「トイレゲー」と呼ばれることも。「のろい」ゲージがMAXまで貯まってしまうととあるデメリットが。一応救済措置はある。
    • トレーニングは街のすぐそばにあるジムで行う。バトルによる能力上昇は幅が少ないため、おもにトレーニングで強化を行うのだが、適度に休憩が必要となる。街の外にもジムは存在し、能力の上昇幅が異なる。
      • ボーナストレーニングではスロットの目を揃えると多めに成長する。

デジモン育成の最大の楽しみは進化にある。パートナーデジモンは一定の期間を迎えるごとに幼年期→成長期→成熟期→完全体と進化していく。

  • 究極体は存在しない。ホウオウモンやヘラクルカブテリモンなどは完全体扱い。TVシリーズに登場したデジモンの中には本作では登場しないデジモンも。初期の作品であるためしかないところではあるのだが…。
  • 通常は成熟期までだが、さらに能力値を強化する事で完全体まで育てられる。トレーニングに数日費やす事になるが、完全体は成熟期よりかなり強力で、自力で進化させた場合はは寿命も増加する。
    • しかし、進化の仕組みはとても複雑で多くの要素がからんでくるので、攻略の情報がない限り、狙ったデジモンに進化させることは困難。普通にプレイしていた場合、育成の方法によりいつも同じようなデジモンに進化してしまう…なんてことも。
    • 通常の進化の他に、特殊な条件で進化させることも可能。成熟期→成熟期や完全体→完全体といった進化も可能。後半になると進化アイテムなども手に入るため、逆を言えば情報さえ手に入れば進化系図を埋めていくことは十分可能。時間はいくらかかかると思われるが。
    • 寿命を迎えるとデジモンは死亡しデジタマに戻る。ライフがゼロになって死亡する場合以外では技や能力値はある程度引き継がれるので、これまでの成果を引き継いだまま違う種類のデジモンが育てられる。

こうした育成の傍らで主人公とパートナーデジモンは「ファイル島」をめぐり、街の仲間を集めつつデジモンワールドの異変の謎を探っていく。

  • 街に参加してくれるデジモンは各地に散らばっており、さまざまな種類がいる。仲間になる条件も様々。通常のバトルによるものやバイトの手伝い、物々交換などもある。
  • ラスボスは存在するのだが、基本的にデジモン達は善良なものが多く、敵対するにしても操られていたり何らかの理由があるため、皆愛着が持てるキャラである。
    • TVアニメでは凶悪な敵であったデビモンやヴァンデモンも街に参加してくれる。デビモンは分かりやすく言うとツンデレ。ヴァンデモンはたいそうな館に住んでる割に初対面時に飢えて倒れていたりやたら可愛げがあったりする。
  • デジモン達は街に参加すると店を開く。通常のショップやレストランなど。街が発展していく様子が実感できる。
    • 施設が増えるとさまざまな追加要素が楽しめる。闘技場・カード集め・釣りなど。
    • 特筆すべきはペンモンのカーリング。当時カーリングは現在ほど有名な競技ではないはずなのだが、複雑さは軽減されており、普通に遊べる出来の良さ。作りこみの良さを感じる点である。

難点

  • 一部の仲間に初見殺しや運要素が密接に絡むものが存在している。
    • ある程度街が発展した段階でジジモンに話しかけてから家を出ると強制戦闘になるグレイモン。序盤で戦う割には並みの成熟期ではアイテムでごり押ししなければかなわない程の強さ。ジジモンの家にはセーブポイントが存在するため、準備不足の状態でセーブしてしまうと強制戦闘から逃げられず詰んでしまうことも。もっともグレイモンに勝つと闘技場を開いてくれるのでそれなりの対価は得られる。
    • モノクロモンを仲間にするにはお店で接客をして一定以上の売上を上げる必要があるのだが、はっきり言ってこれが運ゲー。客として現れるムーチョモンは気まぐれで、ひどい時は値下げしても怒って帰る。帰ってしまうとしばらく客が来なくなるので致命的である。ミスがなくても、値段の高い薬を買ってくれる客が出てこない場合は目標額に届かないことも多々ある。仲間になるとショップを開くが、他にもショップの店員になるデジモンは多いため、恩恵も少ない。
    • 特定地点でなんの前触れもなく襲ってくるイガモンやエテモン、かなり強いのに街のすぐ近くにいたりする初見殺しのピッコロモンなども厄介か。
  • ロードが長い。マップ移動のたびにロードが入るのでテンポが悪い。しかしこれを逆手に取ってロード中に使える裏技も存在する。
    • その名も「べんり君」。ロード中に特定の操作を行うことで出現する。能力上昇や技の習得が簡単に行えるため、序盤で使うとバランスが崩壊する。また、やりすぎるとゲーム自体が壊れる恐れもあるので、注意が必要。
    • ザコ敵のモドキベタモンが突如「俺様はべんり君だ!どうするのかね?」などと言い出す様はかなりシュール。他にもワープ君や進化君も存在する。
      • 初期版とそれ以降で若干仕様が異なるので注意が必要。この仕様からして、制作側が意図して作ったのに間違いないだろう。遊び心のうかがえる小ネタである。

総評

携帯ゲームの育成の良さとRPGとしての要素を程よく組み込みまれた良作といえる。そのバランスの良さから、シリーズ初期の作品ながら「デジモンゲー最高傑作」との呼び声も高い。現在も人気があり、中古も高値で取引されている。
続編も制作されたのだが、大幅な仕様変更が裏目に出てしまい、2以降は凡ゲー以下との評価が多い。
そう言った声を受けてか、13年の時を経た2012年になって本作のシステムやゲーム性を継承した『デジモンワールド リ:デジタライズ』がPSP用ソフトとして発売された。