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大航海時代II - (2011/04/24 (日) 21:22:29) の編集履歴(バックアップ)


大航海時代II

【だいこうかいじだいつー】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 PC-9801
発売・開発元 光栄
発売日 1993年2月10日

概要

『大航海時代』シリーズ2作目。今作では主人公を6人の中から選ぶ形式になり、それぞれの主人公のシナリオを名声を上げることで進めていく。

ストーリー

  • ジョアン・フェレロ
    • ポルトガル王国宰相レオン・フェレロの嫡子。18歳。ジョアンは勉学にいそしみつつも、リスボンから出ることを許されぬ日々を送っていた。しかしある日ジョアンは父レオンから、伝説のキリスト教国「プレステ・ジョアン」の探索を命じられる。しかも発見するまで我が家に帰ることすら認められない。父の片腕であった老航海士ロッコ、ジパングへの布教を望む修道士エンリコも仲間に加わり、ジョアンの冒険の旅が始まる。
    • もっとも主人公的な性格。ジョアンのストーリーは本作のシナリオの中核を成しており、登場するキャラも多め。
    • レオン・フェレロとロッコ・アレムケルは前作に引き続いての登場である。
    • ちなみに彼が今作の年齢設定に合わせようとすると、前作を2年以内にクリアしないといけない。、どれだけ凄腕だよ・・・パパ
  • カタリーナ・エランツォ
    • イスパニア海軍士官。18歳。ある日彼女に告げられた凶報、それは同じく海軍に所属する兄ミカエル、そして恋人エルナンが戦死したというものだった。噂ではその黒幕はポルトガルのフェレロ公爵家であるという。カタリナは敵討ちを願い出るが、戦争勃発を危惧する上官はこれを却下。諦め切れないカタリーナはついに故国を裏切り、軍艦を奪ってイスパニアを出奔、自らの手で敵を追う。復讐に燃える彼女の行く手に待つものは。
    • ジョアンとは様々な場面で関わり、出番も多い。
    • その哀愁漂うキャラとシナリオから、今でもキャラ人気は高い。
  • オットー・スピノーラ
    • 大英帝国騎士団所属。25歳。新大陸の富を背景に欧州を席巻するイスパニアに対抗すべく、英国王ヘンリー8世は強力な海軍の編成を企図。来る日に備え、オットーに大海原に出て研鑽を詰めとの命を与える。しかしオットーを妬む監督官ギルバートの妨害により、実際に与えられたのはわずかな金貨とボロ舟一隻。果たしてオットーは王の勅命を果たせるのか。
    • カタリーナと同じ海賊系だが、こちらは威風堂々とした雰囲気。
    • オットーは25歳の設定だが、そのグラフィックは白髪に髭を蓄えたナイスミドルというミスマッチさであり、よくネタにされる。ちなみに相方のマシューが27歳。
  • エルネスト・ロペス
    • オランダ出身の地理学者。23歳。アムステルダムの大学で地理学を教えるエルネスト。しかし内心では窮屈な日々に退屈し、波乱の冒険を望んでいた。そんなある時、親友の地理学者メルカトールから願い事を頼まれる。それは「資金は出すので、船の苦手な自分に代わって世界を航海して周り、世界地図を作成して欲しい」と言うものだった。望外の頼みに大喜びのエルネストは、念願の航海に出る。世界地図完成という偉業を目指して……。
    • 海賊系のキャラとは打って変わってのびやかな雰囲気。他の主人公と唯一関わりがない(と言ってもピエトロのシナリオで一回だけ登場する)。
    • ストーリーが進むとパウラという孤児の女の子が同乗。後半は彼女の故郷探しがメインになる。
  • ピエトロ・コンティー
    • イタリア出身の冒険家。33歳。貿易商だった父が残した負債のため、ピエトロは借金の返済に追われる毎日を送っていた。しかし友人カミーロの伝手で、借金をフェレロ公爵夫人が肩代わりしてくれる運びになる。思いもかけぬ幸運にピエトロは意気揚々とジェノヴァを旅立つ。
    • エルネストと同じくお気楽な雰囲気のキャラ。ただしこちらはジョアンのストーリーにある程度関わってくる。
    • また後述の「大航海時代外伝」ではキーパーソンも務める。
  • アル・ヴェザス
    • オスマン帝国出身。19歳。いつか億万長者になるという大望を抱いていたアル。ある日友人サリムの父が亡くなり、乗っていた船がイスタンブールに流れ着く。しかもサリムはアルをあてにして勝手に船を修理してしまう。造船所から高額な修理費をふっかけられてしまうが、逆にアルは船を使った交易で稼ぐことを思いつく。持ち前の弁舌で元手をかき集め、アルはいざ大海原へと乗り出す。目指すは億万長者。だがアルにはもうひとつ目的があった。それは幼い頃に生き別れた妹、サファの行方を探すことであった……。
    • 唯一交易名声で物語が進行するキャラ。

