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ロックマン - (2013/05/01 (水) 17:37:29) の編集履歴(バックアップ)


ロックマン

【ろっくまん】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 カプコン
発売日 1987年12月17日
定価 5,300円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年7月29日/500Wiiポイント
【3DS】2012年7月18日/500円
分類 良作
ロックマンシリーズリンク

プロローグ

時は未来。ロボットが人間社会に浸透し、人間とロボットが仲良くしていた時代。
ある日、平和を願う天才科学者「Dr.ライト」の元から6体の平和利用ロボットが奪われた。
犯人は悪の科学者「Dr.ワイリー」。彼は奪った6体のロボットを戦闘用に改造し、世界征服を狙っていたのだ。

ライトのもとに残ったのはお手伝いロボットの「ロック」と「ロール」だけ。
ロックは兄弟を救う為、ワイリーの野望を防ぐ為に、ライトに自分を戦闘ロボに改造してもらうよう願う。
平和を愛するライトは渋々ながらこれを承知、ロックを戦闘ロボへと改造した。

かくして生まれた「ロックマン」の、正義の戦いが幕を開ける。

概要

『ロックマンシリーズ』の第1作であり、ファミコン初期にして後世のゲームにも多大な影響を与えた横スクロール・アクションの旗手。
未来の世界を舞台に、少年型ロボット・ロックマンと悪の天才科学者Dr.ワイリーの戦いを描く。

特徴

後のシリーズ作品の多くに受け継がれる主な要素は、以下の通り。

  • 目標となるボスの容姿が模されたアイコンを選択して各ステージへと移行する、プレイヤーの任意で攻略の順序を決める事が可能なシステム。
    全ボスを撃破しクリアすると、最終面が出現する。
  • 特徴的なのは撃破したボスの特殊武器を入手できるという点で、それぞれエネルギー消費による使用回数制限はあるものの、初期装備のロックバスターでは破壊が困難な敵に対して有効であったり、ボスキャラクターの弱点であったりと攻略に深く関わっている要素である。
    • 武器を変更すると、ロックマン自身の体色も変化する。
    • 特殊武器持ちのボス達は、全員最終面で再登場する。
  • ゲームオーバー時のコンティニュー回数は無限。
  • ステージ内の「トゲ」のトラップに触れると、一定のダメージではなく即死する。
  • 特定の武器で破壊できる地形が存在する。

一方、この本作だけの特徴として以下のようなものがある。

  • ボス前の通路が長くザコ敵がいる。これは当初ディスクシステムで出す予定でロード時間をごまかすためであったという説が有力。以後のシリーズでは一画面になり敵はいなくなったが、「ボス前には原則として扉一つ挟んだ通路がある」ことは伝統として引き継がれている。
  • ボスを倒した時にアイテム取らないとクリアにならない。
  • 最初に選択できるステージは、8つではなく6つ*1
  • 1度クリアしたステージにリトライすることはできるが、ボスも復活しているので再び倒さなくてはならない。
  • スコア表示が存在するが、エクステンドなどのメリットはなくランキングも用意されていない。
    • 制限時間の概念が無く雑魚敵も無限に沸くため、高得点を目指すプレイというのもほぼ無意味。
  • パスワードが存在せず、1度電源を切ると最初からになる。
  • 最終面で登場する復活ボス群は選択式でなく一定の順番で登場する。
    • 復活したボスを倒してもライフ回復アイテムが出現しない上、1度負けるとまた最初からやり直しになるなど、難易度的には非常に厳しい。
  • 敵に通用しない武器を当てても跳ね返らず、その場で消滅する。
  • ダメージ後の無敵時間中でも、トゲに触れると即死する。
  • 水中でもジャンプ力に変化はない。
  • 地形以外の足場から足を踏み外すと、物凄い速さで落下する(出現・消滅を繰り返すブロックを除く)
  • 上下移動などで画面が切り替わると、ステージ中に配置されたアイテムが復活する。
    • これを知っているか知らないかで難易度は大きく変わる。

独自要素に目を奪われがちな本作であるが、その真髄は過去のゲームを綿密に研究しまとめあげたアクションの仕様にある。

  • 十字キーを短く押すことでできる、すり足移動による微調整。
  • ジャンプボタンの押し加減によるジャンプの大小と、それによる微妙な軸ずらし攻撃のしやすさ。
  • 踏み出した足場に戻って来られる空中制動と、それに合致したレベルデザイン。
  • 着地時のジャンプ先行入力(これが無かったら、イエローデビルはさらに恐ろしい目押しゲーになっていたはず)。 等々、今なら当然と思えるような仕様を過不足なく実装・調整していたことによって、本作の快適な操作が実現している。
    「ロックマン」が同時代の類似作品から一歩抜きん出た存在となれたのは、斬新なシステムによるものだけではないことを記憶にとどめておきたい。

