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サンダーフォースV - (2012/03/26 (月) 01:35:24) の編集履歴(バックアップ)


サンダーフォースV

【さんだーふぉーすふぁいぶ】

ジャンル 横シューティング
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対応機種 セガサターン
開発・発売元 テクノソフト
発売日 1997年7月11日
定価 7800円
レーティング セガ審査:全年齢推奨
サンダーフォースシリーズリンク

ストーリー

西暦2106年、現人類の技術をはるかに超えた兵器(前作『サンダーフォースIV』の自機)が宇宙で発見された。
「Vasteel」と名付けられたそれを解析して得られた超技術「Vasteel Techonlogy」は、人工知能「ガーディアン」の完全な管理下での開発・運用によって、人類に新たな繁栄の時代を齎す。
しかし西暦2150年、突如「ガーディアン」は人類に反旗を翻し、超兵器群による攻撃を仕掛ける。総人口の1/3を失った人類は、「Vasteel」の複製兵器「RVR-01 "GAUNTLET"」によって構成された部隊「ThunderForce222」による奇襲作戦にすべてを賭ける……。

概要

  • テクノソフトによる家庭用横スクロールSTG「サンダーフォース」シリーズの第5作目。
    • 今までのシリーズは架空の勢力「銀河連邦」と「オーン帝国」の戦いを描いていたが、今作では舞台が地球に移った。
  • 「2Dの操作性、3Dの迫力。」と謳い文句にある様に、グラフィックは3Dポリゴンで描かれているが、ゲーム性自体は従来通りの2D横スクロールSTG。
  • システムは横STGとしてオーソドックスなもので、複数のショットを随時切り替えて戦うスタイルは変わらない。
    • 全7面構成*1で、1面から3面は攻略順を任意に選択可能。
    • サンダーソードに代わり、クロー(オプションのようなもの)の耐久力を消費する事で攻撃力を激増させる「オーバーウェポン」が導入された。
      • クローの耐久力は時間経過やクローアイテム回収で回復するが、耐久力が最低の状態(しぼんで赤色になる)で敵弾を受けると消滅してしまう為、油断すると思わぬ所で火力低下を招く事になる。
    • 他、敵を早く倒すことでスコア倍率の高くなるハイテンポボーナス、敵やオブジェに接近することでスコアの入るスクラッチボーナスが実装され、新たな楽しみが増えた。
  • 武器は以下の5(+2)種類。
    • ツインショット : 標準装備。前方への2連ショット。オーバーウェポン時は強力なビーム。
      • ブレード : 5面以降の標準装備。前方へ刃状の弾を発射。オーバーウェポンはツインショットと同様。
    • バックショット : 標準装備。前方と後方へショットを撃つ。オーバーウェポン時は後方へ電撃放射。
      • レールガン : 5面以降の標準装備。後方へ強力なレーザーを発射する。オーバーウェポンはバックショットと同様。
    • ウェーブ : 空間を振動させて攻撃。地形や敵を貫通する。オーバーウェポン時は威力と攻撃範囲が広がる。
    • フリーレンジ : 展開した照準内に入った敵をレーザーで攻撃する。照準は360度回転が可能。オーバーウェポン時はレーザーが電撃になる。
    • ハンター : シリーズでおなじみの敵を追尾するホーミング弾。オーバーウェポン時は弾が細いレーザー状になる。

