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ペルソナ3 - (2011/10/01 (土) 11:54:55) の編集履歴(バックアップ)


ペルソナ3

【ぺるそなすりー】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 アトラス
発売日 2006年7月13日
定価 6,800円(税抜)
女神転生シリーズリンク

概要

  • アトラスの代表作ともいえるRPG『真・女神転生』からの派生作品の1つであるペルソナシリーズの3作目。
  • 『真・女神転生III』の制作チームが中心となって開発した。そのため、一部グラフィック等が同作品から流用されている。
  • キャラクターデザインが金子一馬から副島成記へ変更、世界観・システムもこれまでのペルソナシリーズのものとは一新し、学園生活を送りながらイベントをこなしていくというものになっている。
    • 戦闘システムは『真・女神転生III』で採用されたプレスターンバトルの発展形である「ワンモアプレスバトル」を採用している。
  • 音楽は、「女神異聞録ペルソナ」で一部作曲を担当していた目黒将司氏がメインで担当している。

特徴

  • 雰囲気の一新
    • 概要の通り、「異聞録」「2罪•罰」で見られた終始ダークな世界観は薄まっている。特に、後述するコミュ育成に勤しむ前半の雰囲気は、むしろ明るいくらいである。
    • 敵も本作では悪魔ではなく、「シャドウ」と呼ばれる黒い胴体に仮面を付けたなにかである。
    • ただし所々の描写、特に後半からの雰囲気は暗く、完全にライト路線にシフトしているわけではない。
  • 全体的な雰囲気は変わったが、シリーズファンに対するサービスも随所に存在する。
    • 塔状のダンジョンタルタロスとラスボスは、『女神異聞録ペルソナ』の「雪の女王篇」へのオマージュであるし、後日談の「全てを無かったことにしてやり直すか、悲劇を受け止めた上で前に進むか」という展開も『ペルソナ2 罪』を思い出させるもの。小さい点ながら「影人間」「シャドウ」というキーワードも元々は『ペルソナ2』で作られた言葉である。
  • コミュシステム
    • 主人公は毎日学校に通い、イベントをこなしてキャラとの好感度を上げて親交を深めていく。本作は従来よりも学園での日常生活にも重点が置かれていて、これにプレイ時間の大半を費やす事になる。
      • 平日と休日でキャラクターたちの生活パターンは異なるし、年中行事やテストといった時事イベントもある。
    • コミュにはランクがあり、交流を重ねると成長する。育っていくと、ランクに応じてRPGパートで使用するペルソナを作成した際に、経験値をボーナスとしてプラスしてくれる。
      ランクが最大になると、通常では作れない強力なペルソナを作るためのアイテムが手に入る。
    • RPGとしては異色のシステムである。そのため、時に「恋愛アドベンチャー」「ギャルゲー」と揶揄される事も。

評価点

  • コミュシステム
    • 親交度を上げると、度合いに応じてキャラクター達が悩みを打明けてくれるようになる。かなり突っ込んだところまで吐露してくれるので、メイン、サブとわずよりキャラクター達に感情移入することができる。
    • コミュを育てる事は単なる寄り道やおまけ要素ではなく、上記のようにゲーム進行の助けになるシステムであるため、安心してのめり込める。
  • キャラクター
    • キャラクターたちは、高校生という年代特有の未熟さや青臭さが前作以上に大きく演出されており、より人間くささが増している。
    • それ以外にも、キャラクター達には皆トラウマである暗い過去があり、時には主人公への八つ当たりや失言といった不安定さを見せる事もある。最初はそういったギクシャクとした関係が続いていくが、一人一人が次第にそれを乗り越えて心を開いていく様は今作独自の魅力である。
    • 次回作『4』は全編通して和気藹々とした雰囲気であるが、本作『3』は仲間同士がトラウマをお互いにぶつけあい、傷つきあいながら成長していくというもの。どちらが優れているということではなく、それぞれに特化した方向性を持っていると書くべきであろう*1
  • バトルシステム
    • 今作の「ワンモアプレスバトル」は、敵の弱点属性の攻撃やクリティカルヒットによって敵をダウンさせると、ダウンさせたキャラクターが追加行動出来るというもの。
    • うまく攻撃をしていけば、どんどんと連続行動をして敵を圧倒することが出来るため爽快感が高い。
    • また敵を全員ダウンさせると、耐性無視で大ダメージを与える「総攻撃」が使用できる。どのように攻撃して全員ダウンを狙うかという戦略性もある
    • また味方にも弱点があり*2、敵に弱点をつかれたりクリティカル攻撃をうけると追加行動されてしまう。今作は主人公が戦闘不能となると、他の仲間が倒れていなくてもゲームオーバーとなるため、場合によってはは敵の追加行動による集中攻撃であっという間にやられることもありうる。そのため適度に緊張感も保つことが出来る戦闘となっている。
  • 音楽
    • ボーカルの付いたポップな曲は一見ゲーム音楽とは思えないもの。しかし一つ一つの曲の完成度は高い。
    • OPは今までのシリーズと全く違う曲調で、流れるムービーもあいまって「音楽PVのようだ」と高評価。
    • 通常戦闘曲「Mass Destruction」は、Lotus Juice氏のラップと川村ゆみ氏のボーカルによるノリノリの曲で中毒性が高いと好評。
      • また戦闘曲にボーカルを用いるというのも当時としては革新的だった。これは『4』やPSPでリメイクされた1作目でも受け継がれた。
    • また日常生活の明るい曲、ダンジョン探索時や敵との戦闘での雰囲気のメリハリも付いておりその点の評価も高い。
      • サウンドトラックもゲームのCDとしては多くの売り上げを記録している。

