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Gダライアス - (2012/08/11 (土) 05:42:36) の編集履歴(バックアップ)
Gダライアス
【じーだらいあす】
ジャンル
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横シューティング
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対応機種
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アーケード(FXシステム)
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発売・開発元
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タイトー
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稼動開始日
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1997年
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ダライアスシリーズリンク
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概要
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AC版ダライアスシリーズ4作目。時系列はシリーズ中で最も古い時代とされ、主人公2人はダライアス星人の先祖。敵はシリーズおなじみの「ベルサー星人」ではなく、海洋生物モチーフの機械生命体「THIIMA(シーマ)」。
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『ダライアス外伝』に引き続き一画面だが、ダライアスシリーズで初めてフルポリゴン描画を採用した事、また機械生命体という設定により、ボスの巨大さや挙動の豊かさで例を見ないスケールとなった。
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楽曲は従来のACダライアスシリーズから引き続いてOGR氏が担当。
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ステージは全15ゾーンから5ステージ選択と従来より減少しているが、ゾーン内の分岐や全てのゾーンに異なるボスが配置されるなど総合的なボリュームはむしろ増している。
ゲームシステム
基本システム
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シルバーホークの性能自体は対地用のボムとバリアのアーム、ミサイル・レーザー・ウェーブの三段階成長するショットと初代に近い性能である。だが最も重要なのは『外伝』にも登場したキャプチャーシステムである。
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『外伝』では中ボスのキャプチャーボールを取り外す事で一時的にオプションとするものだったが、今作では自分でキャプチャーボールを発射して敵に当てる事で中ボスのみならず雑魚もオプションにする事が可能になった。
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中ボスを捕獲する方が勿論有利だが、中ボスにはキャプチャーボールを弾く装甲があり、まずはこれを破壊する必要がある。
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また敵をキャプチャーした状態でショットを長押しする事で「αビーム」を発射。キャプチャーボタンを押すと緊急回避の「キャプチャーボム」が撃てる。
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キャプチャーした敵ごとに異なる個性的な攻撃を自機と連動して発射したり、敵の弾から自機を守る盾にもなるが、それら以上にキャプチャーした敵を素材にする事で放てるαビームが強力極まりない。
αビームカウンター
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本作のボスはαビームと同性質のβビームを放ってくるが、それに対してこちらもαビームで返す事で「ビーム合戦(αビームカウンター)」へ持ちこむ事が出来る(この時は連打勝負になる)。
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この時の連打勝負に勝てばαビームは攻撃力が上がってボスに大ダメージを与えられるが、負ければ逆にこちらのαビームが吸収された上で極太ビームが帰ってくるのでリスクも大きい。
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αビームで倒した敵は普通に倒すより4倍のスコアが手に入る(ちなみにキャプチャーした敵の攻撃で倒すと2倍スコア)。この為、スコア稼ぎにとっても重要な要素になっている。
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このビーム干渉システムは『メタルブラック』の影響を色濃く受けている。
ゲームバランス
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αビームの依存度が高いためとにかくボスが堅い。シルバーホーク単体の攻撃力は高くなく、ちまちまとショットを撃っているだけではなかなか倒せない。
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また生命体という設定上か、部位破壊しても再生するボスが多い。
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ではどうやってボスを倒すかというと、上述したビームカウンター(敵のβビームに合わせてαビームを撃ち、連打に勝つ)である。とにかくαビームゲーである。
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ボス戦までのキャプチャーした敵を持っていければ良いが、そうでない場合はボスが雑魚を吐き出してくるのでそれをキャプチャーする。
