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スーパーマリオカート - (2011/10/09 (日) 01:31:15) の編集履歴(バックアップ)


スーパーマリオカート

【すーぱーまりおかーと】

ジャンル レース
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対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 任天堂
発売日 1992年8月27日
価格 8,600円 (税別)
プレイ人数 1~2人
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

マリオシリーズのキャラクターがカートで競い合うアクションレースゲーム。
単なるレースゲームだけに留まらず、競争相手にアイテムで妨害し、時には応用しながら競うという楽しみを取り入れ、アクションレースゲームの立役者ともなった。
グラフィック等の性能面においてはF-ZEROとほぼ同等ではあるが、キャラクターからコースマップまでマリオシリーズの世界観を満遍なく取り入れている。

ゲームシステム

  • 2人同時プレイ可能な仕様を活かし、2人プレイ用のプレイモードがあるなど充実している。
    • マリオカートGP(1~2人)
      • 1~2P自身やCPUを含め、1カップレース毎に全8キャラクターでトップを競い合う。全部で4カップレースがあり内5コースが存在する。1コース毎4位以上でゴールすることでポイントが貰え、全5コース分のポイントの総数でランクが決まる。排気量は50、100、150CCの3種類があり、基本的には高いほど難易度が高い。
    • VSマッチレース(2人)
      • 1Pと2Pでコースを選び、3ラウンドまでにどちらが先にゴールをするかを競い合う。コースはGPの時と一緒で選ぶことができる。
    • バトルゲーム(2人)
      • バトルゲーム専用の4つのコースが用意されており、自機の周りに3つ風船が取り付けられている。アイテムを用いて3つすべて割った方が勝ちになるというルールで結構熱く楽しめる。
    • タイムアタック(1人)
      • 一人用のモードで文字通りいかに早くゴールするかが目的となる。このモードのみアイテムは一切出てこない。
  • アイテムは全9種類。?マークのついたアイテムパネルを踏むとルーレット式でランダムに入手することができる。
    • 緑こうら・・・直線上に緑ノコノコの甲羅を飛ばす。障害物や壁にぶつかると反射する。前方・後方の2方向に投げられる。
    • 赤こうら・・・前方に走るライバルキャラクターを追尾する。狙われるとほぼ間違いなくクラッシュさせられる。
    • スーパーキノコ・・・一瞬だけカートを加速させるアイテム。加速を利用してライバルキャラに突進し、スピンさせることも出来る。
    • バナナ・・・地面に放り投げて踏んだキャラをスピンさせるトラップアイテム。前方・後方の2方向に投げられる。
    • イナズマ・・・使用者以外の全てのキャラをスピンさせた上、一定時間小さく縮ませて最高速を低下させるトラップアイテム。
    • スーパースター・・・一定時間無敵状態となり、加速力・最高速度が上昇しアイテムによる妨害を防ぐ他、接触した相手をスピンさせる効果が発動。オフロードに入ってもスピードは低下しないが、効果の持続時間が短くなる。
    • テレサ・・・2人プレイ時のみ出現。一定時間、透明になり*1、対戦相手のアイテムをランダムで奪い取る。
    • マント羽根・・・スピンジャンプする。通常のミニジャンプよりも高く飛べるのでショートカットに利用したり、障害物を避けるのに使う。
    • コイン・・・枚数が多いほど最高速がアップするが、穴や水などの地形に落ちてジュゲムに助け出されると一定枚数没収される。地面に置かれていることも。
  • この他、COMキャラ専用のアイテムがありいずれもトラップアイテムとして分類されている。

その他、マリオシリーズでお馴染みの地名とその特色を生かしたコースや、最高難度を誇るスペシャルカップにおいてトリを務める「レインボーロード」など、シリーズでおなじみの要素はこの作品から既に存在している。

  • 選べるキャラクターは全8人で性能は大雑把に4つに分けられる。
    • マリオ・ルイージ(標準性能タイプ)
      • 加速性能や最高速度ともに標準的クラス。多くのコースに対応しやすい性能を持つ。
    • ピーチ姫・ヨッシー(加速重視タイプ)
      • 加速性能は一番高く、立ち直りしやすい。しかし最高速度が低い上にグリップやハンドルの切れが悪いのでオフロードコースは苦手。その立ち直りの早さからバトルゲーム向きともされる。
    • クッパ・ドンキーコングjr.(高速安定タイプ)
      • 加速性能は最低だが、最高速度は最も速い。重量級のため耐久性が高く、他カートとの接触に強い。高速時は弾いてしまうことも。しかし最高速度に達するまでに時間が掛かる上に滑りやすいので上級者向き。
    • キノピオ・ノコノコ(軽量機敏タイプ)
      • 初心者向き。最高速度は一番低いが、ハンドルが切りやすく滑り難いため、コーナリングにとても強い。加速性能もなかなか。軽量級のため耐久性が低く、他カートとの接触に弱い。