特徴・評価点

  • 主人公の数が増えるに伴い名声が「交易名声」「海賊名声」「冒険名声」の3つに分割され、各々が自分の職業に専念出来るようになった。もちろん、職業外の名声を上げてもよい。
  • 世界地図の正確さが増し、港の数がさらに増えた。
    • 港には「商業値」と「工業値」が設定されている。それぞれ交易所と造船所に投資することで、これらの数値を上昇させることが出来る。
    • 商業値を上昇させると、交易品が増えることがある。寂れた港が一気に優れた貿易港になることも。投資によって特産品を生み出すようになる港も多い。
    • 工業値を上昇させると造船所の品揃えがよくなり、より上質の船を建造できるようになる。一部の港にはこの方法でしか建造可能にならない隠しユニット的な船も存在する。
    • 港にはどの国に対して友好的かを示す投資率が設定されており、投資はこの数値を上昇させる意味合いも含んでいる。投資率が90%を超えた都市は同盟港になり、免税証が通用するようになる。
    • 副次効果として、世界の地形や都市名を学習できるという点も。
  • 国家数も前作の3ヶ国から6ヶ国に増加。
    • 当時は統一国家でなかったイタリアが存在し、一方で大国フランス王国が存在しない。これはあくまで「大航海時代」という視点から見た国々のチョイスだからであろう。なおゲーム中のイタリアはジェノヴァが首都であることから、実質的にはジェノヴァ共和国に相当する。
    • とはいえ、イタリアは既に斜陽で国力も低い。アフリカ周りのインド航路の発見、および拡大するオスマン帝国に脅かされている当時の情勢を反映してのものである。
    • ゲーム中でも大国の艦隊がガレオンやベネツィアン・ガレアスで編成されている中、イタリアの艦隊はバスやナオ型の船で頑張っているのがほとんど。海賊プレイをする場合でも儲からないので見逃されることが多い。
      • あえてイタリア国籍を取得し、同盟港を増やしまくって母国を世界最大の海洋国家にしてみるのも一興。それでもやっぱり弱いが
    • 名声が上昇すると、自国の元首から直々に何らかの依頼をされるようになる。これを達成すると爵位が与えられる。位人臣を極めてみるのも楽しみの一つ。なお最高位の公爵(オスマン帝国のみ大宰相)にまで上り詰めると各主人公ごとに固有のイベントが拝める。
  • 多種多様な交易品
    • 本シリーズを象徴するのがこの「交易」要素。その港で安価に販売されている「特産品」を購入し、他の港へ運んで高く売りさばく。この2点間貿易で金銭を増やしていくのが基本である。
    • 交易品の種類が極めて多く、香辛料を筆頭に、嗜好品、食品、織物、宝石、貴金属、鉱石、奢侈品、その他…と大盤振る舞い。
  • システム関連も向上した。
    • マップのエリア区切りが無くなり(正確には一箇所存在)、針路変更と寄港もクリック一つで可能になった。
    • 持てる資金の上限額を気にする必要が無くなり、同じ財宝を複数持てるようにもなった。
      • ただしアイテムは20までしか持てないので(「私掠許可証」「免税証」含む)、アイテムの空きを確保するのも重要。
    • 率いることの出来る船の数も最大5隻から10隻に増えた。
  • 港の他に「集落」が追加。
    • 1つの集落にはそこの地理に絡んだ「発見物」が必ず1つ存在する。それらは全部で98ヶ所あるが、一度のプレイで全てを発見することは出来ない。(ランダムで半数しか出現しない。)
  • 海戦に一騎討ちが導入された。勝てばその場で決着がつく。
  • 沈んでいない船を拿捕出来るようになった。実はこれが海戦最大の収入源。
  • さすがにグラフィックこそ変わらないが、年月の経過に応じてキャラクターたちが加齢する。
    • ただしジョアン・フェレロ(32歳)といった表示を見て嬉しい人間がいるかどうかは謎。
    • なんと酒場娘たちもしっかり加齢する。しかし酒場娘に年齢を尋ねて「あなただけに教えてあげるわ33歳よ」という返答が帰ってきた時のやるせなさと言ったら…熟女好きにはたまらないかもしれないが。