長所

  • 3Dポリゴンを生かした派手な演出やBGMと見事に同期したステージ展開等、総じて演出関係のレベルは高い。
    • 特に評価が高いのが5面で、強化支援ユニット「ブリガンディ」を装備しての成層圏突破、前作の自機との対決等、見どころが多い。
      • その5面にて自機が「ガントレット」から「ヴァンブレイス」に変化するという、STGでは珍しいゲーム中での主役機交代が行われる。
    • 自機の死亡パターンにも特殊なものが用意されていたりする。地面を引きずり回されて爆散したり、掴まれてもみくちゃにされた後ポイ捨てされたりする様は必見。
  • ギターサウンドメインの熱いBGM。ステージ進行と完璧にシンクロしている1面BGM「Legendary Wings」や5面BGM「Steel of Destiny」、最終ボス戦にふさわしい荘厳さと熱さを併せ持つ「The Justice Ray PartII」、感動のエンディングを彩る「Last Letter」が特に人気。
    • 「Legendary Wings」のサビ部分が『III』の1面BGM「Back to The fire」のメロディーになっているなど、BGM面でのオマージュも多く、ファンから好評だった。
  • SSはPSに比べてポリゴンに弱いのだが、グラフィックは当時としては十分に綺麗でそれを感じさせない。また、ゲームに支障が出る様な処理落ちも殆ど無い。
  • オーバーウェポンの実装により爽快感が増した。特に「フリーレンジ」を使用した際の圧倒的な攻撃力は、他のSTGでは中々お目にかかれないものがある。
  • 各ボタンに武器を割り当てられる「ダイレクトマッピング」の実装により、武器の切り替えが直感的に出来るようになった。
  • 耐久力の高い敵に攻撃が当たると敵が白く光るようになり、攻撃が効いているかどうかが分かり辛いという前作の欠点が解消された。
  • ボスの攻撃パターンがかなり豊富で、殆どのボスに2~3形態分のパターンが用意されている。大抵の場合は瞬殺されてしまうので、じっくり見られる事があまり無いのが惜しい所。
    • 人型形態と飛行形態とにめまぐるしく変形し、死ぬ間際にはド派手な最後の一撃を放ってくる「Guardian's Knight」や、巨大なサポートユニットをとっかえひっかえ装備してくる「Vasteel Original」等、実に個性的な面子が揃っている。
  • ハードなSFテイストのシナリオも評価が高い。
    • ラスボスであるガーディアンの意外な行動、真のエンディングで語られる反乱の理由に驚いたプレイヤーも多かった。現在でも「感動したゲームのED」で度々本作の名前が挙がる程。
    • 設定も細かく作り込んであり、ゲームディスク内に収録されているテキストファイルで観覧可能。

賛否両論点・短所

  • 確かに演出は素晴らしいが、演出を意識し過ぎた感が強い。特に1・5面はボス以外演出面といっていいほどの戦略性のなさ。
    また、中型の敵を早く倒すと敵が出てこない「間」が発生する場所が全体的に目に付く。
  • 3Dに変更されたことで一部の敵弾が見づらくなった他、従来の作品では完全に切り離されて表示されていたステータスウィンドウがゲーム画面に被って表示されている等、見易さの面ではやや劣化した。
    • 一応ウィンドウに関してはプレイ中にオン・オフを切り替える事が出来るので、プレイの邪魔になる事はあまりないが。
  • 武器のバランスがあまり良くなく、「フリーレンジ」一強状態。面によっては自機はほぼ動かず、敵の出る方向にフリーレンジの照準を合わせ撃つだけのゲームに。
    • また、「フリーレンジ」は敵に接近する程に威力が高くなるのだが、キッチリと張り付いてオーバーウェポンを使えばボスすらも瞬殺出来てしまう。ハイテンボーナスの存在もあって、余計に他の武器を使う機会が少なくなる。
      • 一応、敵に接近するというリスキーな行動あってこその威力である為、フリーレンジを完璧に使いこなせるという事はそれだけやり込んだ証と言えなくも無いが、あまりにも強過ぎて大味と言われる事が多い。その一方で、この圧倒的な攻撃力で敵を瞬殺していく爽快感が良いという意見も少なくなく、この辺をどう受け取るかで本作の評価も大分変わってくる。
    • フリーレンジの性能で隠れているが、ハンターも相変わらず強い。地形貫通性能こそ無くなったが、そもそも地形自体が殆ど存在しないのであまり関係無かったりする。
    • ウェーブは4面ではかなり活躍するものの、威力があまりにも低い為に他のステージではまず使われない。精々6面に登場する手裏剣型のザコを捌く時に使われるぐらいか。
      • このウェーブの様に、要所で各武器が活躍する場面もちゃんと用意されてはいるのだが、フリーレンジがあまりにも万能過ぎる故にそれらの出番を食ってしまった感が否めない。
  • クリアするまでに1時間近くかかった前作『IV』から一転し、本作は30分程度でクリア可能。これに関しては「テンポが良い」「ボリューム不足」と意見が分かれる所。
  • 世界観変更に伴い、前作で新たに登場した敵「ファウスト」の正体等、前作で張られた伏線が放置されてしまった事を残念がるシリーズファンもいた。
    • 別会社の手による『サンダーフォースVI』でその辺の伏線を回収する展開が見られたものの、逆に伏線無視やこじつけ設定が多く悲惨な結果となった。
  • スコアがカンストしやすく*2、スコアアタックでの面白さの半減。後に発売されたPS版では修正されている。
    • 実はSS版でも内部的には10億以上が処理されており、ネームエントリーでカンスト以降のスコアを確認する事が出来る。
  • ボス戦でクローが無いとオーバーウェポンが使えず、ほぼ詰む。
    • 前作までもサンダーソードといった強力な武器を失うとボス戦で苦戦しやすくなる事があったが、今作はボスの耐久力がオーバーウェポン使用を前提とした高さになった為、それ以上に倒すのが困難。
      とは言え、自機が撃墜された際には装備していたクローが画面中にばら撒かれ、復帰後にそれを回収する事でクローを再装備出来る様になっており、ボス戦でクローが無い、という事態に陥らない様な配慮はちゃんとされている。ゲームオーバーになってしまった場合でも、コンティニューするとステージ最初からやり直しになるので、そこから装備を整えていけば問題ない。
    • しかし、ラスボス戦オンリーの7面だけは別で、ステージ中にアイテムが殆ど登場せず、ゲームオーバーになってからの立て直しが絶望的。
      ラスボスの全3形態を全てハイテンポボーナスの時間以内に倒せたか否かでエンディングが変化するのだが、この状態からハイテンポボーナス時間内にラスボスを倒すのは相当難しく、ほぼ確実にバッドエンディングを拝む羽目になる。

