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SILENT HILL 2 - (2011/04/10 (日) 13:39:07) の編集履歴(バックアップ)


SILENT HILL 2

【さいれんとひるつー】

ジャンル ホラーアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 2001年9月27日
定価 7,329円


ストーリー

主人公ジェイムスの元に、3年前に病死したはずの妻メアリーから手紙が届く。

     あいまいな眠りの中で
        夢見るのはあの町
         サイレントヒル
           いつかまた
二人で行こうと約束しておきながら
    私のせいでかなわなかった
      私は一人でそこにいる
       あの思い出の場所で
       あなたを待っている

『死んだ人間から手紙がくるはずがない』
そう自分に言い聞かせるジェイムズ。しかし妻を溺愛していた彼は、サイレントヒルに足を運ばずにはいられなかった。


概要

1999年に発売し、世界中のユーザーを恐怖に陥れたホラーアドベンチャー『SILENT HILL』の2作目。
タイトルに「2」とあるものの、直接的な繋がりはない。舞台こそ同じサイレントヒルの町だが、世界観は異なる。


特徴

  • システム面はSH1やSH3とほぼ同じだが、世界観は大きく異なる。
    • SH1やSH3は"第三者が生み出した世界"が舞台であり、サイレントヒルである事自体に特別な意味はない。
    • 比べて本作のサイレントヒルは、町自体が力を持っており、それによって作られた自分自身の世界が舞台となっている(詳しくは後述)。
  • 他シリーズに比べて難易度は低めで、また武器やクリーチャーの数も少なくなっている。
    • これは『怖がらせる事』と『ストーリー』を重視しており、世界観が散漫にならないようにしているため。
    • 開発者曰く、「本作での戦闘は、あくまでストーリーに色を添える演出の一つに過ぎない」。
  • 前作同様のマルチエンディング
    • 本作は前作と同様にマルチエンディングととなっている。ただし前作はフラグを満たす事によりEDが変化するのに対し、本作のED(の内三つ)はゲーム中にプレイヤーが取った行動により変化する、やや特殊なものとなっている。

評価点

  • ジェイムズの視点
    • 前作では「背景に隠れて落ちているアイテムに気付きにくい」という問題点があった。映像美を追求すればアイテムが見えにくくなる。血などで目を引く方法も全てには使えない。
    • 本作ではそれらの問題を「主人公の視線がアイテムの方向に向く」というシステムを用意する事でクリアしている。アイテムの在処が一気に分かりやすくなると同時に高いリアリティも生まれた、素晴らしい表現方法だと言えるだろう。
  • 難易度選択の個別化
    • 本作ではアクションの難易度と謎解きの難易度を個別に選択ができる。謎解きが好きでアクションが苦手ならACTION LEVELをEASYに、RIDDLE LEVELをHARDにすればいいし、もちろんその逆もあり。これは地味ながら大きな長所と言える。
  • おぞましくも美しい「サイレントヒル」の世界観
    • 空間に満たされた霧・徘徊するクリーチャー・生理的嫌悪感を催す血と錆の裏世界・至る所で響き渡る異音や悲鳴…。ハード性能の向上により、サイレントヒル独特の世界観を余す所なく表現している。
    • ムービー中のキャラの動作・顔の表情の変化とそれによって生まれる影・リップシンクなども、2001年の作品とは思えない程に作り込まれている。
      • また、S-FORCE(サウンドライブラリ)を取り入れた事により、立体音響による「音の恐怖」も楽しむ事ができる。
  • レッドピラミッドシング
    • 本編初登場の「赤い三角頭」を意味するクリーチャー。本編ではジェイムズの前に度々現れ、執拗に襲い掛かってくる。
      • 本編の描写力と圧倒的な設定から三角頭は人気が高くなり、ランキングで一位の人気を誇る程、人気クリーチャーとして名高い。知名度の圧倒的高さからアーケード版、映画版、Homecomingにも登場することになる。通称は「三角頭」、「三角様」、「▲」
  • 哀愁漂うBGM
    • 山岡晃氏作曲のBGMは非常に高クオリティで、「Theme of Loura」「Theme Of Loura(Reprise)」「The Reverse Will」「Promise(Reprise)」などは特に評価が高い。
    • ちなみに「Promise(Reprise)」は劇場版SILENT HILLでも使用されている。
  • Dエンディング
    • 前作のUFOエンディングをも超える究極のエンディング。公式が病気、この一言に尽きる。
  • ストーリー
    • 本作のストーリーは、本作を名作たらしめると共に、SHシリーズ最高傑作と呼ばせる決定的な要素である。
+ ネタバレ注意
  • 作中のサイレントヒルはジェイムスの心理を具現化した世界であり、街の奥深くに進むことで彼自身の深層心理に到達することになる。
    街の最深部に到達したとき、彼は三年前に死んだと思っていた妻は、実は自らの手で殺害していたことを思い出す。
    しかし、その背景には難病に侵された妻とそれを介護する主人公とのすれ違いがあり、その愛憎入り乱れた感情の交錯には涙を無くしては見られないだろう。
  • なお、5つあるマルチエンドのうち4つが物語に関係するものとなっており(1つは前述のギャグエンディング)、全てを思い出した主人公が到達した真実に対して出した回答が結末の差異となっている。
  • また、上述のレッドピラミッドシングは、ジェイムス自身の後悔の産物であり、自分を裁いて欲しいからレッドピラミッドシングを生み出したのである。

