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スーパードンキーコング2 - (2012/12/08 (土) 00:51:32) の編集履歴(バックアップ)


スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー

【すーぱーどんきーこんぐつー でぃくしー あんど でぃでぃー】

ジャンル アクション
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対応機種 スーパーファミコン
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 1995年11月21日
定価 10,290円
配信 バーチャルコンソール
2007年10月23日/800Wiiポイント
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク

概要

任天堂・レア社のタッグで制作された名作『スーパードンキーコング』の続編。シンプルな操作とやりごたえのある難易度はそのままに、新アクションや斬新なギミックを施したステージが豊富に用意されており、ドンキーコングシリーズの中でも屈指の人気を誇る名作である。


ストーリー

浜辺で休日を楽しんでいたドンキーコングが姿を消し、後には1枚のメモだけが残された。

ドジでまぬけなドンキーコングは捕まえた。返して欲しけりゃバナナをよこせ。ワッハッハッハ
キャプテンクルールより*1

コングファミリーで話し合った結果、ディディーとガールフレンドのディクシーがドンキーを助けに行くことになった。若い2匹の新たな冒険が始まった。


新要素

新キャラクター「ディクシー」

  • ドンキーに代わるディディーの相棒としてガールフレンドのディクシーが初登場。移動速度はディディーより遅いが、自慢のポニーテールで敵を攻撃したりタルを投げたりできるうえに、空中でボタンを押し続けるとゆっくりと降下できる「ポニーテールスピン」が使える。ポニーテールスピンを使っているときも左右に移動できるので、通常のジャンプでは届かない場所に行くこともできる。

チームアップ

  • 2匹とも揃っている時にのみ使用可能。相方を肩車して遠くに投げることで、通常では届かない場所に移動する、アイテムを取る、敵を倒す…などさまざまなアクションができる。

アニマルフレンドの追加・変更

  • コンテナを壊して中のアニマルフレンドに乗るほかに、「アニマルバレル」というタルに入ることでそのタルに描かれたアニマルフレンドに変身できるようになった。アニマルフレンドによっては特殊な操作が要求されるため、難易度が上昇することもある。
  • アニマルフレンドが登場するステージには必ず「アニマル禁止サイン」と呼ばれる看板があり、これを通過するとアニマルが消滅あるいは変身が解けるが、代わりにアイテムがもらえる。
  • 今作に登場するアニマルフレンドは以下の通り。前作に登場したウィンキーとエクスプレッソがリストラされた代わりに新アニマルが追加されている。
    • ランビ
      • 前作から引き続き登場のサイのアニマルフレンド。能力はほぼ前作と同じだが、高速で突進する新アクション「スーパーダッシュ」が追加されている。
    • エンガード
      • 前作から引き続き登場のカジキのアニマルフレンド。能力はほぼ前作と同じだが、こちらも「スーパーダッシュ」が追加されている。
    • スコークス
      • 前作から引き続き登場のオウムのアニマルフレンド。今作ではコングたちをつかんで飛ぶことができ、卵を吐き出して攻撃することもできる。
      • 他のアニマルが乗っているときにダメージを受けるとアニマルが驚いて逃げてしまうが、スコークスの場合はつかまっているコングが下に落ちる。
      • 実は卵の吐き出し攻撃は、フレンドの時と変身した時とで挙動が違う。フレンドの時は結構速く、連射も利くのだが、変身時は目に見えるほど遅い。このため、フレンド時と同じ感覚で使うと思わぬ被害を被ることもあるため注意が必要。次回作『3』ではほぼ同じ速度に統一された。
    • コークス
      • 初登場のオウムのアニマルフレンド。スコークスと似ているが色が紫色で、羽ばたいて上昇したり卵を吐いて攻撃したりすることができず、パラシュートのように下に降りていくだけの役割になっている。あるステージにのみ登場するが、実はコークスを使わない方が楽にクリアできる
      • クリアしにくくなる要因は、コークスに掴まることにより、結果的にキャラの高さが上がってしまうためである。このステージでは、多数配置されたジンガーの間をゆっくり下降しながらすり抜けて進むのだが、その隙間の高さがコークスとコングを合わせた高さとほぼ同じ箇所がいくつかある。そのため、頭身が変わらないディクシーのポニーテールスピンのほうがやりやすいのである。ディディーしかいない場合は、あきらめましょう。一応、十字キーの上下で落ちる速度を変えることができるので、覚えておくと幾分かやりやすくなる。
    • ラトリー
      • 初登場のヘビのアニマルフレンド。バネのようになったしっぽを用いて高くジャンプするのが得意。通常より高く跳ぶ「スーパージャンプ」もできる。
      • スタッフのお気に入りだからなのか、彼の名を冠したステージが2つも存在する。他の今作初登場のフレンドにはない(支援型のクラッパーとグリマーはいいとしても、スクイッターは・・・ 一応次回にてスクイッターの名を冠したステージはある)。
        ただし、うち一つは初めてフレンドに変身するステージであるため、それに偶然ラトリーが選ばれただけの可能性もある。
    • スクイッター
      • 初登場のクモのアニマルフレンド。クモの巣を使ったアクションが得意で、攻撃用のクモの巣と足場を作ることができるクモの巣の2つを使い分けることができる。本作では敵を踏んで倒すことができない(普通にダメージを受ける)ので注意。
    • クラッパー
      • 初登場のアザラシのアニマルフレンド。乗ることはできないが、踏みつけると氷の息を吐き出し熱湯を覚ましたり水面を凍らせたりしてくれる(ただし、どちらも一定時間で解除されるので注意)。コンテナやバレルがない、完全なサポート役。
    • グリマー
      • 初登場のチョウチンアンコウのアニマルフレンド。あるステージにのみ登場し、暗い水中を照らしてくれる。前作におけるスコークスのような存在で、やはり完全なサポート役。

