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聖剣伝説3
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聖剣伝説3
- (2013/10/15 (火) 01:59:46) の編集履歴(バックアップ)
聖剣伝説3
【せいけんでんせつすりー】
ジャンル
アクションRPG
対応機種
スーパーファミコン
メディア
32MbitROMカートリッジ
発売・開発元
スクウェア
発売日
1995年9月30日
価格
11,400円(税抜)
プレイ人数
1~2人
分類
良作
聖剣伝説シリーズリンク
概要
スクウェアを代表するアクションRPG『聖剣伝説』シリーズの3作目。
ストーリー
出身地の異なる主人公が6人存在するが、大雑把にまとめればどのキャラクターも「平和な日々が、突如現れた謎の勢力に襲撃・介入を受けたことで失われてしまう。主人公は復讐や奪還、大切な人の救出のために旅立つ」というストーリーになる(細部は異なるが)。
自身の目的を解決するために故郷を離れ、旅の途中で立ち寄った湖畔の村アストリアで確認した不思議な光を追っていった主人公は、世界を司るマナの女神に仕える「フェアリー」と出会い、世界の危機を知らされる。
行きがかり上フェアリーの宿主となり世界を救うことになった主人公は、自身の目的を兼ねながら、各地の精霊の力を借りてマナの聖域に向かう旅に出ることになる。
特徴
主人公達
総勢6人の内、メインとなる主人公1人と仲間2人を選ぶという当時としては珍しいパーティシステムを採用。
主人公ごとにオープニングが異なるのはもちろん選んだ主人公によって後半の展開が変化し、終盤のダンジョン・ラスボスも3通りに分岐する(トライアングルストーリーと銘打たれた)。
ちなみに、主人公の殆どが王族や著名な人物の子孫といった身の上にある。
主人公勢はいずれも魅力的。特にアマゾネスで槍使いの王女「リース」の人気はシリーズでも群を抜いており、発売から15年たった現在でも健在である。
(主に同人誌であるが)
クラスチェンジシステム
キャラの能力成長などの方向性を選択することにより、幅広いキャラ育成が可能なシステム。
物語途中に出てくる「マナストーン」を通じて主人公達はクラスチェンジをする事ができる。各キャラクターは初期状態でクラス1に設定されており、2回のクラスチェンジを経て最終的にクラス3になる事ができる。
クラスチェンジの際は光か闇のどちらのクラスへ進むかを選択する。計2回のクラスチェンジによって、最終的には各キャラ4種(光2種・闇2種)のクラスに分岐する。
クラスによってキャラの能力やグラフィックが変化する。
移動・戦闘画面でのグラフィックはキャラクター色が変わるだけだが、ステータス画面のグラフィックは大きく変わる。光方向に進んだキャラクターが清廉な姿をしているのに対し、闇方向に進ませると禍々しい姿の男性キャラクターや妖艶な姿の女性キャラクターが見られたりと容姿の面でもギャップが楽しめる。
基本的に光は万能型、闇は一芸に秀でたタイプになる(例外もある)。
どうクラスチェンジをしても、台詞やストーリー展開への影響は全くない。
その他
前作で問題だった、仲間が地形に引っかかって先に進めない部分も改善された。
前作で好評だったモーションバトルとリングコマンドを再利用。
戦闘システムは2を踏襲している部分もあるが、様々な点で2とは異質のものとなっている。
キャラ固有の持つ「必殺技」があり、クラスチェンジするごとに強い技が1つ増える。
武器や魔法ごとの熟練度は廃止。これにより、熟練度によって変化していく必殺技や魔法を見る楽しみは失われたが、熟練度を溜める作業も不要になった。
昼と夜・曜日の概念が追加された。
昼と夜で出現モンスターが変わる地域があり、また夜に特殊能力を発揮する種族や、曜日によって特定の属性魔法が強化されるなど、それなりに実用性もある(気にしなくてもクリアできるレベルではある)。宿屋でも指定すれば夜に起こしてくれたり、特定の曜日だと宿屋がタダになったりなどの演出あり。
レベルアップ時にどの能力を上昇させるかは、プレイヤーがある程度任意で選択できる。
アイテム等が大量に増加(それによる倉庫)、種による栽培など、後の『LEGEND OF MANA』に引き継がれるシステムが生まれた。