批判点

  • 序盤の「何も無い道中」が長い
    • スタート地点からしばらく続く山道と道路が極めて長い。慣れたプレイヤーでも2,3分、初見だと十分程度かかるレベル。
    • この間イベントらしいイベントも発生せず、敵も一切出現しない。「今作を名作とするか否かはこの道中を耐えられるか否か」という意見もあるほど。
    • ちなみにこのシーン、周知に立ち込める雰囲気と、そこらじゅうに響き渡る異音・悲鳴のせいでめちゃくちゃ怖い。
  • 敵の種類が少なすぎる
    • 道中出現する雑魚敵の種類が極めて少ないため、ゲーム中ではステータスを高めただけの同じモンスター(グラフィックが微妙に違うものもいる)を使い回している。
    • そのため、ゲームを進めても(敵に関しては)あまり新鮮味がない
    • もっとも、出現する敵にはストーリー上非常に重要な設定があるので、仕方ない部分でもある。
  • 雑魚敵との戦闘が単調である
    • 前作では打撃武器の攻撃は単発、もしくは何発かのコンボになっているのに対し、今作では無限コンボが可能な武器が存在する
      • しかもその武器は隠し武器等ではなく、最もスタンダードな打撃武器である。
    • また、多くの雑魚敵は攻撃が命中すると必ず怯むため、一発目の攻撃さえ命中すればあとは攻撃ボタンを連打しているだけでも勝ててしまう
      • 無論集団戦になればその限りではないし、雑魚敵の中にもその戦法が通用しないものも居る。

上記の「評価点」にも記してある通り、これらのアクションに関する要素は製作者が意図的に行ったものではある。
しかし、これらの要素によって今作はシリーズ中でもアクション性が極めて低い作品となっている(それでも凡ゲーレベルではある)。


総評

  • 下手な小説や映画よりも遥かに奥深いストーリー性を持ち、同時にホラーゲームとしても屈指の完成度を誇るゲーム、それが本作である。
  • 圧倒的な世界観・一言では表現し切れない秀逸な物語・限界まで掘り下げたキャラクター・ユーザーを深く考えさせる数々の描写・それらを彩るBGM。
  • これほど『作品』という言葉が似合うゲームはそうそうない。ホラーゲーム史上に名を残す偉大な名作、それが『SILENT HILL 2』である。

SILENT HILL 2 最期の詩

【さいれんとひるつー さいごのし】

対応機種 Xbox
プレイステーション2


発売日 【Xbox】2002年2月22日
【PS2】2002年7月4日
定価 7,140円

概要

「SILENT HILL2」のいわゆる完全版。新シナリオや新エンディングが追加されている

  • 追加シナリオ「マリア編」
    • 作中の登場人物であるマリア。彼女が何者であるか、作中に登場するまでに何をしていたかについて触れたストーリー。また、僅かながら「サイレントヒル」という町がどんな力を持った土地であるのかを理解するヒントを得ることもできる。
    • ストーリー自体は非常に短く、本編の1/3もない。クリア特典も無く、完全に「おまけ」である。
      • 但し、クリアするとセーブデータに記録が残る。
  • 追加エンディング"X"
    • 本編シナリオに、オリジナル版にもあった"D"エンディングに匹敵するギャグエンディングが追加される。
+ ネタバレ注意
  • 追加されるのは前作にもあった「UFOエンディング」。前作とは何の繋がりもない今作であるが、このエンディングだけは前作と深い繋がりがある。
  • 以降このエンディングは一部作品を除いて恒例化することとなった。
  • なお、本作には"D"エンディングも収録されているのでご安心を。

総評

  • 完全版といってもさほど大きな追加、変更要素は見られない。オリジナル版を持っていて、かつ追加要素に興味が無いのであればわざわざ買うほどでもないといえる。
    • しかし、「オリジナル版に有って『最期の詩』版に見られない要素」は無いため、新規で購入するのであればこちらを推奨したい。
  • なお、Xbox版に関しては、ハードの性能上オリジナルと比べてグラフィックが向上している(ただし、現在はソフトの入手は容易ではない)。