「X-MEN Children Of The Atom」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
X-MEN Children Of The Atom
【えっくすめん ちるどれん・おぶ・じ・あとむ】
概要
アメリカのマーベル・コミック社の人気漫画『X-MEN』を原作に作られた対戦格闘ゲーム。本作発売の時期はアメコミが非常にプッシュされており、X-MENを含むアメコミの翻訳版の販売や、ゴールデンタイムにTVアニメ版が放映されていたりした。それらとの相乗効果もあり、日本国内でのアメコミの知名度を飛躍的に上げた作品といえる。
-
日本では過去にコナミによりベルトスクロールアクションとしてアーケード化されており(こちらも6人用筐体とハイクオリティな音楽が特徴の佳作)、そちらと区別するため「COTA」という略称が使われることも。
-
メイン開発者は「ストリートファイターII」の生みの親である西谷亮氏。当時氏は2D格ゲーの進化について行き詰まりを感じていたが、上司から「『X-MEN』のゲーム化の権利を獲得したんだが、これで何かゲームを作ってみないか?」と持ちかけられ、面白そうだと感じた氏がこの企画に乗った。X-MENのキャラを使う前の段階での仮タイトルは『ストリートファイターIII』だったらしく、その名に恥じない斬新な試みがいくつも行われている。
システム
このゲームの大きな特徴、それは「それまでの格闘ゲームの常識を吹き飛ばすほどの圧倒的な自由度の高さ」である。
-
スーパージャンプ
-
このゲームを象徴するアクション。レバーを下に入れてからレバーを上に倒す(またはキックボタン3つ同時押し)と、相手を画面外に押し出すほどの跳躍力でジャンプする。スーパージャンプ中は前後への制御も可能。
-
このゲームではほとんどの必殺技を空中で出すことができるし、どのキャラも何らかの空中制御方法を持っている。空中技の回数制限などもなく、一部を除いて技や食らいのけぞりの硬直が解けたら次の技を出せるなど、地上と比べても全く遜色ない動きができる。
-
浮いた相手をスーパージャンプで追いかけて空中戦を繰り広げる、地上から空中にいる敵に向かって、またはその逆で必殺技の飛び道具を撃つなどの全画面を使った対戦が展開され、派手極まりない。
-
Xパワーゲージ
-
体力下にあるパワーゲージ。攻撃をすることで溜まっていく。レベル1・レベル2・レベルMAXの三段階あり、レベル2になると各キャラごとに用意されている特殊能力「Xパワー」や近づいての投げに対して防御できる「投げ抜け」を、レベルMAXになるといわゆる超必殺技である「ハイパーX」を、ゲージを消費して発動できる(消費量は異なる)。
-
Xパワーは、ウルヴァリンを例に挙げれば、「一定時間さらなるスピードを得る」「体力を回復する」といったものがある。こんな感じのXパワーがサイクロプスとオメガレッドを除く全キャラに用意されている。
-
投げ抜けは各キャラごとに「受け身」と「投げ返し」のどちらかが設定されている。投げ返しは相手の投げ返しをさらに投げ返しすることまで可能。
-
今作の仕様として、投げられた後のダウンで更に追加ダメージが入る(投げられた瞬間にダメージを受け、更に地面に叩き付けられた所でほぼ同程度のダメージを受ける。勿論このダメージでもKOする)ため、受け身もまた重要なアクションとなっている。なお、投げられた後の追加ダメージは次作の『MARVEL SUPER HEROES』でも採用されたが、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』以降は廃止されている。
-
連携・連続技の自由度
-
どんな通常技でもヒットしていてもしていなくても、ほぼ任意のタイミングで必殺技でキャンセル可能。キャラによって異なるルートで通常技→通常技という繋ぎもでき、そこから必殺技にキャンセルできる。
-
吹き飛び中だろうがダウン中だろうが攻撃を普通に当てられる。
-
技ごとに吹き飛ぶ方向や力が設定されている。吹き飛ぶ距離はキャラごとに設定された体重も計算に加えられる。また、ダッシュやジャンプ中に技を振れば、その移動時の慣性を保ったまま攻撃ができる。
-
さらに、通常技はスーパージャンプでキャンセル可能。吹き飛ばした相手をスーパージャンプで追いかけて追撃という連続技もでき、後のシリーズのエリアルレイヴの原型となった。
-
現在で言う所のコンボゲーと共通した特徴はあるが、コンボによるダメージ補正のかかり方が激しく、また強攻撃や必殺技・投げを当てるだけでもそれなりのダメージを叩き出せる上にかなり気絶しやすいので、普通に駆け引きする分には連続技にはそれほど偏重していない。
-
もっともあまりにコンボ補正が酷すぎて、連続攻撃能力(いわゆるチェーンコンボ)を駆使して華麗なコンボを決めても、J強K→屈強Kの2ヒット、下手をすれば単発の強攻撃以下のダメージにしかならないというのはさすがに問題と考えたのか、次回作以降は極端すぎるコンボ補正はやわらげられている。
-
その他画期的なシステム
-
体力ゲージ横に表示されているキャラの顔グラフィックは、技を受けると顔が痛々しくなっていき、背景も青→黄→赤と変わる(一定時間攻撃を受けなければ青へと戻る)。これは気絶値の溜まり具合を表しており、体感だけでなく視覚的にも気絶値の溜まり具合を認識できる。
-
初心者補助のオートモード。キャラを選択した後にマニュアルとオートマチックの選択ができ、オートモードにすると自動でガードするようになる。ただし通常技でも体力を削られる、必殺技の弱中強の撃ち分けが出来ないなどの制限がかかり、対戦で一勝するとマニュアルに戻される。
-
ラウンドが始まる前から左右への移動が可能(攻撃は出来ない)。さらに、勝利ポーズ中でもスタートボタンを押せば対戦に勝った後でも敵を攻撃できる(当時の公式ガイドブックの用語辞典によればこれは「WINキャンセル」もしくは「勝利ポーズキャンセルボコボコ」という名で呼ばれる)。追い打ちを入れたところで何のメリットもないのだが、「死人に鞭打つ」行為となるためトラブルの元になりやすかった。
-
本作で出来るのは通常攻撃だけだが、以降の作品では勝利後に出来る行動がどんどん増えていき、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』以降ではハイパーコンボ(超必殺技)までゲージが残っていれば出せるようになった。
キャラクター
-
キャラはX-MEN(正義側)・ヴィラン(悪側)が各6人と隠しキャラクターが1人の全13人。うちヴィラン2人はCPU専用のボスキャラであり、使用可能キャラは全11人。