賛否・問題点

  • AIの性能の悪さ
    • 今作は主人公以外はコマンド入力ができず、作戦指示を出して、その指示方針に従ってAIが独自に技を選択する形である。
      しかし仲間が敵に攻撃せずに補助魔法を連発していくことも多く、的確に動いてくれない。
      その補助魔法の名前にちなんで「タルンダ先輩」「テンタラフー先輩」などといったアダ名まで生まれるほど。
      • そんな頭の悪い戦いをする先輩に限って性能がいいため、活躍させるためには的確な作戦指示にこまめに変えることが必須。
    • FES以降は調整されており、PSP版では直接コマンド入力が可能になった。
  • 日常生活パートのテンポが良くない。
    • コミュ育成をメインとする学園生活で多くの時間を割くことになる今作だが、「寝て起きた」や「午前の授業を受けた」などといった描写をそこそこ時間かけて毎日やるせいでテンポが悪くダレやすい。
      • この点は、続編である『4』や移植版である『P3P』では特別なことが起きない場合は上記の描写がスキップされ、すぐ操作可能になるといった改善がなされた。
    • RPG部分に専念したいプレイヤーにとっては、日常生活パートの占める割合が大きいというゲームデザインゆえ、テンポの悪さが大きなマイナスになりうる。
  • 前作にあった演出の省略モードが無い。
    • かろうじて通常攻撃のみのモードもあるが、物理反射の敵もいるのでその場合は使えない。
      • だが演出は長くても5秒程度でそれ以上はかからない。これを長いと見るか短いと見るかは人による。
      • 余談だが長寿のRPGである女神転生シリーズ全般に言えることだが何故か演出を省略する機能が搭載されないことが多い。
  • デザイン面
    • 敵である「シャドウ」は、(設定上仕方ないとはいえ)デザイン的には前作や前々作の悪魔達と比べてバリエーションがやや薄い。
    • 今作は月に一度のイベント戦闘以外は「タルタロス」というマップがランダムに生成されるダンジョンに行って探索を行いレベルを上げるといったキャラクターの育成を行うことになるが、上の階層に進んでも背景と敵の強さ以外はほとんど変化せず、特殊なギミックも無いため途中でダレやすい。
  • バトル面
    • 全体魔法が敵すべての弱点が同じでなければ追加行動が行えない。ゆえに一部以外は使用価値が低い。
  • 『FES』以前は、コミュのコンプリートがかなり困難である。
    • コミュニティMAXのアイテム周回プレイ時も引き継がれるため「周回でコンプリートする」事が前提となっている。
      しかしコミュニティのランクは引き継がないので「できれば1つのセーブデータで全コミュをMAXにしたい」と考えるユーザーにとっては不評だった。
      • ちなみに、コミュコンプリートは不可能ではないが、2周目以降限定である上、シビアなスケジュール管理といった壁が立ちふさがる完全な「やり込み」の領域である。
    • アペンド版である『FES』や移植版の『P3P』、次回作『4』ではコンプリートが比較的容易に出来るように調整された。

