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ロードランナー - (2012/08/11 (土) 09:15:47) の編集履歴(バックアップ)
ロードランナー
【ろーどらんなー/Lode Runner】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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Apple II、IBM-PC、国産パソコン ファミリーコンピュータ、ゲームボーイ アーケード他多数
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発売元
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Brøderbund
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日本版発売元
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システムソフト他
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開発者
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ダグラス・E・スミス
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発売日
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1983年
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概要
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パズル要素をもったシンプルなアクションゲーム。穴を掘るしか特技のないキャラで、番兵から逃げながら、ひたすら金塊を集めるゲーム。
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世界中でヒットし、多くの機種に移植された。ウィザードリィと共に、日本のパソコン黎明期にヒットした海外のゲームの一つ。
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なお、本作は『チョップリフター』『バンゲリングベイ』と世界観を共有する『バンゲリング帝国三部作』シリーズの第2弾でもある。
特徴とシステム
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ステージは足場となるブロックと梯子、綱渡り用のロープだけで構成される。ここに金塊が配置される。番兵の数はステージによる。
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番兵は自キャラを最短距離で目指して来るわけではなく、周囲の状況により追ってくる。そのため誘導の仕方もいくつかのパターンが存在するステージもある。どう誘導するかが、プレイのコツの一つ。
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自キャラは左右に1ブロック分の穴を掘る事ができる。しかし、真下にはできない。これがパズル要素を編み出している。例えば2段下へ穴を開ける場合、まず一段目に、自分が穴を開けるためのスペースを確保するための2ブロック分の穴を掘る。そしてその穴に降り、2ブロックの一方に穴を開けるという手順になる。何段も掘る場合、一段目に掘る穴の数を間違えると、ハマってミスになってしまうという訳だ。
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綱渡り用のロープはどこでも手を放せ、下に降りれる。
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自キャラが掘った穴の下に何もない場合、穴を通ると自キャラはそのまま落ちるが、番兵は穴にハマりしばらく身動きとれなくなる。時間稼ぎができるのだ。また身動きできない番兵の上を、走り抜けることができる。
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掘った穴は時間と共に、元に戻ってしまう。もし自分がこの穴に落ち込んで、脱出不能になった場合、やがて元通りになる穴に潰されミスとなる。これは番兵も同じ。ただし番兵の場合は、新たに一名追加され、減ることはない。
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この「時間と共に元に戻る」性質を活用せねばならない局面もある。一見ハマりになりそうな場面でも埋め戻るタイミングをずらして切り抜ける「時間差堀り」や「逆転掘り」など様々なテクニックが生まれた。
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ブロックには穴が掘れるものと、掘れないもの、それと偽装ブロック(一見ただのブロックだがすでに穴が開いていて、通ると落ちてしまう)がある。
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自分でステージを作れる、エディタが付属していた。
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オリジナルのステージのみで構成されたデータ集なども販売された。
総評
非常にシンプルでとっつきやすい。手軽であり、ついついやり続けてしまう小気味の良い爽快感があり、そのゲーム性はファミコン黎明期のアクションゲームを思わせる。エディタが付いているのも面白い。構成要素が数えるほどしかないので、オリジナルのステージを作りたくなるプレイヤーが出てくるのも分かる。
単純な要素でゲーム性を深めているのは、まさにアイディアの勝利。
余談
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タイトルの『Lode』は坑道の意味。『Load』や『Road』と間違われることが非常に多い。
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PC黎明期には、市販のソフトウェアを購入してコンピュータ上に読み込み(LOAD)、実行(RUN)させるだけのことしかしない人、転じてプログラムを書けない(書かない)人のことを表す「Load Runner」という本作に由来した俗語があった。
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国内で販売されたPC版はその殆どがオリジナルと比べて横のブロックが2個少ない数で構成されており、また縦のブロック数が少ないものも存在する。
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コンパイルが移植したMSX版とコスモス岡山が発売したMZ-1500版、SONYが発売したSMC-777版が、オリジナルと同様の横28×縦16ブロックで構成されている。