アイテムの種類が増えることによって多くの魔法の効果を代用できるようになった。
魔法のように一定時間無防備にならず、即座に効果を発揮する点では、むしろ魔法よりも優れている。
評価点
前作に引き続きファンタジーの王道的な世界観やキャラクターが揃っており、そこにクラスチェンジなどキャラクター性を高める大きな要因が加わっている。
結城信輝氏による公式イラストも、本作のキャラクター性を高めるのに大きく役立っている。
SFC最高水準とも言える美麗なグラフィック。同時期には『
FFVI
』や『
ロマンシング サ・ガ3
』などがあるが、こちらは多少ではあるが挙動するのがポイント。
攻撃魔法を中心に迫力あるエフェクトが光り、次世代機と比較しても遜色ない。
前作で人気を集めた表現豊かなアクションは今作も健在。高画質の代償か、ややアクションのレスポンスが遅めだが、SFCの限界に挑戦する意欲作といえる。
屋外シーン限定ではあるが、時間経過とともに少しずつ黄昏ていく戦闘風景など飽きさせない演出がある。
主人公・成長方向・ストーリーなど、選択の自由度が非常に高い。
主人公が6人のため、6人分のシナリオが存在する。キャラによっては専用のイベントや敵が出現するので、完全にクリアするなら最低3周は楽しめる。
クラスチェンジ&パーティを変更すれば、より長く楽しむ事も可能。同じパーティであっても主人公を変えるだけでグッとゲームの印象が変わる。クラスチェンジについても同様。
分岐もそこそこ多く、自由度は低くない。
特に7体のボスを倒していく神獣戦は倒す順番が全く決まっていない為、後になるほど強くなっていくシステムも相まってプレイヤーの意思で難易度を決定できる。厄介なのを先に倒すか、それとも後に残してスリルを味わうかも自由である。
ボス戦での演出も非常によく、中には画面を覆いつくすほどの巨大なボスや、多関節でなめらかな動きを見せるボスもあり、ボスごとに独特の行動がありと飽きさせない。
前作から引き続き菊田裕樹氏のサウンドが、世界観に見事にマッチしている。前作と比較し、アコースティック、民謡的な作品が多い。
『聖剣伝説2』ではSFC音源を全て使い切っていたがSE音で発音割れを起こすという欠点があった為、サウンドの発音数を減らしSE音の住み分けを作る結果の選択だったという。盛り上りは前作には叶わないが、不足感は感じられず絶妙な出来となっている。
戦闘曲にも恵まれており、おどろおどろしい雰囲気のものから高揚させるハイテンションなものまで数が揃っている。
特に中ボス戦の曲は秀逸で、前半の見せ場であるローラント城奪回作戦は、この音楽によって疾走感と高揚感をかきたてられることが大きい。
音声は「モノラル」「ステレオ」「ワイド」と選択でき、「ワイド」を選択すると音楽がバーチャルサラウンドで出力されるため、ステレオ環境でより臨場感を高められる。
RPG屈指のラストバトル演出。
戦闘開始時は重々しくも禍々しいBGMで、プレイヤーの不安を煽るような「絶望」をイメージとした曲が流れる。
しかし、一定のダメージを与えるとラスボスの形態が変化(厳密に変化といえるのはアークデーモンだけだが)し、その後画面とBGMが一旦ストップ、BGMが一変する。
前哨戦とは打って変わって「希望」をモチーフとする雄大かつアップテンポな曲調となり、プレイヤーの士気が一気に向上するニクい演出となっている。
問題点
前作より格段に減ったが、今作にもゲーム進行に関わる致命的なバグが数個あるため注意が必要である。
シャルロットバグ:シャルロットをパーティーメンバーに選択した状態でゲームを開始し、ストーリー中盤でシャルロットが一時離脱するシーンまで話を進める。その後、シャルロットが待っている場所まで戻ると本来ならそのままパーティーに復帰するのだが、シャルロットに近寄らないよう脇をすり抜けるように移動するとシャルロットが仲間に復帰しないまま別のエリアに移動してしまう。その後再びシャルロットを仲間にせずに進むとコロボックルの村に入れなくなり、ゲームの進行が不可能になる。
幽霊船バグ:ゲーム中盤、幽霊船に乗り込む前にクラス2になったキャラを船内のイベントで呪わせた後にセーブすると、そのセーブデータが使えなくなる
ダークキャッスルバグ:ダークキャッスルで落とし穴に落ちた時魔法のロープを使うと、ここから出られなくなる。
