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デビルサマナーソウルハッカーズ - (2012/09/15 (土) 20:31:09) の編集履歴(バックアップ)


デビルサマナーソウルハッカーズ

【でびるさまなーそうるはっかーず】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 セガサターン
発売・開発元 アトラス
発売日 1997年11月13日
価格 ¥6800(税抜)
女神転生シリーズリンク

概要

  • デビルサマナーシリーズの2作目。
  • ネットワークシステム「パラダイムX」が試験運営されたネット都市・天海市を舞台に、ふとしたことからファントムソサエティの陰謀に巻き込まれたハッカー集団「スプーキーズ」の活躍を描く。
  • キャラクターデザインを金子一馬氏が担当し、それを元に副島成記氏がゲーム内グラフィックを描くという形がとられている。この構成はペルソナ2罪・罰にも引き継がれている。

特徴&評価点・改善点

  • 前作真・女神転生デビルサマナーとは打って変わって、女神転生系列作品にしては難易度がやさしめで、かつあらゆる面で親切な仕様になっており、多数の新規ファンの獲得に成功する。
    • 例としてはCOMPの仕様。インストールソフトで様々な機能を搭載したり、簡単な合体くらいならできたり、とシリーズでも有数の多機能ぶりでダンジョン探索の助けになる。
    • 特にありがたがられたのはインストールソフトでダンジョンの攻略中にどこでもセーブが可能になったことである。女神転生系の作品は(特に後半の)ダンジョンが広大で3Dダンジョンという特性上迷いやすく、攻略に数時間を費やすこともあるため、これは本当にありがたがられた。
    • 忠誠度システムも非常に分かりやすく、また前作でやや空気だった性格システムとも統合され、さらに「GO」の時の仲魔AIも賢く(性格「愚鈍」は除く…)なった。
    • これらを逆に「ヌルすぎる」と批判する声もなくはないが。
    • 一方で「開幕ムドオン」や「マイトブレスアギラオ」(要するにシリーズおなじみ即死攻撃)といった女神転生シリーズの系譜をしっかりと踏んだ歯応えのある戦闘も用意している。
  • 戦士として実力がありながら不遇の死を遂げた者の人生を追体験する「ビジョンクエスト」をはじめ、シナリオもなかなかの好評。
    • ビジョンクエスト時の行動で、後に主人公に対して何らかの影響を与えるが、最後のビジョンクエストだけはラスボスの特徴に影響するため、慎重に倒す相手を考えたほうが良い。
    • ビジョンクエストは計3回行うのだが、そのどれもが高レベルの別人を操作してのダンジョン攻略という内容。着目すべき点はその攻略するダンジョンというのが、後に必ず主人公が向かうことになるダンジョンであること。つまり事前に高レベルのキャラを操作してこれから行くダンジョンのチュートリアルができる、というわけである。
      • ビジョンクエストで攻略するダンジョンは一番最初のダンジョン、これまでに比べて一段と広いダンジョン、ラストダンジョンの前半部分というゲーム攻略上の鍵になる場所である。ただし、ビジョンクエスト時と主人公が向かう時ではプレイヤーの性能以外にも差異があり(特に2人目)、飽きさせない。
    • 携帯機器やインターネットの普及を見越したかのような世界観設定、仮想世界にのめり込み過ぎて自分を見失うモブキャラなど、製作陣の先見の明が伺えるシナリオ構成は評価されている。
      • 「ネットは新たなコミュニケーションツールとなる可能性を持っていたが、結局人間性の粗悪な記号化を成しただけだった」という、現在におけるインターネットの負の側面をぴたりと言い当てた台詞も存在する。
  • シリーズ屈指の人気キャラ「ネミッサ」・「メアリ」も登場した。
    • ネミッサは実体を持たない女悪魔であることから、主人公の幼なじみ「ヒトミ」に乗り移って主人公と行動することになる。また冒頭のヒトミの性格についての問いかけによって、習得する魔法タイプが異なる。
    • メアリは悪魔合体を取り仕切っている人物に仕える、美しくも無感情なメイド。話が進行する毎に徐々に心を開いていき、PS版の追加イベントでは微笑を見せてくれる。
  • 戦闘開始ロード時間の短さ。
    • この頃まだCDを使ったゲームの開発に慣れていないメーカーが多く、RPGでありながら戦闘突入時に長時間のロードが挟まれるゲームは珍しくなかった。が、本作は移動→エンカウント演出の流れの間にロードを高速で行っているので戦闘画面を表示がスムーズ。
  • 地味なポイントではあるが、斬激・打撃・銃撃・火炎等の各種属性攻撃でとどめを刺すと、それぞれ異なった消滅の仕方をするのも嬉しい。
    • それにあわせてか、敵の断末魔も数種類用意されており、とどめに応じて異なった声が聞ける。
  • ステージクリア後悪魔合体可能なレベルの制限がなくなる・ダメージ量増加の高難易度化などの2周目に突入できるようになった。
  • CD-ROM2枚組による、前作を上回るボリューム。チョイ役に至るまで個性的でインパクトの強いキャラ、図鑑コンプ自体がやり込み要素と言える数多くの悪魔。
    • 悪魔の口調タイプでは、スタッフの礒貝正吾氏のメモをモチーフにしたという「行きたいね、○○(現実の地名)」「ダメダメくんだね、チミ」といった台詞回しが特徴の「ガインくん」が人気を呼び、真・女神転生Ⅲや葛葉ライドウシリーズ、デビルサバイバー2などに使われるまでになった。代表悪魔はモコイ、オバリヨンなど。