総評

  • シリーズにおいて大幅な方向転換を図った作品の常であるが、旧来のシリーズファンには抵抗感を覚えた人間もいる。
    だが荒削りな点もありながらも高い独自性を持つコミュシステムややり込み要素、評判の高い『真・女神転生III』の要素を色濃く受け継いだバトルシステムなど、総じて高い完成度を誇る作品ではある。
    この独自性は後述の『FES』や『P3P』で更に完成度を高めていくこととなる。
  • 本作のシステムを継承した『ペルソナ4』は好評であり海外でも人気も博した。
  • 『4』が『3』の路線を継承して作られた事もあり、あらゆる点でシリーズの転換点となった作品である。

余談

  • 前述のFESのほか、ケータイゲームやパチンコ、TCG、テレビアニメ*3、PSPへの移植版など関連商品が多い。
  • 『女神異聞録ペルソナ』、『ペルソナ2罪・罰』のシナリオライターを担当した里見直氏は降板している。そのため、ペルソナシリーズの立役者の一人であった氏が関わっていないことを批判する者も一部にいる。
    • すでにアトラスを退社して久しいこと*4、本作がそれまでのイメージから大きく方向転換しているので、無理に起用する必要は無いとする者もいる。


ペルソナ3 FES

【ぺるそなすりー ふぇす】

ジャンル RPG
   単独起動版

   アペンド版
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 アトラス
発売日 2007年04月19日
定価 アペンド版:4,800円
単独起動版:7,800円(全て税抜)
  • 『ペルソナ3』の好評を受けてアトラスが発売した『ペルソナ3』のアペンドディスク。大幅なゲームバランスの調整、さまざまな追加要素を加えて発売された。

特徴・評価点

  • 単独起動版とアペンド版の二種類が用意されたこと。
    • 単に「もう一度買え」とするのではなく、前作のディスクを持っていればより安価で購入することが可能だった。内容に差異はない。
  • 豊富な追加要素。
    • 新規追加は主に、新規イベント、ハードモード、新ペルソナ、新コミュ、武器合体システムの5つ。
      • 特に人気キャラクターであり、物語の中核に位置していた「アイギス」のコミュの追加と、サブキャラクターながら高い人気を誇っていた「エリザベス」とのデートイベントの追加はファンからの評判も良い。元々アイギスのコミュは本編で没になったという経緯があるので、ファン待望と言っていいだろう。
    • ユーザーの要望が高かった、装備する衣装に合わせたグラフィックチェンジも評判が良い。
  • その他、ゲームバランスの調整。
    • 最大の特徴として、コミュの難易度の易化も行われた。上述した通り、本編ではコミュのコンプリートは非常に困難であったが、今作以降では調整が加えられ、完璧なスケジュール管理でなくともコミュコンプリートが可能になった。
      • 頭が悪いと酷評されたAIの行動が改善され、戦闘でストレスを感じずに済む。俺たちのタルンダ先輩はもういない。
  • 本編セーブデータの一部継承が可能。
    • ある程度繰り返しになる部分はあるが、本編をプレイしたユーザーもストレスなく追加要素を楽しめる。
  • またロード時間の短縮なども行われ、細かい点にも手が入っている。

不評点

  • 追加ディスクというやり方そのもの。
    • 何はなくとも完全版商法に含まれることは違いない。延期してでも最初っから全部入れて売れ、という批判もある。
      • ちなみに早くから「ペルソナ3のディスクを手放さないでいただければ きっといいことがあると思います」と公式サイトでアナウンスしていたり、「私を手放さなければ、きっとまた会える」というキャッチコピー付きでファミ通に広告を打たれていた。