ミラージュパレスバグ:無限回廊で稀にモールベアの高原に飛ばされる。元々罠が多いダンジョンな為、仕様かバグなのかは分かり辛い。ただ、モールベアの高原に飛ばす理由が無いので恐らくバグだろう。
文字のフォントがやや横幅がせまく、おまけに字を詰めてるので読みにくいことがある。
シャルロットの台詞は平仮名が多いのでこの欠点が目立たないものの、別の意味で読みにくい。
OPはこれに加え自動の文字送りのテンポが早くて読みにくい。
メニュー画面に移行する際や、カーソル操作や決定時にラグがあり操作性が悪い。道具や装備の整理がやや面倒に感じる。
度々『2』との引き合いに出されるが、アクション性が低くなった・戦闘がもっさりになってしまった点。
戦闘時の動きが遅いため、敵との位置取りを考えて動けなくなってしまった。
『2』と違って、リーチの長い武器や至近距離では当てにくい武器などが存在せず、通常攻撃はいずれも接近戦用。とはいえ、やはり各キャラによって攻撃範囲&リーチの差はある。当たり判定が大きい上に動き回る事の少ない大半のボス戦ではあまり気にする事もないが、雑魚戦では距離の調節も結構重要である。
戦闘時のダッシュは、距離の離れた敵に向かってのオートダッシュしか出来ない。
攻撃ボタンを押し続けてAI操作に切り替えることで敵に向かってのみダッシュできる。
様々なギミックを持つボスが増えたため、ダッシュ出来ないことが文字通り戦闘の足かせとなっている。
必殺技や魔法は、発動中の間、敵味方の動きが停止するものが多く、ゲームのテンポを損ねている。
魔法攻撃が弱く、使いづらい。
魔法攻撃は前半こそ敵の弱点を突いて活躍できるが、後半は魔法(必殺技レベル2・3も)に対してカウンター技を持つ敵が増えて簡単に打てなくなる。
特に際だった例は中盤のローラント城奪還で戦うことになるビル&ベンという二人組の忍者である。
こいつ(戦闘中は2人が1体に合体する)に魔法攻撃を使うと「影潜り」という名前の必殺技で反撃してくる。
この「影潜り」がとんでもないダメージを叩き出す大技(クラス3「ニンジャマスター」の必殺技)であり、その時点のレベルでは確実に瀕死になる。
ジェノアというボス(こいつ自体もなかなかの強敵)からの連戦でアイテムなどを消耗している状態で戦うことになる上、
属性ダメージ付きの能力ダウン技を使ってくる。
さらにある程度ダメージが蓄積すると
合体後の能力そのままに2体に分裂する
ため、先述の反撃技での致死率が非常に高い。魔法攻撃主体のアンジェラはここでほぼお荷物状態である。
ただ、沈黙付与の魔法攻撃は敵の必殺技や魔法を封じるために非常に強力なものとなっている。
そうでなくとも、セイバー魔法やパワーアップを付けた物理攻撃のダメージ効率に明らかに負けてきてしまう。
魔法攻撃主体で物理攻撃が貧弱なアンジェラは不利な要素まみれである。
キャラ性能にやや差がある。
ケヴィンは攻撃力が高めの上に二回攻撃が出来、夜は変身して攻撃力UPが可能
(
*1
)
。そして、その状態で攻撃を受けると更に攻撃力UPと、物理攻撃偏重の3ではすさまじい程有利であり、バランスブレイカーといわれても仕方ない性能となっている。
クラス3のデスハンドは使用できる魔法に効果がないという不具合がある(ただしデスハンドはケヴィンのクラスで一番力が高いアドバンテージはある)。
デュランはケヴィンに割を食ってしまっているが、劣らずの攻撃力と剣での幅広いリーチでヒット&アウェイもしやすいと言った利点があり、魔法も光に進むとヒールライト、闇に進むとセイバー系統を覚え、どちらも全編通じて役に立つ。
ホークアイはケヴィンと同じく二回攻撃可能だが、一発の威力が低いので防御力の高い敵が厄介な上に、前衛を任せるには体力も低いので打たれ弱い。
しかし手数が多いのでゲージがたまりやすく、必殺技を頻繁に出せるので、それで攻撃力の不足を補うことはできる。セイバーやパワーアップを使うとダメージ量がデュランを上回ることもある。
特殊能力もブラックマーケットでは代用できないものが多く、本領発揮はクラス2(光の場合はクラス3)からとなる。
アンジェラは上記の通り、中盤以降厳しい戦いを強いられる。物理攻撃も弱くHPが最も低いので倒されやすく、魔法もカウンター持ちの相手か否かを判断して使う必要があるので、初プレイでは辛い。