評価点

前作から更に進化したCG

  • 本作の発売当時は、次世代機であるプレイステーションやセガサターンが発売して1年が経過しようとしていたが、それらで発売されたゲームに勝るとも劣らない。
  • 雄大な自然の風景をメインにしたステージ構成が、本作ではさらに進化。マグマの噴き出る火山や鉱物できらきら輝く鉱山、ハチミツの滴るジンガーの巣など多彩になり、バラエティ豊かでリアルかつ美しく描かれた情景がプレイヤーを魅了する。

やりこみ要素のパワーアップ

  • ステージに隠されたボーナスステージをクリアすることにより達成率を高めていくのは前作と同様だが、本作ではボーナスステージ(とボス)をクリアしたときに「クレムコイン」というアイテムが手に入る。これを各ワールドにいるクラッバというキャラクターに渡すことで高難易度のステージが待ち受ける「ロストワールド」に行けるようになる。各ワールドのロストワールドのステージを制覇することで真のラスボスと戦うことができる。
  • 「ヒーローになるためのコイン」(クランキー談)こと「DKコイン」が初登場。各ステージに1枚ずつ隠されており、すべて集めるにはボーナスステージと同様になかなか骨が折れる。
    • ゲームクリア時にランキングが発表されるが、集めているのはリンク、ヨッシー、マリオと任天堂の有名キャラクターたち。最高位のマリオより上に立つにはすべてのコインを集める(=すべてのボーナスステージ制覇&隠しボス撃破)必要がある。

やはりよく練られたゲームバランスとマップデザイン

  • 本作の舞台はドンキーをさらった海賊のアジト。海賊船から始まって敵の本拠地に乗り込んでいくマップに合わせるかのように、序盤は残機を稼ぐポイントも多くそれほど難しくはないが、中盤~終盤から一気に難易度が上がってくる。ステージの仕掛けも1つ1つが特徴的で、特に「とげとげタルめいろ」「ランビといっしょ」「ゴーストコースター」「クラッシュエレベーター」「どくどくタワー」などがBGMとともに深い印象(トラウマ)をプレイヤーに与えた。

良質な音楽

  • BGMは前作に引き続きDavid Wise氏が担当。
    • 海賊船コースの板のきしむ音、溶岩コースのマグマが泡立つ音、マストを登っていくコースの雨風の音などBGMの中に環境音を織り交ぜており、臨場感も高まる。ファンにとっては「曲が素晴らしいから鬼畜でも投げずに頑張れる」のだそうな。
    • 特に茨ステージの曲『Stickerbrush Symphony』(日本語名:とげとげタルめいろ)、森ステージの『Enchanted woods』、鉱山ステージの『Mining Melancholy』、「ゴーストコースター」の『Haunted Chase』などの人気が高い。中でも「とげとげタルめいろ」はゲーム史においても指折りの名曲とされ、『スマブラX』でなるけみちこ氏がこの曲を大胆にアレンジしたことで、想像以上の賛否両論を生み出した。
    • 効果音にもこだわっており、甲板コースや沼地コースで敵を倒すと水のはねるエフェクトとともに「チャポン」という音が、溶岩コースではマグマのはねるエフェクトとともに泡立つ音が聞こえる。
      • 特に甲板ステージでは、倒した敵によっては効果音とエフェクトが若干違うという細かい違いまであるほど。
        ちなみにマグマステージのエフェクトは、ステージによっては手前の背景のせいで見えないことも。また、マグマステージで落下死すると、これまた違う効果音が流れる。結構生々しくもあり、トラウマもの。
    • ゴール時に流れる曲はディディーとディクシーで異なるものが用意されているうえに、溶岩コースでは反響しているように聞こえるなどステージによって異なるアレンジが施されている。さらに、ミスをした時の曲もステージによって異なるアレンジが施されている。