賛否両論点

  • 追加版のFESで用意された新規シナリオ「Episode Aegis」の内容が賛否両論で、大きな議論を巻き起こした。
    • 議論の的となる点は大まかに分けて二つあり、一つは主人公の扱いについて。
+ 賛否両論である点その一。ネタバレ要素を多く含むため注意。
  • 最大の論点は、主人公が死亡していること。製作サイドとしては、本編のエンディングとして主人公が死んだと表現したつもりだったが、ハッキリと明言する形ではなかったため、プレイヤー側は「どちらとも取れる演出をして、生死はプレイヤーの判断に委ねた」と判断した人が多かった。
    • 制作サイドは、後日談の目的の一つとして、その辺をはっきりさせるという点があることを否定していない。
      • もっとも、どちらとも取れる演出とは言っても、最終決戦の演出やエピローグなどでは明らかに「死」よりの描写(最後のスキルの使用条件が「HP999消費」、最終決戦前に死を暗示されるなど)である。発売以後も死んでいるという推測のほうが主流だったことは明記しておく。生死そのものよりも、公式が確定してしまったという点において批判が集まったということである。
    • 主人公の名前は特に決まったものは無く好きな名前をつけることが出来るので、プレイヤーの分身としての意味合いでプレイしていた人や、純粋に主人公を好きだった人、プレイヤー生存説を取っていた人は追加版の『FES』で死んでいたことが確定したことにショックは隠せなかっただろう。
      • この点についてプロデューサーは「主人公が最高の充実の中で事切れるというハッピーエンド」、「ペルソナ3は死の疑似体験ができるゲーム」と発言している。
      • プロデューサーの発言についてはこちらのページにまとめられている。
+ 賛否両論である点その二。こちらもネタバレ要素を多く含むため注意。
  • 新規シナリオの終盤で、主人公がいなくなった後残された仲間同士が戦いをはじめる。
    • 内容としては、大雑把に言えば「過去に戻って主人公を救う」か「主人公が自分自身の意思で生命を賭して世界を守ったことを尊重し、今を生きるか」で仲間同士の意見が真っ向から対立したため。
    • この争いの際、感情のままに言葉をぶつけ合い争うため、「仲間に暴言を吐いていて、本編でのキャラの成長が感じられない」、「キャラの言動がひどすぎる」などといった批判が相次いだ。
      • キャラクターの描写に関しては、「変だ」とする声もあれば「感情が昂っている場面が多いだけで、おかしいとも思わない」との意見もある。
        シナリオライターが変わったわけでもないので、仲間の描写に関しては賛否が真っ二つである。
  • また、そのラストも、完全にすっきりとは感じられないもの。特に、「今の段階では主人公を救えない」という点に対してはよく批判される。
    • よく誤解した意見などが散見されるが、「仲間たちが主人公を見捨てた」などは完全な勘違いである。主人公を救うために行動を開始していこう、という意思はしっかりと示され、「希望のある終わり」を意図して描かれている。……ただ、その方法が「困難すぎる」「具体的でない」ことがまた批判される点。
      • 「仲間たちが主人公を救うために俺たちなりに戦おう!」というエンディングを描こうとして、具体的な改善案を作中で示さなかったことがこの賛否両論の原因であろう。
  • また、無口無個性ないわゆるプレイヤーの分身型主人公(FESではタイトル画面において本編を「episode Yourself」と表記するなど主人公=プレイヤー自身であることを公式に示している)でありながら、後日談では仲間たちの口を通して本編における主人公の考えや想いについて「シナリオ担当者の考える主人公像」を勝手に押し付けてくるような傾向がみられる。
    • 「シナリオ担当者の考える主人公像」を基に「主人公の遺志を無駄にする気か」等発言する仲間もいるため、自分の分身として主人公を操っていたプレイヤーにとっては「自分はそんなこと考えてないのに」と違和感を生じさせている原因となっている。
      • 逆に主人公にそこまで感情移入していなかったり主人公を一人のキャラとして自分とは切り離してプレイしていた層はそれほど違和感を覚えていないためプレイヤーのプレイスタイルによって賛否両論を招きやすい。
  • 「後日談はなかった」とする批判的なファン、「面白かった、本編の深みが増した」とする擁護的なファン、「批判するにしても擁護するにしてもそこまでいかない」というの中立的な視点などがどの層もそれなりの数存在しているため、議論になると荒れやすいため注意が必要。
  • ちなみに続編である『ペルソナ4』においては
    • ①上記の仲間以外で『3』の主人公を救出すべく行動している人物がいることが明かされる
    • ②『4』の主人公と仲間の仲の良さが強調されて、いざこざがあまり起こらない。
    • ③主人公がプレイヤーの分身として最後まで機能する
      • 等上記で上げた点が全て解消されている。
    • さらに①で挙げた人物は当初『4』にも続投するはずだったが直前で別キャラクター*5に差し替えられたという経緯があったことが制作サイドから明かされている。
      • これらを鑑みると、後日談への批判的意見が制作サイドになんらかの判断を下させた可能性もある。
  • また、後日談はやや難易度が高い。特にシナリオ終盤に出てくるとあるキャラの初見殺しぶりはただものではない。
    • 後日談はストーリー中心にみたいからサクサク進ませてくれ、という声も多くあがっていた。難易度上昇に関しては本編のハードモードがあるのも一因。

総評

  • 賛否両論な点は多々あるものの、『ペルソナ3本編』に限れば純粋なアップデート版と捉えて良い出来。
  • 今現在は『FES』をベースとして、移植度も上々なPSP版も発売しているので、購入の際は要検討。
    ただ、PS2で無印か『FES』か……ということであればこちら一択だろう。