リースは強力なステータス増減魔法を使えるが、ステータス増加はブラックマーケットでアイテムで買え、ステータス減少は他のキャラが持っていることがあるため、場合によって殴るだけのキャラになってしまう。
シャルロットは回復魔法「ヒールライト」をクラス1から使える上、クラス2にすれば全体回復も可能になる為、安定した回復要員として重宝する。
結論として、ケヴィンが突出して強く、アンジェラがゲームシステム的に不遇といった感じである。
但し、ブラックマーケットといった救済処置によりどんなパーティ&どんなクラスでもゲームクリアは可能である。だが、せっかく作ったパーティの個性を損なってしまう恐れもあるためあえて利用しない人も居る。
主人公達が物語に登場する頻度に差がある。
進行上、仲間にしなくても必ず接点があるキャラクターはいるものの、逆にほとんど物語に絡む事がないキャラクターもいる。
アンジェラはその一人であり、一切彼女の姿を見ずにゲームクリアも可能。さらに不遇っぷりが加速する。
クラス3の活動範囲&手間。
クラス3の条件は『規定レベルに達していること』『クラスチェンジアイテムを持っていること』の二つ。
2回目のクラスチェンジは終盤に差し掛かった辺りから可能になるが、普通にプレイしているとラストダンジョン付近で規定レベルに到達し、チェンジアイテムを落とす敵もこの付近に固まっているため、クラス3が使えてもほぼラストダンジョンになっている場合が非常に多い。
活動範囲が非常に限られるだけでなく、魔法を覚えるためにラストダンジョンでレベル上げをする必要も出てきてしまう。
勿論、これ以前にチェンジは出来るのだが、この時点でチェンジアイテムを落とす敵が特定キャラ専用で行ける場所の敵だったり、召喚させないと出てこなかったりと非常に入手が大変であり、さらに運要素が2重3重に絡んでいたり、これに加えてレベル稼ぎをしなくてはならないため、知らないと不可能に近く知っていてもかなり時間が掛かってしまう。
最強装備を揃えるのに手間がかかる。
最強装備を手にいれるには、特定の敵を倒して入手できる「武器防具の種」が必要なのだが、1人のキャラが装備できる箇所が4つ(デュランの盾を含めると5)なので少なくとも12個(13個)は種が必要であり、上記のクラスチェンジアイテムに輪をかけて手間が掛かる。当然同じ装備が出ることもあるため、普通に種を植えているとほぼ最低数以上の種が必要となる。
実は種から出るアイテムには法則性があるので、それを調べればかなり絞り込んで装備を入手することも可能ではある。
デュランのクラス2とパラディンで手に入る盾は、店売りのものと性能が変わらない。苦労して手に入れたと思ったら…
ただ、これ(宝箱から手に入れる点)は前作でも言えた事である。そこから更に運が必要&必要総数が多いという点では今作の方が厄介だが、宝箱の出現率に関して言えば今作の方が高い。その為、前作で苦心して最強装備を集めた人には、然程手間に感じないかもしれない。
黒幕の本拠地には隠しボスがいるが、特定のキャラ二人以外を主人公にすると戦えなくなる。
元々はどの主人公でも戦えるはずだったが、調整ミスでこうなったらしい。
総評
致命的なバグが少々存在するものの、パーティーメイキングやクラスチェンジを盛り込みながらも一定したゲームバランスを保っている。
現在でもキャラクターのファンアートが多く見られるなど、高い人気を維持していることは確かであり、次世代ハードでの移植を熱望する声が多い作品のひとつである。 しかし、当時のスタッフのほとんどはスクウェア・エニックスから離脱しており、完全なリメイクは非常に困難な状態。ただし『
ロマンシング サガ -ミンストレルソング-
』等の例もあり、不可能というわけではない。
その後の展開
本作は海外では発売されず、代わりに同様のシステムを使った「聖剣伝説USA」ともいうべき『Secret of Evermore』が発売された。こちらは逆に日本未発売。
本作が海外発売されなかった理由について、バグに厳しかった当時の任天堂が(聖剣伝説2での前例も影響し)聖剣伝説3のバグを問題視したのが理由ではないかという説がある。
PSで発売された『
LEGEND OF MANA
』は良作といえる作品であったが、『
新約聖剣伝説
』以降シリーズの評判に陰りが見え始め、『
4
』では評価を地に落とした。詳しくは当該項目参照。