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上級者向け用に「チャンピオンシップロードランナー」も移植発売された。
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このチャンピオンシップのオリジナル版はブローダーバンド社に送られてきたユーザー製作のステージ。その中から厳選して構成されている。
ファミコン版
発売元
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ハドソン
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発売日
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1984年7月31日
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価格
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4,500円
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配信
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バーチャルコンソール 2007年3月6日/500Wiiポイント
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オリジナル版「ロードランナー」は一画面のみで構成されている。これを移植したハドソンはスクロールする二画面構成に変更。FC版は大ヒットし日本でのスタンダードになったが、オリジナル版を尊重する人から「スクロールによるゲーム性の変化」は強く非難され、製作の段階でも本家Brøderbund社から難色を示されていたほどであった。
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同時期の家庭用ゲーム機への移植にセガのSG-1000版がある。こちらはオリジナル版に忠実な移植。
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翌85年に上級者用の「チャンピオンシップロードランナー」を発売。全50面構成で10面まではステージ画面のセレクトが可能。以降のステージはクリア時に表示される『パスワードを入力しないと挑戦できない』仕組みになっている。発売当時50面までのパスワードをすべて書き留めてハドソンへ送るとクリア認定証「チャンピオンカード」が貰えるキャンペーンを行っていた。
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この移植版では横方向だけでなく縦方向へもスクロールするが、ポーズボタンを押すとスクロールさせて画面を見渡せるようになった。
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セガのSG-1000版でも発売されている。オリジナル版に忠実なのは前作と同様。
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ハドソンの両作品はゲームレコードを競うタイムアタックが何度も開催された。
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ハドソン版「ロードランナー」の魅力の一つにキャラクターの愛らしさが上げられる。オリジナル版は棒人間といった感じで愛嬌が無い。
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主人公「ランナーくん」は、地下で爆弾を作るために働かされていたロボットという独自の設定。そのスピンオフ作品がFC版ボンバーマン。詳しくはリンク先参照。
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オリジナル版「ロードランナー」と「ボンバーマン」の間には何の繋がりもない。あくまでもハドソン独自の設定。
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『裏技』という言葉を生んだバグを持っている。
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パスワード無しの「チャンピオンシップロードランナー」が世に2本作られている。イベント時の進行を円滑にするために作ったとされ、その内の1本は高橋名人が所有している。
アーケード版
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アイレムがBrøderbundの許諾を得てリリース。基本ルールは踏襲しつつも、アーケードらしく制限時間やスペシャルボーナスが導入されたり面構成や敵の挙動など至る所に大胆なアレンジが施されており、結果として21世紀に入ってからも一部のゲームセンターで稼働し続ける名作となった。
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ロードランナー
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1984年リリース。1面はオリジナルとほぼ同じ構成である。意外だが落とし穴(トラップ)は登場せず、アクション性の高い面主体の内容。
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ロードランナー バンゲリング帝国の逆襲
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1984年リリースのアーケード2作目。落とし穴(トラップ)がようやく登場し、時間差堀りを上回る逆転掘りなどの高度なテクニックを求められるようになった。一方で、敵をやり過ごしながらひたすら進む7面や上から敵に金塊を運ばせる12面など、オリジナルではあり得なかった面構成も。
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ロードランナー 魔神の復活
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1985年リリースのアーケード3作目。パズル性がさらに強化し難易度もアップ。だが、これすら生温いと思わせるほどの最終作が翌年登場する。
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ロードランナー 帝国からの脱出
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1986年リリース。アイレム版ロードランナーのアーケード4作目にして最終作。高難易度化は留まるところを知らないようで、動かせるブロックや見えないブロックまで登場する上にありとあらゆるテクニックを駆使しなければならない激ムズの面構成ばかり。2人同時プレイの「ペアゲーム」はシングルプレイとは別の面が用意されており、そこで要求されるプレイは「敵の上の相棒の上に乗って、敵の動きに合わせて相棒と一緒に移動」など、もはや大道芸の領域。