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ビームを放てるようになるまでは、ボスが雑魚を出すまで攻撃に耐える形になり、どちらかといえば「避け」に比重が置かれている。やや弾幕STGに近い物があるかもしれない。
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一応言っておくと4面ボスぐらいまでなら(ボスやこちらがキャプチャーしている敵にもよるが)敵がβビームを放つ前に撃破することも可能である。
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キャプチャーボールを落とす敵はかなり多い。その為、道中でもケチらずにαビームを使いまくる事も出来る。
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逆にキャプチャー出来る敵が居なければ使いどころがない。つまりボス戦で何もキャプチャーしてない状況で緊急回避手段を取る事が出来ない。
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結果、外伝のようにボス戦でボムを使ったゴリ押しは出来ない。
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『外伝』のピラニア・シャコのような凶悪ボスは居ない。シリーズ伝統のクジラルート(下ルート)は他に比べると難しめだが、他のラスボスの難易度も近い物がある。
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逆に言えば『外伝』でいう所の「ウナギルート」のような初心者向けルートが用意されていない。出てくるボスはまんべんなく強いのである。
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ただボスの動きはパターン化による覚え要素が強く、攻略のしがいがあると言える。
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一応、「α下→γ上→ε下→ι下→ν上かξ下」と、比較的パターン化が容易なルートはある。
演出
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ポリゴンで生き生きと動き回る海洋生物系ボスキャラクター。
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このゲームのボスは画面内にきれいに収まりきらないほどのサイズを持つものばかりだが基本的に画面端に陣取り体の一部を画面外に置くことにより戦闘時に窮屈さを感じさせない。また一箇所に陣取って戦うボスは少なく、画面の四隅(上下左右)のみならず画面奥まで使った動作で3Dアクションゲームのボスキャラのように悠々と泳ぎ回るため、上述のような状況にも拘らずボスキャラのデザインは全身はっきりと認識できる。
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花に囲まれて現れ、ひれで顔を隠すしぐさを見せるトライポッドサーディン(サンキャクウオ型戦艦)、ロボットアニメばりの合体分離を見せるエターナルトライアングル(ミツクリザメ型戦艦)等、シリーズの中でも突出した個性を持つボスが多数登場する。
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戦闘中の挙動も非常に芸が細かい。威嚇するように咆哮する、軽く予備動作を入れてから大きな動きをする、微妙な緩急をつけながら揺らめく様に動くなど生物的かつリアルな動きをする。このあたりに関しては昨今のゲームと比較してもなんら遜色のないレベルの高さを誇る。
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道中も、中ボスの射撃で高架道路が落とされるなどの演出が光る。特に雷鳴とともに一瞬シルエットを現すG.T.はシリーズ中最高の演出と評価されている。
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ただし、当時レベルのポリゴンで描写されているため、前作までの精密なドット絵と比べると、グラフィック的には少しぼやけた印象が否めない。しかしプレイに支障をきたすレベルではない。
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ビーム干渉、キャプチャシステムなど、過去作STG(メタルブラック、ダライアス外伝)の要素を昇華している。
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本作は創生・誕生がテーマであり、1作目ダライアスへ繋がる作品という設定上、EDは「新人類」「アダムとイブ」を押し出した流れで統一されている。
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以前にあった夢オチ・ゲームオチといったおふざけEDが無く、主人公のどちらか、あるいは両方が死ぬEDもある為、シリーズ最鬱作品とも言われる。
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本作はストーリー、登場人物、世界観、及び敵勢力であるシーマの設定が詳細に作られており「だがしかし夢オチだった」「というストーリーのゲームでしたとさ」といったエンディングは正直無理がある。またそのようなエンディングを毎回入れる必要があるのか?という意見もある。
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主人公が死ぬEDもあるが、基本的には新しい星や人類の歴史が始まるエンディングが中心であり(ベルサー軍の誕生にまつわるEDもあるが)それを鬱ととるかどうかは人それぞれである。
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尚、ゾーンνのジ・エンブリオン(クリオネ型戦艦)撃破ルートが正史とされており、当時開発者も雑誌で「このエンディングこそが真のエンディングです」と明言していた。『ダライアスバースト』にもその設定は引き継がれており、驚くべき展開を見せるEDがある。
ただし、Gダライアス発表当時とダライアスバースト発表後では設定に食い違いがあり、例えばGダライアスの開発者は雑誌「ゲーム批評」のインタビューで「ダライアスIIは一作目の何万年後というとんでもない未来」と発言していた。バースト発表後に公開された年表ではおよそ1600年後になっている。
