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ファイアーエムブレム 紋章の謎 - (2013/05/16 (木) 08:28:07) の編集履歴(バックアップ)
ファイアーエムブレム 紋章の謎
【ふぁいあーえむぶれむ もんしょうのなぞ】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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任天堂
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開発元
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インテリジェントシステムズ
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発売日
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1994年1月21日
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定価
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9,500円(税抜)
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配信
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バーチャルコンソール 2006年12月26日/900Wiiポイント
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分類
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良作
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ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク
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概要
SRPGの地盤を固めた「ファイアーエムブレムシリーズ」(以下「FE」)の3作目。
ハードをSFCに移したおかげもあり、全てにおいてパワーアップ。「知る人ぞ知る」マイナー作品だったこのシリーズを人気作にまで押し上げることに成功した。
特徴
2部構成の大ボリューム
本作はFC版一作目の『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』(以下「FC版」)のリメイクである「第1部・暗黒戦争編」と、その続編となる新ストーリー「第2部・英雄戦争編」の2本立て。第1部・第2部ともに20章(+α)で構成されており、両方合わせて40章以上に及ぶ大ボリュームの一本である。
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ゲーム開始時に、二部のストーリーからどちらをプレイするか選択可能で、ある条件を満たせば第1部のクリアデータは引き継いで第2部を始めることが可能。このデータを使ったとき専用のエンディングが存在する。
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第1部はF容量問題のせいで一部のキャラやマップが削除されているが、FC版の25章の内20章を収録しており、ストーリーを追う分には全く問題は無い。シリーズ初体験のプレイヤーでも大丈夫。
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第1部は「『第2部だけだとストーリーもなにもあったもんじゃない。新規獲得を狙うにはこれではハードルが高すぎる』ということで追加した」という経緯がある。また、当初は25章のうち数章程度を抜き出したダイジェスト版にする予定だったが、結局全20章(ほぼ収録)になり、プロデューサーも「大丈夫かいな」と先行きを不安視していた。
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第2部は第1部の続編であり、今作の本編にあたる。過去の仲間との対立や王家の紋章「ファイアーエムブレム」の謎が明かされる展開など、第1部のヒロイズム的な内容とは一線を画している。また第1部に比べて序盤から難易度が高く、第1部かFC版のクリア経験者を対象としたかのような難易度設定がされている。
ゲームバランスの再調整
ゲームシステムはFC版を元にしたうえで、各種計算式の変更やバランスの再調整など改良が加えられている。
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戦闘に入る前に敵味方のステータスが表示されるようになり、結果予測を立てるのが容易になった。
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クラスチェンジ仕様が一部変更。FCではクラスチェンジできなかったクラス(アーマーナイトやハンター等)に上級職への道が開かれ、それらのユニットの使い勝手が増した。
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騎兵・飛行ユニットが乗騎から降りて歩兵化できる「乗り降りシステム」を導入。騎乗時は槍・歩兵時は剣といった風に、環境に応じて武器や兵種を使い分けられるようになった。
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アイテムの仕様が一部変更され、武器の使い分けが重要になったり、メリクルソード(FC版では「メリクルレイピア」)が誰でも使えるようになる等している。
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「輸送隊」システムの追加。マップ開始時にアイテムの受け渡しや出し入れが直で可能となり、アイテムの管理がしやすくなった。また、FC版に存在した施設「預かり所」は廃止され、マルスの隣に輸送隊が侍るように仕様変更。マップ攻略中でもマルスに隣接させたキャラは輸送隊を使用できる。
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闘技場の仕様変更。武器の持ち込みはできなくなった代わりに途中で降参することが可能になった。結果として敗死の危険性が若干緩和され、FC版よりも闘技場に入り浸るプレイヤーが増えた。
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特定のキャラクター同士を近くに配置すると戦闘時のパラメータにプラス補正が加わる「支援効果」システムが本格的に導入された。
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本シリーズは「戦場を舞台とする人間ドラマ」としての側面を持っているが、それを戦術面・プレイヤー心理面の両方を補強することに成功している。そして同様のシステムは後続作品にも連綿と受け継がれている。
グラフィックの強化
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ハードをスーパーファミコンに移したことでグラフィックが強化。それが最もよく現れているのがキャラの顔グラフィック。美形キャラの数多い少女漫画的なものとなっており、以後シリーズはこの方向性を継承していく。ただ、FC版のエキゾチックなテイストに思い入れがあるプレイヤーもいる。
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戦闘アニメーションも大幅にクオリティアップし、テンポも良くなっている。戦闘アニメONでもストレスは溜りにくいが、戦略、テンポ重視のプレイヤーのために、戦闘アニメそのものをOFFにすることも可能。
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騎馬ユニットが走れば騎乗者が揺れる、ジェネラルが歩けば鎧が揺れる、と派手さはないが精密で丁寧な作りとなっている。その一方で必殺攻撃時や専用武器を装備したマルスの攻撃はダイナミックな動きで魅せてくれる。
賛否両論点
第2部のストーリー
第2部のストーリーを要約すると、「暗黒戦争の終結を機に建国された「アカネイア神聖帝国」の皇帝に就いたハーディン(第1部の主力キャラの一人で、マルスと共に暗黒戦争を戦った戦友)が、突如主人公マルスの「アリティア王国」を侵略。国を追われたマルスが各地を転戦しつつ体制を整え、やがてアカネイア神聖帝国との全面戦争に突入する」というもの。
このアカネイアとの戦いを縦糸に、さらに竜人族「マムクート」の過去やタイトルの「ファイアーエムブレム」の逸話といった重要設定・世界の謎を横糸にしてストーリーが織られていく。
ストーリーの完成度は非常に高いのだが、その一方で、新たに追加された設定のせいで後味の悪い展開をたどるキャラもいる。
RPGのように特定のキャラに思い入れするのも本作の楽しみ方の一つであるため、お気に入りのキャラが悲劇の結末を迎えることになってしまったプレイヤーの悲しみは計り知れない。