BGM

  • BGMはかの菅野よう子が担当。広大な大海原、手に汗握る海戦、エキゾチックな異国の都市といった情景が余すところなく表現されており、いずれも評価は高い。

問題点

  • 主人公が無駄に多い。探検系のピエトロとエルネストおよび海賊系のカタリーナとオットーでは殆どやることが同じ。違うのは国籍くらいである。イベントも総じて少ない。
    • ジョアンはイベントは多いが事前情報が無いとセーブのタイミングによっては最初からやり直しになる可能性が高い。
  • 航海士の能力は7種100までおよび5つの技能となっているが、これに無駄が多い。
    • 実際見るべき能力は「航海術」くらいなものである。しかもこれは主人公が必ず船長となる以上「主人公より高くても仕方ないが、低いと足を引っ張る」形になっている。
    • 技能の方も「砲術」を除けば所持者が一人いればいいだけ。「地図作成」に至っては主人公以外の航海士が持っていても何の役にも立たない。
  • 港内の施設は増えたが、移動はアイコン移動からマウス操作がしづらいRPG移動になった。
  • 海賊の追跡力が鬼畜。完璧にこちらの航路をトレースしてくる上、しつこく追ってくる。「ナイル河を探検しに行ったら川下から海賊が上がってきて有り金巻き上げられた」という例もしばしば。
  • 「乗組員割合」が不便すぎる。
    • この割合を変える作業がとにかく不便。実数ではなく割合でしか変更出来ない上に、なぜかここだけ前作同様疑似テンキーが使えない。延々と←→アイコンを長押しする羽目になる。
    • 乗組員の配置箇所は「運行」「視認」「甲板」の3つに分かれている「運行」に船を動かす最低人数を配置しておかないと速度が落ちてしまい、また「視認」に最低限の人を配置しておかないと港や集落を発見できない。「甲板」は戦闘員のことでありここに大砲の砲門数以上の人数を配置しておかないと海戦で砲撃の威力が落ちてしまう。
    • 海戦をしようとする度この作業が必要になる。戦闘中に変えることは出来ないので、これを忘れて海戦に突入すると攻撃力の低さに泣く。
      • 面倒くさければ最大乗員数を多めに取り変更しなくても十分な戦闘力を保持するしかない。
  • 海戦の際、2番艦以降がAI担当になった。大まかな指示は出せるがぶっちゃけ馬鹿な上に、旗艦が危うくなる(最大耐久力か最大搭乗人数のどちらかが半分以下)と皆一斉に逃げ出す(敵も同じだが)。
  • 海戦で拿捕した船舶を艦隊に組み込む際、船名を空白のままにすることはできず必ず名前をつける必要がある。オート命名なんて気の利いた機能もないため、毎回手作業で命名しなければならない。海賊で収益を得るプレイスタイルの場合この作業がとても面倒。なお命名画面ではキー配列の関係でカタカナの「サ」の字が最も近いため、海戦のたびに艦隊画面が大量の「サ号」で埋め尽くされるという光景がお約束となっていた。
  • 詰みポイントの存在。
    • 3種の名声のうち交易名声と海賊名声は無限に高められるが、冒険名声は高める手段に限りがある。発見物報告の勅命に安易に応じたり地図工房との契約が遅かったりすると、クリアに必要な名声が足りなくなり詰むことがある。
  • 交易のバランスが甘い。
    • 史実通りにインドからアフリカを回って香辛料をヨーロッパへ運ぶより、近場で交易したほうがずっと速く儲かる。
    • アテネで美術品を仕入れる→イスタンブールで売り、絨毯を仕入れる→アテネで売り、また美術品を仕入れる→以下エンドレス…のルートが特に有名。これでは航海時代である。
    • 交易品も種類は確かに多いが、意図的に縛りプレイでもしない限り使わない物の方が多い。
    • 船舶貿易にうまみがあったのは、陸路経由の交易だと香辛料は同じ量の銀(重さだっけ?)が必要だったからで銀をヨーロッパで特産品扱いするジェノヴァの相場と比べるとわかるが明らかに安い、量が供給されて相場が下がってる?
  • 銀行に預金できる額が金貨1000000枚まで。その為後半稼ぎすぎるアルだと海賊に降参して金を没収されると建て直しが困難になることも。
  • 使える船がわかりづらい、基本は「海賊=ガレオン」、「冒険=ナオ」「交易=キャラック」らしいとNPCが教えてくれるが…
    • 攻略サイトではガレオンは役立たず扱いを受けてる。船足が遅いのは目をつぶっても最大船員数が200人しか載せられないのが痛い
    • たいして、「イスラム勢力が使っている。」としか教えてくれない「ジーべック」という船は、改造次第で今作の三つの目的にすべて向いてる公式チート