問題点

相変わらず不自由なセーブ

  • 「新しいエリアに入るとしばらくセーブポイントが利用できない」「セーブで残機が保存されない」という問題点があまり改善されていない。一応、3ステージものクリアを強要された前作と違い、今作では1、2ステージでセーブポイントかエリア移動ポイントが登場するようになった。*2ちなみにこの仕様はやっぱり「ゲームの都合」とのこと。
  • 残機を増やす手段として「スワンキーのクイズショー」というイベントがあるが、一度クリアすると二度と挑戦できない上に手に入る残機数も少なく、やり込み要素以外の存在意義は薄い。

ディクシーの使い勝手が良すぎて、ディディーの存在価値が低くなっている

  • ジャンプ力・移動速度はともにディディーの方が上なのだが、空中で制御がしやすいポニーテールスピンを持つディクシーは態勢を立て直したり敵や仕掛けをよけるのも楽であり、どうしても彼女の方が使い勝手がよく感じる。彼女でしか行けないボーナスステージが多いのも、ディクシーを使う機会が多くなる理由の1つ。
  • 対してディディーは、前作のドンキーの様に専用アクションがあったり彼でしか倒せない敵というのが存在せず、彼でないと進むのが困難という場面がイマイチ少ない。ディクシーでないと困難という場面は沢山あるのだが…
    • とはいえ、タイムアタックなどを楽しむやり込み派のユーザーにとっては、ジャンプ力や移動速度の速さはやはり重要であり、ディディーの存在価値がまったくないわけではない。本作のディディーは上級者向けのキャラクターだといえるだろう。

一部のボーナスステージ・DKコインの難易度が高い

  • ボーナスステージの課題自体はあまり難しくないのだが、ボーナスバレルに入れるタイミングがほんの一瞬しかなかったり、一度失敗するとクリアするまで再挑戦できないようになっていたりするものが多く、この点が難易度を上げている。
  • ボーナスステージ内にDKコインがある
    • 一応クランキーのヒントはあるものの、気づくのが難しい。このDKコインが最後まで見つからなかった人も多い。
  • ゴールポストのアイテムの中にDKコインがある
    • 該当ステージは4-5「ドロドロみどろがぬま」と5-5「きりのもり」の2つ。前者はタルを踏む必要があり、後者は表示されるのが一瞬と、どちらもタイミングがシビア。ミスしたらもちろん最初からやり直し。

今作からボーナスステージが「ボーナス」ではなくなってしまった

  • 1つ1つは凝った作りになっており、挑みがいのあるものになっているのだが、前作のようにクリアしてもバナナや1UPなどは出てこず、完全クリアのための課題になってしまっている。
  • 後の『ドンキーコングリターンズ』では、取るべきアイテムがバナナやコイン、1UPとなっており、クリアに失敗しても取った分はもらえるため、ボーナスステージらしさを取り戻している。

総評

ユーザビリティに関する欠点もあるが、それを補って余りある数々の良要素を備えた、SFCソフトの傑作の1つである。
特筆すべきは、それら良要素の多くが何か目新しい新要素や奇抜なゲームスタイルにあるのではなく、
バランス・グラフィック・音楽・ステージ構成といった、「ゲーム」を織りなす最も基本的な部分にあることである。
だからこそ、一見シンプルなアクションゲームながらも、長年に渡ってプレイヤーの心を掴んで離さない作品となったのだろう。

ともすれば単に新しいモノを付加するだけでユーザーの関心を引こうとする現代のメーカーもまた、本作から喚起させられる昔志があるのではないか。


余談・その後の展開

  • 新規ファイルのプレイ人数を選ぶ画面の下で十字キーの下を押し続けるとサウンドテストが出現し、さらに下を押し続けると、レア社ではおなじみの「チートモード」が登場する。このチートモード、ボタンを押しても特に反応しないので一部の攻略本では「ニセモノのモードで何もできない」などと書かれていたが、実は特定のコマンドを入力することでDKバレルを消したり、残機を50に増やしたりできる。
  • GBに『ドンキーコングランド』というタイトルでアレンジ移植されている。コース設計はまったくの別物で、難易度もやや上昇している。GBとしての難点はあるが、前作『スーパードンキーコングGB』よりも操作性を向上させ、GBというハード制約に挑んだ意欲作である。
  • 2004年にGBAでリメイクされた。マップのグラフィックが新規のものになり、どこでもセーブできるようになるなど改良された点も多いのだが、音質の劣化や不自然な追加ボスなど問題点も多く、残念な出来になってしまった。
  • 2012年12月7日までバーチャルコンソールで配信された。