総評

ゲームとしては荒削りな部分もあるものの、(良くも悪くも)爽快感溢れるゲーム内容と、ストレートなカッコ良さをとことんまで追求した演出やBGMは多くのプレイヤーから高く評価され、当時発行されていた「セガサターンマガジン」の読者投票ランキングにて6週連続1位に輝くという快挙を達成。
現在でも「演出重視STG」としては同時期に発売された『レイストーム』や『アインハンダー』等と並び、名作として名が挙がるタイトルとなっている。
複数の武器を使い分けるち密な戦略性等を求めると肩透かしを食らうだろうが、とにかくカッコイイSTGがプレイしたい、というユーザーにはオススメの一本である。

余談

  • 当時は旧作BGMのアレンジ曲を収録した音楽CD「Best of Thunder Force」を同封した『サンダーフォースV スペシャルパック』も同時発売された。
    • 音楽CDは後に単品版も発売されている。
  • 発売前に配布された体験版の段階では激しい処理落ちが発生していたが、製品版では前述通り処理落ちはほぼ無くなっている。
  • 一時期メガドライブ用に『V』が開発されていた(内容的には本作と全く別物)事もあった様だが、日の目を見ることなくお蔵入りとなったらしい。
  • 2007年の『BROKEN THUNDER』事件や2008年に発売された『VI』の惨状等もあり、PS版も含めて本作の値段がかなり高騰していた時期もあった(特にPS版)。
    • PS版がゲームアーカイブスで配信されて以降は少し落ち着いてきているが、それでも店によっては未だに高額で販売されている。
    • また、『VI』の惨状を受けて最近はファンの間で『V』が「シリーズ最終作」扱いを受ける事も多くなっている。テクノソフト純正のサンダーフォース最終作、という意味では間違っていないが。

サンダーフォースV Perfect System

【さんだーふぉーすふぁいぶ ぱーふぇくとしすてむ】

ジャンル 横シューティング
対応機種 プレイステーション
開発・発売元 テクノソフト
発売日 1998年5月21日
定価 6090円(税込)

概要

  • SS版の翌年に発売された、PSへの移植版。現在はゲームアーカイブスでも配信されている。
    • ボスと連続で戦いそのクリアタイムを計る「タイムアタック」、ボスグラフィックやCG・テキスト等が鑑賞できる「デジタルビューア」が新たに追加された。
    • 設定上にのみ存在した「ガントレット」の性能違い版3種類*3を隠し機体として追加。
      • ただし、5面からは通常通り「ヴァンブレイス」に乗り換える為、使えるのは4面まで。
    • OPやED、5面と6面の間にムービーが入る様になった。一方でハードスペックの関係上、背景グラフィックが地味になっていたりBGMの音質が多少劣化したりしている。
    • 敵から入手出来るスコアが減った他、スコアの最大桁が一つ増えた事でカンスト問題は解消された。また、一部で発生していた処理落ちも完全に消えている。
    • ラスボスの頭部に攻撃すると通常より多くダメージが与えられる様になっており、SS版と比べて倒すのがかなり楽になっている。
  • SS版をプレイしたファンからは「劣化移植」扱いされる事も多いが、プレイ感覚自体は殆ど変わっておらず、多数の追加要素も魅力的。
    ゲームアーカイブスで手軽に入手出来る事もあり、今からプレイするのであればこちらでも十分に楽しめるだろう。