BGM
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音源は前作から格段に進化。作りこまれた音色は非常に癖が強く、解釈にプレイヤーの想像力を大きく要求し、ノリの良さや爽快さを是とする従来的なシューティングゲーム音楽に比べて、極めてハードルの高い物になっており、賛否が分かれるながらも非常に評価が高い。
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もっとも前作(外伝)でもメロディアスすぎてゲーム音楽としては一部賛否もあった。しかし外伝も本作も実際のゲーム画面及び演出と非常にマッチしており「ゲームの世界観を引き立たせるための音楽」という意味では両方共に間違いなく秀逸である。
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シリーズの特徴であったステージとBGMのシンクロも健在。本作1ステージ目ではゲーム開始直後は無音で効果音のみの状態が続き、分岐地点に差し掛かるあたりからBGM「G-ZERO」が鳴り始め、分岐後の背景に合わせて曲が高潮を迎え、ボス前に曲が終わるという計算のされたものになっている。
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最終面BGM「KIMERA II」および最終ボスBGM「Adam」は、最終面BGMにふさわしくダライアスシリーズ、及び2Dシューティングゲームの中でも高い人気を誇る。
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1997年度ゲーメスト大賞BGM部門において、2位以下に大差をつけ歴代最高得票数で大賞受賞している。プレイヤーの食いつきが悪かったとされる本作がこのような記録を打ち立てたという事実は、音楽の評価の高さを物語っているといえよう。
問題点
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デフォルト設定で1プレイ200円。
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既に格闘ゲーム全盛の時代となっており、難易度の高さもありプレイヤーの食いつきは芳しくなかった。
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本作の開発にはかなりの資金とマンパワーが注がれたといわれ、のちにコストパフォーマンスの改善を狙って、1プレイ100円の『Gダライアス Ver.2』を出したが、これがプレイヤーにとって不利となる変更点が多い不評作であったため、テコ入れどころか止めを刺す結果となってしまった。以降、ダライアスシリーズは12年間沈黙することとなる。
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ボス出現前の演出がかなり長く、ゲームのテンポを悪くしている。
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但しスタートボタンを押せば演出カットできる為、問題ではないという意見もある。演出を見るのは嫌だがスキップするのも嫌という特異な人でもない限り気にする必要はないだろう。
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程度の差はあれシリーズほぼ共通の問題として、死んだときのパワーダウンがその後に甚大な影響を及ぼすほどのものであり、復活が困難な点がある。強化アイテムの出現数も上限がある上、特にアーム強化アイテムはノーミスでもフル強化にならないぐらい出現数が少ない。
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ショット2段階目のレーザーは「がっかりレーザー」とよばれるほど使いづらく、3段階目のウェーブに手が届くようになる3面から急激に難易度が上がるため、詰むことが多い。
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とはいえ、本作は殆どの敵をキャプチャーでき、キャプチャーした敵も2,3発で沈むようなヤワなやつではない(しかも小型のザコはなぜか、1体キャプチャーしたのに2体つくことが多い)ため、実質全方位シールドとはべつにもう一つシールドを装備できるようなものであり、他のシューティングの主人公機と比べてもサバイバリティは十分確保されているといえる。
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またキャプチャーした敵は大抵主人公と共に攻撃してくれるためステージ道中ぐらいならそこまで問題にはならないしボス戦に関してはビームカウンターがあるためやはり深刻な問題というほどのものではない。
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キャプチャーする機会が少なくアイテムも出てこないボス戦では、キャプチャー敵を失うと悲惨な状況を招きかねないが、ご親切にもαビームカウンター合戦の直前にキャプチャー可能なオブジェクトをわざわざ吐いてくれるボスも多い。良くも悪くも、まずビーム合戦ありきのゲームなのである。
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αビームに偏重したゲームバランス。
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ボス戦でのαビームカウンターは連射に勝つというシステムである為、連射付でプレイした場合バランスが変わってしまう。
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キャプチャーボムが、キャプチャーしたキャラの生存が条件で(つまり、本当のピンチのときに使えない)、敵を一掃出来るほどの破壊力もないなど、かなり性能が悪く、αビームの強力さ(ついでにいえば、点数倍率もαビームの4~6倍に対してボムは3倍)もあいまって、ほとんど使われない。
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ただし爆発エフェクトが出ている最中は自機が無敵であり、αビームが効かない装甲を持つ中ボス(特にゾーンηとΘ)を安全にキャプチャーするのには役立つ。