裏技

  • ギルドの依頼「借金取立」で航海者から借金を回収した後、その借金分の金塊を使いこむかシャイロック銀行の支店に預けるかして、ヴェネチアのシャイロック銀行本店に行く。すると、「あなたを信用した私が馬鹿でした」と言われ交易名声が下がるが、アル以外の主人公には交易名声はほとんど意味がなく、またゲーム開始直後の名声0の状況なら全く損害がないので借金をそのまま着服できる。
    • それを元手にして交易で資金を稼ぐなり、また借金取立持ち逃げをして資金を稼いでも良い。後述の「外伝」でもこの裏技は使用可能。

総評およびその後の展開

  • 自由度は大体そのままにボリュームを増やした本作はシリーズ中最も高い評価を受けている。
    • SFC・MDおよびPS・SSに移植された際にはグラフィックや演出、操作性がさらに強化された。
  • Windows95~Me(Winリメイク版)、Macintosh、携帯電話にも移植されている。
    • 移植版は借金取立てで冒険名声が上がるため詰む事はなくなった。
    • ほとんどの移植版で一部発見物が差し替えられている。先住民族系の記述は人権上の配慮から致し方ないとしても、発見物の1つ「リョコウバト」までなぜか改変。
      • 本来の文章は「これだけ繁栄している動物が絶滅することは決してないだろう」といった内容であり、つまりリョコウバトを絶滅に追いやった人類を痛烈に皮肉ったもの。これに手を加えるとは実に無粋。
  • その後、一転してリアル指向となり冒険要素を主体とした『III』が発売された。
  • 本作の登場人物の子孫が、大航海時代IVのPK版に登場している。また、太閤立志伝IVにも本作のキャラが登場している。

大航海時代外伝

【だいこうかいじだいがいでん】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション・セガサターン
発売・開発元 光栄
発売日 1997年10月2日

特徴

  • 大航海時代IIのシステムをほぼそのままに、主人公を変えた外伝。本編IIの主人公達も所々に登場する。
    • 主人公が二人に減った分、一人当たりのイベントは濃密なものになっている。
    • 当初の企画では三人だったのだが、シナリオに無理があってか一人は途中で没となってしまった。なお、3人目の主人公候補だったキャラはイベントNPCに格下げされた。
      • 初期設定でジパング(日本)に滞在中なのでゲームにならなかったのだろう。(今作の日本周辺は暴風雨多発地域)
  • スポンサーや技能講師および航海士が多少変わっている他、港内移動が可能になるなどの変更点がある。
  • その後光栄の歴史ゲームとしては珍しく、家庭用機からwindowsに移植された。