問題点

  • 難しすぎた前作の批判を受けて反省しすぎたのか、通常のRPGと比べ、やや謎解き部分が物足りない。
    • 「パスワードは○○」などの重要キーワードを聞いたら、普通それを覚え入力するのはプレイヤーの役目である。しかし本作では、大抵の場合そこに到達すると同時にネミッサが勝手に正解をたたき出してしまう。
  • ダークゾーンでマップが見やすくなるインストールソフトの存在が空気。完全に視界ゼロだったSFC時代・照明が完全に落ちたようなリアルな暗さのあった前作と違い、本作のダークゾーンはオートマップで詳細が分からなくなるだけでしかない(3D画面ではただ暗いだけで、ダメージゾーンすら目視できてしまう)。
  • 最高位の魔神、破壊神、大天使等が一周目ではほぼ空気。
    • 本編クリア時のレベルは良くて60代後半、その後に解放されるダンジョンをクリアする頃には75に届くぐらいだが、最高位の悪魔は80レベルを超えているのが大半であり、レベル制限が解除される二周目でようやく使えるほど(合体事故を利用するならこの限りでは無い)。もっとも、二周目の序盤~中盤では合体に手間がかかり、活躍は遅くなりがち。

その後の展開

  • 後にPSにも新規イベントやカジノ、懸賞で当選しなければプレイできなかった隠しダンジョンなどを搭載して移植される。1999年4月8日発売→2000年7月27日ベスト化→2003年1月23日PSoneBooks化。
    • PS版の新要素はおおむね好評だが、BGMが若干劣化し、一部曲*1がカットされていたりすることと、全般的にロードがSS版と比べ長いという欠点がある。
  • 追加イベント例・(おそらく自分1人だけ全く活躍できてないことを気にするあまり)無茶をやらかして失敗、逆に敵に利用され、その後別の仲間が死ぬと「何の役にも立たないどころかこいつのせいで仲間が死んだだけ。その仲間の代わりにお前が死ねば良かったのに」とまで批判されたNPCが、逆にその仲間の命を救うべく奔走。
    • ただし、そのためには2周目に突入して、とある2つの選択肢を間違えないようにしなくてはならない。
  • ポケットステーションにも対応し、ミニゲームで育てたキャラを仲魔にできる。
  • 2012年8月30日に3DSで移植版が発売されることとなり、公式サイトではキャラクター達のメッセージが聴ける様になっている。
    • 基本的にPS版を基準とし*2つつ、音楽は全て好評であるセガサターン版の物を使用、戦闘終了の演出など音楽面はSS版を基準とした両機種の良いとこ取りとなっている。
    • 他にも声優陣によるフルボイス化、ロード時間の更なる高速化、すれ違い機能を利用したネメッチーシステム、悪魔全書・剣全書の追加、新ボス追加といった追加要素もある。
    • ただしすれちがい関係の追加要素に関しては概ね不評。これはソウルハッカーズが原因ではないが、3DSのすれちがいはソフトの売上本数で大きく難易度が変わってしまうためであり、都市部以外では一人とすれ違うことすら不可能なプレイヤーも…。

余談

  • 10年以上前の作品だが、この作品のオープニングムービーは非常に完成度が高くサイバーパンクな世界観とよくマッチしており、今なおファンに愛されるオープニングとして知られている。
  • 作中のムービーの使い回しで構成されてはいるが、発売時に流れたCMもこれまた人気が高い。が、BGMとして使われている曲の声をあえてている人が誰なのか、公式の資料も紛失してしまったため、詳細が不明でサントラなどに収録できないのだと言われている。
  • 女神転生シリーズは結構な頻度で4コマ・コミックアンソロジー化されているが、中でも本作は新声社のゲーメストコミックスからも4コマアンソロジー化された。ゲーメストの名の通りアーケードゲームのコミカライズを行っていた中、非常に珍しい(というか唯一の?)家庭用ゲーム原作である。