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αビームはためが必要で発動中無敵ではない、前方以外は無防備、ソリドナイト(金色の金属)製の敵にさえぎられるなど意外と弱点が多いので緊急回避としてはボムのほうが有効である。
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なおたまにビームやボムはキャプチャーボールが実質2個必要といった話が出てくるがこれは勘違い。
総評
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ダライアス外伝とメタルブラック、その双方からの影響が見られるゲーム。明白なメタルブラックへのオマージュも色濃い。
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演出、システム的には良い意味で非常に個性的な面を持つもののゲーム的にはやや大味で大胆な部分が目立つGと、そつなく綺麗に纏まってはいるものの良くも悪くも普通のSTGといった趣のある外伝は比較される事も多い。
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無論双方共に好きなファンも多数いる。結局方向性が違うだけでどちらも良いゲームという意見が主流である。
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αビームシステムの特異性に関しては、ダライアスシリーズはAC系だけを見てもIIで核トーチカ(破壊すると画面上の敵を一掃)が加わり、早くもダライアスの象徴ともいえるグレートシングが登場しない。外伝では従来の三画面から一画面になり、ブラックホールボム(ボンバー)や上記キャプチャーも加わり、常に構成要素が変わっている。ダライアスは作品ごとの個性が強いと言えるシリーズであり、Gダライアスだけ異質というわけでもない。
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メタルブラック・ダライアス外伝といった名作において影の薄かったシステムを再調理して昇華させたところは評価出来る。
移植
対応機種
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プレイステーション Windows 95/98(SE含む)/Me/XP プレイステーション2(『タイトーメモリーズ 下巻』収録作品の一つ)
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発売元
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【PS/PS2】タイトー 【Win】サイバーフロント
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開発元
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【PS】アイシステム東京
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発売日
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【PS】1998年4月16日、【PS2】2005年8月25日
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定価
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【PS】6,090円、【PS2】5,040円
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備考
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【PS2】TAITO BEST:2006年9月7日/2,604円 同・エターナルヒッツ:2007年6月28日/2,500円 【PS】ゲームアーカイブス:2008年8月27日/600円 Win版はメディアカイトやソースネクストからも発売
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※表示価格は全て税込。
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PS版は、そこそこ良移植。ボスとの対戦だけ楽しめる「ボスモード」があるのはうれしいポイント。ただしAC版より処理落ちが多く、CD読み込みの為BGMがエリア分岐付近とボス出現のかなり前で途切れる欠点はある。
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薄型PS2で起動すると処理落ちが減り、AC版にかなり近い感覚でプレイできる。
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WinやPS2版はACではなく、このPS版をベースにして移植されている。
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Win版は、基本的にPSと大きな差異は無い。
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PS2タイメモ版は、BGMの途切れや処理落ちが解消された。処理落ち解消についてはAC版から言われていた「もっさり感」がなくなった反面、ゲームバランス上必要なウエイトがかかっておらず、処理スピードが上がってかなり高難易度化しており賛否がある。残念ながら処理落ちの有無などは設定できない。
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PS版の移植ではあるが、アーケードモード以外のモード(ボスモード等)は無い。
余談
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このゲームを作ったスタッフはタイトーを離れた後、後に『旋光の輪舞』シリーズ、『まもるクンは呪われてしまった!』等を開発したグレフを設立している。
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グレフの『ボーダーダウン』も当作品と同じくメタルブラックのリスペクトが強いゲームだった。