長所

  • レースゲームにアイテムを導入したため、自由度が広くなった。
    • 従来の走るだけの競争だけに留まらず、アイテムを導入したことで遊びの幅が広がった。下位ほどよいアイテムが出やすく設定されているため、たとえ先を越されてもアカ甲羅でスピンさせたり、スターで加速を上げて追い越したり、サンダーで自分以外のキャラを弱体化させ大逆転を狙えたりできるため、初心者でも遊びやすい様なつくりになっている。
    • 慣れてくると、バナナの皮やミドリ甲羅など置き罠系アイテムをアカ甲羅対策の盾として使ったり、ジャンプバンに入る前にスーパーキノコを使ってショートカットを狙えたりと色々な応用技ができる。
    • また、思わぬところで流れ弾(投げたミドリ甲羅)にあたってしまったりと想定できないハプニングが起きるのも醍醐味でもある。
  • モーションの多彩さ。
    • 各キャラクターのモーションの表現が豊かで、飽きを感じさせない。甲羅などに当たってスピンしてぐるぐる回ったり、小さくなって他キャラやドッスンに踏まれてペラペラになったり、溶岩や海、崖におちてジュゲムに引っ張り上げてもらったり、追い越し際の振り向きなど、細かいところまで手が込んでいる。
  • レースゲームとしての屋台骨もしっかりしており、コンマ1秒に鎬を削るタイムアタックにも堪えられる。
    • 本作独自の操作として「ジャンプ」があり、ジャンプしながらハンドルを切ることでアクセルワークなしにドリフト状態に入れる。このドリフトを一定時間続けてからドリフトを終えると一定時間だけ「ミニターボ」という加速がかかる。このミニターボをいかに起こすかが本作におけるタイムアタックの要綱であり、シンプルながら奥深いものに仕上がっている。
    • 「ロケットスタート」を初めて組み込んだのも恐らくこのゲーム。もともとはF-ZEROでのタイムアタックにおけるテクニックだった。
    • タイムアタックモードではベストスコアを更新すると、その時の走りとタイムを忠実にトレースした残像(ゴースト)が再プレイ時に出現。記録更新の目安となった。

短所

  • CPUの扱い。
    • CPU自体アイテムパネルを取ることは無いが、アイテムを無尽蔵に使って妨害*2*3してくる。また、耐久性がプレイヤーと違って高いため、接触すると弾くどころかクッパやドンキーコングjr.以外のキャラだとすぐに弾かれてしまう。そのため近寄ると寄ってきて体当たりで妨害してくることも。他にもコース上の障害物(土管やドッスン等)をすり抜けていってしまうなど、理不尽な点が少々目立つ。
      • CPUはコース取りも走り方も完全に決められたレールの上を走っているようなものとなり、一部の急カーブなどの挙動も不自然になっている。これを逆手に、ルート上にトラップを仕掛けると引っかかってくれるが、時として大ジャンプしてかわされてしまうことも。このジャンプもプレイヤーでは「マント羽根」を使わないと出来ないものでCPU側は何度もジャンプで回避ができる。これまた理不尽である。
      • ただし、一部のコース上にあるダッシュバン(カートを加速させる仕掛け)の効果もCPUには適用されない。
      • これらの仕様は64版以降は改善され、CPUもアイテムボックスを入手しないとアイテムを使えなくなり、CPU同士でも駆け引きを行うようになった。もっとも、裏を返せばサンダーやアカ甲羅などの強力アイテムを使用することになったとも取れるが。
    • マリオカートGPではプレイヤーキャラに応じて、CPUの基本順位が既に決まっており、特に上位4台は途中で順位が変動してもすぐに大元の設定の順位に戻ってしまう点も不自然と言えば不自然。
      • ステージ2以降の基本順位は、前ステージまでのドライバーズポイントによって変化、決定される。
  • プレイヤー(2人プレイの場合は、どちらか)が、4位以内でゴールしないとコンティニュー画面になる。
    • リトライするには3回使用できるカートの内1回を消費し、なくなるとゲームオーバーになる。
    • たとえ合計点で1位だとしても5位以下だとコンティニュー画面になる。カートがなくなると当然ゲームオーバーで今までのが全て水の泡。
    • 次回作『マリオカート64』では、4位以内でゴールしなければ次のステージへ進めないという条件こそ変わらないものの、リトライ自体は何度でも可能になった。
    • プレイ中は自キャラに慣性が働いているため、N64以降の作品と比べると、やや制御しづらい。

総評

レースゲームの醍醐味はそのままに、妨害アイテムや地形トラップなどのパーティーゲーム的要素の導入により、とかくストイックかつ殺伐になりがちなレースゲームにおいて遊びの幅を大きく広げ、レースゲームの間口を大きくした点が画期的。
なじみやすいマリオシリーズのキャラクターや世界観を用いたことも作用して初心者に取っ付きやすい作りとなり、そしてもちろん上級者も満足させるタイムアタックでのやりこみ要素もしっかり兼ね備えている。
万人誰もが楽しめるゲーム作りを目指す任天堂ならではの一作となった。

その後の展開

  • スーパーファミコンで最も売れたゲームであり、売上は約380万。もちろん日本国内で最も売れたレースゲームでもある。
  • 任天堂の一社提供番組であったテレビ東京の「スーパーマリオクラブ」や「スーパーマリオスタジアム」では出場者によるスーパーマリオカートでの勝ち抜き戦などのコーナーが長きに渡り続いていた。それに手伝ってか、当時の子供達のトレンドともなった。
  • この作品で確立された各種基本フレームは最新作に至っても変わることなく受け継がれており、N64版やwii版のような正統進化作品だけではなく二人同乗プレイ*4を取り入れた『マリオカート ダブルダッシュ!!』(GC版)のような異色作も発売されている。携帯型ゲーム機においてもGBA版やNDS版が発売されており、3DS版も発売される予定である。
  • アーケードでもバンダイナムコゲームス開発による『マリオカート アーケードグランプリ2? 』が展開されている。アーケードゲームの中でも敷居の低さからか親しまれ、長期に亘って稼動を続けている。