ペルソナ3 ポータブル

【ぺるそなすりー ぽーたぶる】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 アトラス
発売日 2009年11月1日
定価 4,980円

  • 今作のPSP移植版。新たに女性主人公の追加や『ペルソナ4』からのキャラのゲスト出演、『4』のバトルシステムに変更といった多彩な追加、変更がなされている。
    • ただし、『FES』で描かれた後日談「episode aegis」は容量の問題もあり収録されていない。

特徴•評価点

  • 女性主人公の追加。
    • 今作は上記『FES』の「episode yourself」をベースにしており、男性主人公は『FES』のシナリオの再現となっている。
    • 女性主人公でプレイするとコミュニティの一部が新規のものになり、ストーリー上のキャラクター達の反応も序盤のギスギスとした描写が減っており、男性主人公と比べて柔らかく表現されたことで違った視点で楽しめる。
      • 女性主人公では、男性のパーティーメンバーともコミュニティを築く事ができる。これによって男性編とは違うキャラの一面を見ることができる。またコミュニティのランクによっては男性編では死亡するキャラを生存させることができるなどシナリオにも小さいながら変化がある
      • また、女性主人公限定で次回作『4』の舞台である八十稲羽へ行くことができ、そこで若かりしころの4のキャラクターがゲストで登場したり、音楽も4の音楽に切り替わる。4をプレイしたプレイヤーならにやりとできる要素である。
  • バトルシステム
    • 4のワンモアプレスバトルのシステムに統一されており、全体魔法で敵を一体でもダウンさせれば追加行動が行えるようになった
      • これにより欠点であった全体魔法の使用価値が大幅に増加している
    • AIも向上しており、仲間のコマンドを直接入力可能となったためより戦略的に戦える。
    • パーティメンバーが主人公へのダメージを肩代わりする「かばう」、HPが0になる攻撃を受けても一度だけ踏みとどまる「食いしばる」、属性攻撃によるダウンを一度だけ防ぐ「防御」が『4』より逆輸入された。
    • PS2版での主人公の武器は、プレイヤーが自由に切り替えることが出来たのだが、今作では男主人公が「片手剣」、女主人公が「長刀」で固定になった。
  • 日常パート
    • 無印から『FES』は3D空間でキャラクターを操作してNPCと会話したりする方式であったが、今作はマップに表示されるカーソルを動かし、キャラクターにポインタを合わせ会話する、というようなものに変更。
    • またイベントシーンもキャラクターの一枚絵が表示されて進行するといった形になり、テキストアドベンチャーに近い形式となった。
    • これにより日常生活でのテンポが大幅に向上し、□ボタンでのショートカットマップ移動も追加され、移動の冗長さも無くなった。
  • その他要素
    • タルタロス内で失踪者を捜索する「失踪者探索」が追加され、タルタロス探索のダルさの緩和が図られた。
    • バトルに関するさまざまな問題を解く、強化されたストーリーボスと再戦する「ヴィジョンクエスト」追加。
    • パーティメンバーとのコミュニティレベルをMAXにした際のイベントにボイスが追加され、キャラへの感情移入度が高まった。

賛否両論・問題点

  • イベント面
    • 上記のようにテキストアドベンチャーに近い形になったことで、『FES』等であった3Dキャラの人形劇イベントやアニメムービーは無くなった。
    • このためイベント面が少しさびしいといわれることも。
    • 本作はUMD1.7GBのうち、約1.2GBの容量を使用しているため、余った容量でムービーは何とかなったのではないかと惜しむ声もある。
      • ただこのあたりの容量がUMDの一層目と二層目の境であるため、これ以上入れるとロードの悪化する恐れがあるため仕方ない事ではある、また上記のようにテンポの向上やロード時間短縮のメリットもあり一概に否定も出来ない。
  • 男性主人公の扱い
    • 男性主人公はあくまでPS2の『FES』の部分の再現といった形であり、追加要素が女性主人公と比べてとても少ない。
    • その為既にPS2版をプレイ済みの人の場合、男性主人公を選ぶ必要性があんまり無い。これを利点と取るか、欠点と取るかは人によるだろう。

総評

  • PS2からさらに完成度が高まっており、多くの要素が追加された良移植である。システムの格段な進化、テンポの向上などの理由から、今から『P3』をプレイする場合はこちらでも良いかもしれない。
    • イベント面に不満があったり、後日談をプレイしたいなら『FES』を購入するのもいいだろう。上記変更点を併せて要検討である。