また本作を語る上で外せないのが、シリーズ中でも1、2を争う難易度の高さである。

  • 豊富に施された様々なギミック・トラップは即死を伴うものも多く、初見でクリアするのは至難。
    足場を頻繁に稼動させる移動リフト、一定間隔で出現・消滅する足場ブロック、完全にランダムで高度を変える浮遊足場型のザコ敵等、例えアクション慣れしているプレイヤーでも一筋縄ではいかない。
    脅威の耐久度とダメージを誇る一ツ脚の巨大なメカ等、ザコ敵もなかなかに強敵であるものが存在する。
  • 待ち受けるボスも一癖も二癖もあるものばかり。
    中でもこちらの体力が満タンでも3発で殺される恐るべき高ダメージの特殊武器を放ってくるエレキマンとアイスマンと相対した時の緊張感は凄まじいものがある。
  • ただ、これらは単純に理不尽という訳ではなく、マグネットビームや弱点武器による難易度の緩和が容易である所に本作の真髄があると言えるだろう(下記のイエローデビル除く)。

そして、ロックマン1における象徴的な存在ことイエローデビル

  • ワイリーステージ1にして早々に難関となる極悪な面の最奥で待ち受けるボスであり、多くのプレイヤーにコントローラを投げ出させ、多大なトラウマを植え付けた本作における鬼門かつ登竜門。
  • 本体がパーツごとに分散して飛来し、合体して巨大な一つ目の怪物を形作る。
    攻撃のチャンスはその一瞬だけであり、すぐさま分離して逆側に移動しつつプレイヤーに体当たり攻撃を開始する。
    目の出現位置以外は完全にパターン化しているので飛んでくるパーツの順番を覚えるのが攻略の鍵となる。
    相手と自分の1ヒットのダメージ量は(こちらがボスの弱点武器を使用して)互角であり、攻略は回避技術と集中力が全てである。
    • イエローデビルを越えられる事は当時のステータスであり、完全にパターン化しているとは言えタイミングは結構シビアでありその強さたるや、現在でも「裏技を使わなければ倒せる気がしない」と嘆くプレイヤーが存在するほどである。
    • その強さのインパクトもあってか後のシリーズでも色違いのタイプがちょくちょく登場している。X5にも登場している。BGMはアレンジになっている。

イエローデビルを倒しても次にコピーロボットが立ちふさがる。

  • ワイリーステージ2のボスであり、途中でカットマンとエレキマンとの再戦が待っている。
  • ロックマンの装備している同じ武器を使ってくる強敵で相手と自分の1ヒットのダメージ量は弱点武器を使っても1/2しかなく体当たりでもしっかりダメージを受ける。

難点

  • パスワード機能が無いために電源を入れるたびに最初からプレイしていかなければならない。
    • 一応ゲームそのものは短めだがそれでも一気に最後まですすめるのは骨が折れる。これは余談なのだが当時の子供はゲームのプレイ可能時間が制限されている事も多く、そういう面でもこのゲームをクリアするのは困難だったと思われる。
  • 特定武器がないと積む、後戻りする必要がある場面がある。
    • 前者はワイリーステージ1で「マグネットビーム」未所持だと先に進むことができない。後者はエレキマンステージではしごを登っていくルートのうち一つはブロックの除去方法がないと先に進めず一度戻ってもう一方のルートを進まなければならない。
  • 6体のボスステージの難易度や特殊武器の各差が大きい
    • 消えるブロックや特殊ギミックやトラップが豊富、ボスの攻撃力が高い(ライフ満タンでも3発でティウン)「エレキマン」「アイスマン」ステージがかなり難易度が高い。一方「カットマン」「ボンバーマン」ステージは即死ポイントもあまりなく難易度は低め。
      • 特にカットマンはロックバスターでも怯む、武器使用前に一旦動きを止める、防御力も弱い等明らかに弱く前述のエレキマンの弱点武器の「ローリングカッター」が入手できるので真っ先にクリアすべきステージともいえる。
    • 特殊武器に関しては「サンダービーム(エレキマン)」が最も使いやすい。ロックバスターと比べ速度が遅く連射不能で燃費も高めだが攻撃範囲が広くロックバスターに耐性を持つ敵にも効き、特定ブロックも破壊可能、攻撃力も高い。
      「ファイヤーストーム(ファイヤーマン)」も攻撃時にロックマンの周りに炎のバリアーが発生するので耐久力の低い雑魚が多数出現する地域では便利。
      「アイススラッシャー(アイスマン)」は攻撃力はないが炎を凍らせたり、敵の動きを止めるためにピンポイントで効果を発揮する。
      「ローリングカッター(カットマン)」は軌道が独特、スピードが遅いためにやや使い勝手が悪いが攻撃力自体はロックバスターより高く燃費が良いためにサンダービームを温存したい時は十分選択の余地はある。
      • 一方「スーパーアーム(ガッツマン)」「ハイパーボム(ボンバーマン)」はかなり使いにくい。前者は「特定のブロックを掴んで投げる武器(?)」である。・・・つまりブロックが存在しなければ意味がないのである。一応投げた時の攻撃力は高いしブロック破壊如きでサンダービームを使いたくないときは選択価値があるが・・・
        後者は投げた後、一定時間が経つと爆発しダメージを与える武器である。威力は高めだが爆発範囲が狭い為雑魚も頻繁に動き攻撃してくるこのゲームではこの武器は有効には使えない。これを使うくらいならほかの武器を使用するか最悪、ダメージ覚悟で強行突破したほうが被害が少ないこともあるので完全に死に武器である。

裏技

+ 閲覧注意
  • セレクトボタンを押してポーズをかけてもダメージ後の無敵時間は減っている。
    つまり、これを利用するとボス敵の無敵時間を消す事ができる。
    具体的には、攻撃を当てた瞬間にポーズをかけ、無敵時間を示すエフェクトが消えたらポーズを解除し、再度ポーズ…を繰り返す事で連続してダメージが与えられる。
    • 作中最強と謂われるイエローデビルをアクションが苦手なプレイヤーでも撃破できる、唯一の救済策とも言える。
      但しこれを利用すると各ボスが軒並みザコに成り下がってしまう為、シリーズ屈指の難易度が急激に落ち込んでしまう。
      通常プレイでの利用はお勧めしかねる所である。

移植

  • 後にMD用ソフト『ロックマンメガワールド』に再録され、PSにも移植が行われた。更にリニューアル版として『ロックマンロックマン』が発売された。
  • 他にも携帯アプリにて『ロックマン Lite』と『ロックマン完全版』のタイトルで配信されている。
    • Lite版は当時の携帯端末の性能に合わせて調整が行われているためFC版とは内容が少々異なる。
    • 完全版はほぼ忠実な移植であり、1度オールクリアをすると隠し要素としてロールでプレイできるようになる。
      • ロールはロックマンよりバスターの威力が低く、特殊武器も使えない。代わりに武器エネルギーを消費して、敵を貫通するチャージショットが撃てる。但し、『ロックマン4』以降のチャージショットと違い、チャージから発射までがオートで行われる為、動いている敵に当てるのが難しいため難易度はロックマンよりも高い。
  • Wii、3DS共にバーチャルコンソールでも配信されている。
    こちらも完全な移植だが、目の負担を軽減するため、FC版に比べて画面の輝度が抑えられている。

その他

自機である「ロックマン」は、当時のゲームキャラとしては非常に多くのグラフィックパターンが用意されていた。
立ちポーズ、移動時、ジャンプ時、攻撃時の他、被弾時(仰け反るアクション付き)、梯子を登る際(登り切った時の「体を折り曲げている」姿まである)、果ては数秒ごとにまばたきまで行う程である。

この様に独自色を出すべく工夫を凝らされていた本作であったが、当初はあまり売れなかった。
しかし翌年、一般からボスキャラデザインの公募が行われ、第2作が発売された。

ちなみにDr.ワイリーは主人公のロックマンを差し置いて『クイズカプコンワールド』で一足先にアーケードデビューを果たしている。
『2』でも「ロックマンは道中の雑魚なのにワイリーはボス」と優遇されている。

  • 開発当初は上層部の意向により鉄腕アトムの版権を用いたゲームを作る予定だったが、プロデューサーの意向でオリジナルキャラのロックマンで貫き通した逸話がある。
  • 「ロックマン」と言うタイトルが決まる前は、「レインボー戦士ミラクルキッド」というタイトル候補があった。

海外NES版『MEGAMAN』のパッケージイラストではロックマンとは思えない人物が描かれている。これはロックマンだけとは限らないが…

  • ちなみにこのパッケージのメガマンは、PSV版『ストリートファイター X 鉄拳』に参戦する事になった。まさかの海外パッケージ仕様のロックマンが参戦するとは誰が思っただろうか。